有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1005AT0
エバラ食品工業株式会社 業績等の概要 (2015年3月期)
(1)業績
当連結会計年度(2014年4月1日~2015年3月31日)におけるわが国経済は、各種政策等を背景に全体としては緩やかな回復基調が続き、個人消費にも底堅い動きが見られましたが、依然として消費者マインドの回復には不透明感が残る状況となっております。食品業界におきましては、消費税増税により消費者の生活防衛意識がさらに高まるなか、世帯人数の減少や超高齢化、有職主婦の増加を背景とした食に対するニーズの多様化が進んでおります。
当社グループは、創立60周年を迎える2019年3月期までの期間を見据え、長期的な経営ビジョン「Evolution 60」を策定しました。基本とする戦略方針を「エバラブランドの価値向上」と「ニッチ&トップポジションの確立」と定め、“たれ”の進化とコミュニケーションの進化を経営の軸とし、国内市場での安定した利益創出を実現するとともに、海外市場においても成長基盤を確保してまいります。2015年3月期及び2016年3月期の2年間におきましては、高齢化や単身世帯増加等の国内市場の環境変化を視野に入れて収益基盤の強化を図り、さらに海外市場に対しても積極的に事業を展開してまいります。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、495億75百万円(前期比1.1%減)となりました。消費者の購買機会の減少が依然として続くなか、夏場の天候不順と食肉価格の上昇による影響で『焼肉のたれ』や『黄金の味』が苦戦し、また業務用商品も厳しい市場環境を受けて前期売上高を下回りました。そのなかでも、他のカテゴリーをカバーするには至りませんでしたが、小容量ポーションタイプの『プチッと鍋』が消費トレンドを捉えて大きく売上を伸ばし、新しい価値の創出に向けた取り組みは着実に進展しつつあります。利益面につきましては、本社移転に伴う費用を他の販管費の抑制によりほぼ吸収しましたが、売上高の減少と売上原価率の上昇により、営業利益は16億50百万円(前期比15.0%減)となりました。経常利益は保険解約返戻金等を営業外収益に計上したことにより17億54百万円(前期比6.1%減)、当期純利益につきましては、税制改正の影響で繰延税金資産の取崩しが発生し、法人税等調整額が増加したため、7億91百万円(前期比6.9%減)となりました。
事業におけるセグメントの概況は、以下のとおりであります。
① 家庭用商品
家庭用商品は、鍋物調味料群及びその他群が前期売上高を上回りましたが、肉まわり調味料群及び野菜まわり調味料群が前期売上高を下回りました。
肉まわり調味料群につきましては、『焼肉のたれ』や『黄金の味』が、夏場の天候不順に加え食肉価格の上昇が影響し、前期を下回る水準で推移しました。簡便ニーズに対応したメニュー専用調味料「たれプラス」シリーズが新商品の売上貢献により伸長しましたが、肉まわり調味料群全体の売上高は170億56百万円(前期比3.8%減)となりました。
鍋物調味料群につきましては、消費トレンドを捉えた『プチッと鍋』が、ラインナップの強化や鍋物シーズン本格化の前からプロモーションを打ち出したことも奏功し、大きく売上を伸ばしました。小容量タイプの鍋物調味料市場を拡大させ、前期の2倍を超える販売推移となったことにより、鍋物調味料群の売上高は117億56百万円(前期比2.6%増)となりました。
野菜まわり調味料群につきましては、第2四半期までの野菜価格高騰により苦戦を強いられたことが大きく影響しました。第3四半期以降は前年同期を上回る水準で推移したものの、売上高は45億7百万円(前期比3.3%減)となりました。
その他群につきましては、上質なフレークタイプのカレールウとして認知度を高めた『横濱舶来亭カレーフレーク』が引き続き堅調に売上を伸ばしたほか、『ビビンバの素』等の「韓Kitchen」シリーズの売上貢献もあり、売上高は14億18百万円(前期比8.9%増)となりました。
これらの結果、家庭用商品全体の売上高は347億38百万円(前期比1.2%減)となりました。
② 業務用商品
業務用商品は前期売上高を下回りました。
定番商品を軸にお客様からの採用率向上に努め、コストパフォーマンスの高い「e-Basic」シリーズの育成等に注力してまいりましたが、外食業界においては客足が伸び悩む等の厳しい状況が続いており、業務用商品全体の売上高は85億98百万円(前期比5.7%減)となりました。
以上の結果、食品事業の売上高は433億36百万円(前期比2.1%減)となりました。
その他事業は前期売上高を上回りました。
既存顧客の拡販に努め新規受注も伸ばした物流事業が前期売上高を上回り、また子会社統合による経営の効率化を進めた広告宣伝事業及び人材派遣事業も前期売上高を上回りました。
以上の結果、その他事業の売上高は62億38百万円(前期比6.2%増)となりました。
売上高の内訳は以下のとおりとなります。
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ40億49百万円増加し、当連結会計年度末には102億92百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、21億5百万円(前年同期は39億58百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益において16億77百万円獲得し、売上債権の減少額1億65百万円による増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2億48百万円(前年同期は11億67百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4億85百万円と保険積立金の解約による収入2億29百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、21億61百万円(前年同期は2億86百万円の使用)となりました。これは主に、自己株式の処分による収入24億92百万円によるものであります。
当連結会計年度(2014年4月1日~2015年3月31日)におけるわが国経済は、各種政策等を背景に全体としては緩やかな回復基調が続き、個人消費にも底堅い動きが見られましたが、依然として消費者マインドの回復には不透明感が残る状況となっております。食品業界におきましては、消費税増税により消費者の生活防衛意識がさらに高まるなか、世帯人数の減少や超高齢化、有職主婦の増加を背景とした食に対するニーズの多様化が進んでおります。
