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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1001IH1

有価証券報告書抜粋 テラ株式会社 事業の内容 (2013年12月期)


沿革メニュー関係会社の状況


当社グループは、当社及び連結子会社2社の計3社で構成されており、「医・療・を・創・る」をミッションとして、樹状細胞ワクチン療法を中心とした研究開発、全国の医療機関に対する営業開拓、セミナー等を通じた患者に対する情報提供、学会等での発表を中心とした学術活動、及び主に大学医療機関に対する細胞加工施設の運営受託・保守管理サービス、機器販売等を継続的に行っております。報告セグメントは、樹状細胞ワクチン療法を中心とした独自の癌治療技術・ノウハウの提供を契約医療機関に行っている細胞治療技術開発事業、研究機関、医療機関からの細胞加工施設の運営受託及び保守管理サービス、及び消耗品、装置等の販売並びにCRO事業を行っている細胞治療支援事業の2つの区分で構成されております。

当社グループの事業の系統図については、以下のとおりであります。


当社グループの主たる事業である細胞治療技術開発事業につきましては、以下のとおりであります。

1. 医療機関に提供するサービスの概要

樹状細胞ワクチン療法を中心とするがん免疫療法を行うには、高度な技術・ノウハウ、専門技術者の確保・育成、専用施設・機器等が必要であり、医療機関が独力でこれらすべてを準備し、導入することは困難です。
当社は、大学等の研究機関との研究成果を活かして、医療機関が樹状細胞ワクチン療法を中心とするがん免疫療法を患者に提供するために、以下のサービスを包括的に提供し、対価を受け取っております。

(1)細胞培養体制整備支援サービス

① 細胞培養施設の設置に関する支援
樹状細胞の培養を行うためには、医薬品の製造施設と同等レベルの空気清浄度を維持する専用の細胞培養施設(CPC:CellProcessingCenter)が必要となります。当該施設の設計、運用には独自のノウハウが必要となりますが、当社はこのノウハウをもとに、高品質の樹状細胞を安定的に培養するための施設の設置支援を行っております。

② 培養方法に関する教育指導
医療機関が樹状細胞ワクチン療法を中心とするがん免疫療法を患者に提供するにあたり、培養される樹状細胞の品質が重要となります。当社では、医療機関の培養技術者が安定的に質の高い樹状細胞を培養できるよう、培養方法の教育指導をしております。

③ 標準作業手順書の貸与
当社では、樹状細胞をはじめとする高品質の免疫細胞を安定的に培養するため、培養ノウハウを標準作業手順書(SOP:StandardOperatingProcedures)に取りまとめ、医療機関に貸与しております。当該手順書は、培養技術・ノウハウの改良が行われる毎に内容を更新しております。

④ 培養管理システム導入の支援
樹状細胞の培養工程は多岐に亘る、複雑なものとなっております。当社では、当該培養工程を正確かつ効率的に管理し、高品質な樹状細胞を培養するためのGMP(GoodManufacturingPractice:医薬品の製造及び品質管理に関する基準)に準拠した培養管理システムを導入する支援を行っております。

⑤ 細胞品質管理支援サービス
臨床効果を高めるには、樹状細胞ワクチン療法において用いる、樹状細胞の品質管理が重要です。この点、当社は契約医療機関で培養された樹状細胞ワクチン療法に用いられる細胞について、その品質の解析を行い、契約医療機関に報告をしております。このように、培養された細胞の品質報告と細胞測定装置による解析を行う体制を整えることで、契約医療機関において安定的に高品質な樹状細胞が培養されるよう支援しております。

(2)運営体制整備支援サービス

① 治療実施体制整備の支援
治療を行うに際しては、医療相談から細胞培養、投与に至る治療の一連の流れに対して、医師、看護師、培養技術者等、多くの専門家が関わるため、治療実施体制が複雑なものになります。当社では、独自のノウハウを提供することで、医療機関が治療実施体制の整備をスムーズに行えるように支援を行っております。

② 業務に関わる文書の貸与
樹状細胞ワクチン療法を中心としたがん免疫療法に関する説明文書等、業務に関わる文書の貸与を行っております。

③ 臨床効果評価方法の体制整備に関する支援
臨床効果評価は、治療の継続的な改善及びレピュテーションの向上に必要であることから、全ての契約医療機関で統一した評価体制をとれるよう支援しております。


