サイゼリヤの新型コロナの影響は? [著者ID: 10]
本日(2020年11月26日)EDINETに提出ほやほやのサイゼリヤを見てみたい。
ビジュアル財務諸表で過去10年間の推移を表示させてみた。
2011年からのデータのみになるが、2019年8月期までは、9年連続で売上増だった。
2020年8月期は、売上減とともに、38億円の営業赤字。
過去4年間(2016年~2019年)、有利子負債は、ほぼゼロだった(グラフ上では認識できない程度)が、2020年8月期は約200億円。有価証券報告書を見ると、短期借入金(100億円)とリース債務(流動40億円+固定60億)が、ざっくりとした、その内訳。
短期借入金は、2019年8月期はゼロだったので、短期的な資金繰りのための借入だろうか。
2019年8月期までの9年間の営業キャッシュフローを見てみると、平均して100億円ほどのプラスだったが、2020年8月期は、ほぼゼロ。
このキャッシュフローで、今期足りなかった100億円を借り入れたとも考えられる。
ビジュアル財務諸表だけ見ても、相当ひどい。
新型コロナは、確実に飲食業界に影響を与えている、と言えそうだ。
有価証券報告書上にある「経営方針」とサイゼリヤが認識している「経営環境及び対処すべき課題」は、以下の通り。対処すべき経営課題で、新型コロナウイルス対策が1番目にきている。
(1) 経営者の問題認識と今後の経営方針について
当社グループを取り巻く環境は、非常に厳しく、先行き不安による個人消費の低迷は続くと思われます。外食産業におきましても、食に対する消費者心理の悪化が懸念されることから、引き続き厳しい状況で推移するものと予測しております。さらに食への安心・安全を意識した食材の提供、あるいは外食における見せ掛けの豊かさから真の豊かさを求めるお客様のニーズをどう受け止め、どう発想し、どう展開していくかが重要であると認識しております。
① 国内レストラン事業の利益体質強化
② 海外事業のビジネスモデル確立
③ 国内事業の第2の柱となる新事業開発
④ 人的資産への投資を継続
⑤ 研究開発導入による「食堂業の産業化」の推進
以上のことにより、他社との差別化を図りながら業界における確固たる地位を築きたいと考えております。
(2) 対処すべき課題等
現在、以下の項目を対処すべき課題と考えております。
① 新型コロナウイルス対策
② 利益体質の改善
③ SNSの活用
④ ディナーの強化
⑤ 国内工場再構築
⑥ 既存店改装
⑦ 店舗の作業改善
⑧ 人事制度改善
⑨ キャッシュレス決済の導入
⑩ 新事業開発
⑪ テイクアウト、デリバリーテストの継続
⑫ 海外事業のガバナンス体制見直し