オイシックス・ラ・大地株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2017年3月期)

当社グループの財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計基準に基づいて作成しております。その作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

(2)財政状態の分析
当社は、2017年3月31日を効力発生日とした株式交換により株式会社大地を守る会を子会社化しております。また、当該子会社化に伴い、同社の子会社であった株式会社フルーツバスケットも連結子会社(当社の孫会社)となっております。
これにより、当連結会計年度末において、両社の貸借対照表のみを連結財務諸表に含めております。

① 資産
当連結会計年度末における流動資産は10,687,842千円となり、主な内訳は、現金及び預金5,247,897千円、売掛金3,124,366千円であります。固定資産は4,363,328千円となり、内訳は、有形固定資産785,210千円、無形固定資産2,635,549千円(うち、のれん1,842,319千円)、投資その他の資産942,568千円であります。
この結果、総資産は15,051,170千円となります。

② 負債
当連結会計年度末における流動負債は5,333,560千円となり、主な内訳は、買掛金2,632,567千円、未払金1,925,973千円であります。固定負債は569,832千円となり、主な内訳は、資産除去債務106,172千円、その他378,085千円であります。
この結果、負債合計は5,903,392千円となります。

③ 純資産
当連結会計年度末における純資産合計は9,147,778千円となりました。主な内訳は、資本金929,948千円、資本剰余金4,944,329千円、利益剰余金3,272,882千円であります。
この結果、自己資本比率は60.8%となりました。

(3)経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度においては、主力である宅配事業(Oisix)において、定期宅配サービス「おいしっくすくらぶ」会員数が、前連結会計年度末(2016年3月末)には111,036人から、当連結会計年度末(2017年3月末)には137,359人へと増加し、期初に目標とした125,000人を上回る結果となりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は23,016,775千円となりました。

② 売上原価、売上総利益
当連結会計年度における売上原価は、11,817,630千円となりました。これは主に、宅配事業(Oisix)における売上拡大に伴い商品仕入が増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、11,199,144千円となりました。

③ 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、10,446,373千円となりました。これは主に、売上拡大に伴う荷造運賃発送費の増加、新規会員獲得のための販売促進費の増加等によるものです。
この結果、当連結会計年度の営業利益は752,770千円となりました。


④ 営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外損益では、受取補償金、資材リサイクル収入、受取配当金などの計上により、営業外収益29,756千円、営業外費用4,477千円を計上いたしました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は778,049千円となりました。

⑤ 特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税等合計は262,688千円となりました。
この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は515,226千円となりました。

(4)キャッシュ・フローの状況の分析
「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

(5)現状と見通し
今後のわが国経済は、各種経済政策の効果などにより緩やかな回復に向かうことが期待される一方で、米国の新政権での保護主義的な政策による影響や英国のEU離脱による影響など国際情勢の変化や、金融資本市場の変動の影響などによりわが国の景気が下押しされるリスクもあり、引き続き先行き不透明な状況が想定されます。
このような環境の下、当社グループは株式会社大地を守る会との経営統合により、より幅広いニーズ・年代へ顧客ターゲットを広げることが実現可能となりました。引き続き、高付加価値食品・食材の市場や、ECを活用した食品宅配市場におけるトップ・ブランドとしての地位確立・高い成長を目指してまいります。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループとしては、安心・安全な食品・食材を求める消費者層は今後も引き続き拡大するものと見込んでおり、また利便性の高いインターネットを通じた商取引(EC)も今後とも成長していくと予想されることから、当社グループの主たる事業である食品宅配事業の成長余力は依然として大きいものと考えております。
このような環境の下、当社グループとしては、更なる成長、企業規模の拡大とともに「Oisix」ブランド及び「大地宅配」ブランドの価値向上を図ることにより、我が国におけるオーガニック系食品業界のリーディング・カンパニーを目指してまいります。
このため、中長期的な経営戦略としましては、外部大型ウェブサイトとの提携や積極的な販売促進による更なる新規顧客の開拓のほか、収益性の向上を図るため、お客様の嗜好や属性に合わせたマーケティングの実施による顧客単価の向上や、競合他社と比較した場合のサービスの差別化・競争力強化が重要であると認識しております。