(3)がん組織の保管に関する技術・ノウハウの提供

樹状細胞ワクチン療法に必要な抗原の一つである、自己がん組織の利用可能性を高め、同療法を実施できる患者を増やすために、契約医療機関に対して、患者の自己がん組織を超低温下において保存するサービス「プライベートがんバンク」の技術・ノウハウを提供しております。

(4)協力医療機関の紹介

治療を行う際に、それを構成する全ての治療を契約医療機関のみで行うことができない場合もあることから、治療に協力していただける医療機関を当社が開拓し、契約医療機関に紹介しております。

(5)集患支援サービス

樹状細胞ワクチン療法を中心とするがん免疫療法は新しく、まだ認知が広がっていない技術・ノウハウであるため、普及を進め、より多くの患者に提供していくためには、その内容等を認知・理解していただく必要があります。
そのため、当社では、これまで蓄積してきた情報発信ノウハウを契約医療機関に提供することで、当該医療機関の集患を支援しております。

2.契約医療機関について

(1)契約医療機関の種類

当社がサービスを提供する契約医療機関は、契約形態によって、①基盤提携医療機関、②提携医療機関、③連携医療機関の3種類に分類されます。

① 基盤提携医療機関
当社が、医療機関に対して樹状細胞ワクチン療法を中心としたがん免疫療法を行うための設備の貸与、技術・ノウハウの提供、マーケティング、医療機関向け及び患者向け情報提供、権利使用許諾を行い、その対価として、施設使用料、技術・ノウハウ料、権利使用料を治療数に応じて受け取っております。新規に設立する医療機関の場合は、設立支援も行っております。

② 提携医療機関
当社が、医療機関に対して樹状細胞ワクチン療法を中心としたがん免疫療法を行うための技術・ノウハウの提供、マーケティング、医療機関向け及び患者向け情報提供、権利使用許諾を行い、その対価として、技術・ノウハウ料、権利使用料を治療数に応じて受け取っております。当社が設備の貸与を行わないことから、当社への施設使用料が発生しない点が、基盤提携医療機関と異なります。

③ 連携医療機関
基盤提携医療機関又は提携医療機関と連携して治療を行う医療機関であります。当社が、医療機関に対して樹状細胞ワクチン療法を中心としたがん免疫療法を行うための技術・ノウハウの提供、医療機関向け及び患者向け情報提供等を行い、その対価を受け取っております。


(2)当社契約医療機関の概要(契約締結順)

2013年12月末時点における、当社の契約医療機関は以下のとおりです。
名称所在地契約形態
医療法人社団 医創会 セレンクリニック東京東京都港区基盤提携
社会医療法人 北斗 北斗病院 北海道帯広市提携
医療法人社団 明芳会 板橋中央総合病院東京都板橋区連携
医療法人 クリニックサンルイ 京都府京都市山科区基盤提携
花園クリニック 院長 楢崎幹雄広島県福山市提携
医療法人社団 神樹会 新横浜かとうクリニック神奈川県横浜市港北区基盤提携
国立大学法人 信州大学(信州大学医学部附属病院)長野県松本市提携
医療法人社団 医創会 セレンクリニック名古屋愛知県名古屋市中区基盤提携
社会医療法人 北楡会 札幌北楡病院北海道札幌市白石区基盤提携
独立行政法人国立病院機構 鹿児島医療センター鹿児島県鹿児島市提携
医療法人社団 医創会 セレンクリニック福岡福岡県福岡市中央区基盤提携
国立大学法人愛媛大学(愛媛大学医学部附属病院)愛媛県東温市提携
医療法人社団 医創会 セレンクリニック神戸兵庫県神戸市中央区基盤提携
医療法人社団 ミッドタウンクリニック東京都港区基盤提携
松本歯科大学病院長野県塩尻市基盤提携
国立大学法人 長崎大学長崎県長崎市提携
医療法人社団 青葉会 仙台駅前アエルクリニック宮城県仙台市青葉区基盤提携
医療法人社団 洗心 島村トータル・ケア・クリニック千葉県松戸市連携
独立行政法人 国立国際医療研究センター東京都新宿区基盤提携
鶴見大学神奈川県横浜市鶴見区連携
医療法人社団 八九十会 明神町クリニック東京都八王子市連携
すずきクリニック 院長 鈴木裕之秋田県秋田市連携
医療法人社団 盛翔会 浜松北病院静岡県浜松市東区連携
十和田市立中央病院青森県十和田市連携
独立行政法人国立病院機構 都城病院宮崎県都城市連携
堂島リーガクリニック 院長 成宮靖二大阪府大阪市福島区連携
医療法人社団 Veritas Medical Partners 麻布医院東京都港区連携
学校法人北里研究所東京都港区提携
医療法人社団 八九十会 八九十会高尾病院東京都八王子市基盤提携


