サムティ株式会社 業績等の概要 (2015年11月期)

(1) 業績

当連結会計年度における我が国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和策を背景に企業収益や雇用・所得環境の改善が見られるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しております。一方、中国経済の減速や米国の利上げに伴う新興国経済の下振れ懸念等、先行きは不透明な状況となっております。
当社グループの属する不動産業界におきましては、良好な資金調達環境のもと、J-REITや私募ファンド等による物件取得意欲は依然旺盛で、活発な取引が続いております。また、国土交通省が発表した基準地価(2015年7月1日時点)は、三大都市圏平均では住宅地、商業地ともに上昇が継続し、地方圏では特に地方中枢都市で住宅地、商業地ともに上昇率が拡大しております。
このような事業環境下におきまして、当社グループでは、中長期経営計画「Challenge 40」のもと、当社をスポンサーとして、連結子会社であるサムティアセットマネジメント株式会社が資産運用業務を受託するサムティ・レジデンシャル投資法人が株式会社東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場いたしました。これに当たり、当社が保有する収益不動産を当該投資法人へ売却いたしました。また、不動産賃貸事業の強化として、新規に札幌支店を開設するなど支店網の拡充を図り、各事業拠点において、地方の政令指定都市や中核都市に存在する収益性の高い物件の取得を進めております。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高38,458百万円(前連結会計年度比57.9%増)、営業利益5,932百万円(前連結会計年度比46.8%増)、経常利益3,872百万円(前連結会計年度比68.0%増)、当期純利益4,412百万円(前連結会計年度比91.5%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
①不動産事業
不動産事業は、自社ブランド「S-RESIDENCE」シリーズ等の企画開発・販売及び収益不動産等の再生・販売を行っております。また投資用マンションの企画開発・販売を行っております。
収益マンションとして「サムティラヴィール新大阪(大阪市淀川区)」、「サムティ ラ・ガール住道(大阪府大東市)」、「サムティ福岡県庁前(福岡市博多区)」、「リビングステージ榴岡公園(仙台市宮城野区)」、「アルテーヌ市川(千葉県市川市)」、「メゾン潮見(東京都江東区)」、「ルフェリ松庵(東京都杉並区)」、「スタジオスクエア蒔田公園(横浜市南区)」、「スタジオスクエア本通(静岡市葵区)」、「プレミネンテパーク藤が丘(名古屋市名東区)」、「ベレーサ六番町(名古屋市熱田区)」、「リベール山王(名古屋市中川区)」、「クレストコート海田栄町(広島県安芸郡)」、「REGALO筑紫通り(福岡市博多区)」、「プリモ・レガーロ野間(福岡市南区)」等を売却いたしました。
また、投資用マンションとして「サムティ本町AGE(大阪市中央区)」、「サムティ福島PORTA(大阪市福島区)」、「サムティ江戸堀ASUNT(大阪市西区)」、「アイルイムーブル日本橋(東京都中央区)」、「アイル芝浦東京ベイ(東京都港区)」、「プレール・ドゥーク北千住(東京都足立区)」、「ベルグレードSK DUE(東京都足立区)」、「W-STYLE新大阪Ⅱ(大阪市東淀川区)」「レオンコンフォート本町(大阪市中央区)」、「W-STYLE難波(大阪市浪速区)」において551戸を販売いたしました。
この結果、当該事業の売上高は28,647百万円(前連結会計年度比63.9%増)、営業利益は3,706百万円(前連結会計年度比25.8%増)となりました。
②不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は、賃貸マンション、オフィスビル、商業施設、ホテル等の賃貸及び管理を行っております。
賃料収入の増加を図るべく、営業エリアの拡大並びに収益不動産の仕入の強化に努め、「サムティフェリーチェ大通南(札幌市中央区)」、「サムティ宮ヶ丘レジデンス(札幌市中央区)」、「サムティレジデンス24(札幌市西区)」、「サムティレジデンスN15(札幌市東区)」、「サムティラファイエ南郷通(札幌市白石区)」、「サムティ上社(名古屋市名東区)」、「サムティ山王レジデンス(名古屋市中川区)」、「プラウランド守山(名古屋市守山区)」、「サムティ大阪CITY WEST(大阪市西淀川区)」、「サムティ西宮レジデンス(兵庫県西宮市)」、「サムティ神戸駅南通(神戸市兵庫区)」、「サムティ神戸浜崎通(神戸市兵庫区)」、「サムティ室見(福岡市早良区)」、「プリオ大名Ⅱビル(福岡市中央区)」、「サムティ佐賀天神(佐賀県佐賀市)」、「サンレジデンス慶徳(熊本市中央区)」、「サムティ熊本県立大学前(熊本市東区)」、「フォンスタワー西千石(鹿児島県鹿児島市)」を取得いたしました。
この結果、当該事業の売上高は8,974百万円(前連結会計年度比45.1%増)、営業利益は4,419百万円(前連結会計年度比59.6%増)となりました。

③その他の事業
その他の事業は、「センターホテル東京(東京都中央区)」、「センターホテル大阪(大阪市中央区)」に加え、当期において「エスペリアホテル長崎(長崎県長崎市)」、「ホテルサンシャイン宇都宮(栃木県宇都宮市)」を取得し、保有・運営しております。また、分譲マンション管理事業及び建設・リフォーム業を行っております。
この結果、当該事業の売上高は836百万円(前連結会計年度比19.4%増)、営業利益は202百万円(前連結会計年度比48.8%増)となりました。

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により4,208百万円減少、投資活動により3,291百万円減少、財務活動により16,162百万円増加した結果、前連結会計年度末と比べ、8,662百万円増加し、当連結会計年度末には18,176百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により使用した資金は、4,208百万円(前連結会計年度は1,147百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6,274百万円、有形固定資産売却損益2,082百万円、減価償却費1,056百万円、たな卸資産の増加9,744百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、3,291百万円(前連結会計年度は8,780百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出14,550百万円、有形固定資産売却による収入12,657百万円、投資有価証券の取得による支出1,371百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により獲得した資金は、16,162百万円(前連結会計年度は11,620百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入れによる収入25,972百万円、短期借入金の返済による支出15,606百万円、長期借入れによる収入31,293百万円、長期借入金の返済による支出27,744百万円、新株予約権付社債の発行による収入3,981百万円、自己株式の取得による支出1,000百万円によるものであります。