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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100WM3J (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 エレベーターコミュニケーションズ株式会社 事業の内容 (2025年5月期)


沿革メニュー関係会社の状況


当社は、エレベーターやエスカレーター等の昇降機を対象として、「すべてのお客様にスペシャリティメンテナンスをフェアプライスで」をミッションとして、点検、監視、保守、部品交換等のメンテナンスやリニューアルサービスを提供しております。事業の遂行にあたっては、昇降機の品質及び性能の維持・向上、利用者の安心・安全の確保を最優先しつつ、高品質なサービスをリーズナブルかつ迅速に提供することを基本方針としております。

(1) 事業の特徴

当社の事業の主な特徴は、以下のとおりであります。

① リーズナブルな価格設定
当社設立当時のエレベーター等のメンテナンス業界において、メーカーは、それぞれ自社や系列のメンテナンス会社を通じて、自社の製品のみのメンテナンスを行うことが一般的であり、価格やサービス内容に競争原理も働きにくい状況であったと想定しております。
当社は、独立系メンテナンス専業会社であり、開発及び製造コストの負担が想定される上記のメーカー及びメーカー系のメンテナンス会社と比較して、リーズナブルな価格設定が可能であります。

② メーカー各社の昇降機に対応
当社は、独立系メンテナンス専業会社として、国内主要メーカーである三菱電機株式会社、株式会社日立製作所、東芝エレベータ株式会社、日本オーチス・エレベータ株式会社、フジテック株式会社の昇降機にオールマイティに対応したメンテナンスサービスを提供できます。

③ 全国拠点網による広範かつ迅速な営業及びサポート対応
当社は、本書提出日現在において、全国47支店及び出張所を構えており、広範な営業活動を行うとともに、これらの拠点近隣においては、災害発生等人命に関わる緊急時は、通報後速やかに現場到着できる体制を備えております。

④ トータルサービスの提供
当社は、保守業務において昇降機の点検を行った結果、経年劣化が著しい場合、装置の旧式化により時代のニーズに合わなくなった場合は、制御盤、巻上機、モーター等の主要装置のリニューアルを提案・実施することで、トータルなサービス提供が可能であります。

⑤ ITを活用した緊急時対応
当社は、災害や故障等の緊急時にタイムリーかつ適切に対処するため、ITを活用しております。具体的には、QRコードから利用者が当社技術員と直接やりとりできるシステムの提供、社内システム上での災害一覧や災害マップの参照機能の導入等を行っております。

(2) 受注業務形態

当社の報告セグメントは「昇降機メンテナンス事業」の単一セグメントでありますが、以下の2つの受注業務形態でサービスを提供しております。

受注業務形態概 要
保守業務昇降機の点検、監視、緊急時対応
保全・リニューアル業務昇降機の点検結果等に基づく、部品交換・修理、リニューアル


以下、上記の受注業務形態ごとに、具体的なサービス内容及び特徴について、記載いたします。

(3) 保守業務

① 業務内容
エレベーター及びエスカレーターは、集合住宅をはじめ、オフィスビルや高層ビル、ショッピングモール等で人々が効率よく移動するために設置された建物付属電機設備です。これら設備は、適切な運用や操作はもとより、定期又は不定期の点検及び常時監視をすることにより、安全稼働のための機能及び性能を維持し続ける必要があります。これらが適切に行われない場合は、重大な事故や故障に繋がり、利用者の生命や財産に多大な危害を及ぼす恐れがあります。
当社は、これらの事故やトラブルを未然に防ぎ、全ての利用者が安心してご利用いただけるよう、昇降機を対象として、点検及び監視を行う保守業務を行っております。また、当該業務には、災害、事故、故障、停電等の緊急時の対応も含んでおります。

② 保守業務の種類
保守業務は、以下の点検、監視、緊急時対応に大別されます。

保守業務の種類概 要
点 検 ビルオーナー等からの依頼により、当社の技術員が、定期又は不定期でエレベーター及びエスカレーター設備の点検を実施します。また、必要に応じて、清掃、注油、調整、消耗品(電球、各種ヒューズ、ビス・ナット、各種リレーリード線等)の補充・交換等も適宜行います。
当該点検においては、経年劣化、損傷、変形、摩耗、腐食、発生音等の点から、異常・不具合・劣化等に関する調査も行い、改善すべき抜本的な指摘事項が抽出された場合は、ビルオーナー等に改善を提案し、「保全業務」として請け負います。
監 視 通信回線を利用して、24時間365日、当社センター専門スタッフがエレベーターの異常・不具合の発生状況について、遠隔監視を行っております。あらかじめエレベーター運転のために必要とされる箇所を網羅的に特定し、通信回線等を利用して、エレベーター本体の運転状態や機器類等の動作状況を遠隔点検することができます。
緊急時対応 災害、事故、故障、停電等の緊急時に、安全を最優先し、また、当社独自のITシステムを駆使して、迅速に対応いたします。
例えば、エレベーター内に利用者が閉じ込められた際は、利用者はインターホンで当社コントロールセンターと直接通話でき、これにより、閉じ込め故障の状況や動力電源の停電状況の遠隔監視も可能となります。

