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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10080AN

有価証券報告書抜粋 アジア開発キャピタル株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2016年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社の経営陣は、特に以下の重要な会計方針又は見積りが、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと判断しております。
① 完成工事高の計上基準
当期末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約については工事進行基準を適用し、その他の工事契約については、工事完成基準を適用しております。なお、工事進行基準を適用する工事の当期末における進捗度の見積りは、原価比例法によっております。
② 販売用不動産
個別法による原価法を採用しております。貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法によっております。
③ 有価証券、営業投資有価証券、投資有価証券の評価
当社グループにおいて投資事業は重要な位置を占めており、投資の評価にあたっては重要な判断と見積りがなされております。
市場性のある売買目的有価証券は流動資産における「有価証券」として保有し、市場価額で公正に評価し評価差額を当期の営業損益に計上することとしております。
M&A目的有価証券は流動資産における「営業投資有価証券」として保有し、市場性のあるものについては市場価額で公正に評価し、評価差額を当期の純資産の部における「その他有価証券評価差額金」と負債の部における「繰延税金負債」に計上することとしております。
また、未公開企業の有価証券については、固定資産における「投資有価証券」として計上しており、特に業績が著しく悪化した投資先においては、将来の回復可能性を考慮しマネジメントの判断により公正価額まで評価損を計上する方針としています。
④ 長期貸付金
将来の成長機会を見据えて事業会社への中長期的な貸付を行い、安定的な利息収入を得ることを目的として、その収入は売上計上することとしております。
⑤ 貸倒引当金
連結会計年度末日の債権債務残高に対する貸倒れに備えるため、一般債権については過年度の貸倒実績率を基礎とした将来の貸倒見積率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

(2)経営成績の分析
「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」と同様であります。

(3)財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度に比べ1,338百万円(39.5%)増加し、4,726百万円となりました。
主な増減は、長期貸付金の増加700百万円、関係会社株式の増加636百万円、関係会社長期債権の増加478百万円、有価証券の増加488百万円、投資有価証券の増加365百万円、一方で、現金及び預金の減少756百万円、当社およびデザイア株式会社における投資不動産、販売用不動産の減少269百万円であります。
② 負債
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ628百万円(99.2%)増加し、1,262百万円となりました。
主な増減は、短期借入金の増加839百万円、株式会社六合における工事未払金の減少141百万円および未成工事受入金の減少86百万円であります。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ710百万円(25.8%)増加し、3,463百万円となりました。
主な増減は、新株予約権の権利行使に伴う資本金及び資本剰余金の増加801百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加237百万円、その他有価証券評価差額金の減少277百万円、為替換算調整勘定の減少61百万円等であります。

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況におきましては、新株予約権の権利行使および短期借入金等で財務活動により獲得した資金は1,245百万円となりました。一方これら獲得した資金について、関係会社株式および関係会社債権の取得による支出、長期貸付金による支出、また有価証券の取得等を行った結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較し756百万円減少し、当連結会計年度末には1,142百万円となりました。

(5)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループが計画する事業戦略や事業展開は、主に投資によるものであり、当初の計画が予定通りに遂行できる保証はありません。企業買収、企業提携その他必要な行為を行い、あるいは有効な対策を講じるのが遅れた場合、または何らかの理由によりこれらを実行し得なかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、安定的にキャッシュ・フローを生み出す収益基盤の確立を通じて財務基盤を強化することが最大の経営課題であると認識しており、その実現のために、企業投資および不動産投資等の知識や経験、投資案件の発掘における人的ネットワークの拡充、さらには投資先事業の経営および運営に必要な能力を有する人材の確保・育成を進めてきましたが、これまで思わしい成果が上がっておりませんでした。
また、従来の社内の内部管理および内部統制に係る体制も不十分であり、社内情報共有体制の強化、管理制度の再構築やガバナンス体制の強化が急務の課題となっておりました。
当社は、このような認識を踏まえ、当社の経営体制の刷新と再構築を図るために、2016年1月、国内の広範な業界への人脈と豊富な投資・金融事業の経験を有する網屋信介を、新たな代表取締役社長に選定いたしました。
当社は、網屋のリーダーシップの下で経営再建と財務基盤の強化を進めております。網屋が有する広範な業界への人脈と様々な経営戦略、財務戦略、企業ガバナンスに関する知見・ノウハウを獲得することで、今後の投資事業に関する案件ソーシングの質および量の飛躍的な拡大とともに、当社の経営戦略遂行能力と内部管理体制の更なる改善・向上が可能になり、結果的に当社の中長期的な利益成長につながるものと考えております。
また、当社は、新たな経営体制の下で、実現可能性が高く安定的な収益の確保を実現できる事業分野への経営資源の徹底した集中を行うべく、経営戦略についても新たな方針を定めることとしました。
具体的には、経営方針として、従来から目標として掲げている安定的なキャッシュ・フローを生み出す収益基盤の確立を通じた財務基盤の強化に加え、高い収益率を実現する投資案件の厳選と遂行、厳格なコスト管理、企業ガバナンス体制の向上、および国内金融市場での多様な手法による調達を可能にする財務基盤と経営状態の確立、をその目標に掲げます。また、事業戦略として、投資業務、不動産投資事業、事業アドバイザリーの従来の事業に加え、金融事業についても主な柱として掲げていく方針です。
加えて、内部統制システムの実効性の確保、内部監査の拡充、リスク管理体制の改善・向上、および社内の情報共有システムの質的改善やガバナンス体制の強化についても重要な経営課題として取り組んでおり、組織、人事制度、社内規程等の抜本的な見直しを実施しております。

