有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100UUXL (EDINETへの外部リンク)
ククレブ・アドバイザーズ株式会社 事業の内容 (2024年8月期)
(1)企業理念
当社グループは、「全ての企業不動産へのソリューションを通じて、日本の経済・産業に貢献する。」を企業理念に掲げ、AIを中心とした不動産テックシステムを活用した企業不動産(CRE)(注1)へのソリューション提供及び不動産テックシステムの開発・販売を行っております。
CREの中でも大手の不動産プレイヤーが金額規模などの問題で取り扱わないコンパクトサイズの物件を商材としてフォーカスし、不動産テックを活用しながら企業間の不動産ニーズのマッチングやソリューション提供を行っております。これらを通じて、今あるストック(不動産)を大切に再生する、という想いを「Compact CRE for Re Born」として、その頭文字を取った「CCReB(ククレブ)」が当社の社名の由来となっております。
(注)1.企業不動産(CRE)とは、民間企業が現に保有又は賃貸・賃借しているあらゆる不動産
(ex.オフィス、工場、研究所、物流倉庫、社宅保養所等)をいいます。
(2)事業の内容
当社グループは、CREソリューションに関するビジネスと不動産テックビジネスとが有機的に一体となりCREに関する事業を運営しているため、CREソリューション事業の単一セグメントではありますが、「CREソリューションビジネス」、「不動産テックビジネス」の2つのビジネスを展開しております。
当社グループにおける各事業の概要は、次のとおりです。
セグメント | ビジネス区分 | 概要 |
CREソリューション事業 | CREソリューション | 不動産テックシステムを活用したCREに関するワンストップソリューションサービスの提供 (主なサービス) ・CREアドバイザリー ・CREファンド組成 ・バランスシートを活用した不動産投資 ・バランスシートを活用した不動産賃貸 ・プロジェクトマネジメント ・不動産仲介 |
不動産テック | 導入企業のCRE営業に関する業務効率向上、デジタルトランスフォーメーション(DX)に資する不動産テックシステム等の開発及びサブスクリプションサービスの提供 (主な不動産テック製品・サービス) ・CCReB AI ・CCReB CREMa ・CCReB GATEWAY |
① CREソリューションビジネス
企業のCREに関するニーズは、事業拠点のサイクルに関するものから経営課題に関するものまで様々なものが存在します。当社グループのCREソリューションビジネスは、顧客企業のCREニーズに対して、以下の流れで不動産テックを活用しながら顧客にとって最適なCREに関するソリューションを提供しております。CREソリューションビジネスにおける売上高は、当社グループ全体の売上高に対して約81%(2023年8月期実績)を占めております。
a. 不動産テックを活用したCREニーズの把握・分析
企業におけるCREに関するニーズは多岐に亘ると考えております。例えば、拠点に関するニーズとして新規出店、サプライチェーンの維持、拠点再編や資産(遊休不動産)の活用等というものから、経営課題に関するニーズとして資本効率向上、資産圧縮や整理、サステナビリティへの対応等など、幅広くかつ多様なニーズ・課題が存在し、加えて、これらのニーズや課題を企業自体が明確に認識していない可能性もある状況です。
当社グループは、独自のAIエンジンが有価証券報告書や中期経営計画書等の開示資料を自動的に分析して売却動向を把握する不動産テックシステム「CCReB AI」、当社の有する不動産テックシステムと連携し生成AIを活用して分析や提案ポイントを示唆するチャットボット形式による社内テックシステム「CCChat(ククチャット)」などにより、企業が抱えるCREに関するニーズや課題を把握・分析し、潜在的なものも含めたCREに関するニーズの掘り起こしを行っております。
b. 顧客ニーズに即した最適解のアドバイザリーの実施
