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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1009T4T

有価証券報告書抜粋 キユーピー株式会社 研究開発活動 (2016年11月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、おいしさ、やさしさ、ユニークさを大切に、世界の食と健康に貢献するために、適正価格で食品をお客様に提供するという姿勢のもと、「調味料」、「タマゴ」、「サラダ・惣菜」、「加工食品」および「ファインケミカル」の各事業に関する研究開発に取り組んでいます。

研究開発は、主として当社研究開発本部、および生産技術部、国内連結子会社ではアヲハタ株式会社、株式会社カナエフーズ、デリア食品株式会社、キユーピー醸造株式会社、コープ食品株式会社、株式会社サラダクラブなど、海外連結子会社ではHENNINGSEN FOODS, INC.、北京丘比食品有限公司、杭州丘比食品有限公司、KEWPIE(THAILAND)CO.,LTD.、KEWPIE MALAYSIA SDN.BHD.およびKEWPIE VIETNAM CO.,LTD.などの各研究開発部門が連携、協力して行っています。
特に当社研究開発本部は、グループの研究開発の中核として、オリジナリティのある技術や原料素材を創出し、技術から生まれる感動をお客様に商品として提供し、食を通じて世界のお客様のライフスタイルを革新できるよう、研究開発を行っています。
当社研究開発本部は、グループの新たな挑戦で飛躍的成長を実現するために、グループオフィスの中で「ものづくりと新価値づくり」の役割を担う仙川キユーポートを活用して、研究開発におけるグループシナジーの発揮と付加価値創出力を強化しています。社外との連携においては、国内外の研究機関とのオープンイノベーションに積極的に取り組み、価値の高い研究開発を加速しています。
また、10月には新たに生み出された技術から新たな市場・新たなカテゴリーの開発につなげる動きを、マーケティング本部や関連部署などと連動して推進するために、商品開発研究所内に「市場開発チーム」を新設しました。
これらの研究開発と並行して生産技術部門では、これまで築き上げた豊富な独自技術を活用して、研究部門の開発商品を品質第一で具現化するための設備開発を行っています。また、独創的な現場IT技術を駆使して、グループの生産効率向上や品質保証体制を高める生産環境の実現、標準化されたシステム開発を行っています。
なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、40億28百万円です。
また、報告セグメントにおける研究開発活動の概要とその成果は次のとおりです。

(1)調味料、タマゴ、サラダ・惣菜、加工食品、ファインケミカル
当連結会計年度において、研究開発活動の中で創出した新規技術は、35件学会で発表し、7件論文に投稿し掲載されました。以下の表には代表的な発表を示します。

タイトル学会共同研究先
酵素加水分解卵殻膜のヒト皮膚線維芽細胞に対する作用日本抗加齢医学会
血清コレステロール高値男性を対象とした鶏卵摂取試験-血清脂質濃度とLDL酸化指標の検討第48回 日本動脈硬化学会総会・学術集会お茶の水女子大学
生体分子の間接電解による分子内ジスルフィド結合の形成電気化学会東京農工大学
アルギニンによる卵白タンパク質の加熱凝集の抑制機構日本蛋白質科学会筑波大学
各種乳化剤を用いた安定な経腸栄養剤の調製とその評価日本薬学会明治薬科大学
調理済み食品の官能評価及び物性測定による学会分類2013(食事)の適合第22回 摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会日本女子大学、
神奈川工科大学他
酢酸菌酵素によるにおい低減効果におい・かおり環境学会
品種の違いによるジャガイモのライマン価と芋のなめらかさとの関係性日本食品科学工学会
稲作における卵殻の施肥が米の食味に及ぼす影響日本食品科学工学会名古屋大学、
新潟薬科大学
陽極酸化によるオボアルブミンのジスルフィド結合形成反応日本食品科学工学会東京農工大学
電解処理卵白の特性日本食品科学工学会東京農工大学
卵白起泡時におけるタンパク質の挙動と相互作用の解析日本食品科学工学会静岡県立大学
乾燥卵白を泡立てた際のタンパク質の挙動日本食品科学工学会静岡県立大学
プリンの物性とおいしさに及ぼすマヨネーズ配合の影響日本調理科学会
新鮮卵と保存卵の風味に関する研究日本調理科学会東京家政大学
マヨネーズのこくが減塩効果に及ぼす影響日本調理科学会
Japanese Styleマヨネーズはマレーシア人の血清LDLコレステロール濃度を低下させる第28回 夏期油脂・コレステロール研究会マレーシア国民大学、
マラヤ大学他
リゾホスファチジルコリンの臨床分離MRSAに対する抗菌作用の検討MRSAフォーラム東京医科大学
がん患者の嗅覚変化への食事工夫:患者食事アンケート実施結果について第20回 日本病態栄養学会学術集会淑徳大学、
国立がん研究センター中央病院
加熱変性リゾチームを用いたヒトノロウイルスの不活化第112回 日本食品衛生学会学術講演会東京海洋大学
東京医科大学
加熱変性リゾチームを用いたA型肝炎ウイルスの不活化と食品媒介性ウイルス汚染ベリーの洗浄第112回 日本食品衛生学会学術講演会東京海洋大学
ノロウイルスの不活化効果に対するエタノールの影響とその作用機序第112回 日本食品衛生学会学術講演会東京海洋大学
Prediction of Denaturation Level of Spray-dried Egg Yolk during Processing and Storage20th International Drying Symposium京都大学
The taste enhancing effects of egg peptides increasing in high temperature storage mayonnaiseAssociation for Chemoreception Sciences (AChemS)韓国食品研究院
The effects of egg white peptides ingestion for long distance runners on muscle-fatigue in endurance training10th the International Conference on Strength Training 2016北海道教育大学、
神奈川大学
Dynamic Structure Analysis of Egg Yolk Denaturation with Phosphorus-31 Nuclear Magnetic ResonanceInternational Egg Symposium東京農工大学


