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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100APNQ

有価証券報告書抜粋 出光興産株式会社 業績等の概要 (2017年3月期)


従業員の状況メニュー生産、受注及び販売の状況

(1) 一般経済情勢及び当社グループを取り巻く環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な米国経済と円安の進展並びに中国の景気動向の持ち直し等を背景に製造業を中心に景況感は上向き、個人消費や雇用情勢の改善の中、緩やかな回復基調が継続しました。
国内石油製品需要は、ガソリンについては前年度の夏季好天による需要増の反動により若干の需要減となり、灯油などの中間留分は前年度比での気温低下を受けて若干の需要増となりました。石油化学原料は需要が増加したことからエチレン装置が高稼働となる一方で、電力向けの重油は電源の多様化等の影響を受けて需要が減少しました。この結果、石油製品全体ではほぼ前年度並みの需要となりました。
ドバイ原油価格は、春頃は上昇基調にありましたが、供給過剰感が拡がる中、夏へ向けて下落しました。OPECが9月下旬に減産に合意し、更に12月に非OPECとの協調減産も合意したことなどから上昇基調に転じ50ドル/バレルを上回りましたが、3月は米国における原油在庫増加影響などから下落基調となりました。この結果、年度平均価格では前年同期比1.4ドル/バレル上昇の46.9ドル/バレルとなりました。
石油化学製品需要は前年度比増加し、円安を背景に輸入数量が減少する中、国内生産は堅調に推移しました。石油化学原料であるナフサの年度平均価格は、前年度対比48ドル/トン下落の438ドル/トンとなりました。
円の対ドルレートは、英国国民投票のEU離脱派勝利の影響などから年央までは円高基調で推移しましたが、その後は米国大統領選でのトランプ候補勝利による景気刺激策期待などから円安基調となりました。年度平均レートは前年度対比11.7円/ドル円高の109.4円/ドルとなりました。

(2) 業績
このような環境下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、円高の影響で円建て原油価格が下落したことにより3兆1,903億円(前年同期比△10.6%)となりました。
営業利益は、石油製品マージンの改善や資源事業での増益、前連結会計年度では大幅な損失となっていた在庫評価影響が利益に転じたことなどにより1,352億円(前年同期比+1,549億円)となりました。営業外損益は、為替評価損減少などにより前年同期比70億円損失減の47億円の利益となり、経常利益は1,400億円(前年同期比+1,619億円)となりました。
特別損益は、資源事業での減損損失の減少などにより前年同期比161億円損失減の170億円の損失となりました。
また、法人税等は325億円、非支配株主に帰属する当期純利益は24億円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は882億円(前年同期比+1,242億円)となりました。

(3) 事業の経過及び成果
セグメント別の事業の経過及び成果は以下のとおりです。

①石油製品セグメント
石油製品セグメントにおいては、国内の供給・販売体制の競争力強化及び海外市場への事業拡大を基本戦略として、次のような取り組みを行いました。
(燃料油事業)
供給においては、需給環境や販売状況を踏まえた原油処理を行い、供給コスト削減と安定供給に努めました。エネルギー供給構造高度化法二次告示に従い、2017年3月末に北海道製油所で10千バレル/日、千葉製油所で10千バレル/日、愛知製油所で15千バレル/日、それぞれ常圧蒸留装置の処理能力を削減させ、需要が漸減傾向にある国内需給バランス変化への対応を実施するとともに、競争力ある生産体制の構築に向けて千葉製油所・工場の2017年度の統合を決定しました。
販売においては、引き続きSSの新設・改造及び既存店の活性化を通して、SSネットワークの強化を図るとともに、他社に先んじたPOSシステムの対応によりソフトバンクカード(プリペイドカード)の取扱いを開始し、全国ネットワークの強みを活かした顧客利便性の向上に努めました。
海外においては、ベトナムのニソン製油所・石油化学コンプレックスの建設工事が2017年4月末に完了し、2017年度の商業生産開始を目指しています。また、同国での燃料油卸売・小売事業の展開のため、クウェート国際石油とともにIdemitsu Q8 Petroleum LLC社を設立しました。
中東カタールでは出資するラファンリファイナリー2㈱の建設するラファン第2製油所が完成し、生産を開始しました。このような環太平洋地域や中東等の海外成長市場での事業拡大のため、シンガポール現地法人 出光アジア(IDEMITSU INTERNATIONAL(ASIA) PTE. LTD.)を中心に海外店の体制拡充を進めました。
(潤滑油事業)
潤滑油販売数量は国内・海外合計で120万KLに迫り、過去最高を更新しました。また、グローバルマーケットでの強固な販売・供給体制の構築と高機能商品の開発・展開に向けて、タイで新工場を稼働させるとともに、米国のR&D機能の強化を進めました。