はちのへファミリークリニック 院長 小倉 和也青森県八戸市連携
べにばな内科クリニック 院長 齋藤 博山形県山形市連携
池田外科・消化器内科医院 院長 池田 健一郎岩手県盛岡市連携
医療法人社団 有恒会東京都目黒区連携

(注)1.健康増進クリニックとは、2013年9月7日をもって契約終了しております。
2.クリニカメディカ東京とは、2013年9月30日をもって契約終了しております。


3. 当社技術内容に関する補足説明
1.樹状細胞ワクチン療法の概要

(1)樹状細胞ワクチン療法の位置づけ

がんの治療には、主に標準治療といわれる次の3種類の治療法が用いられています。
①「外科療法(手術)」
②「化学療法(抗がん剤治療)」
③「放射線療法」
がんと診断された場合、一般的にこれらの標準治療の実施が検討されます。局所的ながんの治療には、外科療法や放射線療法が、全身に対しての治療には化学療法等が用いられます。
しかし、これらの標準治療だけでは治療できないがんもあり、第4の治療法として「がん免疫療法」が注目されています。
当社が技術・ノウハウを提供する樹状細胞ワクチン療法は、このがん免疫療法の一つです。がん免疫療法の歴史は1970年代から続くもので、その種類は多岐に亘りますが、樹状細胞ワクチン療法は、がん細胞のみを特異的に攻撃できる「特異的免疫療法」に属する「がんワクチン療法※1」の一つです。
樹状細胞ワクチン療法は、現在、世界中で臨床研究が行われておりますが、その有効性については、臨床研究において検証されている途上であるため、当社契約医療機関では自由診療として提供されております。

※1:がんワクチン療法
樹状細胞等によって、リンパ球にがん抗原(がん独自の特徴)を認識・記憶させることで、がん細胞を持続的に制御する治療法です。代表的なものに、樹状細胞ワクチン療法、ペプチドワクチン療法があります。




(2)樹状細胞の働き

樹状細胞とは、枝のような突起(樹状突起)を持つことにその名が由来する免疫細胞です。この樹状細胞は、体内で異物を捕食することによりその異物の特徴(抗原)を認識し、リンパ球(異物を攻撃する役割を持つT細胞等)にその特徴を覚え込ませます。これにより、そのリンパ球が異物を特異的に攻撃することが可能になります。



(3)樹状細胞のがん治療への応用

樹状細胞ワクチン療法は、樹状細胞の働きをがん治療に活かしたものです。
具体的には、まず樹状細胞にがん抗原(患者のがん組織や人工的に作製したがんの特徴を持つ物質)を認識させ、その樹状細胞を患者の体内に戻します。これにより樹状細胞がリンパ球にがんの特徴を覚え込ませ、リンパ球はがん細胞のみを特異的に攻撃するようになります。
このように、樹状細胞ワクチン療法は、がん細胞のみを特異的に攻撃でき、正常細胞を傷つけないことから、副作用がほとんどない治療といわれています。

(4)当社の提供する樹状細胞ワクチン療法について

① 根拠となる技術・ノウハウ
当社の樹状細胞ワクチン療法は、欧米の学術論文にもなっている※2、東京大学医科学研究所で行われた悪性黒色腫・甲状腺がんに対する臨床研究、徳島大学で行われた口腔がんに対する臨床研究で培われた技術・ノウハウが基礎になっております。
また、細胞培養は東京大学医科学研究所細胞プロセッシング寄附研究部門(2008年8月終了)の技術・ノウハウも導入しております。