タイトル掲載雑誌共同研究先
The effect of the consumption of egg on serum lipids and antioxidant status in healthy subjectsJournal of Nutritional Science and Vitaminology Vol.62 No.5, 361-365お茶の水女子大学
Oral hyaluronan relieves knee pain: a reviewNutrition Journal東京大学
Effects of a Japan Diet Intake Program on Metabolic Parameters in Middle-Aged Men: A Pilot StudyJournal of Atherosclerosis and Thrombosis日本女子大学
Anodic oxidative modification of egg white for heat treatmentJournal of Agricultural and Food Chemistry 64(34), 6503-6507東京農工大学
Viability of murine norovirus in salads and dressings and its inactivation using heat-denatured lysozymeInternational Journal of Food Microbiology Vol.233, page 29-33東京海洋大学
Comparing effects of soybean oil- and palm olein-based mayonnaise consumption on the plasma lipid and lipoprotein profiles in human subjects: a double-blind randomized controlled trial with cross-over design.Lipids in health and disease Vol.15 No.131マレーシア国民大学、
マラヤ大学他
Anodic Oxidative Disulfide Bond Formation in Egg ProteinElectroanalysis Volume 28,
Issue 11 Pages 2737–2742
東京農工大学


調味料では主力基幹商品の磨き上げを進め商品力の強化を行いました。家庭用マヨネーズの賞味期間延長を製造プロセスの工夫により達成し、お客様に美味しい味をいつまでもお届けすることを実現しました。この取り組みはフードロスの削減にもつながる点で、評価をいただきました。また「キユーピーハーフ」、「深煎りごまドレッシング」といったロングセラー商品において、更なる美味しさを追求したリニューアルを行い、商品の磨きと活性化をはかることができました。
新たな挑戦として、世の中の健康志向の高まりを受けてお客様のご要望にお応えする形で、「アマニ油マヨネーズ」を発売しました。これは、調味料カテゴリー初となる機能性表示食品となりました。アマニ油特有の風味劣化に対して長年培ってきた酸化防止技術を取り入れることで、美味しく手軽に、更に効果的にα‐リノレン酸が摂れるマヨネーズとなっています。
ドレッシングでは、グループサラダ戦略に紐づくカスタムサラダの活性化につながるアイテムとして、家庭用では「コブサラダドレッシング」、「テイスティ黒ごまと五穀ドレッシング」、フードサービス市場向けに「フルーツビネガードレッシング(アップル)」、「チョレギサラダドレッシング」を発売しパワーサラダ、コブサラダといったサラダの概念を拡大する提案と連動した開発を行いました。また、サラダだけではなく漬け込み需要に対応した「かんきつ香るピクルス用」を開発し野菜の食べ方を広げる提案を進めました。

連結子会社であるキユーピー醸造株式会社では、芳醇な香りと濃厚な味を特長とする「芳醇アップルビネガー」および「芳醇白ワインビネガー」を発売し、洋風酢の価値を引き出す商品開発を進めています。
業務用調味料として、「ジュレ仕立て(トマト酢)」、「南蛮とろみのたれ」シリーズ3品、「八方だし(焼きあご)」を発売しました。また、業務用の惣菜向け調味料として「醸しだし(野菜ブイヨン)」を発売しました。


家庭用市場に向けた「キユーピーのたまご」ブランド商品として、「つぶしておいしい たまごとポテトサラダ」、「つぶしておいしい たまごとマカロニサラダ」の2品を発売しました。本シリーズのアイテム強化を行った結果、売上が順調に伸びています。加えて長年培ってきた半熟感のあるタマゴ加工技術を駆使した「ふわとろたまごのオムレツ」を首都圏エリアでテスト販売を実施し、受容性があることを確認しました。
フードサービス市場に向けては、オンリーワン商品であるスノーマン「とろ~りやわらかたまご」をリニューアル発売しました。更に柔らかく、更にコク味アップで美味しく仕立て、人手不足で忙しい外食厨房や、惣菜工場において、エッグベネディクトのポーチドエッグ代替えやカルボナーラのトッピングなどで好評を得ています。また、だし巻たまごを挟んだサンドイッチメニューの流行に対して「まるいたまごやき」を発売し、リテールベーカリーにて採用いただいています。
フードサービス市場で使われる殻付卵に代わって、衛生面の安心感、作業負担の軽減をお届けする商品として、「だし巻きたまごの素」、「濃縮茶碗蒸しの素(料亭仕立て)」、「冷やしてかためるプリンベース」を発売しました。100~200gの使い切りサイズの冷凍品で利便性が高いことから、問屋ルートだけではなく、業務用スーパーでも扱える商品としました。
また、製パン企業やCVSの惣菜ベンダー、量販店のバックヤード惣菜、外食企業に向けた、業務用の液卵、とろっとたまご製品、スクランブルエッグ、たまごスプレッド、たまごやきなどをPB商品として引き続き採用いただき、お客様の様々なソリューションに貢献する商品開発を進めました。
ハム・ソーセージなどの畜肉加工メーカーにお使いいただく乾燥卵白として、世界最高レベルの結着力を有した「乾燥卵白KタイプNo.200」を発売し、食感改良、コストダウンなどのニーズで引き合いが始まりました。加えて製菓のリテールに向けて、従来型より極めて起泡力の高い「乾燥卵白(製菓用)」を発売しました。


