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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G5D4

有価証券報告書抜粋 富士電機株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

パワーエレクトロニクス技術やパワー半導体技術を中心に強いコンポーネントとシステムを創出する研究開発及び、要素技術の複合により顧客価値を生むソリューションの研究開発に注力しています。
研究開発を加速するため研究開発体制を整備し、製品開発に係わる機能は各事業部門が担い、全社の研究開発部門は技術マーケティング・先端研究・基盤研究に取り組んでいます。
当連結会計年度における富士電機の研究開発費は33,669百万円であり、各部門の研究成果及び研究開発費は次のとおりです。
また、当連結会計年度末において富士電機が保有する国内外の産業財産権の総数は12,574件です。

■パワエレシステム・エネルギーソリューション部門
電力流通分野では、経済産業省の「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業」(2016年度~2020年度)に参加しています。株式会社日本ベネックス、住友商事株式会社と電気自動車(EV)のリユース蓄電池を用いたVPP対応需要家向蓄電池システムを共同開発し発売しました。本システムの蓄電制御は、当社の充放電制御技術をベースにVPP実証事業に対応した標準システムをパッケージ化し、ピークカット、自立運転、VPP連携機能などを備えています。
新しい高信頼性プロセスバスの実現とケーブル布設工事の省力化、さらに、ディジタル化により得られる多くの情報を活用できるようにするため、中部電力株式会社との共同研究「変電所保護制御システムのフルディジタル化に向けた開発研究」(2018年度~2019年度)を行っています。プロセスバスを使った変電所内の電力用設備の接続について、国際規格IEC 61850によって規定されています。2018年度は、新たなプロセスバス構成手法を検討し、IEC 61850準拠の保護制御ユニットIED(Intelligent Electronic Device)と主回路機器近傍に設置してデータを収集するMU(Merging Unit)を試作し評価しました。
器具分野では、配線用遮断器・漏電遮断器、サーキットプロテクタ、電磁接触器・電磁開閉器、リレー・タイマ用ソケット、マニュアルモータスタータ(MMS)のスプリング端子機器「F-QuiQ」シリーズを開発し発売しました。配線工程からねじ締めをなくし、フェルール端子付きの電線を挿入するだけで、誰でもスピーディに均質な配線が可能となります。配線工数の削減と作業品質の安定化により、装置や制御盤等の生産効率の向上に大きく寄与します。低圧遮断器では、電子式漏電遮断器「EXシリーズ」を開発し発売しました。基本機能タイプは、定格電流及び過負荷・短絡時の動作電流値や時間の設定が可能で予備回路や保護協調が必要な回路に最適です。高機能タイプは、基本機能に加えて計測や通信、プレアラーム機能を持っているため、給電を優先して設備を継続的に運転したい回路に最適です。また、エネルギー監視システムでは、高圧受配電用ディジタル多機能リレー「F-MPC60B」をフルモデルチェンジした「F-MPC60G」シリーズを開発し発売しました。従来品との完全互換性はもちろん、操作・機能・視認性をさらに向上し、最新のJEC/IEC規格に対応しています。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は5,560百万円です。