CREニーズを把握・分析したうえで、企業に対してCRE戦略の検討や立案を行い、また、企業もしくは不動産会社からの紹介などにより、拠点戦略、遊休地活用、資本効率向上、その他のCREに関する様々なニーズについて、企業にとって最適なCRE戦略の提案を行います。これらの提案の際も「CCReB AI」や「CCChat」、事業用不動産に強みを持つマッチングシステム「CCReB CREMa」を活用し、不動産戦略に留まることなく、企業の企業経営・財務領域への影響を意識した当社ならではのCRE戦略の提案、アドバイザリーを行います。
c. 顧客ニーズに応じた具体的なソリューションの提供
企業が抱えるCREに関する課題やニーズに対する最適なソリューションを提供するに際し、事業用不動産マッチングシステムである「CCReB CREMa」などの不動産テックシステムを活用するとともに、CREに関する豊富な不動産プレイヤーとのリレーションや企業に対するCRE提案営業の実績と経験により蓄積したノウハウにより、企業に対してワンストップで幅広いソリューションサービスを提供しております。
上記のように、企業が抱えるCREに関する様々なニーズや課題に対して、不動産テックを活用し企業にとって最適なソリューションをカスタムメイドによって提案、サービスの提供などを行うことが当社グループのビジネスモデルとなります。
なお、CREに関する主なソリューションは以下のとおりです。
主なソリューション | 概要 |
CREアドバイザリー | 企業又は不動産プレイヤーに対して、CREに関するコンサルティングやアドバイザリー業務を継続的に提供。 CREに関する売買、賃貸、その他各種取引などの実現に向けたアドバイザリー、コンサルティングやアレンジメントなどのCREアドバイザリー全般に関する業務を提供。 本ソリューションを提供した対価としては、コンサルティングに関する固定報酬、アドバイザリー報酬などがあります。 |
CREファンド組成 | 資産の整理、資産流動化、拠点再編などのCREに関する売却ニーズを捉えて、当社単独で若しくは不動産プレイヤーとともにCREに関するファンドを組成することで、企業の保有する事業用不動産などの拠点を取得することをもってソリューションを提供。 本ソリューションを提供した対価としては、アセットマネジメント報酬、プロパティマネジメント報酬、出資金の配当収入などがあります。 |
プロジェクトマネジメント | 遊休地・保有資産の有効活用、新規出店などのCREに関するニーズを捉えて、倉庫などを含む事業用不動産の開発提案、関係者のアレンジやマネジメントなどのソリューションを提供。 本ソリューションを提供した対価としては、プロジェクトマネジメントのサービス提供に関する報酬などがあります。 |
バランスシートを活用した不動産投資 | 資産の整理、資産流動化、拠点再編などのCREに関する売却ニーズを捉えて、当社又は当社グループのバランスシートを活用して企業が保有する事業用不動産などの拠点を取得することをもってソリューションを提供。 本ソリューションを提供した対価としては、CREなどの不動産売却時の売却収入などがあります。 |
バランスシートを活用した不動産賃貸 | 取得した事業用不動産を企業に賃貸するセールアンドリースバック取引などによりソリューションを提供。 本ソリューションを提供した対価としては、賃貸に関する賃貸収入などがあります。 |
不動産仲介 | 事業用不動産マッチングシステム「CCReB CREMa」などを活用し、不動産仲介(売買・賃貸)により顧客のニーズに対応するソリューションを提供。 本ソリューションを提供した対価としては、媒介手数料収入などがあります。 |
② 不動産テックビジネス
不動産業界は、DX推進が大きく遅れている業界の一つとして挙げられることが多く、その背景には不動産業界特有の情報の非対称性や属人的な営業活動等があると考えられております。加えて、不動産業界の中でもBtoBの分野にあたる企業向けのCRE営業活動においては、数多ある企業の不動産ニーズの把握からアプローチ、ニーズの解決、取引の推進までの一連の業務フローのほとんどがデジタル化されておらず、アナログで行われているのが現状です。当社では、これまでの長年の経験と知見に基づき、こうした不動産業界における不動産売却や購入ニーズの発掘から実際の取引成約に至るまでの取引の一連の過程について、テックシステムを開発し、不動産プレイヤー(不動産会社、資産運用会社、金融機関、建設会社、不動産調査会社等)向けにサブスクリプションサービス等として以下の各サービスの提供を行っております。不動産テックビジネスの売上高は、当社グループ全体の売上高に対して約19%(2023年8月期実績)を占めております。
