有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TQH6 (EDINETへの外部リンク)
南海化学株式会社 事業の内容 (2024年3月期)
当社グループは1906年の創業以来、化学品メーカーとして歩み続けてきました。現在は、「化学品事業を通じて地球環境と豊かな社会の創生に貢献する」を企業理念に掲げ、様々な製品の基礎原料として使われる苛性ソーダや殺菌、消毒に使われる次亜塩素酸ソーダをはじめとする「基礎化学品事業」、酢酸ナトリウム(食品用日持ち向上剤)、グルコサミンをはじめとする「機能化学品事業」、土壌殺菌剤として使われる農薬クロルピクリンをはじめとする「アグリ事業」、廃硫酸のリサイクルを中心とする「環境リサイクル事業」、及び塩の加工・販売に関する「各種塩事業」の5事業を展開しております。また、当社及び当社の関係会社は、当社及び国内外の連結子会社5社並びに持分法適用関連会社2社により構成されております。
当社グループの事業における報告セグメントの概要及び位置付けは次のとおりであり、以下の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
セグメントの名称 | 主な事業内容 | 会社名 |
化学品事業 | (基礎化学品) 苛性ソーダ、合成塩酸、次亜塩素酸ソーダなどのクロール・アルカリ製品、水の衛生管理に利用される塩素系殺菌・消毒剤、工場排水や下水排水に利用される水処理凝集剤の製造・販売業務 | 南海化学㈱(当社) 如皋市四友合成化工有限公司 (連結子会社) 如皋南海水処理剤有限公司 (連結子会社) ATNグラファイト・テクノロジー㈱ (持分法適用関連会社) |
(機能化学品) 食品添加物や健康食品の製造・販売、医薬・農薬・電子材料等の中間体の受託製造・販売及び当社のコア技術である粉体化、スルホン化やクロル化技術を活用した受託製造業務 | 南海化学㈱(当社) | |
(アグリ) クロルピクリン及びクロルピクリン錠剤の製造・販売業務 | 南海化学㈱(当社) | |
(環境リサイクル) 硫酸リサイクル並びに当該技術を応用したリサイクル業務 | エヌシー環境㈱(連結子会社) サンワ南海リサイクル㈱ (持分法適用関連会社) | |
各種塩事業 | 各種塩の製造・販売業務 | ㈱エヌエムソルト(連結子会社) |
(注)報告セグメントについては、「化学品事業」と「各種塩事業」に区分しておりますが、「化学品事業」における取扱品目が多岐にわたることから、以下の説明においては、「化学品事業」を基礎化学品・機能化学品・アグリ・環境リサイクルに分類しております。
上記に掲げている報告セグメント別の事業の詳細は、次のとおりです。
[化学品事業]
(基礎化学品)
当事業は当社和歌山工場のほか、連結子会社である如皋市四友合成化工有限公司、如皋南海水処理剤有限公司、持分法適用関連会社であるATNグラファイト・テクノロジー㈱にて行っております。
当事業では、塩水の電気分解により生成される苛性ソーダ(※1)を中心に、併産される塩素や水素を活用した各種製品の製造及び販売を行っております。具体的には、当社が長年取扱っている水資源関連・医療・食品等の分野で漂白や殺菌、中和用に利用されるクロール・アルカリ製品(※2)(合成塩酸(※3)、次亜塩素酸ソーダ(※4)など)、浄化槽やプール水及び魚肉の解体場、食品工場等の衛生管理に利用される塩素系殺菌・消毒剤(高度さらし粉など)、工場排水や下水排水などに利用される水処理凝集剤などのほかに、新たなラインナップとして、重亜硫酸ソーダ(※5)、含鉄バンド(※6)の取扱拡大を図っており、商社経由あるいはメーカー直販の商流にて、原料メーカーや中間製品メーカーといった製造業を中心に提供しております。製品の特性や輸送コストの観点から、遠隔地への供給には適していないものが多く、関西地方を中心に供給を行っております。
(機能化学品)
当事業は、当社において、各種食品の日持ち向上剤として使用される酢酸ナトリウムなどの食品添加物やグルコサミンなどの健康食品の製造・販売と、長年に亘り培われた技術やノウハウを活かし、お客様のニーズに合わせたきめ細やかなオーダーメイド対応が可能な医薬・農薬・電子材料等の中間体の受託製造・販売及び当社のコア技術である粉体化、スルホン化(※7)やクロル化(※8)技術を活用した受託製造業務を行っております。富士アミドケミカル㈱では、医薬・農薬・電子材料等の中間体の製造並びに受託製造業務を行っております。
当社は当該製品の販売業務について、商社経由あるいはメーカー直接の商流にて、原料メーカーや中間製品メーカーといった製造業を中心に提供しております。
(アグリ)
当事業は当社土佐工場にて行っております。当事業では、農薬の一種である土壌殺菌剤として使用されているクロルピクリン(※9)の製造・販売を行っております。クロルピクリンは液剤と錠剤があり、液剤は高濃度品(濃度99.5%)と低濃度品(濃度80%)、錠剤は液剤を特殊な方法で固型化した新しいタイプの商品となっております。クロルピクリンは液剤タイプが主流ではありますが、農業従事者の皆様により安全に安心してご使用いただくため、錠剤タイプの普及活動に重点を置き、営業活動を行っております。
クロルピクリンは、畑地をクリーンにする農薬の一つとして、1948年にたばこ向けに実用化されて以降、用途は野菜、花き等に広がっております。一般にクロルピクリンは、気化することにより目や喉の痛みや刺激臭を伴い、その使用には制約がありましたが、クロルピクリン液剤については、安全に使用される技術も確立されているほか、クロルピクリン錠剤については、錠剤化することにより使用時の気化を抑制することが可能となり、簡単に処理しやすい農薬として、農業従事者の皆様から好評をいただいております。