■パワエレシステム・インダストリーソリューション部門
FAコンポーネント分野では、中国・アジア市場で最も需要の高い7型ワイドと10.2型ワイドのHMI(Human Machine Interface)「MONITOUCH TS1000 Smart series」を開発し発売しました。本製品は、国際規格などであるCE、KC、UL、cULを取得すると共に、VNC(Virtual Network Computing)サーバの機能を実装しました。これにより、パソコンやタブレット端末、スマートフォンからの遠隔監視・操作ができるようになりました。また、中国・アジア市場向けに、プログラマブルコントローラの小型機種である「MICREX-SX SPF Plus」を開発し発売しました。本製品は、高度なモーション制御によって機械装置の高機能化・省力化に貢献します。サーボシステム「ALPHA7シリーズ」において、産業用オープンネットワークであるEtherCATに対応した製品を開発しラインアップに加えました。工作機や印刷機、電子機器組立装置、半導体製造装置などのさまざまな機械装置の高速かつ高度なモーション制御を行い、高機能化・省力化・コスト削減に貢献します。
FAシステム分野では、データ収集から解析までを可能にするシステムソリューション「OnePackEdge」を開発し発売しました。本製品は、ワンパッケージで、生産現場における品質向上や業務効率の改善を支援します。
日本国内で実績を積んだエネルギー分析システム「EnergyGATE」を基に、エンジニアリング機能を強化したエネルギー需給最適制御の中国向け対応版を開発しました。このシステムを適用したモデル工場と位置付けた大連冷凍機股份有限公司の大連新工場に納入しました。中国のお客様に富士電機のEMSを訴求し、ビジネスの拡大を図ります。
小容量電源分野では、仮想化サーバーシステムシャットダウンソフトウェア「Netshut VM Appliance」を開発し発売しました。このソフトウェアを当社のミニUPSに適用すると、サーバ仮想化ソフトウェアVMware ESXiを使って構築した仮想化システムが複雑な動作をしていても簡単・安全にシャットダウンと再起動ができ、システムの信頼性が向上します。
船舶の排ガス中の硫黄酸化物(SOx)を低減するスクラバを搭載した「船舶用排ガス浄化システム」を開発し出荷しました。船舶からのSOx排出量について国際海事機関(IMO)が定める基準の2020年からの規制強化に対応します。
太陽光発電向けのパワーコンディショナ、「PIS-50/500」と「PVI1000MJ-3/1000」を開発しました。PIS-50/500は、山岳地帯や工場建屋の屋根に配置された太陽光発電システムにおいて太陽光パネルを12kW分の約30枚ごとに個別に制御できる50kW機です。一方、PVI1000MJ-3/1000は、太陽光発電の変動補償やピークシフトに必要な蓄電池を併設する太陽光発電所に適したマルチソースタイプ(太陽電池と蓄電池を直流で接続可能)の1MW機です。この2機種により、今まで太陽光発電の導入が困難であった事案にも対応が可能になります。
計測制御システム分野では、情報・プロセス制御システム「MICREX-NX/V9.0」を開発し発売しました。本製品は従来機能に加え、最新インタフェースへの対応(Windows 10)およびIoTに対応するためWeb機能を強化しました。これにより、システムのセキュリティが強化され、オペレーターの操作性が大幅に改善します。
鉄道車両分野では、東日本旅客鉄道株式会社の山手線E235系通勤型車両向けに開発したラック・アンド・ピニオン方式のドア駆動装置を継続して納入しています。2017年5月の量産車の営業運転開始から順調に営業運転に投入され、2020年春頃にかけて順次投入される予定です。さらに同ドア駆動装置を、東京急行電鉄株式会社の新型車両2020系と6020系、東京都交通局浅草線の新型車両5500形にも納入を進めており、営業運転車両が増えています。また、山陽電鉄5000系リニューアル車両向けにSiCハイブリッドモジュールを搭載したVVVFインバータ駆動装置を納入し、営業運転が開始されました。
放射線機器・システム分野では、シンチレーション式中性子モニタを世界で初めて開発し発売しました。既存の3Heガス方式や有機混合ガス方式に比べ、軽量で持ち運びが容易です。
サービス分野では、設備管理用クラウドサービスのアプリケーションの一つとして工場やゴミ焼却設備の排ガス分析装置の遠隔監視システムを開発しました。今後、排ガス分析装置の安定稼働を支援する「ガス分析装置遠隔監視サービス」を提供する予定です。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は9,298百万円です。

■発電部門
火力発電分野では、二酸化炭素の排出量を削減するため、蒸気タービンの高効率化の技術を継続的に開発しています。また、発電機の稼働率を向上できるようにメンテナンスサービスの劣化診断を短時間で行える技術を継続的に開発しています。
再生可能エネルギー分野では、地熱発電の蒸気タービンの汚損抑制や寿命拡大、風力発電では高度の系統連系でも安定した電力供給ができる高効率な出力安定化装置、太陽光発電では安定して電力供給できるコンパクトな蓄電池併用パワーコンディショナを継続的に開発しています。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は3,278百万円です。