a. CRE営業支援システム“CCReB AI(ククレブエーアイ)”
「CCReB AI」は、有価証券報告書、中期経営計画書等の開示情報を当社独自のAIエンジンが解析し、不動産に直接的・間接的に関連するキーワード等の定性情報や財務データ等の定量情報から各企業の不動産ニーズ(売買、資産流動化、有効活用、賃貸、新規出店、工場新設等)をスコアリングし、CRE営業のターゲット先企業を効率的に抽出するCRE営業支援システムです。不動産売却を行う上場企業の中には、有価証券報告書及び中期経営計画書内で言及される経営方針や、財務諸表の動き等に多くの共通点があります。当社グループでは、サービス開発段階から現在に至るまで、上場企業の不動産売却動向と経営方針及び各種指標等の関連性を計測し、機械学習をさせることによって将来的な不動産のニーズの可視化を可能にしました。また、非上場企業においても、外部の信用調査会社の提供するデータなどを活用することで同様のスコアリングを可能としております。
当サービスは、サブスクリプションサービスとして販売を行っており、不動産会社、資産運用会社、金融機関、建設会社、不動産調査会社等のCREに関わる幅広い企業に導入され、CRE営業のためのターゲッティングや企業分析等に活用されております。サービス提供にあたっては、分析対象を上場企業、もしくは上場企業に加えて非上場企業を設定するか、企業が保有する固定資産情報のダウンロード機能などの付帯機能を設定するかなどを含めた複数のサービスプランを用意しており、導入企業より月額利用料を収受しております。
なお、当社は、当サービスにおけるこれらの仕組みに関する知的財産を保護するため特許(企業の経営情報を解析し、不動産取引などの動向予測、営業支援のためのプログラム)を取得(特許登録第6908308号)しております。
b. 事業用不動産マッチングシステム“CCReB CREMa(ククレブクレマ)”
「CCReB CREMa」は、工場や物流倉庫等の事業用不動産に強みを持つ、世の中の売買・賃貸借・有効活用等の不動産情報/ニーズをマッチングさせるシステムです。不動産業界においては既に類似の不動産マッチングサービスが一定程度普及しているものの、その多くは一般消費者向けのBtoCサービスであり、またBtoB向けであっても投資用不動産やオフィス賃貸等の用途を限定したものとなっております。そのような中、「保有する工場の売却先を探してほしい」「新規事業拠点の土地情報を探しているが、なかなかマッチする情報が見つからない」「事業所が低稼働となっており有効活用施策を検討したい」という企業の声や、当該企業にサービスを提供する不動産プレイヤーからの要望を受け、事業用不動産に特化したマッチングプラットフォームを開発しました。当サービスは、2020年10月に成功報酬型のサービスとして運用を開始し、現在に至るまでに累計で約5万件を超える不動産情報とニーズが蓄積され、多数のマッチングを創出しております。さらに2023年9月からは月額料金型のサブスクリプションサービスである「CCReB MB(ククレブマッチングボックス)」の提供を開始し、社内専用の情報管理・マッチング機能や、営業担当者・部門ごとの案件進捗管理・営業パフォーマンス管理機能を追加したプランを展開しております。また利用ユーザー自身が登録情報へのマッチング状況を確認できるプランとして「CCReB CREMa+(ククレブクレマプラス)」を追加するなどのラインナップの拡充を図り、営業管理ツールとして不動産プレイヤーを中心に幅広く導入が進んでおります。
c. BtoBポータルサイト“CCReB GATEWAY(ククレブゲートウェイ)”
