少子化の影響を受ける学習塾・予備校を運営する上場企業比較(ニチガクの日本学力振興会の破産申請のニュースを受けて) [著者ID: 10]
そこで、学習塾・予備校を運営する企業の財務諸表を見てみることにしました。
その前に、どこの企業を見てみるか、候補を探るために、AIに学習塾の最大手を尋ねました。
下記がその内容です。
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株式上場している学習塾・予備校を運営する企業の売上高ランキングでは、ナガセが1位にランクインしています。ナガセは「東進ハイスクール」や「四谷大塚」を運営する企業です。
学習塾・予備校を運営する上場企業の売上高ランキングは次のとおりです。
1位:ナガセ、2位:リソー教育、 3位:早稲田アカデミー。
また、学習塾・予備校を運営する上場企業には、次のような企業もあります。
市進 HD
明光ネットワークジャパン
秀英予備校
クリップコーポレーション
城南進学研究社
京進
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今回は、その中から、ナガセ、リソー教育、早稲田アカデミーのBS/PLを見てみましょう。
(1)企業買収について
AIで出てきた1位のナガセは、BSを見ると純資産有利子負債比率が356.4臆円/287.7億円で、120%を超えている。これだけの巨額の有利子負債がある理由は、積極的に企業買収をして事業を拡大しているからというのが容易に想像がつく。実際、「ナガセが買収した企業」で検索をかけると非常に多くの企業が出てくる。
検索をかけて、買収した企業として出てくるのは、
・ ダンロップスポーツウェルネス(2024年9月)
・ 早稲田塾(2014年12月)
・ ヒューマレッジ(2023年1月)
・ ブリヂストンスポーツアリーナ株式会社(2022年2月)
・ 株式会社育英舎教育研究所(1992年2月)
少し意外だったのが、フィットネス系の企業を買収していたこと。
直近(2024年9月)の記事では、ダンロップスポーツウェルネスを買収している (日本経済新聞)ようだ。
2位のリソー教育は、有利子負債がない経営をしている。ナガセが企業買収に積極的なのに比べて、リソー教育は消極的なのかなと考えた。
検索すると、ヒューリック、リソー教育を子会社化 最大160億円 (日本経済新聞・2024年4月) という記事がひっかかった。
リソー教育は、企業買収をする側ではなく、される側だった。
ちなみに、リソー教育は、2024年4月に中期計画を次のURLで公開している。
https://www.riso-kyoikugroup.com/img/20240408_03.pdf
3位の早稲田アカデミーは、若干の有利子負債が見てとれることから、企業買収の積極性は、リソー教育より大きく、ナガセより小さいのではないかと考えた。
検索をかけて、買収した企業として出てくるのは、
・幼児未来教育(2024年1月25日)
・集学舎(2017年11月14日)
・クオード・エンタープライズ(2017年11月14日)
・個別進学館(2021年11月)
まずまず、企業買収には積極的なようであるが、ナガセに比べると、買収した企業の規模が小さい印象である。
(2) PLについて
少子化の影響を受けて、学習塾を経営している企業は、売上・営業利益がシュリンクしているような印象があったが、最大手3社の直近5期の状況を見ると、総じて売上・営業利益とも伸びている。
大手3社は、現在のところ、少子化にうまく対応していると言えるのではないだろうか。
AI検索で出てきた中から、大手3社と比較して、次の6社はどのような状況なのか、BS/PLを見てみるのも面白そうだ。
BS/PLを見てみる前の予想では、企業の規模が小さいほど、少子化の影響を受けていて対策が打てていないのではないかと思っているが、実態はどうだろうか。
・ 市進 HD
・ 明光ネットワークジャパン
・ 秀英予備校
・ クリップコーポレーション
・ 城南進学研究社
・ 京進