有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007RKB
三重交通グループホールディングス株式会社 業績等の概要 (2016年3月期)
(1) 業績
当連結会計年度(以下「当期」といいます。)におけるわが国経済は、政府による経済政策や日本銀行による金融政策により、雇用や所得環境で回復傾向にあるものの個人消費は鈍く、先行きの不透明感から企業活動においては依然として慎重な姿勢が見られました。このような状況の中、当社グループは、持続的成長を可能にする事業構造を強化するため重点分野の拡大を推進しました。環境エネルギー事業では新規の太陽光発電施設の運転を稼働、生活用品販売事業では東急ハンズの新規出店、ビジネスホテル事業では新店舗開業によるビジネスホテルチェーンの拡充を図るなど、積極的な事業活動を展開しました。
この結果、当期における当社グループの営業収益は、分譲事業における計画的な販売戸数の削減や石油製品販売事業における原油価格下落による売上高の減少があり、963億96百万円(前連結会計年度(以下「前期」という。)比94億47百万円、8.9%減)となりました。営業利益は、貸切バス事業における新運賃・料金制度の適用による生産性の向上に加え、軽油単価の下落などが寄与し、46億44百万円(同1億60百万円、3.6%増)、経常利益は44億83百万円(同2億95百万円、7.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は30億28百万円(同2億36百万円、8.5%増)となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
①運輸セグメント
一般乗合旅客自動車運送事業(乗合バス)では、2014年10月に収支改善を目的とした運賃改定を行ったことに加え、高速バスの増強等により営業収益は増加しました。一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス)では、新運賃・料金制度の適用により一両当たりの単価が上昇し、営業収益は増加しました。一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー)では、在籍車両数の減少により、営業収益は減少しました。旅客運送受託事業では、自家用管理収入が増加し、営業収益は増加しました。
この結果、運輸セグメントの営業収益は268億17百万円(前期比7億14百万円、2.7%増)となり、営業利益は24億69百万円(同12億41百万円、101.1%増)となりました。
業種別営業成績
区分 | 売上高(営業収益)(百万円) | 前期比(%) |
一般乗合旅客自動車運送事業 | 11,452 | 0.6 |
一般貸切旅客自動車運送事業 | 8,366 | 4.2 |
一般乗用旅客自動車運送事業 | 1,466 | △5.4 |
貨物自動車運送事業 | 186 | △1.7 |
自動車整備事業 | 440 | 6.8 |
旅客運送受託事業 | 4,229 | 7.6 |
その他 | 2,523 | 4.0 |
小計 | 28,663 | 2.7 |
内部取引の消去 | △1,845 | ― |
合計 | 26,817 | 2.7 |
(注) 一般旅客自動車運送事業における営業成績は下記のとおりであります。
区分 | 単位 | 一般乗合 旅客自動車 運送事業 | 前期比 (%) | 一般貸切 旅客自動車 運送事業 | 前期比 (%) | 一般乗用 旅客自動車 運送事業 | 前期比 (%) |
営業日数 | 日 | 366 | 0.3 | 366 | 0.3 | 366 | 0.3 |
期末在籍車両数 | 両 | 809 | △0.2 | 339 | △1.5 | 241 | △11.1 |
営業キロ | km | 6,611 | △0.1 | ― | ― | ― | ― |
実働走行キロ | 千km | 36,964 | △0.9 | 19,054 | △19.6 | 3,352 | △6.0 |
旅客人員 | 千人 | 45,821 | △0.6 | 2,458 | △11.6 | 1,165 | △8.2 |
旅客運送収入 | 百万円 | 11,182 | 0.7 | 7,562 | 5.6 | 1,465 | △4.7 |
運送雑収 | 百万円 | 269 | △3.6 | 804 | △7.0 | 1 | △92.0 |
②不動産セグメント
分譲事業では、販売戸数の減少に加え、前期には大阪府堺市の大規模マンション「プレイズ堺光明池」などの販売収入の計上があったため、売上高は減少しました。賃貸事業では、新規賃貸施設の稼働開始に加え、「鈴鹿ラッツ(Lut's)」等商業施設のリニューアル効果もあり、売上高は増加しました。建築事業では、リフォームの売上が増加したものの、注文住宅の引き渡し件数が減少したため、売上高は減少しました。環境エネルギー事業では、2015年10月に運転を開始した当社グループで最大規模の「松阪山室メガソーラー発電所」の売電収入が寄与したほか、新規の太陽光発電施設が運転を開始したため、売上高は増加しました。仲介事業では、愛知県での取扱いが増加し、売上高は増加しました。
この結果、不動産セグメントの売上高は266億12百万円(前期比74億63百万円、21.9%減)となり、営業利益は18億44百万円(同7億59百万円、29.2%減)となりました。
