有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100CNF2
サントリーホールディングス株式会社 業績等の概要 (2017年12月期)
(1)業績
当社グループは、[飲料・食品][酒類][その他]の各セグメントにおいて国内外で積極的な事業展開を行いました。当連結会計年度の業績は、売上収益(酒税控除後)2兆1,575億円(前年同期比103%)、売上収益(酒税込み)2兆4,203億円(前年同期比103%)、営業利益2,536億円(前年同期比100%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、2,114億円(前年同期比114%)となりました。
なお、当社グループは、当連結会計年度から国際会計基準(IFRS)の任意適用を開始しました。前年同期との比較は、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えています。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりです。
[飲料・食品セグメント]
サントリー食品インターナショナル㈱は、お客様の嗜好・ニーズを捉えた上質でユニークな商品を提案し、お客様の生活に豊かさをお届けするという考えのもと、ブランド強化や新規需要の創造に注力したほか、同社グループ各社の知見を活かしたコスト革新による収益力強化や、グループ全体での品質の向上に取り組みました。
日本では、重点ブランドの強化に加え、新たな価値を持つ商品の提案を通じ、新規需要の創造に取り組み、販売数量は前年同期を上回りました。「サントリー天然水」は、主力のミネラルウォーター「サントリー天然水」が引き続き好調に推移しました。さらに、新商品「サントリー天然水 PREMIUM MORNING TEA」の寄与もあり、ブランド全体の販売数量は前年同期を大きく上回りました。「BOSS」は、主力商品に注力したことに加え、発売25周年を記念した「プライドオブボス」を9月に発売しました。また、ペットボトルの「クラフトボス」が好調に推移し「BOSS」ブランド全体の販売数量は大きく伸長しました。「伊右衛門」は、中味・パッケージのリニューアルや積極的なマーケティング活動が奏功し、販売数量は前年同期を上回りました。特定保健用食品は、新たなユーザーの取り込みを図るとともに、積極的なマーケティング活動を継続しました。自動販売機事業では、自動販売機専用商品の発売やオリジナルキャンペーンの実施等、自動販売機チャネルの魅力を高める取り組みを推進するとともに、法人営業に注力し、オフィス内の飲料需要の取り込みを図りました。
欧州では、主力ブランドを中心に、積極的なマーケティング活動を展開しました。フランスでは、「Orangina」と「Oasis」の販売数量が前年同期を上回りました。また、低糖のプレミアムアイスティー「MayTea」の販売も好調に推移しました。英国では、積極的なマーケティング活動により、スポーツ飲料「Lucozade Sport」が好調に推移しましたが、エナジードリンクを含む「Lucozade」ブランド全体の販売数量は前年同期を下回りました。スペインでは、引き続き業務用チャネルに注力し、トニックウォーターを中心に「Schweppes」の販売が堅調に推移しました。
アジアでは、主力ブランドの強化に加え、各国において営業・流通体制の強化に取り組みました。清涼飲料では、ベトナムにおいて、エナジードリンク「Sting」と茶飲料「TEA+」の積極的なマーケティング活動を実施し、売上は前年同期を上回りました。健康食品では、「BRAND'S Essence of Chicken」の販売が伸長しました。
オセアニアでは、主力ブランドを中心に積極的なマーケティング活動を行い、販売拡大に取り組みました。ニュージーランドでは、エナジードリンク「V」と果汁飲料「Just Juice」を中心に新フレーバーの投入やマーケティング活動を行いました。オーストラリアでは、「V」でフレーバー展開を進めたほか、スポーツ飲料「Maximus」の店頭活動を強化し、販売拡大に取り組みました。
米州では、ノースカロライナ州でペプシコブランドのさらなる販売強化に取り組み、水やコーヒー飲料等、伸長している非炭酸カテゴリーに注力しました。
以上の結果、飲料・食品セグメントは売上収益1兆2,264億円(前年同期比102%)、営業利益1,388億円(前年同期比105%)となりました。
[酒類セグメント] 酒類セグメントに記載の売上収益は酒税控除後の数値です。
Beam Suntory Inc.を中心としたスピリッツ事業は、為替や事業売却などの影響を除いた既存事業ベースの売上収益が前年同期比一桁台半ば増となりました。中でも、「ジムビーム」「メーカーズマーク」の販売数量が二桁増となったほか、「オルニートス」なども好調に推移しました。地域別の売上収益は、米国が前年同期比一桁台半ば増、欧州が前年同期比一桁台後半増、東南アジア・中国が前年同期比二桁増となりました。日本では、サントリースピリッツ㈱を中心とした国内スピリッツ事業の売上収益が前年同期比106%となりました。ウイスキーは、戦略ブランド「角瓶」「ジムビーム」「トリス〈クラシック〉」「メーカーズマーク」などが好調に推移しました。7月には、世界的な酒類コンペティションにおいて、「響21年」が全エントリー商品の中の最高賞「シュプリーム チャンピオン スピリット」を受賞しました。RTDは、販売数量が前年同期比110%と13年連続で伸長しました。「-196℃ ストロングゼロ」が食中酒としてご好評いただき大きく伸長したことに加え、「こくしぼりプレミアム」、ハイボール缶も好調に推移しました。また、新たな需要創造に向けた取り組みとして、ジャパニーズクラフトジン「ROKU」を7月に発売しました。
