シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G6V9

有価証券報告書抜粋 味の素株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

味の素グループは、「健康なこころとからだ」、「食資源」、「地球持続性」の社会課題解決に向けて、事業を通じて貢献していきます。「2017-2019(for 2020)中期経営計画」ではその解決に向けたアプローチとして、コアコンピタンスを元にした「ASVを通じた価値創造ストーリー」を定め、それに基づいた事業活動を展開し、グローバル食品企業トップ10クラスの事業を目指しています。
先端バイオ・ファイン技術力と顧客価値創造力の融合から生まれる「スペシャリティ」を土台に、「地域ポートフォリオの強化を通じた確実な成長」や「スペシャリティの確立による事業ポートフォリオ強化」に関する研究開発に経営資源を重点的に投資しています。また、社外の研究機関や企業とのオープン&リンクイノベーションを積極的に活用し、新たな価値・事業の共創に向けて取り組んでいます。

当連結会計年度における味の素グループの研究開発費は27,823百万円です。
また、当社グループが保有している特許は国内外合わせて約4,000件です。
当連結会計年度の各事業区分における研究開発活動の概要とその成果は次のとおりです。

(1)日本食品セグメント
味の素㈱の食品研究所が中心となり、クノール食品㈱、味の素冷凍食品㈱、味の素AGF㈱、上海味の素食品研究開発センター社(中国)をはじめとする国内外のグループ会社の研究開発部門とも密接に連携し、味、香り・風味、食感など、「おいしさを構成するすべての要素」を俯瞰した技術開発、商品開発、及びそのアプリケーション開発を行っています。少子化・高齢化、世帯人数の減少、健康志向といった国内市場におけるニーズを掘り起こし、当社独自の素材と技術及び斬新な発想による価値提案型の製品開発に取り組んでいます。


2018年度の家庭用商品は、多様化するお客様のニーズと価値観に対応し、おいしさと栄養そして生活者価値に基づく技術・商品を通じて、人々の「健康なこころとからだ」に貢献すべく「スペシャリティ」を持った新製品を開発・発売しました。
高品質・スマートな調理をお客様にご提供すべく、メニュー用調味料市場においては、当社独自技術を活用して、簡単・手軽においしい副菜を作ることができる電子レンジ専用調味料「かけてチン♪温菜おかず」〈バーニャカウダ味〉、「かけてチン♪温菜おかず」〈コクうま黒酢味〉や、短時間で味が染み込みおいしく仕上がる「Cook Do®きょうの大皿®」〈鶏手羽じゃが用〉を発売しました。また当社の独自素材を活用した「Cook Do®」〈よだれ鶏用〉、「Cook Do®」〈ふかひれ麺用〉、「Cook Do®」〈鶏だし白湯麺用〉を発売しました。スープ市場においては当社の独自技術を用いて野菜そのもののおいしさをとことん引き出した「クノール®カップスープベジレシピ®」〈太陽が香る真っ赤な完熟トマト〉、「クノール®カップスープベジレシピ®」〈森が香る濃厚マッシュルーム〉を発売しました。また、当社独自素材を活用しておいしく手軽に野菜をたっぷり摂ることができる「クノール®」たっぷり野菜で満たされたいときのスープごはん用〈トマトリゾット風〉や、アミノ酸を用いた当社独自の新たな食感制御技術によりもっちり&しっとり食感の長期持続を実現した栄養バランスバー「まるごと野菜ベーカリー®」〈100%かぼちゃ〉、「まるごと野菜ベーカリー®」〈100%トマト〉を発売しました。また、新しいカテゴリーとして、香り・コクに優れた独自開発のかつお節を使用し、具材本来の味わいとだしの風味を引き立てる即席味噌汁「具たっぷり味噌汁」定番タイプ、減塩タイプを発売しました。減塩タイプは当社独自の減塩技術を活用する事で、定番タイプに比べ塩分を50%カットしたおいしい減塩味噌汁を実現しました。和風だし市場においては、「ほんだし®」ブランドで最も贅沢で豊かな味わいの“だし”を実現した「ほんだし®濃厚だし」を発売しました。キューブ状の鍋つゆの素「鍋キューブ®」シリーズにおいて、「鍋キューブ®」〈鯛と帆立の極みだし鍋〉を発売しました。
業務用では、当社独自素材を活用して、にんにくの風味・呈味を自然に増強する天然系調味料「アロマックス®」〈にんにくBooster〉や、味噌・醤油本来の華やかな風味・呈味を付与する調味料「アロマックス®」〈芳醇《醸造感》〉を発売しました。また、当社独自の食感改良技術により、ソーセージの食感改良や歩留まり向上・コストダウンが可能となる食肉加工向け酵素製剤「アクティバ®」〈ジューシーアップS〉を発売しました。
ベーカリー製品では、独自技術により、国内の人手不足に対応した店舗での製造に手間と時間のかからない冷凍デニッシュ用生地を開発し商品化しました。また、当社の保有する試作技術及び工業化技術が評価され、外部から多数のお客様が当社工場を訪れるようになってきました。引き続き、事業拡大に取り組んでいきます。
超高齢化が進む今日の日本において、国、地方自治体は健康寿命延伸施策を積極的に進めています。当社においても、高齢者のフレイル(虚弱)、低栄養の予防改善に向け、当社のスペシャリティである「たんぱく質・アミノ酸栄養」の研究開発知見を活かした製品の開発を進めています。2018年度は、「メディミル®」ロイシンプラス〈バナナミルク風味〉、〈コーヒー牛乳風味〉、〈いちごミルク風味〉、〈バニラ風味〉について、当社独自技術により後味を良く、とろみを低減させることでより飲みやすくリニューアルしました。併せて、これまでの研究成果に基づく機能性情報の発信や高齢者の健康栄養課題解決に向けた啓発活動も推進しました。