「CCReB GATEWAY」は、企業の最新の経営トレンドや企業経営に必要となる情報を発信するBtoBポータルサイトです。上場企業による適時開示情報や当社が独自に保有するデータ等についてAIエンジンを用いて分析した情報を発信し、例えば有価証券報告書や中期経営計画書から抽出した経営方針に関するキーワードをワードクラウドで表示する「ホットワード分析」等、企業不動産(CRE)に限らず企業が経営戦略を検討する際に役立つ各種コンテンツを提供しております。本サイトにおける各種コンテンツは、現在、サイトに会員登録したユーザーに対して無償で提供し、幅広い業種にわたり、経営層や経営企画・財務部門をはじめとするビジネスパーソンに利用されている一方で、当該ビジネスパーソンに対してサービスを提供する企業群からバナー広告を募り、広告掲出料による収入を収受しております。当社グループとしては、広告収入を収受するとともに、これらの「CCReB GATEWAY」の会員ユーザーは、将来的・潜在的なCRE提案の顧客や事業パートナーの候補先になると考えているため、将来的な顧客基盤形成における重要なプラットフォームを担うポータルサイトと位置付けております。なお、当社は、当サービスにおけるこれらの仕組みに関する知的財産を保護するため特許(企業の経営情報から不動産情報などをキーワードで分析する情報分析プログラム)を取得(特許登録第7432980号)しております。
d. その他
上記3サービスに加え、「CCReB AI」においてサブスクリプションサービスとして提供している情報の一部をスポット業務として納品するサービスとして、有価証券報告書に記載の固定資産情報をリスト化した「CCReB PROP(ククレブプロップ)」や中期経営計画書に記載の経営方針に関する特定のワードをリスト化した「CCReB Clip(ククレブクリップ)」等の事業の展開も行い、主にコンサルティング会社や教育機関、メディア向けに提供しております。
また、当社グループはテックシステム開発にあたり適切な事業パートナーを選択した上で、システム連携やOEM生産によるサービス提供も行っております。大手デューデリジェンス会社と提携して開発を行った、対象不動産に係る都市計画情報や土壌汚染情報等の公的情報を一括調査可能な「CCReB BI(ククレブビーアイ)」を始め、2024年2月より新たに外部企業と連携し「CCReB AI」及び「CCReB CREMa」に不動産謄本取得機能を実装しております。今後も、自社内でのシステム開発に拘らず、効率的かつ最適な手段により、不動産テックシステムの継続的なサービス向上に努めてまいります。
(3) マーケットにおける独自のポジショニング
CREマーケットは民間法人の保有不動産のストック数に比べ、不動産情報の流通量が少なく、情報の非対称性や秘匿性により難易度の高いマーケットと言えます。このような中、当社は大手不動産会社や中堅・中小の不動産会社が積極的に取り扱わない独自の分野にポジショニングしております。
(注)1.国土交通省「法人土地・建物基本調査(2018年)」を基に、当社にて民間企業の保有する土地
建物の資産総額を算出。「研究開発施設」は調査分類に無いため金額は不明。
2.2023年1月から同年12月に開示された全上場企業の有価証券報告書において「主要な設備の状
況」に記載された土地・建物及び構築物のうち、1件あたり帳簿価額20億円以下の不動産の合
計額を当社にて集計。
特にCREの中でも当社が強みを持つ工場・倉庫等の事業用不動産については、その国内ストックの6割以上が築30年を超える(注3)とされ、再開発による新陳代謝が進むオフィスビル等とは異なり、老朽化・遊休化した工場・倉庫等が数多く存在する状況です。こうした背景に加え、昨今のサプライチェーンの見直しや生産効率向上に向けた設備投資、さらには地政学リスクを踏まえた製造の国内回帰の可能性から、事業用不動産の分野は今後新陳代謝が進むポテンシャルが大きい分野であると考えております。
なお、事業用不動産は企業の事業内容と密接に関連することから、一般的な不動産に関する知識・ノウハウのみならず、当該施設で営む生産活動やサプライチェーンに関する事業用不動産独自の知見が必要となります。さらに、企業の経営戦略や財務戦略等に関する理解も必要となることから、参入障壁が高い市場と言え、企業に対して総合的なCREソリューションを提供する不動産プレイヤーは限定的であることから、当社にとって大きなビジネスチャンスが存在する経営環境であると考えております。
(注)3.国土交通省「2018年 建築物ストック統計」より。
(4) 当社事業の特徴
① 不動産テックを活用したサービス提供フロー
