有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AJZW
参天製薬株式会社 業績等の概要 (2017年3月期)
(1)業績
①業績の状況
(ア)コアベース(※)
(単位:百万円)
[売上収益]
前連結会計年度と比べ1.9%増加し、1,991億円となりました。
主力の国内医療用医薬品事業において継続的に伸長するとともに、円高の影響は受けましたが、EMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)・アジアにおいても、当社製品は順調に市場浸透しています。事業別の状況は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 各セグメントの売上収益は、外部顧客に対する売上収益を表しています。
(医薬品事業)
◇国内
前連結会計年度と比べて1.4%増加し、1,300億円となりました。各疾患領域の主力製品の売上推移は次のとおりです。
・緑内障・高眼圧症治療剤領域
「タプロス点眼液」 96億円(対前年度増減率 + 4.6%)
「タプコム配合点眼液」 23億円(対前年度増減率 +63.4%)
「コソプト配合点眼液」 114億円(対前年度増減率 + 1.4%)
・角結膜疾患治療剤領域
「ヒアレイン点眼液」 119億円(対前年度増減率 △18.2%)
「ジクアス点眼液」 110億円(対前年度増減率 +24.1%)
・抗アレルギー点眼剤領域
「アレジオン点眼液」 122億円(対前年度増減率 +29.0%)
・網膜疾患治療剤領域
「アイリーア硝子体内注射液」 452億円(対前年度増減率 +12.9%)
◇海外
EMEA
円換算ベースで前連結会計年度と比べ11.5%増加し、285億円、為替影響を除いた成長率は25.0%となっています。医薬情報提供などの普及促進活動に注力し、緑内障・高眼圧症治療剤「タフロタン」、「サフルタン」、「タプティコム」、「コソプト」、「トルソプト」、角結膜疾患治療剤「アイケルビス」が市場に浸透しています。
アジア
円換算ベースで前連結会計年度と比べ4.3%増加し、235億円となりました。
円高の影響を受けましたが、為替影響を除いた成長率は18.7%となっており、「ヒアレイン」、「クラビット」等主力品の普及促進活動の展開により、中国を中心に韓国、アセアン諸国において高い成長率を維持しています。
前連結会計年度と比べ14.1%増加し、126億円となりました。
インバウンド需要の取り込みに加え、新「サンテメディカルシリーズ」、「ソフトサンティアシリーズ」などの販売促進活動を中心に展開しています。
(その他の事業)
前連結会計年度と比べ5.9%増加し、25億円となりました。
高屈折率のアクリル素材を光学部に用いたフォールダブル眼内レンズ「エタニティ」シリーズの普及促進活動に引き続き注力しています。
その他の売上収益は5億円となりました。サプリメント製品の販売によるものと株式会社クレール(連結子会社)での無塵・無菌服のクリーニング業によるものです。
[コア営業利益]
売上総利益は、前連結会計年度と比べ17億円増加し、1,241億円となりました。売上原価率は、前連結会計年度と比べ0.4ポイント増加し、37.7%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ23億円増加し、617億円となりました。米メルク社の眼科製品の譲受けに伴い、販売活動に関する費用が増加したことなどによります。
研究開発費は、後期臨床パイプラインが進捗し、前連結会計年度と比べ28億円増加し、228億円となりました。
以上により、コアベースでの営業利益は、前連結会計年度と比べ7.8%減少し、397億円となりました。
(※)参天製薬グループではIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益および費用を控除した「コアベース」での財務情報を経常的な業績を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績からコアベースでの業績への調整において控除する以下の収益および費用とそれらに係る法人所得税費用を調整し、コアベースを算出しています。
・製品に係る無形資産償却費
・その他の収益
・その他の費用
・金融収益
・金融費用
・販売費及び一般管理費のうち企業買収に係る一過性費用
(イ)IFRS(フル)ベース
(単位:百万円)
[売上収益]
コアベースの売上収益から調整はありません。
[営業利益]
売上総利益についても、コアベースから調整はありません。
IFRS(フル)ベースの販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ28億円増加し、622億円となりました。コアベースの販売費及び一般管理費に加え、InnFocus, Inc.(以下、InnFocus社)の買収に伴う一過性の費用が5億円発生しました。
研究開発費は、コアベースから調整はありません。
製品に係る無形資産償却費は、64億円となりました。これは主に、米メルク社から2014年に譲受けた眼科製品に関する無形資産、ならびに2015年より欧州で販売を開始した「アイケルビス」に関する無形資産の償却によるものです。