サラダ・惣菜では当社研究開発本部、連結子会社であるデリア食品株式会社および株式会社サラダクラブなどと連携し、商品開発を行っています。
惣菜では、新たな販売チャネル向け(宅配、事業所)商品と新たなカテゴリーとして株式会社グルメデリカで製造しているチルド米飯および健康を意識される方向けの惣菜(有機野菜、キヌア、アマニ油など使用)のアイテム拡大をはかり、売上の増加に貢献しました。
パッケージサラダ(カット野菜)では、スムージーの素材として人気のある野菜であるケールを使用したパッケージサラダを発売するとともに、新たな食の提案として、ベジパスタ(2アイテム)、キヌアを使用したサラダのトッピング素材(2アイテム)を発売し、またトレー入りの食べきりタイプのパッケージサラダをリニューアル販売して、売上に貢献しました。
業務用のLLサラダでは、新たに立ち上げた「キユーピーのサラダ」ブランドのポテトサラダカテゴリーの強化のために、「大地のはぐくみポテトサラダ」を芳醇白ぶどう酢の風味を活かしたコクのある商品にリニューアル発売をしました。

加工食品の商品開発は、グループ各社の開発部署と当社研究開発本部が密接に連携し、それぞれの強みを活かしながら短中長期の各研究開発テーマに取り組んでいます。
当社研究開発本部は、介護食や育児食、病態食などの特殊技術を要する商品やNB商品の開発、新たな技術や素材の開発を伴う中長期的商品開発、あるいは次世代を担う新カテゴリーの創出などを主たる役割としています。
業務用では本格的な料理手法を取り入れた「デミグラスソース(ハイグレード)」や、卵黄に拘った「カルボナーラソース」、ごはんがパラッと仕上がる技術を採用した「ナシゴレンの素」を発売しました。
また病院・施設向けには風味豊かな「冷凍やわらかおかず」や、使い勝手を良くした「とろみファイン」を発売しました。
家庭用では国産バジルを使用した「イタリアンテバジルソース」の製法を見直し、フレッシュ感を向上させたリニューアル品を発売しました。
新たな市場を創造する挑戦として、手軽に野菜を摂りたい方への「野菜ぎっしりバー」や、乳酸発酵卵白を活用した女性向けプロテイン飲料の「ルミラン」を発売しました。
グループ会社においては、独自原料や製造設備を活用したフルーツや豆類、長芋、ごぼう、バジルなどの農産加工品、パスタソースや調理ソース、スープなどの調理食品、国産鶏やアンチョビなどを加工した商品などを開発しています。


ファインケミカルでは、ヒアルロン酸、タマゴ成分、EPA(医薬用エイコサペンタエン酸)といった既存領域の開発に加え、今期は新たなビジネスにつながる開発に挑戦しました。
既存領域では医薬用原料として高分子の発酵ヒアルロン酸を開発し、医薬原料としての登録を進め、国内・海外への販売を開始しました。
新たなビジネスにつながる挑戦として、マヨネーズの原料であるお酢を生産する酢酸菌が持つアルコール分解酵素に注目し、世界で初めて酢酸菌酵素を活用した飲酒ケア食品「よ・い・と・き」を発売しました。
また、東京海洋大学との共同研究で見出した、ノロウイルスの不活性化効果がある卵白由来の加熱変性リゾチームを配合したアルコール除菌スプレー「K Blanche」の販売を通信販売で開始しました。

海外の商品開発では、アメリカおよびヨーロッパにおいて、当社の伝統である卵黄タイプの「キユーピーマヨネーズ」の現地生産・発売を開始しました。
アメリカにおいてアジア系以外の一般のスーパーに向けたマヨネーズを発売したほか、和のテイストを基調とした「ゆず胡椒ドレッシング」やエスニックなスパイシー風味の新しいフレーバーを新規に開発し、発売しました。
また東南アジアにおいては、好調な「深煎りごまドレッシング」の500mLをマレーシアで発売したほか、インドネシアで抹茶味のチョコレートスプレッドを発売しました。

これらの結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、40億28百万円です。

(2)共通、物流システム
該当事項はありません。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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