メルカリの顧客の売上金の扱いの問題と財務諸表 [著者ID: 10]
こんな記事↓が出て、
メルカリ、出品者売上金の預かり期間を短縮 (日本経済新聞)
少しネットが騒がしい↓。
メルカリで「売上金が失効するかも」と不安の声 運営元は対応方針明かさず (ITmedia NEWS)
メルカリ、失効した売上金は「本人確認後に補填する」 対応方針明らかに (ITmedia NEWS)
この記事がYAHOO!のトップに取り上げられていたのだが、メルカリに対し厳しい意見が寄せられている。
この意見の中に、メルカリが危ないというようなコメントがあったので、気になる財務諸表を見てみましょう。
メルカリは、2013年2月に設立され、まだ上場したばかりのスタートアップ企業であり、急成長につき、2018年6月期は、営業利益が出ていません。
それでも、売上が350億円あり、すごいですね。
資産は、ほとんどが現預金。
売上の350億円に対し、現預金の保有は、1,000億円以上。
リッチすぎます。
これは中身が見たくなります。
財務諸表を見てみると、内訳は・・・
(1) 流動資産
(2) 負債
冒頭の日経の記事が指摘しているとおり、『メルカリが資金決済法が定める「資金移動業者」に該当すると判断された場合、同社は利用者からの預かり金の100%以上を金融庁に供託金として保全しなければならない。』ということが経営では気になります。
メルカリが顧客がアプリを通して販売した売上を預かっているのだが、これが財務諸表にある「預り金」として計上されているのだとすると、22億円。現預金や売上に対して少なすぎる額なので、これだと、あんまり問題にならなそう。
一方、未払金は、266億円で流動負債443億円のうち約60%を占めます。メルカリの顧客の取引ボリュームからすると、「預り金」ではなく、この「未払金」にお客さんがメルカリで売り上げたお金が計上されていると考えるのが妥当。ポイントは未払金として計上されていることが多いので、この未払金が、ポイントと同じ扱いだとすると、失効される分を考えて、顧客からの売上金の全額は計上してない可能性もありそうで、この辺りも今回の問題に関係しそうです。
とはいえ、財務諸表を見る限り、未払金を全部すぐにお客さんに対し支払ったとしても、820億円という現預金が残ることになりますので、よっぽどのことがないとYahoo!記事に寄せられたコメントにある「潰れる」ことはないでしょう。