その他の収益は、前連結会計年度を445億円下回る5億円となりました。これは、前連結会計年度に抗リウマチ薬事業のあゆみ製薬株式会社への承継に伴う一時的な収益が445億円発生したためです。その他の費用は7億円となりました。
これらにより、IFRS(フル)ベースの営業利益は、前連結会計年度と比べ59.5%減少し、325億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度と比べ56.8%減少し、231億円となりました。売上収益に対するその比率は、11.6%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、108億円の収入(前連結会計年度は、225億円の収入)となりました。これは当期利益が231億円、減価償却費及び償却費が99億円および法人所得税費用が88億円などありましたが、法人所得税の支払いが239億円、営業債権及びその他の債権の増加が55億円および棚卸資産の増加が41億円あったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、282億円の支出(前連結会計年度は、371億円の収入)となりました。これはInnFocus社の買収に伴う子会社株式の取得による支出が191億円、無形資産の取得による支出が54億円および有形固定資産の取得による支出が41億円あったことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、287億円の支出(前連結会計年度は、241億円の支出)となりました。これは長期借入れによる収入が30億円ありましたが、自己株式の取得による支出が124億円、配当金の支払いが108億円および長期借入金の返済による支出が95億円あったことなどによるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末と比べ475億円減少し、523億円となりました。
(3)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんの償却については、効果が発現すると見積られる期間にわたり均等償却を行っていましたが、IFRSでは移行日以降、償却をせず毎期減損テストを行っています。
この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「販売費及び一般管理費」が817百万円減少しています。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では、製品および技術の導入契約に伴い発生した一時金等の費用のうち、主に当局の承認が得られる前に発生したものを研究開発費として費用処理していましたが、IFRSでは、これらの費用のうち、資産計上の要件を満たしたものを「無形資産」として計上しています。
この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「研究開発費」が3,141百万円減少しています。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんの償却については、効果が発現すると見積られる期間にわたり均等償却を行っていましたが、IFRSでは移行日以降、償却をせず毎期減損テストを行っています。
この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「販売費及び一般管理費」が734百万円減少しています。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では、製品および技術の導入契約に伴い発生した一時金等の費用のうち、主に当局の承認が得られる前に発生したものを研究開発費として費用処理していましたが、IFRSでは、これらの費用のうち、資産計上の要件を満たしたものを「無形資産」として計上しています。
この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「研究開発費」が210百万円減少しています。
①業績の状況
(ア)コアベース(※)
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 対前年度増減率 | |
売上収益 | 195,291 | 199,096 | 1.9% |
コア営業利益 | 43,067 | 39,687 | △7.8% |
コア当期利益 | 29,163 | 28,688 | △1.6% |
[売上収益]
前連結会計年度と比べ1.9%増加し、1,991億円となりました。
主力の国内医療用医薬品事業において継続的に伸長するとともに、円高の影響は受けましたが、EMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)・アジアにおいても、当社製品は順調に市場浸透しています。事業別の状況は次のとおりです。
(単位:百万円)
国内 | 海外 | 合計 | ||||
金額 | 対前年度 増減率 | 金額 | 対前年度 増減率 | 金額 | 対前年度 増減率 | |
医薬品事業 | 142,439 | 2.3% | 53,584 | 0.4% | 196,023 | 1.8% |