サントリービール㈱を中心としたビール事業は、総市場※1が前年同期比98%程度と推定される中、7,151万ケース※2と前年同期並の販売となり総市場の伸びを上回りました。ノンアルコールビールテイスト飲料を除いたビール類のシェアは16%(課税数量ベース)で過去最高となりました。「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドは1,705万ケースと前年同期並の販売となりビール市場の伸びを上回りました。5年ぶりに大幅リニューアルを実施した「ザ・プレミアム・モルツ」缶と「ザ・プレミアム・モルツ」ブランド樽生がそれぞれ前年同期比102%と好調に推移しました。また、新ジャンルの販売数量が過去最高となりました。「金麦〈糖質75%オフ〉」が前年同期比約1割増となったほか、新商品の高アルコール新ジャンル「頂〈いただき〉」が増分に寄与しました。「オールフリー」ブランドは、ノンアルコールビールテイスト飲料市場拡大に向けた積極的なマーケティング活動により、ユーザーの拡大に取り組みました。
※1 ノンアルコールビールテイスト飲料を含む数量ベース
※2 大瓶換算(1ケース=633ml×20本)
サントリーワインインターナショナル㈱を中心としたワイン事業の売上収益は、前年同期を上回りました。国産ワインは“酸化防止剤無添加”ブランドの販売数量が前年同期比114%と大きく伸長しました。輸入ワインは新商品「ダークホース」「サンタ プレミアム」を投入し、中高価格帯商品が好調に推移しました。
以上の結果、酒類セグメントは売上収益(酒税控除後)7,225億円(前年同期比105%)、売上収益(酒税込み)9,853億円(前年同期比104%)、営業利益1,269億(前年同期比100%)となりました。
[その他セグメント]
サントリーウエルネス㈱を中心とした健康食品事業は、「セサミン」シリーズ等が好調で前年同期比108%の売上となりました。なお、サントリー(中国)ホールディングス有限公司が2016年3月に青島啤酒股份有限公司との合弁契約を解消したこと等から、その他セグメントは売上収益2,086億円(前年同期比98%)、営業利益259億円(前年同期比82%)となりました。
なお、国内と海外の売上収益は次のとおりです。
売上収益(酒税控除後)
国内 1兆2,750億円(前年同期比101%)海外 8,825億円(前年同期比105%)
海外比率 41%
売上収益(酒税込み)
国内 1兆4,668億円(前年同期比101%)海外 9,535億円(前年同期比105%)
海外比率 39%
当社グループは、創業以来、積極的に事業を展開するとともに、創業の精神である『利益三分主義』に基づき、文化・社会貢献、環境活動などにも取り組んでいます。また、『水と生きる SUNTORY』という コーポレートメッセージのもと、社会と自然との共生を目指したさまざまな活動を展開しています。
熊本地震の復興支援活動は、累計4億円の規模で「熊本地域における地下水の持続可能性に貢献する活動」「文化・芸術・スポーツを通じた心と体の支援活動」を中心に実施しています。また、東日本大震災の復興支援活動は累計108億円の規模で継続して実施しています。
環境活動では、“水”に関わる活動を行う際の基本理念であるサントリーグループ「水理念」を1月に策定しました。国内の「サントリー 天然水の森」約9,000haで水源涵養活動を展開するほか、ベトナムで水に関する次世代環境教育、米国やフランスにおいて水源保全活動を実施するなど海外でも現地の実情に応じた活動を進めています。また、ペットボトル開発における当社独自の「2R+B」戦略※3のもと、容器包装の軽量化や、国内飲料業界で初めて構築したボトル to ボトルのメカニカルリサイクルシステムによるリサイクル活動を継続しています。さらに、5月に国内飲料メーカーとして初の国際的な森林管理認証FSC-COC認証を取得するなど、環境経営を推進しています。
※3 樹脂使用量の削減と再生素材の使用により徹底した資源の有効利用を図りつつ、可能な範囲で石油由来原料を再生可能原料で代替していく考え方(Reduce・Recycle+Bio)。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて70億円増加し、3,595億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益(2,269億円)、減価償却費及び償却費(973億円)、法人所得税の支払額(△400億円)等により2,617億円の増加(前年同期は2,526億円の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出(△994億円)、投資の売却による収入(195億円)等により800億円の減少(前年同期は624億円の減少)、また財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金及び社債の発行による収入(1,321億円)、長期借入金の返済及び社債の償還による支出(△2,805億円)等により1,720億円の減少(前年同期は877億円の減少)となりました。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