家庭用では、「ギョーザ」の更なるおいしさを追求し、お客様の選好因子と嗜好性分析から焼き面の羽根の大きさとパリパリ感をアップし、皮についてはバランスが良い薄皮を実現しました。また、お客様の声を丁寧に聞き取ることで特に女性に好評な「しょうがギョーザ」を絶妙な食感と風味で開発しました。
業務用では、お客様のオペレーション課題を技術により解決し、おいしさに加え現場ニーズにお応えする製品を開発しました。ジャー保温による食感や風味の劣化を解消した「オムライスベースライス」、冷蔵解凍の保存技術を付与することで短時間調理を実現した「三元豚の厚切り上ロースカツ」を開発しました。


《「ブレンディ®カフェラトリー®」スティック》シリーズは“専門店品質の濃厚な味わい”というコンセプトの下、味の素グループ独自素材を活用し開発したクリーミングパウダーを適用し、ミルク感増強・コク味を付与し製品改訂を行いました。加えてミルクなし・甘さなしで美しい泡立ちと贅沢な味わいが特長の《濃厚抹茶》やフルーツの華やかな香りとフレッシュな味わいが特長の《芳醇グレープフルーツティー》を市場導入しラインナップを拡充しました。
《「ブレンディ®」スティック》シリーズのラインナップとしても、石臼微粉砕ほうじ茶葉使用でほうじ茶の香ばしさを特長とする《ほうじ茶オレ》を導入し、スティック市場の活性化を図りました。

日本食品セグメントに係わる研究開発費は、3,530百万円です。

(2)海外食品セグメント
味の素㈱の食品研究所が中心となり、国内外のグループ会社の研究開発部門とも密接に連携を図り、グローバルな製品開発体制のもと、マーケティング力、ブランド力を強みに、各国生活者の嗜好とニーズに適応した調味料、加工食品、冷凍食品の開発に継続して取り組んでいます。


主力となるアセアン地域では、都市化やライフスタイルの変化に伴い、市場は伝統市場から量販店、コンビニエンスストアへと多様化しており、簡便で加工度の高い製品への需要も増加しています。その中で、「AJI-NO-MOTO®」とともに主力である風味調味料製品では継続的な品質改訂を行い、好調なメニュー用調味料製品では新製品の発売を行いました((例)現地の家庭料理に合う揚げ物用調味料の新品種発売(フィリピン「CRISPY FRY®」魚用))。
独自素材を活用し、独自技術に裏打ちされた「おいしさNo.1」の追求と栄養価値訴求を継続していきます。