■電子デバイス部門
パワー半導体分野では、低損失および高温動作保証を可能とした最新の第7世代IGBT技術を適用した製品の系列を拡大しています。第7世代IGBTモジュール1700V,1200V,650Vの標準製品の系列化を完了しました。また、産業用途に逆導通IGBT(RC−IGBT)チップを開発するとともに、このチップを採用した産業用RC-IGBTモジュール1200V/50Aを開発し、量産を開始しました。RC-IGBTの採用により、パワー密度が向上し、チップ面積が大幅に縮小します。これによりIGBTモジュールが小型化し、パワーエレクトロニクス装置の小型・軽量化に貢献します。
電気自動車、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車で使用される車載用直接水冷型パワーモジュールを開発し、供給先を拡げました。車載用パワーモジュールでは初めて逆導通IGBT(RC−IGBT)の採用を実現したので、電力密度が大幅に向上しシステム全体の小型軽量化に貢献します。
ディスクリート製品として、最新の低損失設計となる第7世代IGBT技術をディスクリート用に最適化した650Vの低損失ディスクリートIGBT XSシリーズの50A、75A品を開発し系列に加えました。オン電圧とスイッチング損失を同時に低減したことで、小型UPSやソーラPCS、サーバとEV充電器など各種機器の損失低減、高効率化に貢献します。IC製品では、IEC61347-1に対応するLED照明用の調光ICを開発し発売しました。このICは、従来より少ない外付け部品でコンバータから絶縁した調光回路が構成でき装置の小型化に貢献します。
車載向けディスクリート製品では、第2世代スーパージャンクションMOSFETの600V/190mΩ品を開発し系列を拡大しました。電気自動車やハイブリッド車、プラグインハイブリッド車で使用される車載DC-DCコンバータや充電器の小型軽量化に貢献します。また、エンジンの過給圧制御に用いられる6.5世代圧力センサを開発しました。150℃までの高温動作が可能で、測定圧力レンジは300kPaでありエンジンの過給圧制御に用いられ、燃費の改善に貢献します。
自動車のソレノイドバルブやリレーを駆動する4.5世代IPSを開発し発売しました。50V/120mΩのハイサイドスイッチをSOP-8サイズに2チャネル搭載することで、従来品に比べ搭載面積が半分となり、電子制御ユニット(ECU)の小型化を実現します。各チップがリードフレームにより分離されているため独立した動作が可能です。これにより、片方のチャネルが異常でも、他方のチャネルの動作を阻害しません。
感光体分野では、周辺部材との機械的ストレスの抑制と高い細線再現性を確保したオフィス向け中速モノクロA3対応プリンタ用有機感光体を開発し発売しました。また、高い色再現性と環境及び耐刷に伴う電気特性変動を抑制したオフィス向け中速カラーA4対応プリンタ用有機感光体を開発し発売しました。いずれの製品も長期間にわたり安定した印字品質を提供します。
ディスク媒体分野では、ヘリウムガスを充てんした3.5インチ14TB/HDD向けの媒体を開発し量産を開始しました。このHDDに対応した媒体の開発は当社にとって初となり、非常に高い品質が要求されます。安定したHDD特性を得るため、超平滑表面によるヘッドの超低浮上量(1nm以下)を実現するとともに多層膜磁性層によって信号特性を改善し、顧客の要求品質を満足しました。今後もHDDの品質向上のためディスク媒体の改善を継続し、情報化社会を牽引するデータセンターの発展に貢献します。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は11,053百万円です。
■食品流通部門
自販機分野では、ネットワーク化とインタラクティブ化を進めています。自販機用通信モジュールと屋外対応が可能な自販機用7インチLCDを活用したGUIプラットフォームを開発しました。今後、現金の代わりに使われる2次元コード決済や、プロモーション機能としての利用が見込まれます。飲料商品の売上向上に繋がる機能ならびに自販機を開発しています。
屋内のマイクロマーケット市場をターゲットにし、従来の缶・ペット自販機に物品・食品専用コラムを搭載した物品併売機を開発し発売しました。飲料、菓子、食品などを一つの自販機で販売できるようにしました。また、狭いスペースに設置できる小型のコンパクトカップ機を開発し発売しました。
海外分野では、東南アジア向けに自販機を開発し、インドネシアにおいて生産を開始しました。東南アジアを中心に多く流通している600mlペットボトルやスリーク缶(通常よりも胴径が小さく背の高い細径缶)など大型商品に対応した缶・ペット自販機を開発し発売しました。また、7インチLCDを標準搭載し、QR決済にも対応することで海外における拡販を図ります。
店舗流通分野では、人手不足に対応するため、無人決済用の機器やシステム、さらにIoTを用いた在庫管理の見える化や作業支援システムを開発しています。
ノンフロン冷媒を採用した内蔵型壁面オープンショーケース「ノンリークショーケース」が、日刊工業新聞社主催「第21回 オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」において、冷媒漏れの削減や、新エアカーテンの開発などが評価され、優秀賞(HFO冷媒を用いた内蔵型ショーケース)を受賞しました。従来の別置型では設置が難しかった立地を中心に導入が広がっており、環境対応とともに店舗設置の機会拡大に貢献いたします。
また、スーパーマーケットで導入が進んでいるセルフ精算機向けに新型釣銭機ECS-777を開発し発売しました。この釣銭器は、レジのセルフ化に合わせて従来機よりも使いやすさが向上しています。さらに、どんな空間にも溶け込むデザインにしました。
当連結会計年度における当部門の研究開発費は4,355百万円です。

■新技術・基盤技術部門
製品の機種・系列拡大への短納期化や複雑化する顧客ニーズに対応するために、モデルベース開発技術を構築しています。搬送機構等を対象として、電気系、機械系等の分野の商用ソフトウェアやOSS(Open Source Software)を複数連成させた1次元(1D)モデルを構築しました。今後は3Dモデルでの連成技術を確立して、初期設計の精度を格段に上げることにより、試作レス化を達成します。

■その他部門
当連結会計年度における当部門の研究開発費は123百万円です。


事業等のリスク株式の総数等


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