(注) 建築基準法では、建築物の損傷や腐食等の劣化状況の定期的な点検の一環として、年1回、国家資格である昇降機等検査員による昇降機の定期検査が義務付けられております。

③ 点検のプロセスについて
点検のプロセスは、以下のとおりであります。

点検のプロセス概 要
a.点検の実施 保守・点検作業を行う際に技術員は、点検する部分と作業内容が点検サイクルごとに記載されたシートを使い、初めての点検からサイクルごとにどこをチェックすべきかを把握しながら作業を効率的かつ安全に進めています。物件や点検結果に関する情報については、当社基幹システム「Assist」に記録・蓄積されます。
なお、「Assist」には、過去の故障事例が蓄積されており、当該情報も参照し、点検に当たります。
b.検査・点検結果の報告 年1回の有人の法定検査、通常の有人あるいは、遠隔による任意点検のそれぞれについて、「定期検査報告書」、「点検作業報告書」及び「遠隔点検報告書」を作成し、ビルオーナー等に提出しております。
c.部品交換、修理等 必要に応じて、劣化した部品の交換や修理を行います。交換部品は、原則としてメーカーの純正部品を推奨しております。


④ 緊急時対応について
災害や故障等の緊急時は、「すぐ駆けつけ、すぐ対応する」ことを最優先し、24時間365日体制で、ITを駆使し、以下のような独自の対応を行う仕組みがあります。

「Qサポ」による管理 当社独自の地震災害時WEB復旧要請システム「Qサポ」により、エレベーター内に貼付されたステッカーのQRコードをご利用者自身が読み取り、直接復旧作業の連絡を取ることが可能となります。
また、「Qサポ」では、Googleマップ上で復旧対応時の現地技術員の位置情報が確認できるほか、おおよその現地技術員の到着時間も把握できます。
GPSによる管理 GPSにより、現地技術員の位置情報を常時把握でき、緊急時の現地技術員への出動命令(同時にエレベーターの異常内容を送信)、現地技術員からの状況報告を一括管理できます。
電話回線による対応 電話回線により、エレベーター内の利用者と当社センター専門スタッフや現地技術員との直接通話が可能となります。
「イージスモード」による対処 「イージスモード」は、当社基幹システム「Assist」上で遠隔監視と災害対応の管理を実現する災害時発動機能です。これにより、大規模な災害が発生した場合でも、「イージスモード」に切り替えることで、物件情報が即座に共有され、当社センター専門スタッフと現地技術員は、「災害一覧」と「災害マップ」を参照しながら、リアルタイムで迅速な対応が可能となります。

(注) Google Maps及びGoogleマップは、Google Incの商標又は登録商標です。

⑤ 「イージスモード」と「Qサポ」の内容
2011年に発生した東日本大震災当時は、復旧要請の連絡を電話で受け、故障したエレベーターの場所を口頭で確認したのち、被害にあったエレベーターのある物件の把握、現地技術員への作業指示を行わなければならず、復旧対応に相応の時間を要しておりました。当社では、当時のこれらの教訓を活かし、2014年4月に当社基幹システム「Assist」上の災害時発動機能「イージスモード」の導入、2021年7月に地震災害時WEB復旧要請システム「Qサポ」(お客様閲覧システム及び契約者サイトの開始は2023年10月)の提供を開始いたしました。

a 「イージスモード」について
被災した物件の情報を登録したデータをリアルタイムで社内共有することが可能となります。復旧及びその対応状況等が、ひと目で確認でき、電話やメールでやりとりなく、スムーズな復旧作業を実現しております。



現地技術員は、登録されている災害マップを随時参照・確認しながら、自身のいる場所から最も近い現場に直行することで、迅速かつ効率的に復旧作業を行うことができます。



b 「Qサポ」について
当社がメンテナンスを担当するエレベーター内には、「Qサポ」アクセス用のQRコードが記載されたステッカーが貼付されています。突発的な災害時には、利用者自身で当該QRコードをスマートフォン等で読み取っていただき、直接、復旧要請の連絡が可能となります。
また、「Qサポ」を利用することにより、Googleマップ上で対象エレベーターの設置位置、復旧対応に駆けつける現地技術員の位置情報をリアルタイムでご確認できるほか、おおよその到着時刻を把握することができます。復旧対応時の現地技術員の位置情報の可視化により、万が一、エレベーターに閉じ込められてしまった場合でも、ご利用者様の「安心」につながります。




