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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1008QG4

有価証券報告書抜粋 プレシジョン・システム・サイエンス株式会社 業績等の概要 (2016年6月期)


従業員の状況メニュー生産、受注及び販売の状況

(1) 経営成績に関する分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による金融政策や財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を柱とする経済財政政策の推進により、雇用や個人消費も持ち直し、緩やかながらも回復基調となりました。また、海外では、米国や欧州では景気回復基調が続いており、中国の景気は不透明な状況が続いているものの、世界経済全体としては、緩やかな回復基調を維持いたしました。
このような状況の中、当社グループはバイオ関連業界において、血液や組織細胞などの検体から遺伝子を抽出するための自動化装置(DNA自動抽出装置)を中心として、遺伝子研究の現場に対し様々な自動化装置を事業展開してまいりました。また、新製品として、遺伝子の抽出技術に増幅・測定技術を組み合わせた全自動遺伝子診断装置を開発し、これまでの研究開発分野に加えて病院や検査センターなどの臨床診断分野も対象として販売を開始いたしました。更に、装置の使用に伴い消費される、試薬(DNA抽出用の試薬)や反応容器などのプラスチック消耗品の製造販売にも注力いたしました。
これら製品は、世界的な販売網を有するバイオ関連業界の大手企業との契約によるOEM販売(相手先ブランドによる販売)を中心に、欧米子会社を通じた自社販売も含め、ワールドワイドに事業展開しております。

2015年6月期
(前連結会計年度)
2016年6月期
(当連結会計年度)
対前年同期
増減率
金額百分比金額百分比
百万円%百万円%%
売上高5,1431004,458100△13.3
売上総利益1,82735.51,39831.4△23.5
営業損失(△)△320△6.2△737△16.5-
経常損失(△)△172△3.3△821△18.4-
親会社株主に帰属する当期純損失(△)△215△4.2△1,582△35.5-

当連結会計年度は、売上高4,458百万円(前年同期比13.3%減)、売上総利益1,398百万円(前年同期比23.5%減)となりました。装置に関しては、前年同期のエボラ出血熱検査特需や大きな開発売上、更にはOEM契約締結に伴う手数料収入のような増収要因がなかったこともあり、前年同期比では減収となりました。一方で、装置の使用に伴い消費される試薬・消耗品やメンテナンス用のスペアパーツ(交換部品)の販売は、概ね順調に推移いたしました。その結果、全体の売上高としては、装置販売の影響が大きく減収減益となりました。
また、経費面においても、積極的な開発費支出777百万円(前年同期比2.2%減)を実施したことから、販売費及び一般管理費は、2,136百万円(前年同期比0.5%減)となり、営業損失△737百万円(前年同期は営業損失△320百万円)となりました。
開発費の負担は重いものの、現在、これまで培ってきた当社技術とコストダウン思想を盛り込むことで、すでに販売中の「geneLEAD Ⅻ plus」を大きく進化させた安価でコンパクトな全自動遺伝子診断装置「geneLEAD Ⅷ(自社ブランドの新機種)」の開発と、これに搭載する複数項目の遺伝子診断薬の開発を進めております。
その他、為替差損90百万円の発生等により、経常損失△821百万円(前年同期は経常損失△172百万円)、更に、固定資産の減損損失908百万円を特別損失に計上することにより、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、△1,582百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失△215百万円)となりました。
(固定資産に係る減損損失の計上について)
当社グループの取引先のうち、大手OEM先の一部において、来期以降の売上拡大に大きく寄与するものとして期待しておりました案件について、その販売見通しについて大幅な延期となり、かつ現時点においては再開の時期が不透明となっています。
そのため、当社事業に関する減損の兆候が認められることから、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき将来の回収可能性を検討した結果、2016年6月期連結決算において、当社グループが保有する固定資産(土地、建物、生産設備など)について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失908百万円を特別損失に計上するものといたしました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 装置
当連結会計年度は、売上高2,380百万円(前年同期比24.5%減)となりました。一方で、営業費用は2,327百万円(前年同期比15.1%減)となり、営業利益52百万円(前年同期比87.1%減)となりました。詳細は、以下のとおりであります。

(a)ラボ(研究室)自動化装置
従来より、事業展開しているDNA自動抽出装置を中心としたラボ向けの各種自動化装置の販売に関する区分であります。当連結会計年度は、売上高1,510百万円(前年同期比23.6%減)となりました。一方で、営業費用は1,327百万円(前年同期比20.4%減)となり、営業利益182百万円(前年同期比40.6%減)となりました。
前年同期は、エボラウィルス検査関連の特需があったことなどから、前年同期比で減収減益となりましたが、当区分の売上高に関しましては、長年にわたり複数のOEM顧客との安定した取引関係が続いておりますので、特段の懸念はないものと考えております。
以下に記載するOEM先に対する製品供給が、売上の中心となっています。
●Roche(ロシュ):世界有数の総合医薬品メーカー。診断薬部門は、遺伝子増幅技術(PCR法)を有することで、バイオ関連業界の世界的なトップランナー。当社のOEM装置は、Roche Diagnostics GmbH(ドイツ)に対し供給され、Rocheグループを通じて世界的に販売されています。
●Qiagen(キアゲン):遺伝子抽出用の試薬メーカーとしては世界トップ。近年は診断分野にも注力。当社のOEM装置は、QIAGEN Instruments AG(スイス)に対し供給され、Qiagenグループを通じて世界的に販売されています。
●Thermo Fisher(サーモフィッシャー):理化学機器・試薬などを総合的に扱っているバイオ関連業界の大手企業。一昨年、当社の装置をOEM供給しているLife Technologies Corporation(米国)がThermo Fisher Scientific Inc.(米国)に買収されたことから、同グループとの取引が開始されました。
●NanoString(ナノストリング):独自の遺伝子測定技術を有するバイオ関連業界の新興企業(米国)。
●Diagenode(ダイアジェノード):エピジェネテクス研究の試薬に特徴のある新興企業(ベルギー)。

