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2017年11月2日 公開
資生堂の減損のインパクトは、どれくらい? [著者ID: 10]
前のノート(電通のケース)で取り上げた売上の計上の違いが、IFRSと日本の会計基準との大きな違いだが、定期的なのれんの償却の有無と減損処理の違いの方が、会社の業績に与えるインパクトが大きいことから、この点が注目されることが多い。
昨日の報道で、資生堂で減損が行われるという。
資生堂、手痛い「授業料」 米子会社でまた減損 (日本経済新聞)
IFRSでは、定期的にのれんは償却せず、その代わりに、少なくとも年に1回減損テストをして、その結果によっては、償却が必要になる。
ただ、資生堂は日本会計基準。
「定期的にのれんを償却するから、減損は通常はしないのでは?」と思ったが、それでも減損をしたということは、よほど、米国での事業がうまくいっていないということだろう。
減損を行うことによって、業績に与えるインパクトは、無茶苦茶大きい。
最近では、東芝が原発関連の減損で会社自体が危うくなった。普通の企業だったら、存在できないレベルだ。
資生堂の場合は、どうだろうか?
減損損失655億円という発表。このインパクトは、いかほど?
と気になったので、財務諸表ノート!
昨日の報道で、資生堂で減損が行われるという。
資生堂、手痛い「授業料」 米子会社でまた減損 (日本経済新聞)
IFRSでは、定期的にのれんは償却せず、その代わりに、少なくとも年に1回減損テストをして、その結果によっては、償却が必要になる。
ただ、資生堂は日本会計基準。
「定期的にのれんを償却するから、減損は通常はしないのでは?」と思ったが、それでも減損をしたということは、よほど、米国での事業がうまくいっていないということだろう。
減損を行うことによって、業績に与えるインパクトは、無茶苦茶大きい。
最近では、東芝が原発関連の減損で会社自体が危うくなった。普通の企業だったら、存在できないレベルだ。
資生堂の場合は、どうだろうか?
減損損失655億円という発表。このインパクトは、いかほど?
と気になったので、財務諸表ノート!
授業料としては、報道にある通り、やはり高い授業料です。
2016年12月期でみると、営業利益は、367億円ですから、655億円というと、1年間の本業での利益を吹っ飛ばしてしまうインパクトで大きいです(2年分の営業利益に近い)。
ただ、BSでは、総資産に占める純資産の割合は50%、4,000億円を超えており、有利子負債は減少傾向。キャッシュフローにも問題はなく、国内事業は好調ということで、現時点では、財務基盤は問題なさそう。
比較しているのが、東芝なので、あれなんですが、現段階では、むしろ、日本会計基準なのに積極的に減損をしたというのは、健全な経営だと評価したい感じはします。
まあ、買収における多少の失敗は、どこの企業でもするものなのもありますし、特に、海外の企業買収においては、企業文化だけでなく国の文化の違いもあり、なかなか難しいですね。
【参考】
IFRSと日本基準の会計基準差異 (デロイトトーマツ)
この中の「無形資産」参照。