当社契約医療機関では、これらの技術・ノウハウをもとに着実に症例数を積み重ねており、その数は約7,600症例となっております(2013年12月末時点)。

※2:学術論文(一例)
・NagayamaH.etal.MelanomaRes.2003Oct;13(5):521-30.(東京大学医科学研究所、悪性黒色腫に対する研究)
・KuwabaraK.etal.Thyroid.2007Jan;17(1):53-8.(東京大学医科学研究所、甲状腺がんに対する研究)
・OkamotoM.etal.Res.Adv.inCancer2005May;61-76.(徳島大学、口腔がんに対する研究)

② 種類
樹状細胞ワクチン療法を行うには、樹状細胞にがん抗原を認識させる必要がありますが、その方法には、(a)抗原パルス樹状細胞ワクチン療法と、(b)局所樹状細胞ワクチン療法があります。

(a)抗原パルス樹状細胞ワクチン療法
体外で培養した樹状細胞にがん抗原をパルスする(取り込ませる)ことで、樹状細胞にがん抗原を認識させる療法です。パルスする抗原に何を用いるかで、2つの療法に区別されております。

(ⅰ)自己がん組織樹状細胞ワクチン療法
抗原に自己がん組織を用いて、樹状細胞にがんを認識させる療法です。自己のがん組織を用いるため、がん種を問わず抗原として使用できます。一方、既に手術が終了しており、がん組織がきれいな状態で保管されていない場合やがんの進行により手術ができず、自己がん組織を採取できない場合等、本療法が実施できないことも少なくないといわれております。

(ⅱ)人工抗原樹状細胞ワクチン療法
人工的に作製されたがん抗原(人工抗原)を用いて、樹状細胞にがんを認識させる療法です。
人工抗原はがん種によって使えるものと使えないものがありますが、杉山治夫教授(大阪大学大学院医学系研究科)等によって発見されたがん抗原である「WT1ペプチド」は、固形がん及び血液がんに有効であることが欧米の学術論文※3により報告されております。
当社は、WT1ペプチドを樹状細胞ワクチン療法等に応用する独占ライセンスを保有しており、これにより、当社契約医療機関においては自己がん組織が採取できない患者に対しても遺伝子型が一致する場合、樹状細胞ワクチン療法の提供が可能になりました。

※3:学術論文(一例)
・OkaYetal.CurrentOpinioninImmunology2008Volume20Page211-220
(大阪大学医学部;WT1ペプチドワクチン療法は白血病や固形癌で有効な免疫反応と臨床反応を示した)
・MoritaSetal.JpnJClinOncol2006Volume36Page231-236.(大阪大学医学部;固形腫瘍に対するWT1ペプチドワクチン療法のフェーズI/II臨床試験;フェーズI臨床試験での安全性の評価)
・Iiyamaetal.MicrobiolImmunol2007Volume51Page519-530.
(大阪大学医学部;腎細胞がんに対するWT1ペプチドワクチン療法)
・OhtaHetal.PediatrHematolOncol2009Volume26Page74-83.
(大阪大学医学部;小児黄紋筋肉腫に対するWT1ペプチドワクチン療法)
・IzumotoSetal.JNeurosurg2008Volume108Page963-971.
(大阪大学医学部;多形神経膠芽腫に対するフェーズII、WT1ペプチドワクチン療法)
・OhnoSetal.AnticancerRes2009Volume29Page4779-4784.
(大阪大学医学部;婦人科系悪性腫瘍に対するWT1ペプチドワクチン療法)


(b)局所樹状細胞ワクチン療法
体外で培養した樹状細胞をがん組織に直接注入し、体内で樹状細胞にがんを認識させる方法です。体内でがんを認識した樹状細胞はリンパ球にその特徴を覚え込ませ、リンパ球が全身で特異的にがんを攻撃するため、注入した場所にあるがんだけでなく、他に転移したがんに対しても臨床効果が得られると考えられています。
治療に抗原を必要としないことから、樹状細胞を直接注入できる場所にがんが存在する場合であれば、自己がん組織を採取できない患者や人工抗原が使用できない患者に対しても、樹状細胞ワクチン療法を提供することが可能です。

沿革関係会社の状況


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