⑥ 保守業務の契約形態
保守業務における契約形態は、以下の2つに大別されます。

契約形態概 要
POG契約 契約期間1年間を原則として、月々定額で、エレベーターの機能維持を目的として、機器・装置の定期的な点検を実施、併せて、清掃・給油・調整・簡易消耗部品の取替え等を実施する契約形態(監視や緊急時対応含む。)であります。
POGは、「Parts, Oil and Grease」の略称であります。
FM契約 POG契約内容に、劣化した部品の取替えや修理等まで行う契約形式であります。
FMは、「Full Maintenance」の略称であります。


(4) 保全・リニューアル業務

① 業務内容
エレベーターやエスカレーター等の昇降機は、日々の使用により機能劣化が進むため、適切なタイミングで交換、修繕が必要となります。当社では、保守業務での点検結果により、改善すべき抜本的な指摘事項が抽出された場合に、部品交換やリニューアル等を行います。

② 保全・リニューアル業務の種類
保全・リニューアル業務は、以下の保全とリニューアルに大別されます。

保全・リニューアル業務の種類概 要
保 全 点検結果に基づく指摘のもと行う、部品の取替え及び修理業務であります。
なお、保守業務のFM契約に関しても契約対象外の保全工事等については、有償で行う場合があります。
当社は、保守対象の昇降機の故障に関する統計データを蓄積しており、品質管理部門及び故障低減プロジェクトにおいて、故障分析を行っております。分析の結果、故障の発生頻度が高い部品については、ビルオーナー等に対し、一斉に交換を促すことで、故障や長期停止の未然防止に貢献しております。
リニューアル 当社は、安全性、快適性、機能性を向上させるため、老朽化したエレベーター等の昇降機のリニューアル工事を計画的に実施しています。主要部品や制御システムの交換、省エネ機能の導入を通じて、利用者の安心と利便性を確保し、建物全体の価値向上を図ります。
また、エレベーター設置から20年以上が経過すると、保守部品の入手が困難になり、部品交換や修理が困難になる場合があります。当社では、信頼性・安全性・運用効率を高めるため、制御盤や巻上機等の主要部品の一式交換工事や既存設備の撤去を行い、継続的な稼働を支えています。
リニューアルには、以下の2種類があります。
・制御リニューアル:主に制御系の更新を行います。
・準撤去新設リニューアル:既製品の一部を継続・再利用し、撤去新設します。
また、エスカレーターについても、旧トラス(積載荷重を支える建物の骨組み)を再利用し、分割したエスカレーターのパーツを組立てる工法を採用したフルリニューアルも提供しており、通常の撤去新設と比べ、工数を約1/3の約3週間、コストを約50%削減した実績があります。

(注) エレベーターの耐用年数については、国税庁が定める法定年数は17年、公益社団法人ロングライフビル推進協会による計画耐用年数の指針に定める年数は20~25年程度とされております。エレベーターで使用する部品については、一般的には、製造終了後、約25年で部品の供給がなくなることがほとんどであり、部品の供給停止後にエレベーターの故障が発生した場合は、迅速かつ適切な対応が困難となり、長期停止を余儀なくされる恐れもあります。

③ リニューアルの対応
リニューアルにおける目的別の当社の対応は、以下のとおりであります。

目 的当社の対応
地震の対応 地震の初期微動(P波)を感知したときは、管制運転装置を起動し、強制的に最寄階に停止させた後、ドアを開くことで、利用者の閉じ込めを防止するものであります。
停電の対応 停電が発生したときは、バックアップ電源に切り替え、自動着床装置を起動し、自動的に最寄階まで運転した後、ドアを開くことで、利用者の閉じ込めを防止するものであります。
戸開走行の防止 エレベーターの安全対策として、制御機器や駆動装置の故障が発生した場合でも重大な事故を防ぐため、複数の安全装置が設置されています。
まず、ブレーキの二重化により、メインのブレーキが故障しても、補助ブレーキが作動してエレベーターを確実に停止させます。また、特定距離感知装置を使い、ドアが開いた状態でエレベーターが移動しないように監視し、異常を検知した場合には動作を停止させます。
さらに、通常使用する制御装置だけでなく、独立した制御装置を設置することで、メインの制御装置が故障した際にも安全な運行を可能にしています。このようなバックアップシステムにより、ドアが開いたままの走行(戸開走行)や挟まれ事故といった人命にかかわる事故を未然に防ぐ仕組みです。
意匠性の向上 当社が特許を取得した操作盤をはじめ、ドア、かご内(天井、壁等)のデザイン等を刷新し、新しいエレベーター空間を提供するものであります。


(5) 事業の系統図

事業の系統図は、以下のとおりであります。





(注) 1.案件紹介者や代理店に対し、紹介料を支払う場合があります。
2.メーカーや他の独立系メンテナンス会社から、保守業務を受託するケースもあります。
3.建築基準法においては、昇降機等検査員による年1回の法定検査を実施し、その検査結果をビルオーナー等である昇降機所有者又は昇降機管理者に報告することが義務付けられております。

沿革関係会社の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E40516] S100WM3J)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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