大和ハウスと積水ハウス [著者ID: 10]
日本の住宅市場は、人口減少により頭打ちだとされる中で、業績を伸ばしているようです。
なぜ業績を伸ばせているのでしょうか。
最大手の2社のPLを見ると、日本の人口減少にも関わらず、順調に売上を伸ばしていることがわかります。
一方で、BSを見ると、有利子負債の伸びが大きいことから、M&Aに積極的なのではないか、ということが想像できます。
実際に2025年1月期の積水ハウスの売上、有利子負債の伸びが大きく、調べてみると、アメリカの大手ホームビルダー M.D.C. Holdings, Inc. を買収したことがわかります。
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/financial/library/ir_document/2023/2023_kaiji/20240118.pdf
大和ハウスについても、企業買収の検索をすると、下記のような記事が出てきます。
https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20240513093320.html
両社ともに、M&Aによる海外への事業展開に積極的であるようです。
事業の売上規模が、ともに4兆円を超える企業なので、この規模で成長を持続するには日本国内だけでは無理なんでしょうね。
【参考】積水ハウスの2025年1月期の有報・財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、各国の金融政策を背景とした物価情勢や国際金融資本市場の動向、地政学リスクが与える影響に注視が必要な状況が継続しているものの、米国において個人消費や設備投資の増加等、内需を中心とした景気拡大が継続するなど、総じて堅調に推移しました。また、わが国の経済は、個人消費の一部に弱い動きがみられたものの、企業の全般的な業況感の改善が継続する中、雇用・所得環境の改善もあり、緩やかに回復しています。
住宅市場は、国内においては、建設コストが高止まりしている影響もあり新設住宅着工戸数が弱含みで推移していますが、持家や貸家の着工には底堅い動きもみられます。一方、米国では、住宅ローン金利が高水準で推移する中、住宅着工の調整局面や中古住宅の在庫減少が継続していますが、人口増に対する慢性的な住宅供給不足を背景に住宅に対する潜在需要は強く、持ち直しの動きもみられています。
このような事業環境の中、当社グループは、2050年を見据えたグローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現に向け、「国内の“安定成長”と海外の“積極的成長”」を基本方針とする第6次中期経営計画(2023年度~2025年度)に基づき、ハード・ソフト・サービスを融合した様々な高付加価値提案等を積極的に推進しました。米国においては、過去50年以上にわたり良質な住宅を供給してきたM.D.C. Holdings, Inc.(以下「MDC社」)を2024年4月に当社の完全子会社とし、米国における戸建住宅事業の展開エリアを拡大しました。
その結果、当連結会計年度における業績は、連結受注高は4,052,604百万円(前期比26.8%増)、連結売上高は4,058,583百万円(前期比30.6%増)となりました。
利益については、連結営業利益は331,366百万円(前期比22.3%増)、連結経常利益は301,627百万円(前期比12.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は217,705百万円(前期比7.6%増)となりました。