② 要約連結損益計算書及び連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)
当連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加9社、減少25社です。
持分法適用の関連会社の異動は増加5社、減少6社です。
(企業結合に関する会計基準等の適用)
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2013年(2013年)9月13日。以下「企業結合会計基準」という。)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 2013年(2013年)9月13日。以下「連結会計基準」という。)及び「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号 2013年(2013年)9月13日。以下「事業分離等会計基準」という。)等を当連結会計年度から適用し、支配が継続している場合の子会社に対する当社の持分変動による差額を資本剰余金として計上するとともに、取得関連費用を発生した連結会計年度の費用として計上する方法に変更しています。また、当連結会計年度の期首以後実施される企業結合については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを企業結合日の属する連結会計年度の連結財務諸表に反映させる方法に変更しています。加えて、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っています。当該表示の変更を反映させるため、前連結会計年度については、連結財務諸表の組替えを行っています。
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書においては、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に係るキャッシュ・フローについては、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、連結範囲の変動を伴う子会社株式の取得関連費用もしくは連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する方法に変更しています。
企業結合会計基準等の適用については、企業結合会計基準第58-2項(3)、連結会計基準第44-5項(3)及び事業分離等会計基準第57-4項(3)に定める経過的な取扱いに従っており、過去の期間のすべてに新たな会計方針を遡及適用した場合の当連結会計年度の期首時点の累積的影響額を資本剰余金及び利益剰余金に加減しています。
この結果、当連結会計年度の期首において、資本剰余金が158,808百万円増加するとともに、のれん5,994百万円、利益剰余金162,979百万円、為替換算調整勘定1,024百万円及び非支配株主持分798百万円が減少しています。また、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微です。
当連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、連結株主資本等変動計算書の資本剰余金の期首残高は158,808百万円増加するとともに、利益剰余金の期首残高は162,979百万円、為替換算調整勘定の期首残高は1,024百万円、非支配株主持分の期首残高は798百万円減少しています。
なお、当連結会計年度の1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額に与える影響は軽微です。
当連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加10社、減少15社です。
持分法適用の関連会社の異動は増加2社、減少6社です。
(4)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 39.初度適用」に記載のとおりです。
当連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
(のれんの償却)
日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却していましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が60,832百万円減少しています。
当社グループは、[飲料・食品][酒類][その他]の各セグメントにおいて国内外で積極的な事業展開を行いました。当連結会計年度の業績は、売上収益(酒税控除後)2兆1,575億円(前年同期比103%)、売上収益(酒税込み)2兆4,203億円(前年同期比103%)、営業利益2,536億円(前年同期比100%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、2,114億円(前年同期比114%)となりました。
なお、当社グループは、当連結会計年度から国際会計基準(IFRS)の任意適用を開始しました。前年同期との比較は、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えています。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりです。
[飲料・食品セグメント]
サントリー食品インターナショナル㈱は、お客様の嗜好・ニーズを捉えた上質でユニークな商品を提案し、お客様の生活に豊かさをお届けするという考えのもと、ブランド強化や新規需要の創造に注力したほか、同社グループ各社の知見を活かしたコスト革新による収益力強化や、グループ全体での品質の向上に取り組みました。
日本では、重点ブランドの強化に加え、新たな価値を持つ商品の提案を通じ、新規需要の創造に取り組み、販売数量は前年同期を上回りました。「サントリー天然水」は、主力のミネラルウォーター「サントリー天然水」が引き続き好調に推移しました。さらに、新商品「サントリー天然水 PREMIUM MORNING TEA」の寄与もあり、ブランド全体の販売数量は前年同期を大きく上回りました。「BOSS」は、主力商品に注力したことに加え、発売25周年を記念した「プライドオブボス」を9月に発売しました。また、ペットボトルの「クラフトボス」が好調に推移し「BOSS」ブランド全体の販売数量は大きく伸長しました。「伊右衛門」は、中味・パッケージのリニューアルや積極的なマーケティング活動が奏功し、販売数量は前年同期を上回りました。特定保健用食品は、新たなユーザーの取り込みを図るとともに、積極的なマーケティング活動を継続しました。自動販売機事業では、自動販売機専用商品の発売やオリジナルキャンペーンの実施等、自動販売機チャネルの魅力を高める取り組みを推進するとともに、法人営業に注力し、オフィス内の飲料需要の取り込みを図りました。
欧州では、主力ブランドを中心に、積極的なマーケティング活動を展開しました。フランスでは、「Orangina」と「Oasis」の販売数量が前年同期を上回りました。また、低糖のプレミアムアイスティー「MayTea」の販売も好調に推移しました。英国では、積極的なマーケティング活動により、スポーツ飲料「Lucozade Sport」が好調に推移しましたが、エナジードリンクを含む「Lucozade」ブランド全体の販売数量は前年同期を下回りました。スペインでは、引き続き業務用チャネルに注力し、トニックウォーターを中心に「Schweppes」の販売が堅調に推移しました。
アジアでは、主力ブランドの強化に加え、各国において営業・流通体制の強化に取り組みました。清涼飲料では、ベトナムにおいて、エナジードリンク「Sting」と茶飲料「TEA+」の積極的なマーケティング活動を実施し、売上は前年同期を上回りました。健康食品では、「BRAND'S Essence of Chicken」の販売が伸長しました。
オセアニアでは、主力ブランドを中心に積極的なマーケティング活動を行い、販売拡大に取り組みました。ニュージーランドでは、エナジードリンク「V」と果汁飲料「Just Juice」を中心に新フレーバーの投入やマーケティング活動を行いました。オーストラリアでは、「V」でフレーバー展開を進めたほか、スポーツ飲料「Maximus」の店頭活動を強化し、販売拡大に取り組みました。
米州では、ノースカロライナ州でペプシコブランドのさらなる販売強化に取り組み、水やコーヒー飲料等、伸長している非炭酸カテゴリーに注力しました。
以上の結果、飲料・食品セグメントは売上収益1兆2,264億円(前年同期比102%)、営業利益1,388億円(前年同期比105%)となりました。
[酒類セグメント] 酒類セグメントに記載の売上収益は酒税控除後の数値です。
Beam Suntory Inc.を中心としたスピリッツ事業は、為替や事業売却などの影響を除いた既存事業ベースの売上収益が前年同期比一桁台半ば増となりました。中でも、「ジムビーム」「メーカーズマーク」の販売数量が二桁増となったほか、「オルニートス」なども好調に推移しました。地域別の売上収益は、米国が前年同期比一桁台半ば増、欧州が前年同期比一桁台後半増、東南アジア・中国が前年同期比二桁増となりました。日本では、サントリースピリッツ㈱を中心とした国内スピリッツ事業の売上収益が前年同期比106%となりました。ウイスキーは、戦略ブランド「角瓶」「ジムビーム」「トリス〈クラシック〉」「メーカーズマーク」などが好調に推移しました。7月には、世界的な酒類コンペティションにおいて、「響21年」が全エントリー商品の中の最高賞「シュプリーム チャンピオン スピリット」を受賞しました。RTDは、販売数量が前年同期比110%と13年連続で伸長しました。「-196℃ ストロングゼロ」が食中酒としてご好評いただき大きく伸長したことに加え、「こくしぼりプレミアム」、ハイボール缶も好調に推移しました。また、新たな需要創造に向けた取り組みとして、ジャパニーズクラフトジン「ROKU」を7月に発売しました。
サントリービール㈱を中心としたビール事業は、総市場※1が前年同期比98%程度と推定される中、7,151万ケース※2と前年同期並の販売となり総市場の伸びを上回りました。ノンアルコールビールテイスト飲料を除いたビール類のシェアは16%(課税数量ベース)で過去最高となりました。「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドは1,705万ケースと前年同期並の販売となりビール市場の伸びを上回りました。5年ぶりに大幅リニューアルを実施した「ザ・プレミアム・モルツ」缶と「ザ・プレミアム・モルツ」ブランド樽生がそれぞれ前年同期比102%と好調に推移しました。また、新ジャンルの販売数量が過去最高となりました。「金麦〈糖質75%オフ〉」が前年同期比約1割増となったほか、新商品の高アルコール新ジャンル「頂〈いただき〉」が増分に寄与しました。「オールフリー」ブランドは、ノンアルコールビールテイスト飲料市場拡大に向けた積極的なマーケティング活動により、ユーザーの拡大に取り組みました。
※1 ノンアルコールビールテイスト飲料を含む数量ベース
※2 大瓶換算(1ケース=633ml×20本)
サントリーワインインターナショナル㈱を中心としたワイン事業の売上収益は、前年同期を上回りました。国産ワインは“酸化防止剤無添加”ブランドの販売数量が前年同期比114%と大きく伸長しました。輸入ワインは新商品「ダークホース」「サンタ プレミアム」を投入し、中高価格帯商品が好調に推移しました。
以上の結果、酒類セグメントは売上収益(酒税控除後)7,225億円(前年同期比105%)、売上収益(酒税込み)9,853億円(前年同期比104%)、営業利益1,269億(前年同期比100%)となりました。
[その他セグメント]
サントリーウエルネス㈱を中心とした健康食品事業は、「セサミン」シリーズ等が好調で前年同期比108%の売上となりました。なお、サントリー(中国)ホールディングス有限公司が2016年3月に青島啤酒股份有限公司との合弁契約を解消したこと等から、その他セグメントは売上収益2,086億円(前年同期比98%)、営業利益259億円(前年同期比82%)となりました。
なお、国内と海外の売上収益は次のとおりです。
売上収益(酒税控除後)
国内 1兆2,750億円(前年同期比101%)海外 8,825億円(前年同期比105%)
海外比率 41%
売上収益(酒税込み)
国内 1兆4,668億円(前年同期比101%)海外 9,535億円(前年同期比105%)
海外比率 39%
当社グループは、創業以来、積極的に事業を展開するとともに、創業の精神である『利益三分主義』に基づき、文化・社会貢献、環境活動などにも取り組んでいます。また、『水と生きる SUNTORY』という コーポレートメッセージのもと、社会と自然との共生を目指したさまざまな活動を展開しています。
熊本地震の復興支援活動は、累計4億円の規模で「熊本地域における地下水の持続可能性に貢献する活動」「文化・芸術・スポーツを通じた心と体の支援活動」を中心に実施しています。また、東日本大震災の復興支援活動は累計108億円の規模で継続して実施しています。
環境活動では、“水”に関わる活動を行う際の基本理念であるサントリーグループ「水理念」を1月に策定しました。国内の「サントリー 天然水の森」約9,000haで水源涵養活動を展開するほか、ベトナムで水に関する次世代環境教育、米国やフランスにおいて水源保全活動を実施するなど海外でも現地の実情に応じた活動を進めています。また、ペットボトル開発における当社独自の「2R+B」戦略※3のもと、容器包装の軽量化や、国内飲料業界で初めて構築したボトル to ボトルのメカニカルリサイクルシステムによるリサイクル活動を継続しています。さらに、5月に国内飲料メーカーとして初の国際的な森林管理認証FSC-COC認証を取得するなど、環境経営を推進しています。
※3 樹脂使用量の削減と再生素材の使用により徹底した資源の有効利用を図りつつ、可能な範囲で石油由来原料を再生可能原料で代替していく考え方(Reduce・Recycle+Bio)。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて70億円増加し、3,595億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益(2,269億円)、減価償却費及び償却費(973億円)、法人所得税の支払額(△400億円)等により2,617億円の増加(前年同期は2,526億円の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出(△994億円)、投資の売却による収入(195億円)等により800億円の減少(前年同期は624億円の減少)、また財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金及び社債の発行による収入(1,321億円)、長期借入金の返済及び社債の償還による支出(△2,805億円)等により1,720億円の減少(前年同期は877億円の減少)となりました。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2016年12月31日) | 当連結会計年度 (2017年12月31日) | |
資産の部 | ||
流動資産 | 1,267,103 | 1,316,522 |
固定資産 | ||
有形固定資産 | 640,821 | 651,900 |
無形固定資産 | 2,274,426 | 2,209,017 |
投資その他の資産 | 191,490 | 197,207 |
固定資産合計 | 3,106,737 | 3,058,125 |
繰延資産 | 515 | 711 |
資産合計 | 4,374,356 | 4,375,359 |
負債の部 | ||
流動負債 | 1,002,217 | 1,019,836 |
固定負債 | 2,215,419 | 1,984,356 |
負債合計 | 3,217,636 | 3,004,192 |
純資産の部 | ||
株主資本 | 895,287 | 1,067,218 |
その他の包括利益累計額 | △21,495 | 3,413 |
非支配株主持分 | 282,927 | 300,536 |
純資産合計 | 1,156,720 | 1,371,167 |
負債純資産合計 | 4,374,356 | 4,375,359 |
② 要約連結損益計算書及び連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | |
売上高 | 2,651,479 | 2,734,191 |
売上原価 | 1,262,489 | 1,283,059 |
売上総利益 | 1,388,989 | 1,451,132 |
販売費及び一般管理費 | 1,191,001 | 1,244,646 |
営業利益 | 197,988 | 206,485 |
営業外収益 | 9,732 | 11,623 |
営業外費用 | 31,895 | 32,282 |
経常利益 | 175,825 | 185,826 |
特別利益 | 27,005 | 24,035 |
特別損失 | 26,211 | 23,480 |
税金等調整前当期純利益 | 176,618 | 186,380 |
法人税等合計 | 24,282 | △24,957 |
当期純利益 | 152,336 | 211,338 |
非支配株主に帰属する当期純利益 | 30,818 | 31,746 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 121,518 | 179,591 |
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | |
当期純利益 | 152,336 | 211,338 |
その他の包括利益 | △110,356 | 24,194 |
包括利益 | 41,980 | 235,531 |
(内訳) | ||
親会社株主に係る包括利益 | 32,638 | 203,348 |
非支配株主に係る包括利益 | 9,341 | 32,183 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)
(単位:百万円) | ||||
株主資本 | その他の包括利益累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 790,288 | 67,384 | 304,956 | 1,162,629 |
会計方針の変更による累積的影響額 | △4,171 | △1,024 | △798 | △5,994 |
会計方針の変更を反映した当期首残高 | 786,117 | 66,360 | 304,157 | 1,156,634 |
当期変動額 | 109,170 | △87,855 | △21,229 | 85 |
当期末残高 | 895,287 | △21,495 | 282,927 | 1,156,720 |
当連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
(単位:百万円) | ||||
株主資本 | その他の包括利益累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 895,287 | △21,495 | 282,927 | 1,156,720 |
当期変動額 | 171,930 | 24,908 | 17,608 | 214,447 |
当期末残高 | 1,067,218 | 3,413 | 300,536 | 1,371,167 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 256,326 | 254,384 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △64,366 | △77,306 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △91,840 | △167,467 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | △5,583 | 827 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 94,535 | 10,437 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 257,990 | 352,525 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 352,525 | 362,962 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加9社、減少25社です。
