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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100OEU9 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 チッソ株式会社 研究開発活動 (2022年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

「事業部門の開発支援により早期業績回復に貢献するとともに、未来をかえる新しい価値を発見し、社内外の技術を活用した価値創造の新規ビジネス立上げを推進する。」を研究開発方針に掲げ、中長期的な視点から、保有技術を活かした事業分野と連続性のある新規テーマを設定し、シリコン、ライフケミカル事業を拡大するための基盤技術開発を推進しています。当連結会計期間末における研究開発要員はグル-プ全体で183名、研究開発費は3,602百万円でした。
セグメントごとの研究開発の概要は以下のとおりです。


(1)機能材料事業
機能材料事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)ディスプレイ材料及び周辺材料の研究開発
b)ディスプレイ以外の用途に向けた液晶材料の研究開発
c)プリンテッド・エレクトロニクス材料の研究開発
d)シリコン化合物の研究開発及び生産技術開発
液晶材料市場において中国メーカーとの競争が一段と激化する中、新型コロナウイルス感染症による生活様式の変化により需要が拡大したPCモニター、ノートPC及びタブレット端末などのIT用ディスプレイにおいて、当社グループの液晶材料が採用されています。車載用途などの高い信頼性、解像度、透過性が求められる高精細ディスプレイを含め、今後の市場展開を見据えて、コスト・プロセスの両面で更なる顧客利便性を実現する製品の開発を進めています。
有機EL材料では、スマートフォン用途に続いてTV向ディスプレイに採用が決まり、製品化が進んでいます。韓国SK Materials社と共同で設立した開発、製造、販売の合弁会社であるSK Materials JNC社は、韓国(東灘)及び日本(千葉)の2拠点体制により最大手顧客のニーズに迅速に応える開発体制を整えました。発光材料に加えて共通材料の開発及び事業化を推進し、事業価値を高めてまいります。
光配向膜材料では、新規材料の開発を通して、感度、透過率、安定性等の性能向上を実現し、高機能特性を有する材料の供給体制の構築を進めています。
オーバーコート材料は、当社材料の特徴である高バリア性能、高耐熱性、高平坦性で高い評価をいただいております。
液晶ディスプレイ市場における関連材料の大量生産に並行して、結晶と液体の中間的な特性をもつ特殊材料である液晶を、ディスプレイ以外の用途に展開することを目的とした研究開発を進めています。具体的には、光の遮断機能を活用した調光材、光変調素子、AR/VRデバイスといった用途での実用化が始まっています。
プリンテッド・エレクトロニクス材料では、既に採用されているフィルムセンサー、コンデンサー用途の拡大と、半導体及びフレキシブルプリント基板向け絶縁膜の開発に注力しており、顧客評価が順調に進んでいます。
シリコン化合物では、EV向け放熱材用途として反応性シリコーンの開発を行い、採用が始まっています。シリコン系LED用封止材では、採用が進むと共に、新しい用途に向けた材料としてユーザー評価が増加し、機能性向上を目指した開発体制を強化しています。

(2)加工品事業
加工品事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)高機能複合繊維の開発及び不織布の開発
b)肥効調節型肥料の開発
繊維・不織布関連では、高機能複合繊維の開発と、スルーエア不織布・メルトブローン不織布・エレクトロスピニング法を用いたナノ繊維不織布や、これらの不織布を用いた複合製品の開発及び生産技術開発を推進し、衛生材料分野、産業資材分野等において新製品の提案に取り組んでいます。
スルーエア不織布では、孔開け不織布や格子状などの模様を付けた賦形不織布を試作し、肌触りや通気性の良い不織布の開発を行っています。また、環境負荷の低減を目指し、バイオ原料を使用して開発した高機能複合繊維は、一般社団法人日本有機資源協会のバイオマスマーク商品認定を得ています。複合製品では、超撥水性空調フィルター等を開発し、ユーザー評価を進めています。
肥効調節型肥料は、新機能を付与した製品の量産化と拡販を進めています。

(3)化学品事業
化学品事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)高機能有機化学品の研究開発及び生産技術開発
b)ライフケミカル製品の開発
有機化学品では、社内コア技術を活用し、電子情報材料、省エネルギー及び環境保全をターゲットとした機能性化学品のユーザー評価が進んでいます。加えて、社外とのコラボレーションによる開発体制の強化に取り組んでいます。
ライフケミカル製品では、バイオ医薬品原料を精製するためのクロマトグラフィー充填剤(商品名:セルファイン®)を展開しています。精製工程で使用されるクロマトグラフィー充填剤の全てを自社製品として販売しており、新型コロナウイルスのワクチン製造に関連してグローバルに採用されるなど、新たな適用拡大へ向けた開発が進んでいます。また、抗体医薬精製用ではプロテインA担体(製品名:セルファイン®SPA-HC)に加え、新規クロマトグラフィー充填剤の市場投入を開始します。更に、近年の遺伝子治療の需要の高まりを受け、ウイルスベクター精製用クロマトグラフィー充填剤としてのアプリケーション拡充を図っています。体外用診断薬では、人用の体外診断用医薬品(白癬菌抗原キット)が国内保険収載され、本格的に販売を開始します。微生物検査用のシート培地は、グレード開発を継続しています。天然系食品保存料であるポリリジンはコロナ禍に伴う公衆衛生、更にはナチュラル素材への市場要望から、食品保存剤でのノウハウを生かし、安全性の高い天然系抗菌剤としてのアプリケーション開発を進めています。

(4)コーポレートテーマ
機能材料事業、加工品事業、化学品・ライフケミカル事業、エネルギー・環境事業をターゲットとした新技術、新商品の開発を推進しています。保有技術を生かしたテーマとして、人工・合成皮革向けのコート液、セパレータコート液の市場開発を行っています。ポリリジンの非食品分野への用途展開として抗ウイルス剤を開発し、複数ユーザーでの評価が進んでいます。既存のクロマトグラフィー充填剤に比べ高い性能が期待される新規微粒子の開発を進めています。磁性ナノ粒子を利用した下水中のコロナウイルス分離技術を開発し、下水疫学調査への活用を進めています。
また、新規成長分野への市場参入も進めており、成長分野の一つである高速通信分野をターゲットとして、自社技術を活用した新商品・事業創出テーマのひとつである高周波基板用低誘電材料のユーザー評価が進んでいます。二次電池負極材料は、リチウムイオン二次電池の高容量化と長寿命化を実現する添加剤の開発が終了し、出資先である米国ベンチャー企業への技術移転を行なっています。

(5)研究開発支援部門
知的財産部、市原研究所及びイノベーションセンターの分析・基盤部門と共に以下の研究開発支援を推進しています。
a)知的財産支援
b)全社への研究開発支援としての分析・基盤研究
知的財産支援では、2021年度に38件の国内新規特許を出願しました。
研究開発支援では、当社グループのコア事業である、ディスプレイ材料や化学製品及びライフケミカル関連材料について、高度な分析・解析技術により研究開発の推進に貢献しています。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00753] S100OEU9)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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