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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IAK4 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 住友ゴム工業株式会社 研究開発活動 (2019年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループにおいては、当社の研究開発組織・施設を核として世界各地に所在する子会社・関連会社との密接な連携のもと、タイヤ・スポーツ・産業品他事業、幅広い領域・分野で研究開発を推進しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、26,198百万円であります。
セグメント別の主要な研究開発活動は、次のとおりであります。

(1)タイヤ事業
当社グループのタイヤ技術研究開発は、神戸本社に隣接したタイヤテクニカルセンターを中心に、欧州・米国のテクニカルセンターと連携して、「タイヤが地球環境の為に貢献できること」をテーマに、「原材料」「低燃費性」「省資源」の3つの方向性で環境配慮商品の開発に取り組んでおります。
また、自動車産業を取り巻く環境が大きく変化する中、当社はタイヤ開発及び周辺サービス展開のコンセプトである「SMART TYRE CONCEPT」を掲げております。例えば、タイヤの摩耗、経年による性能低下を抑制し、新品時の性能を長く持続させる「性能持続技術」や、商品ライフサイクル全体で環境性能を高めて循環型社会の実現に寄与する「ライフサイクルアセスメント(LCA)」の考え方を採り入れた商品開発を推進するとともに、デジタルツールを用いて得られる様々なデータを利用した新たなソリューションサービスの展開を目指しております。
「SMART TYRE CONCEPT」の核となる技術の一つであるタイヤセンシング技術「センシングコア」が、2019年3月にドイツ・ハノーバーで開催された「Tire Technology Expo 2019」内で開かれた「Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence」において、優れた先進技術に贈られる「Tire Technology of the Year」を受賞しました。「センシングコア」は、タイヤの回転により発生する車輪速信号を解析し、路面の滑りやすさやタイヤにかかる荷重などの情報を検知する技術です。この技術を発展させることで、例えば検知した情報をクラウド経由で街・社会の情報に統合すれば、その情報を入手した車両は路面やタイヤに起因する危険をあらかじめ察知し、回避することが可能になります。
データを利用した新たなソリューションサービスとしては、2019年5月に発表した群馬大学の次世代モビリティ社会実装研究センター(CRANTS)との協業によるレベル4(高度自動運転)に対応したタイヤ周辺サービスの共同研究について、自動運転車のタイヤ空気圧データとCRANTS内に設置されている自動運転管制所との連携が完了しました。これにより、車両が無人の場合でも遠隔でタイヤ空気圧のモニタリングが可能となり、自動運転車におけるパンクなどを想定したタイヤトラブルの予知保全に貢献します。今後、空気圧異常によるトラブル時を想定した、サービス体制の構築を進めてまいります。
また、2019年7月には、関西大学と共同で行っている、タイヤの内側に静電気を利用した発電デバイス(エナジーハーベスト)を取り付け、回転によって電力を発生させる技術の開発を発表しました。タイヤ内側に取り付けるTPMS(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ空気圧監視システム)などのセンサー類の電源供給として応用が期待でき、将来的にバッテリー不要のデジタルツールを活用したサービス創出に貢献できるものです。なお、本テーマは2018年10月の国立研究開発法人科学技術振興機構の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)シーズ育成タイプFS(注1)採択に引き続き、2019年10月には同プログラムの「産学共同フェーズ(シーズ育成タイプ)」に採択され、同機構の支援を受けながら開発を進めております。
原材料の分野においては、2019年10月にタイヤの原材料情報に加えてゴム内部の構造情報である高度分析データのリアルな情報から高精度なゴム物性推定や、使用前後の構造変化の検知によって使用後のゴム物性推定などに応用できるAI技術「Tyre Leap AI Analysis」の確立を発表しました。タイヤに用いられるゴムは天然ゴムや合成ゴムなどのポリマー、カーボンやシリカなどの補強剤、架橋剤や添加剤などで作られる複合体であり、各材料の配合量や構造といった様々な要因によって性能が決定されます。非常に複雑なゴムの内部構造に関し、今回確立したAI技術「Tyre Leap AI Analysis」により、人にはできない高精度な解析を実現し、画像(構造情報)から物性を導き出します。また、ゴムに配合されている原材料の情報と他の構造情報を組み合わせることで、さらに高精度な物性推定を可能にします。本技術の活用により、当社が「SMART TYRE CONCEPT」で掲げている「性能持続技術」の開発を加速させ、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献する安全・安心な高性能タイヤ開発につなげてまいります。
そして、2019年12月には、「SMART TYRE CONCEPT」の主要技術を採用した第一弾商品として、「エナセーブ NEXTⅢ」を発売しました。AI技術「Tyre Leap AI Analysis」と新材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」(注2)を駆使し、タイヤの摩耗や経年による性能低下のメカニズムを分子レベルで解明し、これまでと全く異なる新しいポリマー「水素添加ポリマー」をタイヤで初めて採用することで、ゴム内部の分子の強い結合力と切れても戻る結合を実現、ウエットグリップ性能の低下を従来品と比べて半減させる「性能持続技術」のコンセプトを取り入れました。さらに、「エナセーブ NEXTⅢ」は、高機能バイオマス材料であり国が重点産業として推進している素材であるセルロースナノファイバーを世界で初めてタイヤ用ゴムに採用するとともに、タイヤラベリング制度において最高グレード「AAA-a」も達成しており、「ライフサイクルアセスメント(LCA)」の観点から環境負荷低減にも貢献できるものです。
当事業に係る研究開発費は21,919百万円であります。
注1 大学等の研究成果に基づく技術シーズの可能性検証及び実用性検証を行い、中核技術の構築を目指す産学共同の研究開発を支援するプログラム
注2 「ADVANCED 4D NANO DESIGN(アドバンスド フォーディー ナノ デザイン)」
ナノからミクロンレベルまでゴムの内部構造を連続的かつ鮮明に解析し、シミュレーションすることを可能とする技術