医療用医薬品 | 130,018 | 1.4% | 53,451 | 0.3% | 183,469 | 1.1% |
うち眼科薬 | 129,594 | 4.4% | 52,265 | 8.0% | 181,859 | 5.4% |
うちその他医薬品 | 424 | △31.3% | 1,186 | △75.8% | 1,610 | △70.8% |
一般用医薬品 | 12,421 | 13.8% | 132 | 52.6% | 12,553 | 14.1% |
その他の事業 | 2,919 | 10.0% | 154 | 84.3% | 3,073 | 12.3% |
医療機器 | 2,514 | 8.2% | 22 | △69.0% | 2,536 | 5.9% |
その他 | 404 | 22.5% | 132 | 923.8% | 537 | 56.5% |
合計 | 145,358 | 2.5% | 53,738 | 0.6% | 199,096 | 1.9% |
(医薬品事業)
◇国内
前連結会計年度と比べて1.4%増加し、1,300億円となりました。各疾患領域の主力製品の売上推移は次のとおりです。
・緑内障・高眼圧症治療剤領域
「タプロス点眼液」 96億円(対前年度増減率 + 4.6%)
「タプコム配合点眼液」 23億円(対前年度増減率 +63.4%)
「コソプト配合点眼液」 114億円(対前年度増減率 + 1.4%)
・角結膜疾患治療剤領域
「ヒアレイン点眼液」 119億円(対前年度増減率 △18.2%)
「ジクアス点眼液」 110億円(対前年度増減率 +24.1%)
・抗アレルギー点眼剤領域
「アレジオン点眼液」 122億円(対前年度増減率 +29.0%)
・網膜疾患治療剤領域
「アイリーア硝子体内注射液」 452億円(対前年度増減率 +12.9%)
◇海外
EMEA
円換算ベースで前連結会計年度と比べ11.5%増加し、285億円、為替影響を除いた成長率は25.0%となっています。医薬情報提供などの普及促進活動に注力し、緑内障・高眼圧症治療剤「タフロタン」、「サフルタン」、「タプティコム」、「コソプト」、「トルソプト」、角結膜疾患治療剤「アイケルビス」が市場に浸透しています。
アジア
円換算ベースで前連結会計年度と比べ4.3%増加し、235億円となりました。
円高の影響を受けましたが、為替影響を除いた成長率は18.7%となっており、「ヒアレイン」、「クラビット」等主力品の普及促進活動の展開により、中国を中心に韓国、アセアン諸国において高い成長率を維持しています。
前連結会計年度と比べ14.1%増加し、126億円となりました。
インバウンド需要の取り込みに加え、新「サンテメディカルシリーズ」、「ソフトサンティアシリーズ」などの販売促進活動を中心に展開しています。
(その他の事業)
前連結会計年度と比べ5.9%増加し、25億円となりました。
高屈折率のアクリル素材を光学部に用いたフォールダブル眼内レンズ「エタニティ」シリーズの普及促進活動に引き続き注力しています。
その他の売上収益は5億円となりました。サプリメント製品の販売によるものと株式会社クレール(連結子会社)での無塵・無菌服のクリーニング業によるものです。
[コア営業利益]
売上総利益は、前連結会計年度と比べ17億円増加し、1,241億円となりました。売上原価率は、前連結会計年度と比べ0.4ポイント増加し、37.7%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ23億円増加し、617億円となりました。米メルク社の眼科製品の譲受けに伴い、販売活動に関する費用が増加したことなどによります。
研究開発費は、後期臨床パイプラインが進捗し、前連結会計年度と比べ28億円増加し、228億円となりました。
以上により、コアベースでの営業利益は、前連結会計年度と比べ7.8%減少し、397億円となりました。
(※)参天製薬グループではIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益および費用を控除した「コアベース」での財務情報を経常的な業績を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績からコアベースでの業績への調整において控除する以下の収益および費用とそれらに係る法人所得税費用を調整し、コアベースを算出しています。
・製品に係る無形資産償却費
・その他の収益
・その他の費用
・金融収益
・金融費用
・販売費及び一般管理費のうち企業買収に係る一過性費用
(イ)IFRS(フル)ベース
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 対前年度増減率 | |
売上収益 | 195,291 | 199,096 | 1.9% |
営業利益 | 80,180 | 32,479 | △59.5% |
当期利益 | 53,373 | 23,054 | △56.8% |
[売上収益]
コアベースの売上収益から調整はありません。
[営業利益]
売上総利益についても、コアベースから調整はありません。
IFRS(フル)ベースの販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ28億円増加し、622億円となりました。コアベースの販売費及び一般管理費に加え、InnFocus, Inc.(以下、InnFocus社)の買収に伴う一過性の費用が5億円発生しました。