以上の結果、石油製品セグメントの売上高は、円建て原油価格の下落などにより2兆4,382億円(前年同期比△11.4%)となりました。営業利益は、製品マージンの改善や前連結会計年度では大幅な損失となっていた在庫影響が利益に転じたことなどにより前年同期比+1,444億円の770億円となりました。なお、営業利益に含まれる在庫評価益は310億円です。

②石油化学製品セグメント
石油化学製品セグメントにおいては、基礎化学品事業の供給体制再構築による競争力強化と、機能材料事業の構造改革による収益力向上を基本戦略として、次のような取り組みを行いました。
(基礎化学品事業)
基礎化学品事業においては、原料多様化による競争力強化に向けて三井化学㈱と共同運営している千葉ケミカル製造有限責任事業組合のエチレン装置の改修を行うことを決定しました。また、良好な市場環境下でエチレン装置、芳香族装置等の主要装置の安定稼働を維持することにより、コンビナート各社、自社誘導品へのオレフィン・芳香族の安定供給を実施しました。
(機能材料事業)
エンジニアリングプラスチック事業においては、ポリカーボネート樹脂(商品名:タフロン®)の生産を2013年以降段階的に当社ライセンス先である台湾FCFC社(Formosa Chemicals & Fibre Corporation)への集約を進めてきました。2016年度に特殊グレードの集約を完了させ、情報機器筐体、自動車用光学部品などの高付加価値用途への供給を開始し、競争力を更に高めた安定供給体制が整いました。自動車電装部品、モバイル機器などで優れた耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性などの特性を発揮するシンジオタクチックポリスチレン樹脂(商品名:ザレック®)については、新たな用途開発が進んでいることに伴い、2016年4月に千葉工場の生産能力を従来の7,000トン/年から9,000トン/年へ増強しました。
粘接着基材事業においては、ホットメルト接着材の粘着付与剤として需要が伸びている水添石油樹脂(商品名:アイマーブ®)について、顧客の更なる供給ニーズに応えるべく、台湾FPCC社(Formosa Petrochemical Corporation)と共同で新プラント建設を開始しました。また、従来の結晶性ポリプロピレン樹脂と比べて大幅に融点が低く軟質特性を有する機能性軟質ポリプロピレン(商品名:エルモーデュ®)については、従来からの衛生材の接着剤や不織布の改質材などに加え新たな用途開拓を行いながら国内外で市場開拓に取り組みました。

以上の結果、石油化学製品セグメントの売上高は、ナフサ価格が下落したことなどにより4,612億円(前年同期比△11.4%)となりました。営業利益は、スチレンモノマー等の製品マージンの拡大などの増益要因を円高による為替影響などの減益要因が上回り400億円(前年同期比△5.5%)となりました。なお、営業利益に含まれる在庫評価益は21億円です。

③資源セグメント
資源セグメントは、安定生産の継続、徹底したコスト削減と生産性向上による保有資産の価値向上と資産ポートフォリオ見直しを基本方針として、次のような取り組みを行いました。

