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2021年1月14日 公開

芸能人が多く所属するアミューズ、エイベックスの業績と新型コロナ [著者ID: 10] 

新型コロナの影響をもろに受けてしまうイベント事業。
両社とも厳しい経営状態になっています。

損益計算書(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

キャッシュフロー計算書(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

貸借対照表(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

損益計算書(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

キャッシュフロー計算書(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

貸借対照表(日本基準・連結)
EDINET閲覧(提出)サイトをもとにシーフル株式会社が作成したものです

アミューズは、2020年3月期時点のビジュアル財務諸表上の売上・営業利益ベースでは、新型コロナの大きな影響は見られないように見受けられる。
一方、エイベックスは、2020年3月期時点でも、大きな影響があるように見受けられる。

アミューズ、エイベックス2社の直近の四半期報告書の経営成績の分析を見てみると、両社ともに、今期は、非常に厳しい状況に置かれていることがうかがえる。



(1) アミューズ

(I) 2020年3月期

当連結会計年度のわが国経済は、政府の各種経済政策などにより、企業収益や雇用、所得環境の改善傾向が続き、緩やかな回復基調が継続しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化し、一転厳しい状況となりました。感染症が経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要があり、より一層の金融資本市場の変動などによる影響を注視する必要があります。


当社グループの経営成績は営業収入588億6百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益51億5千5百万円(前年同期比15.1%増)、経常利益51億6千万円(前年同期比11.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益30億1千万円(前年同期比32.2%減)となりました。大型コンサートツアーや関連グッズ収入の増加、コマーシャル収入の増加により増収、営業利益、経常利益は増益となりましたが、第4四半期途中において新型コロナウイルス感染症拡大に起因する政府及び自治体からの自粛要請等によるライブイベントや舞台公演等の中止及び延期等の対応を実施、それに伴いグッズ等の販売も減少したことにより、営業利益、経常利益は急減いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益に関しましては投資有価証券の評価損、公演等の中止による損失などにより減益となりました。



(II) 直近四半期報告書

当第2四半期連結累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況が続いておりますが、政府の各種経済政策による効果もあって、徐々に持ち直しております。しかし、感染症による影響や金融資本市場の変動などによる影響を引き続き注視する必要があります。

当社グループの経営成績は営業収入192億7千9百万円(前年同四半期比35.0%減)、営業利益26億6千7百万円(前年同四半期比35.1%減)、経常利益25億2千1百万円(前年同四半期比38.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益12億5百万円(前年同四半期比47.9%減)となりました。

新型コロナウイルス感染症拡大と全国に緊急事態宣言が発令されたことを受け、ライブイベントや舞台公演等の開催を自粛、それに伴いグッズ等の販売も減少したことにより、前年同四半期に比べ、イベント収入や商品売上が大幅に減少いたしました。また、パッケージ販売やコマーシャル収入などは好調だったものの、出演収入に関しましても大幅に減少したことなどにより減収減益となりました。



また、減収減益の主要因としては、
・ イベント収入(大型コンサートツアー)が大幅に減少
・ 商品売上収入(コンサート関連グッズ)が大幅に減少
・ 出演収入が大幅に減少
が挙げられています。





(2) エイベックス

(I) 2020年3月期

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善等を背景に、全体としては緩やかな回復基調で推移したものの、相次ぐ自然災害の発生や消費増税による個人消費マインドの落ち込み、その後発生した新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界経済の先行きは一気に不透明な状況となりました。

当社グループが属するエンタテインメント業界の環境としましては、音楽ビデオを含む音楽ソフトの生産金額が前年比4.7%減の2,291億29百万円(2019年1月~12月。一般社団法人日本レコード協会調べ)、有料音楽配信売上金額が前年比9.6%増の706億28百万円(2019年1月~12月。一般社団法人日本レコード協会調べ)となりました。映像関連市場につきましては、映像ソフトの売上金額が前年比10.7%減の1,590億93百万円(2019年1月~12月。一般社団法人日本映像ソフト協会調べ)、映像配信市場規模は前年比25.9%増の2,770億円(2019年1月~12月。一般財団法人デジタルコンテンツ協会推計)となりました。

このような事業環境の下、当社グループでは中長期的な成長を実現するために、強いIPの創造に向けて、アーティスト・タレントの発掘・育成及びゲームと連動したアニメ作品の企画・開発、テクノロジーを活かした新たなビジネスの追求、海外において自社IPを用いたイベントを開催する等、国内外の有望なパートナーとの連携による事業開発を進めてまいりました。また、年度終盤においては新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くのライヴ・イベントの開催を自粛することとなりましたが、"エンタメで少しでも日々の楽しみに貢献できたら"との思いからYouTube公式「エイベックス・チャンネル」にて、当社所属アーティストを中心としたライヴ映像コンテンツを無料公開いたしました。

以上の結果、売上高は1,354億69百万円(前年度比15.4%減)、営業利益は40億33百万円(同43.1%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は、営業利益の減少に加え一部事業における固定資産の減損損失等を計上したことにより11億2百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純利益23億54百万円)となりました。




(II) 直近四半期報告書

当社グループが属するエンタテインメント業界の環境としましては、音楽ビデオを含む音楽ソフトの生産金額が前年同期比20.5%減の1,202億81百万円(2020年1月~8月。一般社団法人日本レコード協会調べ)、有料音楽配信売上金額が前年同期比11.0%増の377億58百万円(2020年1月~6月。一般社団法人日本レコード協会調べ)となりました。映像関連市場につきましては、映像ソフトの売上金額が前年同期比7.3%減の943億99百万円(2020年1月~8月。一般社団法人日本映像ソフト協会調べ)となったものの、映像配信市場は、映像配信サービスの強化や、テレビデバイス対応及び5Gの普及等ユーザーの利便性に繋がる環境の変化を踏まえ、今後も拡大することが予想されます。

このような事業環境の下、当社グループでは中長期的な成長を実現するために、強いIPの創造に向けて、アーティスト・タレントの発掘・育成及びアニメ・映像作品やゲーム等の企画・開発、テクノロジーを活かした新たなビジネスの追求、国内外の有望なパートナーとの連携による事業開発を進めてまいりました。

当第2四半期連結累計期間の経営成績としましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に伴うライヴ・イベントの開催自粛の影響により、売上高は342億79百万円(前年同期比44.0%減)、営業損失は22億29百万円(前年同期は営業損失6億88百万円)となりました。また、ライヴ・イベントの開催を自粛したこと等による損失及び従業員に対して支給した休業補償として、災害による損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純損失は32億89百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失17億62百万円)となりました。



セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第2四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

① 音楽事業

ライヴ・イベントの開催自粛の影響や音楽パッケージ作品販売数の減少等により、売上高は184億54百万円(前年同期比58.0%減)、営業損失は22億18百万円(前年同期は営業損失20億58百万円)となりました。


② アニメ・映像事業

イベント関連の売上やアニメ・映像パッケージ作品販売数が減少したこと等により、売上高は48億64百万円(前年同期比26.0%減)、営業利益は1億4百万円(前年同期比64.2%減)となりました。


③ デジタル・プラットフォーム事業

E-コマースの売上が減少したこと等により、売上高は118億60百万円(前年同期比31.0%減)、営業利益は8億49百万円(前年同期比54.5%減)となりました。



④ テクノロジー事業

売上高は8億9百万円(前年同期比71.9%増)、営業損失は6億99百万円(前年同期は営業損失5億5百万円)となりました。


⑤ その他

その他の事業の売上高は19億60百万円(前年同期比18.7%増)、営業損失は2億60百万円(前年同期は営業損失2億77百万円)となりました。