有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ANBL
名鉄運輸株式会社 業績等の概要 (2017年3月期)
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出の持ち直しなどを背景に、企業収益には底堅さが見られるものの、天候不順やエネルギー価格の上昇の影響もあり、個人消費は力強さを欠きました。また、海外経済の不確実性も高まるなど先行きは不透明な状況で推移いたしました。物流業界におきましては、個人消費の伸び悩みや、設備投資の鈍さから低調な荷動きとなっている中、慢性的なドライバー不足により人件費や委託費が増加したことに加え、原油価格の緩やかな高まりにより燃料価格も上昇しており、依然として厳しい経営環境が続きました。
このような状況のなか、当社グループでは、現中期経営計画の経営方針「混載事業(コア事業)の拡大を図り、持続的に成長する企業グループを目指す」を中心に、基本戦略の「混載事業の強化」、「事業継続に向けた人材確保」、「ネットワークの維持強化」、「同業他社との連携強化」、「効果的な投資による企業インフラの強化」、「有利子負債の削減」、「関連会社統廃合による効率経営の実現」の7項目の各施策を推進してまいりました。
具体的には、「ネットワークの維持強化」として、甲信越を基盤とした信州名鉄運輸㈱の連結子会社化により、物流ニーズの対応にグループ一体となって取り組む体制を全国に整えました。また、昨年10月よりグループ統一の車両デザインを導入し、グループ一体となった営業活動を推進するなどグループ総合力の向上を図りました。「同業他社との連携強化」として、昨年4月に資本業務提携を開始した日本通運㈱との連携強化により、ネットワークの相互利用、オペレーションの効率化を通じた競争力強化及びコストの低減を図りました。「効果的な投資による企業インフラの強化」として、今後も物流活動が活発な首都圏郊外に、路線ネットワークの重要拠点として野田支店を新設し、積極的な営業展開をすることで増収を図りました。「関連会社統廃合による効率経営の実現」として、路線ネットワーク内の各地区における経営資源を集中し、担当地区の明確化、経営基盤の強化及び間接部門の集約化による経営効率の向上を目的として関連会社の統廃合を進めました。
当連結会計年度におけるセグメントの業績は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(物流関連事業)
貨物運送関連では、混載事業を中心に、貸切輸送などの顧客需要を積極的に取り込み、物量を確保いたしました。また、輸送を外部委託からグループ内に取り込む活動も継続的に行い、利益の確保に努めました。
具体的な施策として、営業面では、取扱量の確保のため、新規顧客の獲得及び既存顧客の販路拡張に努めました。また、収益性向上を図るため、輸送コストに応じた運賃等の条件改定交渉を行いました。業務面では、グループ内で重複する輸配送を見直すことでネットワークの効率化に努めたほか、資本業務提携を結んだ日本通運㈱と連携を開始した配送の受託について、全国でさらに検討を進めるなど、事業領域の拡大と経営資源の有効活用を図りました。
流通倉庫関連では、一部顧客でインバウンド効果の落ち込みもみられますが、日用品メーカーの取扱エリアの拡大など主要顧客の売上が前年を上回り、飲料メーカーや小売関連の顧客の取扱も堅調に推移いたしました。
以上の結果、信州名鉄運輸㈱を連結子会社化したこともあり、物流関連事業の売上高は前期比20.6%増の109,817百万円、売上総利益は前期比22.3%増の9,699百万円となりました。
(その他事業)
その他事業では、本年3月に不動産事業を行う子会社を設立し、グループ内で保有する資産の有効活用に努めたほか、新規に連結子会社化した信州名鉄運輸㈱の不動産賃貸収入の寄与もあり、売上高は前期比486.6%増の1,003百万円、売上総利益は前期比258.0%増の429百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、新規に信州名鉄運輸㈱を連結子会社化したことなどにより、前期比21.4%増の110,755百万円となりました。営業利益は、燃料単価の下落や諸経費の節減に努めたことにより前期比20.7%増の4,830百万円、経常利益は、前期比22.0%増の5,031百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、旧深川支店土地の売却による特別利益の計上もあり前期比17.2%増の5,023百万円となりました。
(2) 地域別売上高
区分 | 当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 前年同期比(%) | |
金額(百万円) | 構成比(%) | ||
東部地域 | 32,281 | 29.1 | 100.0 |
中部地域 | 43,368 | 39.2 | 184.5 |
西部地域 | 35,105 | 31.7 | 99.0 |
合計 | 110,755 | 100.0 | 121.4 |
(注) 1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.東部…北海道、東北、北関東、東京、南関東 中部…東海、北陸、甲信越 西部…近畿、中国、四国、九州
(3) 輸送能力
区分 | 当連結会計年度 (2017年3月31日現在) | 前年同期比(%) | ||
車両台数(台) | 積載トン数(トン) | |||
貨物自動車 | 大型車 | 2,555( 159) | 27,850 | 130.2 |
普通車 | 3,722( 35) | 13,027 | 108.1 | |
合計 | 6,277( 194) | 40,877 | 122.3 |
(注) 1.「車両台数」欄の( )内は内書でリース契約による台数であります。
2.「前年同期比」欄は積載トン数で比較しております。
(4) キャッシュ・フローの状況
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、税金等調整前当期純利益の増加などにより、前期に比べ2,830百万円増加し、7,478百万円の収入超過となりました。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、有形固定資産の売却による収入の増加などにより、前期に比べ8,663百万円増加し、2,883百万円の収入超過となりました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、短期借入金の純増減額の減少などにより、前期に比べ11,429百万円減少し、10,381百万円の支出超過となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、株式交換に伴う現金及び現金同等物の増加額もあり前期に比べ42百万円増加し、166百万円となりました。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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