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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1001IH1

有価証券報告書抜粋 テラ株式会社 研究開発活動 (2013年12月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、中長期的な収益基盤として重要になると考えられる、がん治療・診断技術、及び再生医療等について、研究開発・事業化の検討を行っております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は232,098千円であり、全て細胞治療技術開発事業におけるものであります。主な研究開発活動は次のとおりであります。

(1) がん治療技術

がん抗原等の樹状細胞ワクチン療法への応用・開発
当社が実用化してまいりました樹状細胞ワクチン療法とは、本来数少ない樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者様のがん組織やがんの特徴(がん抗原)を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球ががん細胞のみを狙って攻撃するという新しいがん免疫療法で、いわゆる「がんワクチン」のひとつです。がん抗原は多数発見されており、人工的に作製したペプチドをがん抗原として使用することができますが、多くはMHCクラスI※1と呼ばれるたんぱく質に結合するペプチドを用いております。当社は、WT1という多くのがんに存在する物質に由来するペプチドを樹状細胞ワクチン療法に用いる権利を有し、すでにWT1のMHCクラスⅠペプチドを樹状細胞ワクチン療法に用いる方法を実用化しており、かつ、継続的に研究開発を続けております。
近年、MHCの中でもクラスⅡ※1と呼ばれる、免疫系細胞やがん細胞に限局して作られているたんぱく質に結合するペプチドの重要性が基礎研究で明らかにされております。当社はMHCクラスⅡに結合するWT1やサーバイビン※2等のペプチドの使用権も有しており、その実用化に向けて、基礎研究及び臨床研究を積極的に行っております。
※1:MHCクラスⅠ、クラスⅡ
MHCとは、細胞表面に発現する、抗原を提示する機能を持つたんぱく質です。MHCには、クラスⅠとクラスⅡの2種類があります。
MHCクラスⅠは、血小板と赤血球以外の全ての細胞に存在します。樹状細胞のMHCクラスⅠにがん抗原ペプチドを結合させると、キラーTリンパ球という免疫担当細胞ががん抗原を認識して特異的に活性化し、がんを攻撃するようになります。
MHCクラスⅡは、主に樹状細胞などの抗原提示細胞で発現し、抗原となるペプチドを提示しています。ヘルパーTリンパ球という免疫担当細胞を特異的に活性化し、周囲の免疫反応を賦活化します。
※2:サーバイビン
細胞の自然死を抑制する機能を持つたんぱく質です。多種のがん細胞でサーバイビンが高発現していることが判明しており、汎用性の高いがん抗原として期待されています。

① 膵がんを対象としたWT1クラスIを用いた樹状細胞ワクチン療法
(研究パートナー:慶應義塾大学 医学部 外科学)
当該臨床試験では、進行膵癌に対するゲムシタビン併用WT1ペプチドパルス※3樹状細胞ワクチン療法の第I相臨床試験を行って参りましたが、2013年12月で目標症例数に達成し試験が終了しました。この試験によって、進行膵癌に対するWT1ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法とゲムシタビンの併用療法の安全性が確認されました。
※3:パルス
樹状細胞に抗原ペプチドをとりこませ、MHCにペプチドを結合させることを指します。この工程を経て、樹状細胞はTリンパ球に抗原ペプチドを提示するようになります。


② 膵がん及び胆道がんを対象とした、WT1MHCクラスⅠ及びMHCクラスⅡペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法
(研究パートナー:東京慈恵会医科大学附属柏病院)
当該臨床試験では、WT1 MHCクラスI及びMHCクラスⅡペプチドを併用した樹状細胞ワクチン療法の安全性及び臨床効果の検討を行って参りました。2013年12月には当該臨床試験が終了し、その安全性が確認されました。2014年には学会あるいは学術雑誌での発表を検討しております。

③ 口腔がんに対する樹状細胞ワクチン療法の再発予防効果の検証
(研究パートナー:愛媛大学)
当連結会計年度においては、口腔がんに対する自己がん組織を用いた樹状細胞ワクチン療法の再発予防効果について経過を追跡しております。引き続き臨床研究を継続してまいります。

④ サーバイビン等の新規がん抗原を用いたがん免疫療法
(研究パートナー:信州大学、株式会社バイオイミュランス等)
当連結会計年度においては、サーバイビン等の新規がん抗原ペプチドを単独で投与する臨床研究により、安全性の確認と免疫機能解析を行い、樹状細胞ワクチン療法への応用について検討を行なってまいりました。引き続き、新規がん抗原を樹状細胞ワクチン療法に応用するための基礎検討及び臨床研究体制の構築を行ってまいります。

⑤ 新規免疫療法の研究開発
当連結会計年度においては、NK細胞の臨床研究の体制を構築いたしました。引き続き、臨床研究の実施に向けて準備を進めてまいります。

⑥ 進行・再発食道癌に対するドセタキセル併用WT1ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法
(研究パートナー:慶應義塾大学 医学部 外科学)
当該臨床試験では進行・再発食道癌に対するドセタキセル併用WT1ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法の第I相臨床試験により安全性の検討を引き続き行ってまいります。

⑦ 進行期悪性黒色腫に対するカルボプラチン・パクリタキセル併用ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法
(研究パートナー:慶應義塾大学 医学部 皮膚科)
当該臨床試験では進行期悪性黒色腫に対するカルボプラチン・パクリタキセル併用ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法の第I/II相臨床試験により安全性及び臨床効果の検討を引き続き行ってまいります。

⑧ がん治療を目的とした細胞プロセッシング装置の共同研究開発
(研究パートナー:旭化成株式会社)
当連結会計年度においては、がん治療を目的とした細胞プロセッシング装置の基礎検討を進めてまいりました。引き続き、検討を進め装置の開発を行ってまいります。

⑨ 細胞医薬品(再生医療等製品)の共同研究開発
(研究パートナー:九州大学)
当連結会計年度においては、細胞医薬品(再生医療等製品)としての樹状細胞ワクチンの工業生産に向けて、GMPに基づく製造のフィージビリティ試験、GLPに基づく非臨床試験を進めてまいりました。引き続き、細胞医薬品(再生医療等製品)の開発を行ってまいります。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E22621] S1001IH1)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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