コメダ、スシロー、すかいらーくの共通点とは (貸借対照表・損益計算書の比較) [著者ID: 10]
・ 飲食チェーンで事業展開をしている。
・ 比較的最近上場した。(コメダはIPOで、スシローとすかいらーくは再上場)
・ 会計基準が、IFRSである。
という点が挙げられます。
見た目でわかる比例縮尺財務諸表が特徴のどんぶり会計の得意とするところで、その他の共通点として下記にすぐに気付くことができます。
・ 無形固定資産(のれん)の割合が高い。
・ 有利子負債が大きい。
・ 売上高営業利益率が比較的高い。(*)
これは、会計基準がIFRS(国際会計基準)であることと密接に関連しています。
日本会計基準の場合、のれんを定期的に償却していきます。
しかし、IFRSは定期的なのれんの償却はなく、代わりに減損テストを実施して、その結果によって、損失を計上する減損処理を行います。
IFRSでは定期的なのれんの償却がない分、営業利益が日本会計基準を選択した場合に比べて、大きくなります。
会計基準が異なると単純な比較ができないと言われるのは、こののれんの扱いの違いが大きな理由の1つです。
最近では、米国会計基準ではありますが、東芝が、減損によって、債務超過の危機に陥っている報道が頻繁になされています。
業績が良いときは問題ないが、のれんの割合が高い企業は、減損リスクが高いという指摘があります。業績不振で将来の収益性が見込めなくなり、のれんを償却することが必要になった場合、巨額の損失計上で債務超過になるというリスクです。
(*) 経済産業省 商工業実態基本調査 売上高営業利益率 によると、飲食業を営む大企業の売上高営業利益率の平均は、3.6%。中小企業、11.4%、全体では、8.6%である。
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【財務諸表のデータについて】
株式会社スシローグローバルホールディングスの財務諸表データは、株式会社スシローグローバルホールディングスの新規上場のための有価証券報告書(Iの部) を用いて、シーフル株式会社にて入力し作成したものです。
また、IFRS適用会社の財務諸表は、EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです。