シーシーエス株式会社 業績等の概要 (2015年7月期)

(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、政府の金融政策による円安基調・株価の上昇などを背景に、企業収益や設備投資にも堅調な動きが見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
一方で海外では、北米において雇用環境の改善や個人消費の増加による内需拡大を背景に、景気は緩やかな回復基調が続いております。欧州では、景気改善の兆しは見えているものの、金融不安等による下振れ懸念は依然として残っており、中国をはじめとしたアジア圏では、中国経済に減速感が見られ、その他の地域においても景気は先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループでは「正しいことを正しくやる、当たり前のことを当たり前にやる」をスローガンに掲げ、より高品質、高付加価値の照明製品や光応用製品を生み出すことに加え、当社が創業以来、蓄積してきたノウハウを活用した「ライティングソリューション」を広く市場へ提供することで「光を科学し、社会に貢献する」という基本理念の実現に取り組んでまいりました。
当社グループの主たる事業分野であるMV(マシンビジョン)事業は、国内・海外ともに電子部品・半導体業界、自動車業界および三品(食品・医薬品・化粧品)業界の堅調な設備投資を背景に、ソリューションの拡充や営業エリアの拡大、新製品の投入に積極的に取り組みました。加えて、前連結会計年度に中国広東省に設立した合弁会社による売上寄与と、円安による為替効果もあり、売上高は大きく伸長いたしました。
2014年9月には、石川県金沢市および滋賀県守山市にテスティングルーム(実験室)を開設したことで、国内の営業拠点はこれまでの4拠点から6拠点となり、スピーディな顧客対応と地域密着型のサービス提供を強化しております。
また、2015年3月には、LEDでは初めて搬送方向の欠陥検出を実現したラインセンサ用斜光照明「LNDGシリーズ」、同年6月には、波長やサイズのラインナップを豊富に取り揃え、汎用的に使用可能な検査用照明「LDL2シリーズ」を刷新して発売する等、市場ニーズに沿った製品投入に注力することで、更なる顧客満足の向上に取り組んでおります。
新規事業では、当社の強みである「自然光LED」の応用展開に努めた結果、2014年8月には、ウシオライティング株式会社の「COOL SPOT α LED」、2015年7月には、山田医療照明株式会社の「イクシムクローバーシリーズ」の光源部を共同開発する等、デバイスビジネスの拡大とともに、売上高は堅調に推移いたしました。
利益面では、売上高の伸長により営業利益・経常利益が増加しました。さらに、子会社であった株式会社フェアリープラントテクノロジーの破産手続終結に伴う法人税の減少及び今後の業績動向に鑑み、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産の積み増しを行ったことから当期純利益は増加いたしました。
以上の結果、売上高6,951百万円(前年同期比26.2%増)、営業利益773百万円(前年同期比37.8%増)、経常利益760百万円(前年同期比54.5%増)、当期純利益772百万円(前年同期比93.7%増)となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ395百万円増加し、2,170百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は896百万円(前年同期比193.7%増)となりました。これらの主な要因は、税金等調整前当期純利益が780百万円、減価償却費164百万円、賞与引当金の増加188百万円、未払金の増加60百万円、仕入債務の減少145百万円、たな卸資産の増加62百万円、法人税等の支払額97百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は169百万円(前年同期比21.2%減)となりました。これらの主な要因は、有形固定資産の取得による支出114百万円、無形固定資産の取得による支出51百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は385百万円となりました。これらの主な要因は、長期借入れによる収入350百万円、少数株主からの払込みによる収入168百万円、短期借入金の純減少額267百万円、長期借入金の返済による支出479百万円、配当金の支払額54百万円、社債の償還による支出102百万円等によるものであります。