米国や欧州では日本食人気の高まりや日式レストランの増加によりアジアン冷凍食品市場が引き続き成長しており、北米では、主力ブランド「TAIPEI」「Ling Ling」で新品種の発売を行いました。
味の素グループの製品開発力・生産技術を活用し、おいしさを維持・向上した減塩製品を市場投入する等、製品の付加価値を向上させながら、更なる事業拡大に貢献していきます。


世界複数拠点でうま味調味料「味の素®」や核酸系調味料を生産し、グローバルネットワークを活かして100か国以上でBtoB及びBtoCビジネスを展開しています。
2018年は環境負荷を低減する取組みやプロセス改良による生産性の向上を進め、事業を通じた社会価値と経済価値の共創の実現に貢献しました。


世界のアスパルテーム市場は、ユーザーの甘味コストダウンニーズや新興国も含めた摂取カロリーに対する意識の高まりにより、継続伸長しており、当社は甘味ソリューションのグローバルな提供を着実に推進しています。
コスト競争力の強化及び環境負荷低減を目的とするアスパルテーム改良プロセスの開発を継続して進めました。コンシューマー製品では、砂糖代替に加えてお客様が求める機能をもつ新製品の開発を進めました。

海外食品セグメントに係わる研究開発費は、3,604百万円です。

(3)ライフサポートセグメント
味の素㈱バイオ・ファイン研究所が中心となり、味の素-ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート社、味の素ファインテクノ㈱等の国内外の各グループ会社及びその技術開発部門とも密接に連携し、世界中の市場に向けたソリューションを提供しています。
世界トップレベルのアミノ酸に関する知見、安全性の高い素材開発力や配合評価技術、グローバルネットワークを強みとし、動物栄養、電子材料などの幅広い事業領域における研究開発に取り組んでいます。当社ならではのスペシャリティによる顧客価値を創出し、事業拡大を図っています。


Fit推進のため、リジン、スレオニン自社生産を低減し、新たなOEMパートナーである梅花社で生産したリジン、スレオニンの販売を開始しました。これら生産設備は一部新たな飼料用アミノ酸生産に活用し、アミノ酸ミックス品としてスペシャリティ事業を開始しました。
乳牛用アミノ酸製剤「AjiPro®-L」はグローバル展開のための研究開発を推進しています。


電子材料につきましては、味の素ファインテクノ㈱と共同で、次世代PC向け「味の素ビルドアップフィルム®(ABF)」の開発継続に加え、データセンター向サーバー用途・車載用途など半導体用途の広がりに対応すべく次世代製品の開発に注力しています。

ライフサポートセグメントに係わる研究開発費は、5,439百万円です。

(4)ヘルスケアセグメント
味の素㈱の研究所(イノベーション研究所、バイオ・ファイン研究所、食品研究所)、及び味の素バイオ・ファーマサービス、味の素-ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート社等の国内外の各グループ会社及びその技術開発部門とも連携し、世界の健康に貢献するための商品や技術の開発を進めています。
先端バイオ・ファイン技術を活かしたアミノ酸等の生産力、レギュレーション対応力、サービス提供力を強みに、世界中の医薬企業等への多様で特徴ある素材・原薬・技術の提供に取り組んでいます。また、アミノ酸の機能、有用性に関する知見、新規用途探索力をアミノ酸サプリメントの開発等に応用することで、生活者のQOL向上、快適な生活のサポートに貢献しています。


製薬メーカーからの原薬受託製造について、低分子医薬品原薬、高活性原薬(HAPI)、ペプチド/オリゴ核酸、タンパク医薬、抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate:ADC)などの幅広い開発・供給体制の充実を図り、継続的な案件の受注に繋げています。
タンパク質発現技術(「CORYNEX®関連技術」)においては、味の素バイオ・ファーマサービスUSと連携して、グローバル大手製薬企業とバイオ医薬品の開発・製造支援事業「CORYNEX®」を推進しています。オリゴ核酸の受託製造においては、㈱ジーンデザインと連携して、固相合成を活用した少量多品種製造から「AJIPHASE®」の液相合成技術による大量製造までの開発体制を構築、オリゴ核酸製造受託事業を推進しています。


