有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10058JF
オリンパス株式会社 業績等の概要 (2015年3月期)
(1) 業績
当期における世界経済は、米国においては雇用情勢の改善など着実な回復が見られるものの、欧州では政府債務問題が続き、アジアなどの新興国市場は中国の成長率が鈍化するなど拡大テンポの減速感が強まっており、全体としては緩やかに回復しながらも不安要素の残る状況となりました。また、わが国経済は、円安の進行等により企業業績が改善していることで景気の回復基調が続いているものの、消費税の増税により個人消費が落ち込むなど、先行き不透明な状況となりました。
このような経営環境の中、当社グループは2013年3月期を初年度とする「中期ビジョン」(中期経営計画)の基本戦略である「事業ポートフォリオの再構築と経営資源の最適配分」「コスト構造の見直し」「財務の健全化」「ガバナンスの再構築」に基づき、医療事業への戦略投資による成長の加速、グループ組織の再編決定による新経営体制の構築など、当期も着実に取組みを進めてまいりました。
医療事業においては、主力である消化器内視鏡分野において国内外で引き続き販売を伸ばしたほか、外科分野のさらなる成長に向けて主に北米のセールス強化を進めるべく投資を行いました。科学事業においては商品群別から顧客群別への戦略転換を実施し、拠点統合などの改革により事業の効率化を進めました。映像事業においては、コンパクトカメラからミラーレス一眼へのシフトを一段と進めるとともに、BtoBビジネスの拡大に向けた投資を実施しました。
これらの取組みを行った結果、当社グループの連結売上高は、医療事業および科学事業が増収となり、7,646億71百万円(前期比7.2%増)となりました。営業利益については、医療事業および科学事業の増益に加え、その他事業が不採算事業の撤退により前期の赤字から黒字に転換したことで、909億62百万円(前期比23.9%増)となりました。経常利益については、営業利益の増加を主要因として727億82百万円(前期比43.0%増)となりました。また、米国反キックバック法等関連損失を主とした特別損失を638億48百万円計上したこと等により、当期純損失は87億37百万円(前期は136億27百万円の当期純利益)となりました。
また、当期においては、741億1百万円の研究開発費を投じるとともに、477億43百万円の設備投資を実施しました。
為替相場は前期と比べ、対米ドル、対ユーロともに円安で推移しました。期中の平均為替レートは、1米ドル=109.93円(前期は100.24円)、1ユーロ=138.77円(前期は134.37円)となり、売上高では前期比394億円の増収要因、営業利益では前期比144億円の増益要因となりました。
なお、当期より、従来「ライフ・産業」としていた報告セグメントの名称を「科学」に変更しております。
セグメントの業績は次のとおりです。
(注) 製品系列を基礎として設定された事業に、販売市場の類似性を加味してセグメント区分を行っています。
医療事業
医療事業の連結売上高は5,583億48百万円(前期比13.4%増)、営業利益は1,248億94百万円(前期比10.8%増)となりました。
消化器内視鏡分野において、主力の内視鏡基幹システム「EVIS EXERA Ⅲ(イーヴィス エクセラ スリー)」および「EVIS LUCERA ELITE(イーヴィス ルセラ エリート)」の売上が引き続き好調に推移しました。また、外科分野においては、内視鏡外科手術をサポートする内視鏡統合ビデオシステム「VISERA ELITE(ビセラ・エリート)」と一般外科・泌尿器科等の各診療科で使用されるビデオスコープ、3D内視鏡システム、エネルギーデバイス「THUNDERBEAT(サンダービート)」が引き続き売上を伸ばしました。処置具分野では、膵胆管等の内視鏡診断・治療に使用するディスポーザブルガイドワイヤの新製品「VisiGlide 2(ビジグライド・ツー)」、ポリープや病変部の止血等で使用するディスポーサブル回転クリップ装置「QuickClip Pro」が売上げを伸ばし、全分野で増収となりました。
医療事業の営業利益は、増収により増益となりました。
科学事業
科学事業の連結売上高は1,038億80百万円(前期比5.5%増)、営業利益は68億37百万円(前期比38.5%増)となりました。
ライフサイエンス分野においては、生命科学の最先端研究に使用されるレーザー走査型顕微鏡「FLUOVIEW(フロービュー)FVMPE-RS」の販売が貢献したものの、国内において研究施設の予算執行が一時的に鈍化した影響もあり、ほぼ横ばいとなりました。一方、産業分野においては企業の設備投資が活発化したことで各種製品が好調となり、シリーズ最高画質を実現した工業用ビデオスコープ「IPLEX(アイプレックス)RX」「IPLEX RT」や社会インフラの非破壊検査に使用される「OmniScan(オムニスキャン)」シリーズなどが販売を伸ばしたことで増収となり、両分野の合計も増収となりました。
科学事業の営業利益は、増収に加えて販売拠点の統合等による費用圧縮を進めた結果、増益となりました。
映像事業
映像事業の連結売上高は838億25百万円(前期比12.8%減)、営業損失は138億70百万円(前期は91億82百万円の営業損失)となりました。
デジタル一眼カメラの分野においては、OM-Dシリーズが欧州で販売を伸ばしたほか、「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」等の交換レンズも販売が順調に進みましたが、コンパクトカメラの分野において、市場の縮小に合わせて販売台数を絞り込んだことにより、映像事業全体の売上は減収となりました。
映像事業の営業損益は、減収に加え在庫を厳格に再評価し評価減を取ったこと、BtoBビジネスの拡大に向けた投資を実施したこと等により、損失幅が拡大しました。
その他事業
その他事業の連結売上高は186億18百万円(前期比29.4%減)、営業利益は11億90百万円(前期は53億56百万円の営業損失)となりました。