(2)スポーツ事業
スポーツ事業本部並びに米国のRoger Cleveland Golf Company, Inc.に研究開発部門を設置しており、コンピューターシミュレーション技術等を用いて新技術・新商品の開発並びに評価、試験に取り組んでおります。
兵庫県丹波市の「ゴルフ科学センター」では、スイングマシーンによるテストに加え、トッププロからアベレージゴルファーまでの様々な方のヒューマンテストを行い、クラブやボールの特性に加え、スイングとクラブの関係など、膨大なデータを集積し、総合的に測定・解析・評価を行っております。
これらの技術により、ゴルフクラブでは11代目となる「ゼクシオ イレブン」及び「ゼクシオ エックス」を開発し、2019年12月に発売しました。ゴルフクラブの手元に重量を集中させ、テークバック時のヘッドを支える力を軽減させることで、理想のトップポジションを作り出す「WEIGHT PLUS(ウエイトプラス)」テクノロジーを開発。これによりコックがたまり深く安定した理想のトップ「飛びのパワーポジション」を実現。より速く、正確なインパクトを可能にし、高い飛距離性能を実現できるクラブとなりました。
ゴルフボールでは、「スリクソン Z-STARシリーズ」を開発し、2019年2月に商品化しました。高分子材料SeRMセルム®を世界で初めてゴルフボールに使用し、飛距離性能とスピン性能を高次元で両立させました。
テニスラケットでは、ダンロップ「SX」シリーズを開発し、2019年12月に発売しました。フェースのトップ部にストリングの可動域と可動方向が異なる2種類の楕円グロメットを配置する新技術「スピンブーストテクノロジー」を開発。これにより、弾道のブレを補正することが可能となり、近年のゲームの高速化で増加しているオフセンターショットに対応することが可能となりました。
当事業に係る研究開発費は2,310百万円であります。

(3)産業品他事業
高減衰ゴムを用いた制振事業、医療用精密ゴム部品、OA機器用精密ゴム部品等の商品において、消費者ニーズに合わせた商品開発に積極的に取り組んでおります。
制振事業では、壁の少ない狭小住宅や3階建て向けの制震ユニット「ミライエ Σ(シグマ)」について、1階部分の高さに関する適用範囲を拡大することで住宅の設計性を向上させ、さらに多くの住宅へ高性能の安全・安心を提供できるようになりました。
・アルファベットのAを象徴的に扱い、親しみやすく覚えやすい形状のフレームを採用した点
・ゴムの性能を生かして耐震建材に使用し地震の揺れを最大95%まで低減(注3)させた点
・設計者の設計性や施工業者の施工性の向上も図っている点
これらが評価され「ミライエ Σ(シグマ)」が「2019年度グッドデザイン賞」を受賞しました。ミライエシリーズでの受賞は「2012年度グッドデザイン賞」(「ミライエ」が受賞)に続き、二度目の受賞となりました。
当事業に係る研究開発費は1,969百万円であります。
注3 2017年1月京都大学防災研究所によるミライエ軸組の実大実験の結果によります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01110] S100IAK4)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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