当社グループは、DX推進が遅れ非効率な業務が数多く残る不動産業界において、企業不動産(CRE)に関するビジネスにフォーカスしております。当社は、企業に対するCRE提案までの社内の全ての業務の自動化を念頭に、自社開発の不動産テックを全てのビジネスブレインとして中心に位置づけ、これまで人力に頼りがちであったあらゆる業務をデジタル化し、案件獲得に向けたリードタイムを短縮化することで、1社でも多くの企業のCRE戦略に関する課題解決へのソリューションを提供することを目標としております。
実際にAIの活用と社内業務のDX推進により各ビジネスの効率化を図るとともに、昨今、資本効率の向上やサプライチェーンの再構築など多くの課題を抱える企業のCREニーズに対し、デジタルの力を活用しワンストップでソリューションの提供を行っております。CREに関するソリューションの提供と不動産テックを有機的に連携させながら事業を進めていくことに当社グループの事業の特徴があり、具体的にはそれぞれ以下のように取り組んでおります。
(注)1.2024年8月末時点
a. 営業活動におけるAIの活用と社内業務のDX推進
一般的に、企業不動産(CRE)に関する営業活動を実施する際には、無数に存在する企業の中から不動産の売買や賃貸借を行うニーズを持つ企業を探索する必要があり、営業部員の属人的な知見や関係性により案件の獲得を行う傾向があります。そのため、営業先が自然と限定され、実際にはCREニーズがあるにも関わらず有益なソリューションの提案が行き届いていないケースも多くあります。このような問題を解消すべく、当社では有価証券報告書や中期経営計画書、各種財務諸表等の企業が開示する情報に基づきCREニーズを可視化する独自のAIシステムを開発し、抜け漏れのない提案先の選定、提案の質やスピード、成約率の向上に活かしております。
こうした提案先企業選定の効率化に加え、相談を受けたCREニーズをスピーディーに検討するため、企業のニーズに合致する可能性の高い情報を自動的に抽出する独自のマッチングシステムを開発・導入しております。一般的に、不動産業界では営業部員の経験や知見に基づく判断に依拠して案件を紹介することが多く、本来であればマッチングしていたニーズの見落としや、成約可能性の低い案件への取組みなど、非効率な営業活動が課題となっております。当社はこうした課題に対し、マッチングシステムを活用することで、成約可能性の高いニーズの見落としを防止するとともに、確度の高い案件におけるCREソリューション提案に注力して取り組むことで、案件の検討開始から組成までのリードタイムを大幅に圧縮するなど、CREに関する営業活動の大幅な業務効率化を推進しております。
(注)1.当社の不動産テックシステムを利用しない場合に通常のCRE提案において物理的に想定
される作業時間(資料の収集・分析・提案書作成、ニーズにあった事業用地の探索等に
要する時間)を示しております。
b. 事業拠点の各サイクルに応じたワンストップソリューションの提供
企業の事業拠点は一般的に、①拠点の新設、②拠点の稼働・運営、③拠点の再編・移転、④拠点の撤退・遊休化のサイクルを辿っていきます。これらのサイクルの各段階における拠点に関する課題や企業の経営方針・財務状況等によって企業が抱えるCRE戦略上のニーズは異なり、それに応じて必要としているソリューションも多種多様です。当社は独自のAIエンジンを活用し、企業ごとのCREニーズを把握し、マッチングシステムによってニーズに合致する情報を効率的に探索するとともに、企業のニーズに応じて、拠点サイクルにおける各種アドバイザリーサービスの提供や、企業が所有する不動産のオフバランスの受け皿となるファンドスキームを提供するなど、ワンストップで企業のCREニーズの実現をサポートしております。
(注)1.掲載写真はイメージであり実際の案件の外観とは異なります。
2.当社が情報取得からソリューション提案を行い、相手先企業が実行の意思決定を行うまでの
期間を記載しております。
c. 景気変動に強い事業構造
CRE戦略は景気動向がどのような状況かにかかわらず経営戦略の一環として実行されるため、その時々の状況に合わせたソリューションを提供することが可能なことから、当社のビジネスは景気変動の影響を受けづらい事業構造になっております。企業側の行動として景況感の良い時には積極的な新規出店や設備投資が行われ、景況感が悪い時には、撤退や工場閉鎖等のアクションが起こり、好不況いずれに際しても不動産の取得や売却、賃貸や賃借、資産の有効活用などの取引が発生し、景気の各局面において収益獲得機会があり、かつ当社グループにおいて様々なサービスを提供することができることから、景気変動に強い事業構造を有していると考えております。