なお、2015年2月から取り組んできたインドネシアにおける地熱発電事業につきましては、発電プロジェクトの出資持分取得に関する交渉に目ぼしい進展がなかったことに加え、原油価格を中心とする資源価格の低迷という悪条件も発生していることから、当該事業に経営資源を継続して投入するよりも、新たな事業または案件の発掘と遂行に注力する方が、収益基盤の早期の確立という観点から望ましいものと判断し、2016年3月11日付で撤退することを決定いたしました。

当社グループの主な事業の現状は下記の通りです。

① Mabuhay Holdings Corporationとの協業
当社持分法適用関連会社Mabuhay Holdings Corporation(以下、「MHC」といいます。)は、フィリピン証券取引所に上場する投資会社です。
MHCは同じくフィリピン証券取引所に上場する不動産開発会社IRC Properties Inc.(以下、「IRC」といいます。)の株式の約30%を保有しております(間接保有を含みます)。IRCは、マニラ郊外のBinangonan地方に2,200ヘクタールの土地を所有しており、3つの宅地開発プロジェクト(Sunshine Fiesta, Fiesta Casitas, Casas Aurora)を進行中です。
当社は、MHCの株式を取得することにより、同社の大株主としての立場から、IRCに対してビジネスパートナーとなりうる日本企業を紹介し、両社間のジョイントベンチャー等を提案・推進することにより、IRCおよびMHCの企業価値を増大させ、投資収益を得ることができると判断し、2015年6月3日付で、MHCの株式の39.07%を取得いたしました。
また、当社は、同25日付で、香港企業Join Capital LimitedがMHCおよびMHC関連会社Mindanao Appreciation Corporationに対して有する貸付債権を取得しております。当該債権からは、当年度において約221百万円の利息収入を得ており、来年度以降も、利息収入に加えて債権回収益の計上が期待できます。
今後は、当社が日本やアジアで培ってきた人的ネットワークとMHCが保有するフィリピン国内における投資ノウハウやIRCの宅地開発プロジェクトを組み合わせることで、さらなる収益向上に努めてまいります。

② 株式会社六合への事業資金の投融資
当社子会社・株式会社六合は愛知県名古屋市に本社を置く建設会社であり、建築土木の設計・監理・施行等を行っております。
投融資資金の使途としては、下記を想定しております。
Ⅰ デベロッパー(分譲マンション業者)案件の受注
デベロッパー案件の受注は大きな資金負担を伴いますが、売上高・利益への貢献、知名度・信用度の向上といった大きなメリットがあり、耐震技術、最新設備等、施工管理技術の向上のためにも不可欠です。また、ボリューム効果と受注高安定により、協力業者の価格単価も低下することが期待できます。
Ⅱ 大型商業施設案件の受注
最初に入金する必要がある金額が高額となるため、現状では、資金面での制約から、受注を断念するか、他社とジョイントベンチャーを組み、一部資金を負担して頂くことにより、売上高・利益を折半して受注しております。単独受注が可能となれば、売上高・利益への貢献、知名度・信用度の向上につながるとともに、その他一般案件の受注にも有利に働くといった相乗効果が期待できます。
Ⅲ 収益物件の確保
建設業の特徴である景気変動からの影響を最小限に抑えるため、賃貸住宅、事業用借地等の取得を行い、売上高の増加と安定を図ります。また、これら物件の所有により、建物・ビル管理業務を自社で行うことが可能となり、新事業進出の足掛かりとなります。さらに、中古分譲マンションの一室を取得し、リノベーションにより付加価値を付けて売却するといった短期転売事業を行うことも考えております。

③ デザイア株式会社への事業資金の投融資
当社子会社・デザイア株式会社は不動産仲介・販売会社であり、不動産の仲介・取得・販売を行っております。
2015年7月以降は、特に不動産仲介ビジネスに注力し、営業活動を行ってまいりました。
具体的には、国内系不動産仲介企業等と合同で、アジア圏の顧客を開拓し、物件売買の仲介につなげることを目的に、海外現地において日本不動産セミナーを開催いたしました。
しかしながら、今後の事業展開については、中国経済状況の悪化や国内不動産価格の上昇など、不透明性が増大しているため、事業戦略の見直しを行うことを検討しております。
投融資資金の使途としては、不動産取得費用、マーケティング費用および運転資金を想定しております。