(b)臨床診断装置
当社の事業領域として、遺伝子を利用した臨床診断分野が拡大しています。従来の研究開発分野に加えて、この分野の拡大に注力していきたいと考えています。
なお、昨年の9月より、当社が開発した全自動遺伝子診断装置が、エリテック社によるOEM製品として販売開始されております。
当連結会計年度は、売上高870百万円(前年同期比26.0%減)となりました。一方で、営業費用は1,000百万円(前年同期比6.9%減)となり、営業損失△130百万円(前年同期は営業利益100百万円)となりました。当連結会計年度は、エリテック社に向けて好調に量産機の出荷を行いましたが、前年同期はOEM契約締結に伴う手数料収入や開発売上を計上したことなどから、前年同期比では減収減益となりました。
以下に記載するOEM先に対する製品供給が、売上の中心となっています。
●㈱LSIメディエンス:三菱化学グループの試薬メーカー(日本)。臨床検査センターも運営。当社のOEM装置は、各国の医療機器認可を得て、世界的に販売展開されています。
●Abbott(アボット):世界的に医薬品、診断薬、栄養食品などを展開するヘルスケア総合企業。臨床診断分野においては、世界最大の試薬メーカー。当社のOEM装置は、Abbott Molecular, Inc.(米国)に対し供給され、Abbottグループを通じて世界的に販売されています。
●Elitech(エリテック):ELITech Group SAS(フランス)は、遺伝子診断薬及び装置を世界的に事業展開している企業。当社で開発した全自動遺伝子診断装置をOEM装置として採用しています。
●Diasorin(ディアソリン):欧州(イタリア)の試薬メーカー。先方の遺伝子診断技術を利用した診断装置をOEM製品として供給。

② 試薬・消耗品
当区分は、当社装置の使用に伴い消費される、DNA抽出用の試薬や反応容器などの専用プラスチック消耗品の区分であります。試薬に関しては、自社ブランド装置及びエリテック社向けに当社のDNA抽出試薬を供給しているほか、一部OEM先から同社試薬の製造を請負っております。その他のOEM先は、OEM先が自社で試薬を製造販売しておりますが、プラスチック消耗品は当社から購入する契約となっております。
当連結会計年度は、売上高1,206百万円(前年同期比2.6%減)となりました。営業費用は1,210百万円(前年同期比0.1%減)となり、営業損失3百万円(前年同期は営業利益27百万円)となりました。売上高、売上総利益は前年同期並みに推移いたしましたが、販売費及び一般管理費の按分費用(セグメント別の売上比によって按分している費用)が相対的に増加したため、減益となりました。

③ メンテナンス関連
当区分は、装置メンテナンスやスペアパーツ(交換部品)販売などの区分であります。主要なOEM先は、OEM先が自社でメンテナンス対応していますが、スペアパーツは当社から購入する契約となっております。
当連結会計年度は、売上高431百万円(前年同期比31.4%増)となりました。営業費用は395百万円(前年同期比42.3%増)となり、営業利益36百万円(前年同期比28.6%減)となりました。売上高、売上総利益とも順調に売上拡大しておりますが、販売費及び一般管理費の按分費用(セグメント別の売上比によって按分している費用)が相対的に増加したため、減益となりました。

④ 受託製造
当区分は、子会社の製造工場であるエヌピーエス㈱が実施している、当社以外の外部からの受託製造事業の区分であります。
当連結会計年度は、売上高439百万円(前年同期比3.4%増)となりました。営業費用は389百万円(前年同期比15.1%増)となり、営業利益49百万円(前年同期比42.3%減)となりました。当区分は、エヌピーエス㈱の収益確保のための事業となっています。

⑤ その他
当区分は、上記①~④のいずれにも該当しない売上を区分しています。主には、PSSキャピタル㈱とベンチャーファンドであるバイオコンテンツ投資事業有限責任組合の事業の区分であります。
当連結会計年度は、売上高はなく(前年同期も売上高はありません)、営業費用は1百万円(前年同期は1百万円)となり、営業損失△1百万円(前年同期は営業損失△1百万円)となりました。
なお、バイオコンテンツ投資事業有限責任組合及びPSSキャピタル㈱は、投資事業において一定の成果を上げ当該ファンドの満期を迎えたため、それぞれ2016年3月31日、2016年7月14日付で解散しており、2016年10月に会社清算を行う予定です。

(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び預金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ832百万円増加し2,611百万円となりました。

税金等調整前当期純損失1,730百万円が発生いたしましたが、減価償却費286百万円、減損損失908百万円、売上債権の減少額47百万円、たな卸資産の減少額61百万円、仕入債務の増加129百万円、法人税等の還付額311百万円などの資金の増加があり、営業活動によるキャッシュ・フローとして72百万円の増加(前年同期は1,362百万円の減少)となりました。

有形固定資産の取得による支出266百万円、無形固定資産の取得による支出4百万円などの資金の減少がありましたが、保険積立金の解約による収入7百万円による資金の増加などにより、投資活動によるキャッシュ・フローとしては259百万円の減少(前年同期は150百万円の減少)となりました。

短期借入金の増加100百万円、長期借入れによる収入250百万円、株式の発行による収入1,501百万円などの資金の増加がありましたが、長期借入金の返済による支出485百万円、投資事業組合等における非支配株主への分配金支払額33百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出202百万円などの資金の減少により、財務活動によるキャッシュ・フローとしては1,123百万円の増加(前年同期は175百万円の増加)となりました。

従業員の状況生産、受注及び販売の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02338] S1008QG4)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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