(石油開発事業)
探鉱活動においては、ノルウェー領北海において2016年9月にカラ(Cara)構造での油・ガスの集積を発見しました。また、ベトナム沖において、2014年に発見した油・ガス田について将来の開発に向けた検討を進めました。
既存油田の安定操業・生産とともに操業改善活動を行った結果、ノルウェー領北海、英領北海、ベトナムにおいて原油換算で日量4.3万バレルの原油・ガスを生産しました。
石油開発事業の売上高は、生産数量増加があったものの原油価格が下落したことなどにより736億円(前年同期比△1.4%)となりました。営業利益は、原油価格は下落しましたが資源国通貨安などの増益要因があり85億円(前年同期比+114億円)となりました。
(石炭事業・その他事業)
石炭事業においては、中国の政策動向等により石炭価格が大きく変動する中で、インドネシアを含む全鉱山の生産性改善と集中購買等によるコスト削減を通した競争力強化に努めました。その結果、豪州・インドネシアの自社炭合計で過去最大の約13百万トンを生産しました。また、当社、郵船商事㈱、日本郵船㈱の3社は郵船商事㈱が所有する石炭ボイラ制御最適化システム「ULTY」の共同販売、及び当社が保有する石炭高効率燃焼技術を取り入れた新型ULTYの共同開発に合意しました。
ウラン事業においては、カナダ シガーレイク鉱山において生産したウラン精鉱の販売をしています。
地熱事業においては、大分県滝上地区で順調な操業を継続するとともに、2017年3月より同地区においてバイナリー発電所(出力5,050kW)の商業運転を開始しました。また、事業拡大に向けて北海道阿女鱒岳地域、秋田県小安地域及び福島県磐梯地域での調査活動を進めています。
石炭事業・その他事業の売上高は、石炭価格の上昇などがあったものの対円での資源国通貨安などの影響により1,537億円(前年同期比△0.3%)となりました。営業利益は、資源国通貨安やコスト削減などの影響により81億円(前年同期比+59億円)となりました。

以上の結果、資源セグメント合計の売上高は2,273億円(前年同期比△0.7%)、営業利益は166億円(前年同期比+172億円)となりました。

④その他セグメント
その他セグメントのうち、電子材料事業、アグリバイオ事業、ガス事業、再生可能エネルギー事業においては、次のような取り組みを行いました。
(電子材料事業)
有機EL材料分野においては、今後の有機ELディスプレイ普及拡大による有機EL材料需要の増大に対応するため、韓国坡州市での製造能力増強と評価装置増設を行いました。また、高性能な有機EL材料の開発促進のため、独Merck社と有機EL材料関連分野における特許の相互利用に関する提携契約を締結するとともに、技術交流してきたBASFスイス社より開発体制を引き継ぎスイス連邦バーゼルシュタット州に有機EL材料開発会社を設立しました。
(アグリバイオ事業)
農業緑化資材においては、販売会社である出光アグリ㈱を通じ先進的生産団体への微生物防除剤(殺菌剤)の拡販活動に取り組んでいます。
飼料添加物においては、牛、鳥の腸内環境を正常に保つ効果がある「ルミナップ®」「クロストップ®」について、国内での大型農場を中心とした採用拡大、海外の販路拡大に向けた取り組みを進めました。
(ガス事業)
兵庫製油所跡地(兵庫県姫路市)において、天然ガス発電事業の検討及び準備を進めるために、大阪ガス㈱との共同出資により姫路天然ガス発電㈱を2016年4月に設立し、事業化検討を実施しています。
カナダのアルタガス社(AltaGas Ltd.)と共同出資で設立したAltaGas Idemitsu Joint Venture Limited Partnershipを通じて株式を保有するペトロガスエナジー社(Petrogas Energy Corp.)では、米国西海岸にあるファンデール基地(ワシントン州)から日本・アジア向けのLPG(液化石油ガス)の輸出強化に取り組みました。
(再生可能エネルギー事業)
遊休地を活用した再生可能エネルギーへの取り組みとして、北九州市門司区、兵庫県姫路市、福島県いわき市において太陽光発電所(メガソーラー)を運転しています。バイオマス発電においては、土佐グリーンパワー㈱(当社出資比率50%、発電出力6,250kW)及び㈱福井グリーンパワー(当社出資比率10%、発電出力7,000kW)が稼働中です。

以上の結果、その他セグメントの売上高は636億円(前年同期比△8.6%)、営業利益は51億円(前年同期比△37億円)となりました。

(4) キャッシュ・フローの状況
当期末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、901億円となり、前期末に比べ、287億円減少しました。その主な要因は次のとおりです。
営業活動におけるキャッシュ・フローは、535億円の収入となりました。これは原油代上昇による売掛債権・たな卸資産の増加などの資金減少要因を、税金等調整前当期純利益や減価償却費などの資金増加要因が上回ったためです。
投資活動におけるキャッシュ・フローは、2,148億円の支出となりました。これは、主として昭和シェル石油㈱の株式取得や製油所設備の維持更新投資の増加などによります。
財務活動におけるキャッシュ・フローは、1,361億円の収入となりました。これは、短期借入金・コマーシャル・ペーパーによる資金調達が増加したことなどによります。


従業員の状況生産、受注及び販売の状況


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