三菱ロジスネクスト株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)

当連結会計年度の研究開発活動は、各技術部門が機械・電気・ソフトの統合的開発体制の下、事業統合シナジー効果を発揮し、物流動向や市場ニーズに基づいた「新製品」の開発を推進しました。
セグメント別の研究開発活動は次の通りであります。

〔国内事業〕
(フォークリフト部門)
1958年に日本初のリーチ型バッテリーフォークリフト「プラッター」を開発して以来、常に業界をリードし、リーチ型バッテリーフォークリフトと言えば「プラッター」と呼ばれるほど、お客様に親しまれております。
今回、「走る」「曲がる」「止まる」「上げる」の基本性能と、操作性・省エネ性を追及し、先進の安全性と多彩な装備を詰め込んだ新型「プラッター」を開発しました。
1. カスタムフィーリングシステムの強化により、ストレスの少ない作業性を実現しました。
2. 各装置の高効率化とエコモードの採用により、長時間稼動を実現しました。
3. 後輪のサスペンションロック機能により、旋回時、荷役時の車体安定性が向上しました。
4. アンチスリップ制御により、滑りやすい路面でもスムーズな走りを実現しました。
5. 低床化により、乗降性の向上を実現しました。
6. シンプルで無駄が無く、機能的なデザインが評価され、『グッドデザイン ベスト100』を受賞しました。

エンジンフォークリフトでは、ディーゼルエンジンの排ガス規制対応を着々と進めています。2014年1月に発売した6-7tクラスの「グリンディア MX」に続いて, 10-16tクラスの「グリンディア LX」を開発し2015年春に発売しました。更には2-3.5tクラスの「グリンディア」も開発を終えており,2015年初秋に発売予定です。

(物流システム部門)
基本性能を高め、安全性、操作性、省エネ性を向上させた新型ラックフォークを開発しました。ラックフォークは車体の向きを変えずに3方向荷役可能なフォークリフトで、お客様の物流現場における収納効率アップと作業効率の改善に大きく貢献しております。今回、新型「プラッター」の先進機能を踏襲し、さらに先進の電動ヘッドをTシリーズにも対応させたことにより、積み荷へのショックを大幅に低減させ、電力消費を従来の油圧式に比べ最大で12.5%カットし、稼動サイクルを従来比で最大22%アップさせました。また、デザインも一新し『グッドデザイン ベスト100』を受賞した新型「プラッター」との統一を図りました。

〔海外事業〕
(フォークリフト部門)
ヨーロッパ市場向けに、純粋に運転のしやすさを追求した2.5～3.5tクラスのカウンターバランス型バッテリーフォークリフト「EDIA EX」を開発しました。
1. 前輪2モータコントロールと後輪ステアリング角度の最適化により小回り性を実現しました。
2. マストの改良とダッシュボード周りの最適レイアウト設計により、車体前後方向の視認性が向上しました。
3. 各装置の高効率化とエコモードの採用により長時間稼動を実現しました。
4. インテリジェント・カーブ・コントロールの採用により、カーブでの安定性、スムーズ性が向上しました。
5. シンプルで機能的なデザインが評価され、国際的な3大工業デザイン賞である『red dot award 2015』を受賞しました。

エンジンフォークリフトでは、ディーゼルエンジンのEPA Tier4(アメリカ合衆国環境保護庁 第4次排ガス規制)に適合した2-3.5tクラス車を開発しました。
1. 新開発のクリーンディーゼルエンジンを採用し、ノンターボで従前機種と同じ排気量とすることによって粘り強くパワフルな特性を実現しました。それと同時に,燃料消費量を従前機種比で20%低減しました。
2. DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルタ)レス化により手間のかかるDPFメンテナンスを不要としました。

なお、当連結会計年度中の研究開発費のセグメント別金額は、国内事業13億5百万円及び海外事業3億6千万円、合計16億6千5百万円であります。
記載金額には消費税等は含まれておりません。