化学品事業における基礎化学品、機能化学品、アグリの事業系統図は、次のとおりであります。
[基礎化学品、機能化学品] [アグリ]
(注)基礎化学品、機能化学品の販売先メーカーは主に化学工業、鉄鋼・製紙、化粧品・洗剤等の業界になります。
(環境リサイクル)
当事業は連結子会社であるエヌシー環境㈱及び持分法適用関連会社であるサンワ南海リサイクル㈱が行っております。当事業では、石油精製業者などの廃硫酸供給業者より廃硫酸を引取り、硫酸を精製し各種メーカーへ販売しております。
化学品事業における環境リサイクルの事業系統図は、次のとおりであります。
[各種塩事業]
当事業は連結子会社である㈱エヌエムソルトが行っております。当事業では、オーストラリアやメキシコから輸入した原塩(天日塩)を、洗滌(せんでき)などの加工工程を経て、食品関係や融雪など様々な用途に用いられる塩を製造し、国内有数の梅干しの原産地である和歌山県南部地区の梅干加工業者や全国の食品メーカーをはじめとした各種メーカーに販売しております。また、融雪塩として、道路を維持管理する団体などに販売しております。
各種塩事業の事業系統図は、次のとおりであります。
[参考]用語の解説
用 語 | 解 説 |
※1 苛性ソーダ | 化学名は「水酸化ナトリウム(NaOH)」といい、その水溶液は強いアルカリ性を示す、代表的な強アルカリ物質です。苛性ソーダは、この強アルカリ性という化学的性質を利用して、様々な酸と反応(中和)させたり、普通では溶けない物質を溶解させたり、他の金属元素や化合物と反応させたりして、別の化学合成物質や化学薬品を作り出すのに使われています。 例えば、産業・生活用物質を製造する上で必要な化学的処理において、金属の溶解、精製、不純物の除去、漂白、中和、軟化等のための基礎素材として用いられています。 苛性ソーダは、アルミニウムや化学繊維、石けん・洗剤の原料として使用され、パルプの溶解や漂白、また、様々な工業製品の製造に使われています。さらに、上下水道や各種産業の排水処理、還元剤として使用されるなど、非常に幅広い分野で使われています。 苛性ソーダそのものが最終製品に直接含まれている例は多くないものの、中間原料となる各種の化学薬品などの製造に使われ、幅広い産業分野において基礎素材として使われております。 |
※2 クロール・アルカリ製品 | 塩水の電気分解より製造した化学製品の総称であり、苛性ソーダや合成塩酸及びその派生により生成される製品を指します。 |
※3 合成塩酸 | 塩酸は、塩化水素の水溶液で、代表的な酸性物質です。酸類の中では比較的扱いやすく、中和・pH調整、各種工業薬品・食品の原料、金属表面処理等幅広く使用されております。 合成塩酸は、塩水の電気分解より製造した塩素と水素を原料とした塩酸であり、不純物の含有が少なく、品質が安定している特徴があります。 |
※4 次亜塩素酸ソーダ | 化学名は次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)と言い、苛性ソーダ水溶液に塩素ガスを吸収させて製造します。製品としては、有効塩素が12%の液体で、製品中の食塩含有量が10~12%の一般品と、4%以下の低食塩品の2種類があります。 用途は、上下水道やプールの殺菌・消毒、パルプの漂白、食品工業、水処理、廃水処理等、塩酸同様、幅広い分野に亘っています。 |
※5 重亜硫酸ソーダ | 化学式NaHSO3と表される無機化合物であり、亜硫酸水素ナトリウムともいい、食品添加物(保存料)や還元剤などとして用いられております。 |
※6 含鉄バンド | 水分中の不純物の凝集作用のある「ポリ硫酸第二鉄(化学式(Fe2(OH)n(SO4)3-n/2)m)」と「硫酸バンド(化学式Al2(SO4)3•16H2O)」の混合物であり、高処理能力を有する水の浄化剤(凝集剤)として注目されております。 |
※7 スルホン化 | 有機化合物の水素原子をスルホン基 -SO3Hに置換する反応であり、たとえば芳香族化合物に硫酸を作用させて芳香環の水素をスルホン基で置換し、芳香族スルホン酸とするときに用いられます。スルホン化剤としては硫酸以外に発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、塩化スルフリルなどがあり、染料や中性洗剤などの工業的製造において重要な反応です。 |
※8 クロル化 | 塩素化ともいい、化合物に塩素原子を導入する化学反応のことを指します。 |
※9 クロルピクリン | 化学式CCl3NO2で表される、メタンの水素3個が塩素に、1個がニトロ基に置き換わった構造を持つ有機化合物であり、わが国では農薬登録されており、土壌中の病原菌、害虫、センチュウなどを防除する効果を有します。常温ではいくぶん粘性のある無色の液体であり、水には難溶で、蒸気は空気より重く、衝撃又は熱を加えると爆発する可能性があることや、光や熱で分解して塩化水素や窒素酸化物など有毒な気体を生じることから、取り扱いには注意を要します。また、液体のままでは非常に強い刺激臭を有しており、当社グループではゲル化の技術を用いて、刺激臭が抑制され取り扱いが容易なクロルピクリン錠剤の製造も行っております。 |
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E38504] S100TQH6)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。