④ 金融業への投融資
当社は、2016年3月、新たな事業戦略の柱である金融事業の一環として、質屋・古物買取販売事業を営む株式会社トレードセブン(以下、「トレードセブン」といいます。)の35%の議決権を取得し、同社を持分法適用関連会社とするとともに、同社に対して7億円の貸付を行いました。
トレードセブンは、1968年の創業以来40年超に渡り営業を展開してきた質屋事業を基盤に、多様な取扱商品を対象に、法人向け・個人向け両面において質屋・古物買取販売事業を展開しております。
当社は、トレードセブンの関連会社化を通じて質屋・古物買取販売事業に進出するとともに、同社への貸付を含む資金提供等を行い、当該事業を当社グループの有力な国内投融資事業の一角として育成していくことを目指します。
本件貸付による700百万円は、トレードセブンによる新規店舗出店や、質預かりによる貸付事業(特に法人向け)の拡大に充当される予定です。

⑤ 事業拡大のためのM&Aおよび有価証券・不動産投資
当社は、日本とアジアをつなぐ架け橋となる事業の実践を目的としており、その一環としてのM&Aおよび有価証券・不動産投資を想定しております。
投資資金の使途としては、下記を想定しております。
Ⅰ M&A
(1)非製造業、(2)早期にキャッシュ・フローを見込める、(3)アジア進出もしくはアジア企業との協業を目指している、などの条件に合致する日本企業の株式を取得し、連結子会社化または持分法適用会社化いたします。当社のアジアに関するネットワークを活用し、日本とアジアをつなぐビジネスの創造や企業価値の向上を目指します。
Ⅱ 有価証券投資
アジア企業、またはアジアビジネスに関連する日本企業の株式を主な対象として、連結子会社化および持分法適用会社化のいずれも前提としない純投資目的の有価証券投資を行います。しかしながら、中国を中心とするアジア新興国の経済環境が不透明なことから、かかる投資については、社内において慎重な調査を行い、銘柄を選定することといたします。
Ⅲ 不動産投資
当面は、上記①のフィリピンにおける宅地開発を中心として、その完成およびプロジェクトの成功にリソースを集中することとし、アジア新興国の経済環境が好転するまで、新たな投資を抑制し、当社にとって経済的に有効かつ当社業績に大きく寄与すると判断される案件のみを厳選して投資する方針です。

(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、前連結会計年度まで9期連続して経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、当連結会計年度においては、538百万円の営業損失を計上し、また営業キャッシュ・フローは1,407百万円のマイナスとなっております。一方、当社が保有する同仁医療産業集団有限公司の出資持分を、香港証券取引所上場企業China Medical & HealthCare Group Limited(以下、「CMH」といいます。)の子会社であるJoin Capital Limitedに譲渡し、特別利益として730百万円の投資有価証券売却益が発生した結果、237百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上しております。しかしながら、当該譲渡の対価支払はCMH株式の交付によってなされ、また、当該株式は譲渡日から2年間は売却できないロックアップ条項が設けられているため、現金化するには時間と不確実性を伴います。このため、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社グループは、当該状況を解消、または改善するため、以下の対応策を講じてまいります。
①優良な投資案件の選定と実行
当社は、日本およびアジアを中心とする地域における貢献を標榜し、投資事業を柱とした事業創造を行ってまいりました。今後も、これまで培ってきた中国ビジネスパートナーたちの知識・経験・人脈を活用して、日本、中国のみならず、中国本土の投資家や華僑などが投資ターゲットとしているアジア諸国において、当社グループに経常的な利益、キャッシュ・フローをもたらす優良な投資案件を選定し、積極的な投資を行うことにより、当社グループの収益基盤の安定化、財務体質の強化を図ってまいります。
②財政状態の改善
当社は、財政状態の改善を図るべく、当連結会計年度において、第9回新株予約権の行使により27,543千円、第10回新株予約権の行使により774,000千円を調達するとともに、Sun Hung Kai Financialからの借入により27,341千香港ドル(400,000千円)を調達しております。今後も引き続き、運転資金を確保した上で、上記の投資を実施するため、株式、新株予約権による直接調達、金融機関等からの借入による間接調達、投資不動産の売却等、各種の資金調達の可能性を検討し、財政状態の健全化を図ってまいります。
③子会社および関連会社の収益力の強化
子会社である株式会社六合は、原価管理を徹底しながら受注の拡大に努め、更なる収益力の向上を図ってまいります。また、持分法適用関連会社であるMabuhay Holdings Corporationにおいては、同社関連会社IRC Properties Inc.による宅地開発事業を推進してまいります。同じく持分法適用関連会社である株式会社トレードセブンについては、当社グループの新たな収益源へと育成すべく、追加資金の投入も検討してまいります。
④経費削減
当社グループは、収益基盤の改善を進めるために、組織体制の見直しを行い、事業活動の効率化を図るとともに、人件費等を含む経費の削減に取り組み、事業運営コスト削減を徹底して行い、更なる収益力の強化に努めております。今後もこの方針を継続していく所存です。

事業等のリスク株式の総数等


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