業種別営業成績
区分 | 売上高(営業収益)(百万円) | 前期比(%) |
分譲事業 | 10,672 | △40.2 |
賃貸事業 | 7,761 | 2.1 |
建築事業 | 4,753 | △19.9 |
環境エネルギー事業 | 1,128 | 103.9 |
仲介事業 | 1,058 | 10.4 |
その他 | 1,660 | 5.3 |
小計 | 27,034 | △21.6 |
内部取引の消去 | △422 | ― |
合計 | 26,612 | △21.9 |
(注)1 分譲事業における営業成績は下記のとおりであります。
区分 | 土地 (ロット) | 前期比 (%) | 建物 (戸) | 前期比 (%) | 売上高 (百万円) | 前期比 (%) |
戸建分譲 | 135 | △4.9 | 90 | △6.3 | 2,906 | △16.1 |
マンション分譲 | ― | ― | 432 | △45.5 | 7,688 | △45.6 |
土地売却他 | ― | ― | ― | ― | 78 | △67.1 |
2 建築事業における受注状況は下記のとおりであります。
区分 | 受注高 (百万円) | 前期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前期比 (%) |
建築事業 | 5,368 | 18.1 | 3,482 | 25.5 |
③流通セグメント
石油製品販売事業では、原油価格下落に伴いガソリン等販売価格が低下したことに加え、不採算ガソリンスタンドの閉鎖やエコカーの普及による販売数量の減少により、売上高は減少しました。生活用品販売事業では、フランチャイズ展開する東急ハンズにおいて、2015年4月に新たに3店舗目となる桑名店、2015年10月には名古屋駅前地下街にアンテナショップ「HANDS GATE SHOP」をオープンするなど、積極的に営業活動を推進した結果、売上高は増加しました。自動車販売事業では、新車販売台数が減少したため、売上高は減少しました。
この結果、流通セグメントの売上高は366億94百万円(前期比28億71百万円、7.3%減)となり、営業利益は、利益率の向上等により、2億62百万円(同26百万円、11.2%増)となりました。
業種別営業成績
区分 | 売上高(営業収益)(百万円) | 前期比(%) |
石油製品販売事業 | 12,165 | △22.4 |
生活用品販売事業 | 13,459 | 6.8 |
自動車販売事業 | 11,115 | △1.7 |
小計 | 36,740 | △7.2 |
内部取引の消去 | △46 | ― |
合計 | 36,694 | △7.3 |
④レジャー・サービスセグメント
旅館事業では、本年5月開催の「伊勢志摩サミット」に合わせた施設改修工事による一部休館に伴い宿泊人員が減少し、営業収益は減少しました。ビジネスホテル事業では、各店舗において高稼働率を維持していることに加え、2014年8月に開業した「三交インGrande東京浜松町」の売上が年間を通じて寄与し、また、2015年11月に「三交イン津駅前」が新たにオープンしたことにより、営業収益は増加しました。ドライブイン事業では、訪日外国人旅行客が増加したものの、バスの立寄り台数が減少し、営業収益は減少しました。索道事業では、各週末や集客の見込める大型連休等の繁忙期に比較的天候に恵まれたことにより、営業収益は増加しました。
この結果、レジャー・サービスセグメントの営業収益は113億93百万円(前期比2億29百万円、2.0%減)となり、営業損失は2百万円(前年同期営業利益3億18百万円)となりました。
業種別営業成績
区分 | 売上高(営業収益)(百万円) | 前期比(%) |
旅館事業 | 2,255 | △28.7 |
ビジネスホテル事業 | 2,949 | 9.9 |
ドライブイン事業 | 2,354 | △8.3 |
索道事業 | 675 | 3.0 |
ゴルフ場事業 | 583 | 25.0 |
自動車教習所事業 | 916 | 1.9 |
旅行事業 | 1,295 | 9.3 |
その他 | 367 | ― |
小計 | 11,397 | △2.0 |
内部取引の消去 | △3 | ― |
合計 | 11,393 | △2.0 |
(2) キャッシュ・フローの状況
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、マンション販売等にかかるたな卸資産の増加等により、23億33百万円の支出(前期比131億6百万円支出増)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得等により、107億27百万円の支出(前期比19億56百万円支出増)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の増加等により、129億31百万円の収入(前期比152億92百万円収入増)となり、この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、新規連結に伴う現金及び現金同等物等の増加額53百万円と合わせ、32億56百万円(前期末比75百万円減)となりました。
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