② プラットフォーマーならではのネットワーク効果
当社は、不動産テックシステムの活用により企業へのCREに関するソリューションを提供する「プレイヤー」の側面と、不動産テックシステムをユーザーに提供する「プラットフォーマー」の側面を併せ持っております。このようにCREマーケットにおけるプレイヤーとプラットフォーマーを兼ねるポジショニングをとることで、企業に対しCREソリューションの提案を行いながら、場合によっては企業からの不動産ニーズをプラットフォームの利用ユーザーである不動産プレイヤーに紹介するなど、不動産プレイヤーと企業へのソリューションの提供を通じた橋渡しの役割を担うことで、ネットワーク効果を創出し、継続的な相談などによる好循環を実現しております。
③ 多様な収益ポイント
当社グループは、企業不動産(CRE)から派生するあらゆるニーズをとらえることで、CREソリューションビジネス及び不動産テックビジネスに関する多様な収益ポイントを擁しております。また、不動産テックによるサブスクリプション収入、CREアドバイザリーに関する固定収入に加えて、バランスシートを活用した不動産賃貸収入による固定収入の売上高計上により、固定収入の実績が積み上がってきております。なお、各サービスにおける報酬の概要は「3 事業の内容(2)事業の内容①CREソリューションビジネス c. 顧客ニーズに応じた具体的なソリューションの提供」をご参照ください。
(5)高い収益性と財務健全性の両立
不動産テックを活用した独自のビジネスモデルを確立することで、不動産プレイヤーとの比較においても、適切なレバレッジ水準を維持しながら財務基盤の健全性と高い収益性の両立を実現しております。
(注)1.2023年8月期実績。
2.東京証券取引所に上場する不動産業計156社について、直近決算をベースに当社で作成して
おります(日本経済新聞社提供サービス「FinancialQUEST」より2024年7月にデータ抽出)。
なお、2024年8月時点で不動産業は158社、うち新規上場した2社は決算開示がされていな
いため、対象外としております。
(用語の解説)
本書記載内容に対する理解を容易にするため、また、正しく理解していただくために、本書で使用する用語の解説を以下に記載しております。
企業不動産(CRE) | 民間企業が現に保有又は賃貸・賃借しているあらゆる不動産。(ex.オフィス、工場、研究所、物流倉庫、社宅保養所等) |
CRE戦略 | 企業が事業を行うために保有・利用している不動産(企業不動産)を不動産の側面だけでなく経営戦略や財務戦略とあわせて取得・売却・活用する取組み。 |
事業用不動産 | 不動産のアセットタイプのうち、工場、物流倉庫、研究所等の事業用途で利用される不動産。 |
資産流動化 | 不動産を所有者(オリジネーター)から分離し、SPC等(特別目的会社など)の別のビークルに譲渡し、資金調達を行うこと。 |
オフバランス | 事業主体の財務諸表に資産や取引が計上されない状態のこと。民間企業にとって、保有資産を当社のコンパクトCREファンドに売却する若しくは新規取得希望用地を当社のコンパクトCREファンドが取得した上で賃借することで、資産圧縮や資産価格の変動リスクを軽減できるメリットがある。 |
セールアンドリースバック | 保有資産の売却後、当該資産について買主と賃貸借契約を締結することで、売却資金を調達した上で引き続き資産を利用する取引スキーム。 |
アセットマネジメント (AM) | 投資用不動産において、投資家からの委託を受けて行う、不動産の取得・運用・売却などに関する助言や運用の代理。 |
プロパティマネジメント (PM) | 投資用不動産において、不動産所有者(オーナー)に代わって行う不動産の管理や運営。 |
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E40130] S100UUXL)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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