研究開発費は、コアベースから調整はありません。
製品に係る無形資産償却費は、64億円となりました。これは主に、米メルク社から2014年に譲受けた眼科製品に関する無形資産、ならびに2015年より欧州で販売を開始した「アイケルビス」に関する無形資産の償却によるものです。
その他の収益は、前連結会計年度を445億円下回る5億円となりました。これは、前連結会計年度に抗リウマチ薬事業のあゆみ製薬株式会社への承継に伴う一時的な収益が445億円発生したためです。その他の費用は7億円となりました。
これらにより、IFRS(フル)ベースの営業利益は、前連結会計年度と比べ59.5%減少し、325億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度と比べ56.8%減少し、231億円となりました。売上収益に対するその比率は、11.6%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減額 (百万円) | |
営業活動による キャッシュ・フロー | 22,525 | 10,843 | △11,682 |
投資活動による キャッシュ・フロー | 37,052 | △28,201 | △65,253 |
財務活動による キャッシュ・フロー | △24,066 | △28,657 | △4,590 |
現金及び現金同等物の 期末残高 | 99,798 | 52,282 | △47,515 |
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、108億円の収入(前連結会計年度は、225億円の収入)となりました。これは当期利益が231億円、減価償却費及び償却費が99億円および法人所得税費用が88億円などありましたが、法人所得税の支払いが239億円、営業債権及びその他の債権の増加が55億円および棚卸資産の増加が41億円あったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、282億円の支出(前連結会計年度は、371億円の収入)となりました。これはInnFocus社の買収に伴う子会社株式の取得による支出が191億円、無形資産の取得による支出が54億円および有形固定資産の取得による支出が41億円あったことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、287億円の支出(前連結会計年度は、241億円の支出)となりました。これは長期借入れによる収入が30億円ありましたが、自己株式の取得による支出が124億円、配当金の支払いが108億円および長期借入金の返済による支出が95億円あったことなどによるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末と比べ475億円減少し、523億円となりました。
(3)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんの償却については、効果が発現すると見積られる期間にわたり均等償却を行っていましたが、IFRSでは移行日以降、償却をせず毎期減損テストを行っています。
この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「販売費及び一般管理費」が817百万円減少しています。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では、製品および技術の導入契約に伴い発生した一時金等の費用のうち、主に当局の承認が得られる前に発生したものを研究開発費として費用処理していましたが、IFRSでは、これらの費用のうち、資産計上の要件を満たしたものを「無形資産」として計上しています。
この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「研究開発費」が3,141百万円減少しています。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんの償却については、効果が発現すると見積られる期間にわたり均等償却を行っていましたが、IFRSでは移行日以降、償却をせず毎期減損テストを行っています。
この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「販売費及び一般管理費」が734百万円減少しています。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では、製品および技術の導入契約に伴い発生した一時金等の費用のうち、主に当局の承認が得られる前に発生したものを研究開発費として費用処理していましたが、IFRSでは、これらの費用のうち、資産計上の要件を満たしたものを「無形資産」として計上しています。
この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「研究開発費」が210百万円減少しています。
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