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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QIEF (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 ルネサスエレクトロニクス株式会社 研究開発活動 (2022年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


(1) 研究開発活動の体制および方針
当社グループの研究開発活動は、現在から近い将来にかけて必要とされるデバイス、ソフトウエアおよびシステムなどの開発において、車載制御、車載情報に関する製品はオートモーティブソリューション事業本部が、産業、インフラストラクチャーおよびIoTに関する製品はIoT・インフラ事業本部が担当して取り組んでおります。デバイス・プロセス技術、実装技術、設計基盤・テスト手法などの部門横断的な共通技術については、各事業本部と生産本部とが協力しながら担当する体制としております。
加えて、コンソーシアムや外部研究機関などへの研究委託や、幅広い分野やお客様へ最適なサポートを行うためのサード・パーティの活用など、自社の研究開発リソースのみならず社外のリソースも必要に応じて活用しております。
家電製品や自動車などあらゆるモノがネットワークに繋がり、相互に情報交換しサービスが提供される超スマート社会では、これまで当社が強みとしてきたマイコンやSoCといったデジタル製品が担う演算機能、アナログ製品が得意とする人の目・耳・鼻などに相当するセンシング機能、さらにパワー製品が得意とするモータ等を動かすためのアクチュエータ機能が有機的に繋がり連携する必要があります。当社グループは、センシングからアクチュエータ機能まで幅広くサポートするための製品ポートフォリオを拡充し、アナログ製品とデジタル製品を組み合わせたソリューション(ウィニング・コンビネーションと呼称)を強化するとともに、アプリケーションごとに共通して使用できるIP(設計資産)やOSなどのソフトウエアをプラットフォームとして提供するための研究開発活動を行うことにより注力する市場での成長を実現していきます。

(2) 主な研究開発の成果
① 従来技術と比べ最大10倍の電力効率を実現したAIチップ開発を発表
当社グループは、複雑なタスクを処理するDRP(Dynamically Reconfigurable Processor)を用いたAIチップを開発しました。
本AIチップは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が進める「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」プロジェクトにおいて、当社グループ独自のAIアクセラレーター「DRP-AI」と電力効率を一層高めるAI軽量化技術を組み合わせて開発しました。
本AIチップの電力効率は1ワット当たり10TOPS(演算10兆回/秒)で、従来技術と比べ最大で10倍もの電力効率を実現し、また、セキュリティカメラや自動搬送車、サービスロボットなど、低い消費電力のもとでリアルタイムに応答することが求められるAI機器に組み込むことができます。さらに、使用する装置側において、その使用環境の変化に応じて適切に対応できる学習システムも開発し、その基本動作を実証しました。
当社グループは、本AIチップの開発により、スマート市場やロボティクスをはじめとした様々な産業において自動化を推進・拡大し、DX(Digital Transformation:デジタル変革)の加速に伴う新たなサービスの創造にも貢献します。

② ECUレベルのソフトウエア開発をハードウエアなしで実現する統合開発環境の提供を開始
当社グループは、自動車の開発に際し、ソフトウエアが自動車の価値を主導する「ソフトウエアファースト」と、自動車開発の初期段階からハードウエアがなくてもその仕様や機能、性能の検証を行うことができる「シフトレフト」の実現に貢献するための開発環境の拡充の一環として、統合開発環境の提供を開始しました。
本開発環境は、従来、SoCやマイクロコントローラなどの個別の半導体用に提供していたR-Car Virtual Platform等のシミュレータ群を統合・連動させることにより、複数のLSIが搭載された自動車のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)の動作シミュレーションを可能にし、個々の半導体に対して、同時かつ同期した実行やブレーク制御、トレース情報の取得を実現します。また、本開発環境は、オープンソースの仮想環境であるQEMU(コンピュータの動作をソフトウエア的に再現するエミュレータ型の仮想化ソフトの一つ)をベースに、高い抽象度でSoCやマイクロコントローラなどをモデル化することで、自動車のECUレベルの大規模な動作シミュレーションをより高速に実現できます。
当社グループは、本開発環境により、顧客に対し、顧客製品の開発の初期段階から検証環境を提供するとともに、その製品価値を向上させるECUレベルでのソフトウエア開発を可能にし、ソフトウエアファーストとシフトレフトの実現に貢献します。

③ RAファミリ向けセキュア暗号エンジンが米国セキュリティ認証CAVPを取得
当社グループは、Arm社Cortex®-Mコア搭載32ビットマイクロコントローラ「RAファミリ」に搭載するセキュア暗号エンジンである「SCE(Secure Crypto Engine)9」に実装する暗号アルゴリズムについて、NIST(National Institute of Standards and Technology:米国国立標準技術研究所)の暗号アルゴリズム認証制度であるCAVP(Cryptographic Algorithm Verification Program)の認証を取得しました。
本認証制度は、暗号アルゴリズムが正しく実装されているか否かをNISTが第三者の立場から検証する制度で、セキュリティの相互運用性を担保するために不可欠なものであります。
当社グループは、今回、SCE9を搭載するRAファミリ製品(RA6M4、RA6M5、RA4M2、RA4M3の各製品グループ)で利用可能な暗号方式(共通鍵方式:AES、公開鍵方式:RSA等)や、復元化(ハッシュ)、鍵生成と認証、鍵合致の仕組みなどのアルゴリズムについて、CAVPの認証を取得したことになります。
当社グループは、本認証の取得により、同様の認証制度であるPSA Certifiedレベル2およびSESIPレベル1とあわせて、包括的なIoTセキュリティソリューションを提供できるようになり、その結果、幅広いコネクテッドデバイス分野において、顧客によるデータの安全性確保を支援することができます。

(3)研究開発費
当社グループでは開発費の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発費は、2,067億円となり、前連結会計年度の1,553億円と比べ515億円増加しました。これは主に、製品設計、システム開発、デバイス開発、プロセス技術開発、実装技術開発に使用しました。
なお、当社グループの研究開発は、大半が自動車向け事業および産業・インフラ・IoT向け事業の双方に係るものであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02081] S100QIEF)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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