有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100GB86
チッソ株式会社 事業等のリスク (2019年3月期)
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性がある主要なリスク及び変動要因は以下に記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年3月31日)現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 主原料の価格リスクについて
化学品の主原料であるナフサの価格が需給バランスや円安等の要因により上昇した場合、製品価格の是正によりこれに対応しておりますが、ナフサの価格上昇に見合った是正ができない場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(2) 為替リスクについて
当社グループは、海外から原材料の一部を輸入するとともに、国内で製造した製品の一部を海外に輸出しています。大きな為替変動がある場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(3) カントリーリスクについて
当社グループは、中国、台湾、韓国、タイ、米国及び欧州等で事業活動を行っていますが、現地の政治、経済情勢の変化、予期しえない法規制の変更等により、現地での事業活動に悪影響が出る場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(4) 事故・自然災害について
当社グループは、製造設備の定期点検を実施するなど、設備事故の発生防止に努めていますが、万一、製造設備等の事故災害や自然災害などが発生した場合には、それに伴って生ずる社会的信用の失墜や、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償などによって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
(5) 研究開発について
当社グループは、既存製品の品質向上に加え新製品の開発のために研究開発活動を行っておりますが、研究開発の成果が目標と大きく乖離し、研究開発コストが回収できなかった場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(6) 知的財産・法規制等について
当社グループは、その事業展開にとって知的財産権の保護は極めて重要なものと認識しており、これを保護するための体制を整備し、対応を実施しておりますが、知的財産に関わる紛争が将来生じ、当社グループに不利な判断がなされたり、当社グループの技術又は情報の漏洩が発生する可能性がありえます。また、当社グループが事業展開する各国の法規制及びその変更により事業活動の制限や追加的なコストが生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合、当社グループの社会的信用の低下を招くおそれがあるほか、当社グループの事業、業績及び財政状況に影響が生じる可能性があります。
(7) 金融市場の動向について
当社グループは金融収支の改善等に努めておりますが、今後、金融市場の動向により金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(8) 競合他社との競争の激化について
競合他社との競争の激化により主要製品の価格やマーケット・シェアが低下し、又は当社グループが顧客ニーズに合致した製品を提供することができない場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(9) 水俣病問題について
水俣病問題につきましては、「2 事業等のリスク (13)提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象」に記載のとおりですので、そちらをご参照下さい。
なお、水俣病患者補償については、当期に19億円の費用が発生しており、今後も継続して補償を行っていきますので、毎年同程度の費用が発生することとなります。
(10) 水俣病被害者への一時金の支払いについて
特措法(2009年法律第81号)及びその救済措置の方針に基づく当社の一時金支払額は、2018年4月1日以降、2019年3月31日までで合計16百万円です。
2014年8月29日に環境省より、救済措置対象者の判定が熊本県及び鹿児島県で終了した旨の公表がなされておりますが、一時金支払いの手続きは継続しており、最終的な金額の確定には至っておりません。
(11) 水俣病訴訟について
2007年10月11日に、水俣病被害者互助会に属する8名の原告から、当社、国及び熊本県に対して熊本地方裁判所へ提起された損害賠償請求訴訟は、2014年3月31日付で、原告3名の請求については一部を認容する判決がありましたが、当社はこの判決を不服として、福岡高等裁判所に控訴いたしました。また、原告側も控訴しております。
この他、水俣病に罹患しているとする原告から、当社、国及び熊本県に対して熊本地方裁判所及び東京地方裁判所、大阪地方裁判所に損害賠償請求訴訟が提起されております。
2013年6月20日以降数次にわたり、2019年3月31日までに水俣病不知火患者会に属する原告合計1,710名から行なわれた提訴の損害賠償請求金額は、合計7,695百万円となっております。
これらの訴訟の結果によっては、当社の業績に影響が生じる可能性があります。
(12) 中核事業子会社の株式譲渡について
当社が、将来、「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法」(2009年法律第81号)第12条に基づく環境大臣の承認を得たうえで中核事業子会社であるJNC株式会社の株式を譲渡した場合、同法の規定にしたがい、当該株式の譲渡によって得られた収入から、継続補償受給者に対する補償給付の実施に必要な補償賦課金が遅滞なく納付され、その残額については公的支援に係る借入金債務の返済等に充当されます。その結果として、当社株式の流通性が大きく低下する可能性があります。
(13) 提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その 他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象
当社グループは、これまでの水俣病関連累積損失に加え、2010年度より発生しております水俣病被害者救済一時金等による支払いが多額にのぼるため、当連結会計年度末の連結利益剰余金は△1,501億円となる結果、大幅な債務超過となっております。
当該状況が会社の事業活動の継続に支障を来たさないための措置として、2000年2月8日閣議了解に基づき、国、熊本県及び関係金融機関から種々の支援措置を講じていただいております。
国・熊本県からは、水俣病関連の公的債務返済につきましては、可能な範囲で返済を行い得るよう、各年度、所要の支払猶予等を講じていただいております。
また、特措法(2009年法律第81号)及びその救済措置の方針による水俣病被害者救済一時金の支払い額が756億円と大幅に増加し、既往公的債務の償還に加えて同支払い債務の償還によって、償還合計額が増加する状況となったため、関係省庁による「チッソ株式会社に対する支援措置に関する連絡会議」において、2018年度以降の金融支援措置及び債務償還に関する申し合わせがなされ、2018年3月26日に、金融支援措置の継続並びに解決一時金債務の償還にかかる決定及び救済一時金債務について2019年度以降、当面の間、支払猶予とする決定を受けております。