医薬用・食品用アミノ酸につきましては、アミノ酸市場の伸びに対応するために、生産性の向上とコスト競争力の強化を目的とした発酵・精製プロセス開発と導入を継続して進めています。また、動物細胞培養用の培地事業は味の素ジェネクシン社をプラットホームとし、国内外のバイオ医薬品メーカーとの開発への取り組みを継続、拡大しています。
再生医療用培地では、臨床研究用培地「StemFit®」Basic03を、米国・欧州・中国・韓国にて2018年4月より発売しました。「StemFit®」Basic03は、iPS/ES細胞の汎用培地として世界最高水準の性能を備えており、高い増殖性能に加えて、動物・ヒト原料不含の安全性の高い培地です。また再生医療用成長因子として、組み換えヒトアクチビンAを2018年3月より試験研究用途として販売を開始しました。組み換えヒトアクチビンAは、2018年10月に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に再生医療等製品の材料適格性相談の申請を行い、国内で初めて、生物由来原料基準を適用する原料を含んでいないことを示す確認書を取得しました。これを受けて当社では、再生医療の研究施設に臨床研究用途の本成長因子の供給を開始しました。


スポーツ栄養科学研究においては、機能性エビデンスに基づいた独自のアミノ酸組成の創出にアミノサイエンス技術を、おいしさ、飲みやすさの追求に食品技術を、それぞれ駆使して、スポーツサプリメント製品の創出に取り組んでいます。
2017年度における高濃度アミノ酸を含有した小容量ゼリータイプのサプリメント「アミノバイタル®アミノショット」の発売に続き、2018度においては「アミノバイタル®アミノショット」シリーズとして新たに、エネルギー源アミノ酸と糖質を含有した小容量エネルギー補給ゼリー「アミノバイタル®アミノショット」パーフェクトエネルギー®を2018年8月より発売しました。
「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」オフィシャルパートナーとして引き続き、社外の研究機関等とのオープン&リンクイノベーションを積極的に推進しながら、アスリートやスポーツを愛する生活者に貢献できる製品開発を行っています。


アミノ酸スキンケアブランド「ジーノ」の主力製品である化粧水、美容乳液のエイジングケア機能を強化し、10月にリニューアルしました。当社は、長年のアミノ酸研究の知見を活かし、アミノ酸スキンケア製品「ジーノ」を1997年に発売して以降、生活者の肌の悩みに合わせて、エイジングケア機能を持つ化粧水、美容液など製品ラインアップを拡大してきました。今後も、当社独自の健康・美容価値を有する製品や情報の提供を通じて、顧客のQOL向上にむけて取り組んでいきます。


「アミノインデックス技術」は、血液中のアミノ酸濃度のバランスから、現在の健康状態やがんなどの疾病リスクを明らかにする当社独自の技術です。この技術を用いたアミノインデックス®リスクスクリーニング(AIRS®)を、一度の採血で複数のがんの罹患の可能性や生活習慣病の発症リスクを評価できる総合健康サービスとして提供してきました。この技術についてこの度2019年度科学技術分野の文部大臣表彰 科学技術賞 開発部門を受賞しました。
また2019年4月には、10年以内の脳卒中・心筋梗塞の発症リスクの評価を追加し、AIRS®は1回の採血で三大疾病の評価が可能になりました。この技術を活用し、さらに認知症などの疾患の予防や早期発見につながる検査の開発を進め、AIRS®を総合健康指標に発展させていきます。


香粧品素材につきましては、アミノ酸由来の洗浄剤、湿潤剤、メークアップ素材を中心に、独自の研究開発を行っています。2018年度は、テクニカルサポート・処方改良などの顧客提案を促進するために、グローバルに体制を整備しました。また、当社素材の新領域として、メークアップ用途への展開を本格化し、グローバルな展示会等で発表・紹介を開始しました。さらに、当社グループのバイオ・ファイン技術を活用し、市場要請である環境負荷の低減を視野に入れたアミノ酸系の洗浄剤、メークアップ素材の新プロセスの開発を進めていきます。