当社グループは、創立60周年を迎える2019年3月期までの期間を見据え、長期的な経営ビジョン「Evolution 60」を策定しました。基本とする戦略方針を「エバラブランドの価値向上」と「ニッチ&トップポジションの確立」と定め、“たれ”の進化とコミュニケーションの進化を経営の軸とし、国内市場での安定した利益創出を実現するとともに、海外市場においても成長基盤を確保してまいります。2015年3月期及び2016年3月期の2年間におきましては、高齢化や単身世帯増加等の国内市場の環境変化を視野に入れて収益基盤の強化を図り、さらに海外市場に対しても積極的に事業を展開してまいります。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、495億75百万円(前期比1.1%減)となりました。消費者の購買機会の減少が依然として続くなか、夏場の天候不順と食肉価格の上昇による影響で『焼肉のたれ』や『黄金の味』が苦戦し、また業務用商品も厳しい市場環境を受けて前期売上高を下回りました。そのなかでも、他のカテゴリーをカバーするには至りませんでしたが、小容量ポーションタイプの『プチッと鍋』が消費トレンドを捉えて大きく売上を伸ばし、新しい価値の創出に向けた取り組みは着実に進展しつつあります。利益面につきましては、本社移転に伴う費用を他の販管費の抑制によりほぼ吸収しましたが、売上高の減少と売上原価率の上昇により、営業利益は16億50百万円(前期比15.0%減)となりました。経常利益は保険解約返戻金等を営業外収益に計上したことにより17億54百万円(前期比6.1%減)、当期純利益につきましては、税制改正の影響で繰延税金資産の取崩しが発生し、法人税等調整額が増加したため、7億91百万円(前期比6.9%減)となりました。
事業におけるセグメントの概況は、以下のとおりであります。
① 家庭用商品
家庭用商品は、鍋物調味料群及びその他群が前期売上高を上回りましたが、肉まわり調味料群及び野菜まわり調味料群が前期売上高を下回りました。
肉まわり調味料群につきましては、『焼肉のたれ』や『黄金の味』が、夏場の天候不順に加え食肉価格の上昇が影響し、前期を下回る水準で推移しました。簡便ニーズに対応したメニュー専用調味料「たれプラス」シリーズが新商品の売上貢献により伸長しましたが、肉まわり調味料群全体の売上高は170億56百万円(前期比3.8%減)となりました。
鍋物調味料群につきましては、消費トレンドを捉えた『プチッと鍋』が、ラインナップの強化や鍋物シーズン本格化の前からプロモーションを打ち出したことも奏功し、大きく売上を伸ばしました。小容量タイプの鍋物調味料市場を拡大させ、前期の2倍を超える販売推移となったことにより、鍋物調味料群の売上高は117億56百万円(前期比2.6%増)となりました。
野菜まわり調味料群につきましては、第2四半期までの野菜価格高騰により苦戦を強いられたことが大きく影響しました。第3四半期以降は前年同期を上回る水準で推移したものの、売上高は45億7百万円(前期比3.3%減)となりました。
その他群につきましては、上質なフレークタイプのカレールウとして認知度を高めた『横濱舶来亭カレーフレーク』が引き続き堅調に売上を伸ばしたほか、『ビビンバの素』等の「韓Kitchen」シリーズの売上貢献もあり、売上高は14億18百万円(前期比8.9%増)となりました。
これらの結果、家庭用商品全体の売上高は347億38百万円(前期比1.2%減)となりました。
② 業務用商品
業務用商品は前期売上高を下回りました。
定番商品を軸にお客様からの採用率向上に努め、コストパフォーマンスの高い「e-Basic」シリーズの育成等に注力してまいりましたが、外食業界においては客足が伸び悩む等の厳しい状況が続いており、業務用商品全体の売上高は85億98百万円(前期比5.7%減)となりました。
以上の結果、食品事業の売上高は433億36百万円(前期比2.1%減)となりました。
その他事業は前期売上高を上回りました。
既存顧客の拡販に努め新規受注も伸ばした物流事業が前期売上高を上回り、また子会社統合による経営の効率化を進めた広告宣伝事業及び人材派遣事業も前期売上高を上回りました。
以上の結果、その他事業の売上高は62億38百万円(前期比6.2%増)となりました。
売上高の内訳は以下のとおりとなります。
事業名称及び製品群名 | 前連結会計年度 売上高実績 | 当連結会計年度 売上高実績 | 対前期比 | ||
食品事業 | 百万円 44,278 | 百万円 43,336 | % △2.1 | ||
家庭用商品 | 35,156 | 34,738 | △1.2 | ||
肉まわり調味料群 | 17,732 | 17,056 | △3.8 | ||
鍋物調味料群 | 11,459 | 11,756 | 2.6 | ||
野菜まわり調味料群 | 4,662 | 4,507 | △3.3 | ||
その他群 | 1,302 | 1,418 | 8.9 | ||
業務用商品 | 9,121 | 8,598 | △5.7 | ||
肉まわり調味料群 | 2,828 | 2,597 | △8.2 | ||
スープ群 | 3,498 | 3,472 | △0.7 | ||
その他群 | 2,794 | 2,528 | △9.5 | ||
その他事業(広告宣伝事業、物流事業、人材派遣事業) | 5,871 | 6,238 | 6.2 |
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ40億49百万円増加し、当連結会計年度末には102億92百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、21億5百万円(前年同期は39億58百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益において16億77百万円獲得し、売上債権の減少額1億65百万円による増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2億48百万円(前年同期は11億67百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4億85百万円と保険積立金の解約による収入2億29百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、21億61百万円(前年同期は2億86百万円の使用)となりました。これは主に、自己株式の処分による収入24億92百万円によるものであります。
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