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2024年12月27日 公開

親会社によるTOBが成立したUUUM [著者ID: 10] 

UUUMのTOBのニュースが、少し前に流れていたので、有価証券報告書が見たいなあと思っていた。UUUMが決算期の変更を行ったため、2024年の有価証券報告書を、そのときは見ることができなかった。

本日、HIKAKIN所属のUUUM上場廃止へ、親会社のTOB成立 (ロイター) というニュースがあった。

そして、本日、EDINET に、有価証券報告書も、ようやく公開された。

そこで、まずは、財務諸表をどんぶり形式で見てみよう。

貸借対照表(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

損益計算書(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

キャッシュフロー計算書(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

貸借対照表(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

損益計算書(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

キャッシュフロー計算書(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

最初、実は決算期が変更になったことに気付かず、特に業績悪化しているようには見えない(どころか、売上増えてる)なあと思った。

だが、2024年9月期は、それまでの5月決算から決算期が4半期以上長い4か月分の売上が加わっての状態なので、単純に比較できない状態だった。

有価証券報告書でも、前の期との比較を行っていない。
さらに、今回のTOBが成立したことで上場廃止となり、UUUMの有価証券報告書は、来期は見ることができない可能性が高いと思われる。

会社が決算期を変更するのは、どんなときに行いたくなるかを考えると、2024年5月期の決算で売上・営業利益の悪化が激しく、9月期に決算期をずらすことで、比較的悪化していないように見せられるタイミングだったのではないかと勘ぐってしまった。が、第11期 第4四半期(S100U1M9)の四半期報告書の第4四半期連結累計期間(2023年6月1日~ 2024年5月31日)の売上高、営業利益を見ると
売上高 ・・・・・ 21,021,310千円
売上原価 ・・・・ 14,624,884千円
売上総利益 ・・・・ 6,396,426千円
販管費 ・・・・・・ 6,175,642千円
営業利益 ・・・・・・ 220,783千円
となっており、業績(売上約230億円→210億円)は悪化しているが、前期と比較して無茶苦茶に悪化しているわけでもなく、予想ができる範囲内の数字だった。

親会社のフリークアウトの決算期は9月なので、今回の2回目のTOBで、UUUMを上場廃止にするにあたって処理しやすいように、単純に、親会社の決算期に合わせたと考える方が自然かもしれない。

フリークアウトの2024年9月期の有価証券報告書を見ると、「前連結会計年度において、UUUM株式会社を連結子会社としたため、報告セグメント「インフルエンサーマーケティング事業」を新設しております。また、当連結会計年度より、従来「広告・マーケティング事業」としていた報告セグメントの名称を「広告事業」に変更しております。」という記述があった。

上場廃止にすることで、今回のケースでは、どんな良いことがあるのかなあと思い、ネットを見ていると、UUUMを上場廃止させるオーナー会社の腹づもり 買収後も業績は低迷、2度目のTOBに至った深層 (東洋経済) という記事があった。

youtube 広告から売上を得ている人の話を聞いたり、この「どんぶり会計」のAdSenseの収益を見たりすると、最近の AdSnese の収益性が落ちているのは間違いなさそうである。
買収したUUUM の重要な収益源の1つが、AdSense であり、これが落ち込んでいることもあり業績が低迷し、株価が低調になっていると言えそう。

そして、上記の東洋経済の記事によれば、フリークアウトは、UUUMを買収したことによるシナジー効果も、あまり生みだせていない状況のようで、営業赤字の恒常化を避けるために、抜本的な対策が必要という危機感から今回の2回目のTOBでUUUMの非上場化に踏み切ったようである。