ヘルスケアセグメントに係わる研究開発費は、2,967百万円です。

(5)その他
その他セグメントに係わる研究開発費は、240百万円です。

(6)全社
味の素グループの将来を担うと期待される領域での事業展開を見据え、関係する研究テーマを全社研究とし、資源を集中的に投資し、開発を進めています。
全社研究では、味の素㈱イノベーション研究所、食品研究所、バイオ・ファイン研究所が中心となり、国内外の研究機関と連携して進めている先端研究・技術を活用し、グループ内の各研究所とともに様々な事業に向けた新技術・新素材の開発や、各事業分野に共通した基盤技術の強化に取り組んでいます。
食品・栄養領域では、世界の人々の「健康なこころとからだ」の実現にむけて、自社製品や食事メニューにおける栄養の基準化や評価法に関する研究に取り組んでいます。栄養に関するグローバルトップ企業及び外部評価機関の動向を考慮し、継続的な栄養改善の取組の仕組みとして「味の素グループNutrient Profiling System(ANPS)」を設定し、国内外の部門にて製品/メニューの改定や新製品の開発の方向性を知るツールとして活用し始めています。「生活者のからだとこころの健康」に貢献できる次世代の栄養研究領域として「栄養×感覚」に注目し、種々の外部研究機関との協業、国内外のシンポジウムを通じた情報発信やネットワーク構築を進めています。また、生体内におけるアミノ酸の栄養・代謝研究を基盤として、健康長寿社会の実現や、栄養不良の二重負荷(不足栄養と過剰栄養)の解決に向けた研究にも取り組んでいます。
「おいしさ設計技術®」に関しては、食品の味・香り・食感などの感じ方とその食品の好ましさとの関係性を定量的に評価・解析し最適化を図り、商品や技術・素材の開発に応用しています。さらに、「人は味や香りをどのような仕組みで感じ、『おいしい』と思うのか?」について、外部の先端研究機関との協業を進め、お客様に新たな価値をもたらす独自の素材や配合の探索にも取り組んでいます。
このような技術や仕組みを世界各地の味の素グループ企業において、現地のお客様の様々な嗜好に合い、おいしさと栄養改善に貢献する味の素グループにしか提供できない商品の開発に活用していきます。
ヘルスケア領域では、成長戦略の1つである先端バイオ医療周辺領域におけるグローバルトップクラスの開発・生産体制の構築に関して、バイオ医薬品の受託製造サービス事業を支える次なる技術として、当社独自の抗体薬物複合体(ADC)製造技術である「AJICAP™」技術を開発し、事業に貢献しています。
低炭素社会及び持続可能な資源循環型社会を目指して、新たな技術開発や新事業の創出にも継続して取り組んでいます。オープン&リンクイノベーションの取り組みにて、東京工業大学細野教授らと新規触媒を用いたアンモニア合成の検討を進め、2017年4月につばめBHB㈱を設立し、世界で初めてとなるオンサイト型のアンモニア合成システムを2021年頃の実用化を目指して検討しています。
また、基盤技術として、高感度アミノ酸・タンパク質分析などの先端分析技術を開発し、様々な事業領域における研究開発、新事業開発につなげています。先端微量分析技術は、成分/不純物解析など製品の配合技術開発や品質管理・安全性検証への応用や、「アミノインデックス®」の高機能化へ応用されています。酵素改変技術は、アミノ酸誘導体、ペプチド、食品素材の生産に重要な酵素の開発に役立っています。
その他、ICT関連として、ビッグデータ活用技術、シミュレーション、人工知能、ロボティクスなど、様々な技術を活用し、デジタルマーケティングや製造プロセス制御の深化に取り組んでいます。ICTのバリューチェーン全体への活用によりデジタルトランスフォーメーションを推進加速していきます。

オープン&リンクイノベーションの推進では、各種ツールを積極的に活用し社外関係者とのコミュニケーションを強化しています。2018年6月に新たにクライアント・イノベーション・センターを開設し、ビジネスパートナーとの交流や技術の融合によるイノベーションの創出、当社グループの事業を通じた新たな価値・事業の共創により一層取り組んでいます。

2019年度より、①成長ポテンシャルの高い事業領域へのリソース重点化・シフト、②資産効率の向上、③生産性の向上及び製品開発のスピードアップを目的とし、R&D体制を再編します。クノール食品㈱開発技術センターを味の素㈱食品研究所へ統合し、味の素㈱においてはイノベーション研究所を、食品研究所、バイオ・ファイン研究所等に組み込み、成果創出を加速し、迅速に事業に貢献できる体制で研究開発に取り組みます。

全社に係わる研究開発費は、12,040百万円です。


事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00436] S100G6V9)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。