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2020年10月28日 公開

ANAとJAL [著者ID: 10] 

航空業界は新型コロナの影響が大きく、最近、過去最大の赤字、雇用維持・一時出向、機材売却、資金調達などに関する報道が目立っています。

2020年3月期に、すでに新型コロナの影響が出てきているように見受けられますが、2021年3月期のANAは過去最大の5,100億円の赤字の見込みだそうです。

貸借対照表(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

損益計算書(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

キャッシュフロー計算書(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

貸借対照表(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

損益計算書(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

キャッシュフロー計算書(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

まず目につくANAとJALの大きな違いは、有利子負債(グラフの赤い部分)。
JALは一度経営破綻して借金がチャラになっているので、有利子負債が圧縮できていて、ANAより財務状況が良いです。

有形固定資産も気になります。航空会社は、保有している機材が有形固定資産の多くを占めていると思われます。JALの1兆円に対し、ANAは1兆5千億円超です。機材は維持管理コストがかかりますので、ANAは機材を売却するという報道もありましたね。

それから、JALは買掛債務(どんぶり会計では有価証券報告書上は営業未払金を買掛金等と合わせて買掛債務として分類しています)より現預金の額の方が大きいですが、ANAは現預金より買掛債務の額の方が大きい。この辺りを見ると資金繰りは、ANAの方が厳しそうです。



次に類似点。

財務的にANAと比較すればJALは良いと言えるかもしれませんが、JALもANA同様、程度の差はあれ、上のビジュアル財務諸表に示すように、損益計算書の売上高、貸借対照表の総資産、営業キャッシュフローが同じように推移していて、厳しいのが見て取れます。

特に、2020年3月期の新型コロナの影響は、第4四半期だけにも関わらず、安定していた営業キャッシュフローが2020年3月期の決算時の落ち込みが激しいです。新型コロナで航空機の利用が大幅に減りキャッシュが入ってこない中、機体の維持費用とともに人件費も大きく重荷になっています。

報道によると、ANAの2021年3月期は、5,100億円の赤字を見込んでいるようですが、売上高はどのくらいまで落ち込んでいるのでしょうか。

NHKによると、
『ANAホールディングスが27日に発表した、先月までの半年間の中間決算は、
▽売り上げが去年の同じ時期より72%減って2918億円、
▽最終的な損益は、過去最大の1884億円の赤字となりました。』
とありました。

※※

国内線は、Go To トラベルなどの政府に施策で多少顧客が戻ってきてはいるように思いますが、国際線は減便、運航休止が続いているようです。
https://www.anahd.co.jp/ja/jp/topics/notice200206/ (ANA)

下の参考資料にあげた、ANAのプレスリリースを見ると、航空会社は、大変厳しい状況におかれていることがわかります。


【参考資料】
2021年3月期 第2四半期決算および通期業績予想について (ANAのプレスリリース)

【youtube】
リアル半沢直樹!?ANAが“異例”再建案(日テレ・2020年10月27日放送「news zero」より)