事業ドメインへの経営資源の集中を進めるべく非事業ドメインの整理を行い、前期にバイオロジクス事業から撤退したこと等により、その他事業の売上高は減収となりましたが、営業利益は黒字化しました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比較して415億35百万円減少し、2,098億9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により増加した資金は668億11百万円(前連結会計年度は723億88百万円の増加)となりました。主な増加要因は、米国反キックバック法等関連損失538億66百万円、及び減価償却費412億19百万円、のれん償却額94億21百万円、証券訴訟関連損失68億16百万円等の非資金項目の損益の調整によるものです。主な減少要因は、売上債権の増加130億20百万円、利息の支払額90億55百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により減少した資金は396億12百万円(前連結会計年度は202億73百万円の減少)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得359億55百万円、無形固定資産の取得51億43百万円等によるものです。主な増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入11億57百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により減少した資金は701億85百万円(前連結会計年度は396億93百万円の減少)となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出770億61百万円等によるものです。主な増加要因は、短期借入金の純増減額79億77百万円等によるものです。
売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) | 当期純利益又は 当期純損失(△) (百万円) | 1株当たり 当期純利益又は 当期純損失(△) (円) | |
当連結会計年度 | 764,671 | 90,962 | 72,782 | △8,737 | △25.53 |
前連結会計年度 | 713,286 | 73,445 | 50,913 | 13,627 | 41.05 |
増減率 | 7.2% | 23.9% | 43.0% | - | - |
当期における世界経済は、米国においては雇用情勢の改善など着実な回復が見られるものの、欧州では政府債務問題が続き、アジアなどの新興国市場は中国の成長率が鈍化するなど拡大テンポの減速感が強まっており、全体としては緩やかに回復しながらも不安要素の残る状況となりました。また、わが国経済は、円安の進行等により企業業績が改善していることで景気の回復基調が続いているものの、消費税の増税により個人消費が落ち込むなど、先行き不透明な状況となりました。
このような経営環境の中、当社グループは2013年3月期を初年度とする「中期ビジョン」(中期経営計画)の基本戦略である「事業ポートフォリオの再構築と経営資源の最適配分」「コスト構造の見直し」「財務の健全化」「ガバナンスの再構築」に基づき、医療事業への戦略投資による成長の加速、グループ組織の再編決定による新経営体制の構築など、当期も着実に取組みを進めてまいりました。
医療事業においては、主力である消化器内視鏡分野において国内外で引き続き販売を伸ばしたほか、外科分野のさらなる成長に向けて主に北米のセールス強化を進めるべく投資を行いました。科学事業においては商品群別から顧客群別への戦略転換を実施し、拠点統合などの改革により事業の効率化を進めました。映像事業においては、コンパクトカメラからミラーレス一眼へのシフトを一段と進めるとともに、BtoBビジネスの拡大に向けた投資を実施しました。
これらの取組みを行った結果、当社グループの連結売上高は、医療事業および科学事業が増収となり、7,646億71百万円(前期比7.2%増)となりました。営業利益については、医療事業および科学事業の増益に加え、その他事業が不採算事業の撤退により前期の赤字から黒字に転換したことで、909億62百万円(前期比23.9%増)となりました。経常利益については、営業利益の増加を主要因として727億82百万円(前期比43.0%増)となりました。また、米国反キックバック法等関連損失を主とした特別損失を638億48百万円計上したこと等により、当期純損失は87億37百万円(前期は136億27百万円の当期純利益)となりました。
また、当期においては、741億1百万円の研究開発費を投じるとともに、477億43百万円の設備投資を実施しました。
為替相場は前期と比べ、対米ドル、対ユーロともに円安で推移しました。期中の平均為替レートは、1米ドル=109.93円(前期は100.24円)、1ユーロ=138.77円(前期は134.37円)となり、売上高では前期比394億円の増収要因、営業利益では前期比144億円の増益要因となりました。
なお、当期より、従来「ライフ・産業」としていた報告セグメントの名称を「科学」に変更しております。
セグメントの業績は次のとおりです。
売上高 | セグメント利益又はセグメント損失(△) | |||||
前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減 (百万円) | |
医療 | 492,296 | 558,348 | 13.4 | 112,735 | 124,894 | 12,159 |
科学 | 98,510 | 103,880 | 5.5 | 4,935 | 6,837 | 1,902 |
映像 | 96,111 | 83,825 | △12.8 | △9,182 | △13,870 | △4,688 |
その他 | 26,369 | 18,618 | △29.4 | △5,356 | 1,190 | 6,546 |
小計 | 713,286 | 764,671 | 7.2 | 103,132 | 119,051 | 15,919 |
消去又は全社 | ― | ― | ― | △29,687 | △28,089 | 1,598 |