持分法適用の関連会社の異動は増加5社、減少6社です。
(企業結合に関する会計基準等の適用)
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2013年(2013年)9月13日。以下「企業結合会計基準」という。)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 2013年(2013年)9月13日。以下「連結会計基準」という。)及び「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号 2013年(2013年)9月13日。以下「事業分離等会計基準」という。)等を当連結会計年度から適用し、支配が継続している場合の子会社に対する当社の持分変動による差額を資本剰余金として計上するとともに、取得関連費用を発生した連結会計年度の費用として計上する方法に変更しています。また、当連結会計年度の期首以後実施される企業結合については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを企業結合日の属する連結会計年度の連結財務諸表に反映させる方法に変更しています。加えて、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っています。当該表示の変更を反映させるため、前連結会計年度については、連結財務諸表の組替えを行っています。
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書においては、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に係るキャッシュ・フローについては、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、連結範囲の変動を伴う子会社株式の取得関連費用もしくは連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する方法に変更しています。
企業結合会計基準等の適用については、企業結合会計基準第58-2項(3)、連結会計基準第44-5項(3)及び事業分離等会計基準第57-4項(3)に定める経過的な取扱いに従っており、過去の期間のすべてに新たな会計方針を遡及適用した場合の当連結会計年度の期首時点の累積的影響額を資本剰余金及び利益剰余金に加減しています。
この結果、当連結会計年度の期首において、資本剰余金が158,808百万円増加するとともに、のれん5,994百万円、利益剰余金162,979百万円、為替換算調整勘定1,024百万円及び非支配株主持分798百万円が減少しています。また、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微です。
当連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、連結株主資本等変動計算書の資本剰余金の期首残高は158,808百万円増加するとともに、利益剰余金の期首残高は162,979百万円、為替換算調整勘定の期首残高は1,024百万円、非支配株主持分の期首残高は798百万円減少しています。
なお、当連結会計年度の1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額に与える影響は軽微です。
当連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加10社、減少15社です。
持分法適用の関連会社の異動は増加2社、減少6社です。
(4)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 39.初度適用」に記載のとおりです。
当連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
(のれんの償却)
日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却していましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が60,832百万円減少しています。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E22559] S100CNF2)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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