関係金融機関からは、現在当社に対し行われている貸付元本及び求償債権の返済猶予等の継続及びこれに係る利息等の免除といった特別支援措置を受けております。
以上により、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。
(1) 主原料の価格リスクについて
化学品の主原料であるナフサの価格が需給バランスや円安等の要因により上昇した場合、製品価格の是正によりこれに対応しておりますが、ナフサの価格上昇に見合った是正ができない場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(2) 為替リスクについて
当社グループは、海外から原材料の一部を輸入するとともに、国内で製造した製品の一部を海外に輸出しています。大きな為替変動がある場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(3) カントリーリスクについて
当社グループは、中国、台湾、韓国、タイ、米国及び欧州等で事業活動を行っていますが、現地の政治、経済情勢の変化、予期しえない法規制の変更等により、現地での事業活動に悪影響が出る場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(4) 事故・自然災害について
当社グループは、製造設備の定期点検を実施するなど、設備事故の発生防止に努めていますが、万一、製造設備等の事故災害や自然災害などが発生した場合には、それに伴って生ずる社会的信用の失墜や、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償などによって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
(5) 研究開発について
当社グループは、既存製品の品質向上に加え新製品の開発のために研究開発活動を行っておりますが、研究開発の成果が目標と大きく乖離し、研究開発コストが回収できなかった場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(6) 知的財産・法規制等について
当社グループは、その事業展開にとって知的財産権の保護は極めて重要なものと認識しており、これを保護するための体制を整備し、対応を実施しておりますが、知的財産に関わる紛争が将来生じ、当社グループに不利な判断がなされたり、当社グループの技術又は情報の漏洩が発生する可能性がありえます。また、当社グループが事業展開する各国の法規制及びその変更により事業活動の制限や追加的なコストが生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合、当社グループの社会的信用の低下を招くおそれがあるほか、当社グループの事業、業績及び財政状況に影響が生じる可能性があります。
(7) 金融市場の動向について
当社グループは金融収支の改善等に努めておりますが、今後、金融市場の動向により金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(8) 競合他社との競争の激化について
競合他社との競争の激化により主要製品の価格やマーケット・シェアが低下し、又は当社グループが顧客ニーズに合致した製品を提供することができない場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(9) 水俣病問題について
水俣病問題につきましては、「2 事業等のリスク (13)提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象」に記載のとおりですので、そちらをご参照下さい。
なお、水俣病患者補償については、当期に19億円の費用が発生しており、今後も継続して補償を行っていきますので、毎年同程度の費用が発生することとなります。
(10) 水俣病被害者への一時金の支払いについて
特措法(2009年法律第81号)及びその救済措置の方針に基づく当社の一時金支払額は、2018年4月1日以降、2019年3月31日までで合計16百万円です。
2014年8月29日に環境省より、救済措置対象者の判定が熊本県及び鹿児島県で終了した旨の公表がなされておりますが、一時金支払いの手続きは継続しており、最終的な金額の確定には至っておりません。
(11) 水俣病訴訟について
2007年10月11日に、水俣病被害者互助会に属する8名の原告から、当社、国及び熊本県に対して熊本地方裁判所へ提起された損害賠償請求訴訟は、2014年3月31日付で、原告3名の請求については一部を認容する判決がありましたが、当社はこの判決を不服として、福岡高等裁判所に控訴いたしました。また、原告側も控訴しております。
この他、水俣病に罹患しているとする原告から、当社、国及び熊本県に対して熊本地方裁判所及び東京地方裁判所、大阪地方裁判所に損害賠償請求訴訟が提起されております。
2013年6月20日以降数次にわたり、2019年3月31日までに水俣病不知火患者会に属する原告合計1,710名から行なわれた提訴の損害賠償請求金額は、合計7,695百万円となっております。
これらの訴訟の結果によっては、当社の業績に影響が生じる可能性があります。
(12) 中核事業子会社の株式譲渡について
当社が、将来、「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法」(2009年法律第81号)第12条に基づく環境大臣の承認を得たうえで中核事業子会社であるJNC株式会社の株式を譲渡した場合、同法の規定にしたがい、当該株式の譲渡によって得られた収入から、継続補償受給者に対する補償給付の実施に必要な補償賦課金が遅滞なく納付され、その残額については公的支援に係る借入金債務の返済等に充当されます。その結果として、当社株式の流通性が大きく低下する可能性があります。
(13) 提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その 他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象
当社グループは、これまでの水俣病関連累積損失に加え、2010年度より発生しております水俣病被害者救済一時金等による支払いが多額にのぼるため、当連結会計年度末の連結利益剰余金は△1,501億円となる結果、大幅な債務超過となっております。
当該状況が会社の事業活動の継続に支障を来たさないための措置として、2000年2月8日閣議了解に基づき、国、熊本県及び関係金融機関から種々の支援措置を講じていただいております。
国・熊本県からは、水俣病関連の公的債務返済につきましては、可能な範囲で返済を行い得るよう、各年度、所要の支払猶予等を講じていただいております。
また、特措法(2009年法律第81号)及びその救済措置の方針による水俣病被害者救済一時金の支払い額が756億円と大幅に増加し、既往公的債務の償還に加えて同支払い債務の償還によって、償還合計額が増加する状況となったため、関係省庁による「チッソ株式会社に対する支援措置に関する連絡会議」において、2018年度以降の金融支援措置及び債務償還に関する申し合わせがなされ、2018年3月26日に、金融支援措置の継続並びに解決一時金債務の償還にかかる決定及び救済一時金債務について2019年度以降、当面の間、支払猶予とする決定を受けております。
関係金融機関からは、現在当社に対し行われている貸付元本及び求償債権の返済猶予等の継続及びこれに係る利息等の免除といった特別支援措置を受けております。
以上により、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。
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