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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ANWF

有価証券報告書抜粋 ダイキン工業株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当社グループは、世界規模での地球温暖化やエネルギー問題への関心の高まりを受け、地球環境問題に対して積極的に貢献し事業拡大するべく、先端的な研究開発に取り組んでいる。
一昨年(2015年)には、ダイキングループの技術・商品開発の中核施設として、グループ内はもちろんのこと、産産・産学・産官協業など世界中の知恵を融合し、最先端のコア技術・基盤技術の研究開発と、顧客に新しい付加価値を提供する差別化商品の開発を行うテクノロジー・イノベーションセンター(TIC)を開所した。
TICには、従来、空調におけるヒートポンプ技術、インバータ技術に加え、環境建築・再生可能エネルギー領域、材料加工領域での新商品開発に取り組んできた環境技術研究所と、最先端のIT(情報技術)活用により、空調制御システムの開発と空調を軸とした省エネソリューションビジネスの研究を行ってきたソリューション商品開発センターを統合した。また、空調生産本部で空調商品の開発に携わる技術者や、化学研究開発センターでフッ素の新たな用途開発、高機能材料、環境社会に適合する材料の開発に取り組んでいた技術者の一部も糾合した。
また、欧州・中国をはじめ、グローバル各拠点の開発機能も強化しており、国内の研究開発部門で生み出した新技術を利用し、現地ニーズに合った商品の開発を行っている。
これらの取組みにより、研究開発の大幅な効率化とスピードアップを図り、グローバル各地域で差別化商品を生み出していく。

当連結会計年度におけるグループ全体の一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費は、538億70百万円であり、当連結会計年度における各事業別の主要な取り組みと成果及び研究開発費は次の通りである。

① 空調・冷凍機事業
住宅用空調機器の壁掛形エアコン『うるさら7』において、吹出しの風が人に直接当たりにくい快適な気流制御「冷房時:サーキュレーション気流、暖房時:垂直気流」を実現し好評を得ているが、冷房に際して、サーキュレーション気流と垂直気流のコンビネーションを採用する事で人に直接風を当てることなく部屋全体の温度ムラを素早く解消した。これらの気流コントロールと快適性をさらに高める当社独自の無給水加湿技術、冷房除湿コントロールで、包み込むような快適空間を実現した。
住宅用マルチエアコンの壁掛形室内機として「UXシリーズ」を発売した。住宅のインテリアデザインに対する意識の高まりから、工業デザイナーとダイキンヨーロッパ社が「インテリアとの調和」をコンセプトに曲面を基調とした前面パネルを採用し壁との一体感を感じさせるデザインを採用した。また、マルチエアコンに『UXシリーズ』と温水床暖房を接続する事で、デザインに加え連動制御による省エネ性と快適性を実現し一般財団法人省エネルギーセンター主催の2016年度省エネ大賞を受賞した。
業務用空調機器において、ビル用マルチエアコン『VRV X』シリーズを発売した。今回、冷媒回路の見直しを実施し、低負荷時の運転効率を向上させ年間の消費電力量を大幅に削減した。また、天井カセット形の室内ユニットでは、従来の気流方式を根本から見直した「アクティブサーキュレーション気流」を採用し、足元から暖かく快適な暖房を実現した。さらに、輻射空調や床暖房などの風を感じない空調システムを簡単に導入したいというニーズに応え、冷温水を作り出す「冷温水ユニット」を新たに品揃えした。
アプライド機器においては、北米では、大幅にコスト力を高め、高リフト条件にも対応した次世代磁気軸受ターボ冷凍機の発売を2016年12月に行った。また、冷凍能力1,500RTの高効率2段式ターボ冷凍機は、業界最高レベルの全負荷パフォーマンスを実現し、2016年10月に発売した。
中国では、更新需要向けモジュールターボ冷凍機を開発した。チラーは環境ニーズに対応し、DCインバータ冷房専用チラーを2016年11月に発売し、高効率の空冷磁気軸受チラー・超高効率のヒートポンプチラーを2016年12月に発売した。
欧州では、業界最高効率を実現したインバータスクリューチラーを開発し、2016年7月に発売した。また、2次側商品は簡易選定と圧倒的な高効率製品の開発を進め、病院や衛生市場向けのエアハンドリングユニットを2017年3月に発売した。分散型換気ニーズに向けた天井埋込み型エアハンドリングユニットは2017年1月に発売した。

空調・冷凍機事業に係る研究開発費は、458億87百万円である。

② 化学事業
化学事業の研究開発は、豊富なフッ素素材や多岐にわたるフッ素化学関連技術を元に新商品開発及び用途開発を行っている。
フッ素樹脂・ゴムではフッ素材料の得意とする耐熱性や耐薬品性・誘電特性などを活かし、自動車・半導体・ワイヤー&ケーブル(IT分野)などでの差別化新商品研究を行っている。また、フッ素の非粘着性・耐薬品性を活かしたコーティング材料開発、撥水撥油性を活かしたテキスタイル処理剤・カーペット処理剤の開発、さらには含フッ素化合物の機能性を活かした液晶関連材料の開発や、医薬中間体の受託合成研究など、フッ素に関する幅広い研究開発を行っている。
これらの素材開発に加え、周辺事業領域の研究開発や用途開発としてはフィルム等の加工品や他素材との複合材料開発、先端材料研究としてはメディカル分野・光学分野・環境分野などで新たな部材・デバイスビジネスの探索を進めることによってフッ素化学グローバルNo.1、オンリーワンのケミカルソリューション事業展開を目指している。特に電池エネルギー分野では、リチウム二次電池の高容量化・安全性向上にフッ素材料が欠かせないとみて、電解液・添加剤・正極バインダー・ガスケット等の開発に注力している。
冷媒分野では、環境規制対応の次世代冷媒の開発を加速し、今期は従来の冷凍冷蔵機器に多く使用されているR-404Aより地球温暖化係数(GWP)が約62%低く、オゾン破壊係数ゼロ、かつ不燃である新冷媒R-407Hを新たに開発した。今後さらに温暖化係数の低い冷媒開発にも取り組んでいく。
これらの研究開発を加速・推進するべく、化学事業部では新商品開発の確実な実行を担い、TICにおいては、化学事業につながる次世代テーマの探索を実施している。

化学事業に係る研究開発費は、62億11百万円である。

③ その他事業
油機関連では、大容量シリーズ化と用途開発を進めており、油圧技術とインバータ技術を融合させた商品であるハイブリッド油圧システムの特徴を活かし、従来の油圧システムではなし得ない省エネ性と高機能を実現している。
プレスなどの産業機械向けの「スーパーユニット」は工場の電力削減の切り札として省エネ性で高い評価を得ており、低騒音、発熱低減、タンク油量削減による作業環境改善や環境負荷低減にも寄与している。
また、電動に匹敵する高い応答性と省エネ性を実現した成形機向けの大型システムも市場に投入し、異電圧電源対応などアジア各国、その他の地域特性に合わせた機種シリーズを拡充し、各地域での採用が進んでおり、プレスなど、他の用途でのグローバル展開、拡販も進めている。
さらに、特殊車両用の省エネシステムについても開発を進めており、車両向けの油圧ハイブリッドシステムが実機採用されている。
このように従来油圧システムに加えて、その枠を超えた先進的な環境対応商品をグローバルに提供する商品と技術の開発を進めている。
特機関連では、主に防衛省向け砲弾・誘導弾用部品に関する研究を行っている。

その他事業に係る研究開発費は、17億71百万円である。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01570] S100ANWF)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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