連結計 | 713,286 | 764,671 | 7.2 | 73,445 | 90,962 | 17,517 |
医療事業
医療事業の連結売上高は5,583億48百万円(前期比13.4%増)、営業利益は1,248億94百万円(前期比10.8%増)となりました。
消化器内視鏡分野において、主力の内視鏡基幹システム「EVIS EXERA Ⅲ(イーヴィス エクセラ スリー)」および「EVIS LUCERA ELITE(イーヴィス ルセラ エリート)」の売上が引き続き好調に推移しました。また、外科分野においては、内視鏡外科手術をサポートする内視鏡統合ビデオシステム「VISERA ELITE(ビセラ・エリート)」と一般外科・泌尿器科等の各診療科で使用されるビデオスコープ、3D内視鏡システム、エネルギーデバイス「THUNDERBEAT(サンダービート)」が引き続き売上を伸ばしました。処置具分野では、膵胆管等の内視鏡診断・治療に使用するディスポーザブルガイドワイヤの新製品「VisiGlide 2(ビジグライド・ツー)」、ポリープや病変部の止血等で使用するディスポーサブル回転クリップ装置「QuickClip Pro」が売上げを伸ばし、全分野で増収となりました。
医療事業の営業利益は、増収により増益となりました。
科学事業
科学事業の連結売上高は1,038億80百万円(前期比5.5%増)、営業利益は68億37百万円(前期比38.5%増)となりました。
ライフサイエンス分野においては、生命科学の最先端研究に使用されるレーザー走査型顕微鏡「FLUOVIEW(フロービュー)FVMPE-RS」の販売が貢献したものの、国内において研究施設の予算執行が一時的に鈍化した影響もあり、ほぼ横ばいとなりました。一方、産業分野においては企業の設備投資が活発化したことで各種製品が好調となり、シリーズ最高画質を実現した工業用ビデオスコープ「IPLEX(アイプレックス)RX」「IPLEX RT」や社会インフラの非破壊検査に使用される「OmniScan(オムニスキャン)」シリーズなどが販売を伸ばしたことで増収となり、両分野の合計も増収となりました。
科学事業の営業利益は、増収に加えて販売拠点の統合等による費用圧縮を進めた結果、増益となりました。
映像事業
映像事業の連結売上高は838億25百万円(前期比12.8%減)、営業損失は138億70百万円(前期は91億82百万円の営業損失)となりました。
デジタル一眼カメラの分野においては、OM-Dシリーズが欧州で販売を伸ばしたほか、「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」等の交換レンズも販売が順調に進みましたが、コンパクトカメラの分野において、市場の縮小に合わせて販売台数を絞り込んだことにより、映像事業全体の売上は減収となりました。
映像事業の営業損益は、減収に加え在庫を厳格に再評価し評価減を取ったこと、BtoBビジネスの拡大に向けた投資を実施したこと等により、損失幅が拡大しました。
その他事業
その他事業の連結売上高は186億18百万円(前期比29.4%減)、営業利益は11億90百万円(前期は53億56百万円の営業損失)となりました。
事業ドメインへの経営資源の集中を進めるべく非事業ドメインの整理を行い、前期にバイオロジクス事業から撤退したこと等により、その他事業の売上高は減収となりましたが、営業利益は黒字化しました。
(2) キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減 (百万円) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 72,388 | 66,811 | △5,577 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △20,273 | △39,612 | △19,339 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △39,693 | △70,185 | △30,492 |
現金及び現金同等物期末残高 | 251,344 | 209,809 | △41,535 |
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により増加した資金は668億11百万円(前連結会計年度は723億88百万円の増加)となりました。主な増加要因は、米国反キックバック法等関連損失538億66百万円、及び減価償却費412億19百万円、のれん償却額94億21百万円、証券訴訟関連損失68億16百万円等の非資金項目の損益の調整によるものです。主な減少要因は、売上債権の増加130億20百万円、利息の支払額90億55百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により減少した資金は396億12百万円(前連結会計年度は202億73百万円の減少)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得359億55百万円、無形固定資産の取得51億43百万円等によるものです。主な増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入11億57百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により減少した資金は701億85百万円(前連結会計年度は396億93百万円の減少)となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出770億61百万円等によるものです。主な増加要因は、短期借入金の純増減額79億77百万円等によるものです。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02272] S10058JF)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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