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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100J0NJ (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 平田機工株式会社 事業等のリスク (2020年3月期)


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[リスク管理の方針・概要]
当社グループは、全てのステークホルダーのご期待に応えるため、また企業としての社会的責任に応えるため、事業活動に関わる種々のリスクを的確に把握し、適時適切に対応することで経営への影響を低減することが肝要と考えております。
なお、リスク管理の概要につきましては、「4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項」に記載しております。

[主要なリスク]
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
また、文中における将来に関する事項の記載は、本書提出日(2020年6月26日)現在において当社グループが判断したものです。

(1)市場環境等の変化に係るリスク
当社グループは、自動車・半導体・家電関連企業およびそれ以外の多分野にわたる製品の生産企業から生産設備を受注しております。国内外の経済情勢の変動や顧客製品のライフサイクルが下降トレンドに入ること等によって、これら取引先企業の設備投資状況に変化があれば、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
また、当社の技術力は顧客から高い信頼を得ておりますが、仮に急激な技術革新の進歩に遅れるような事態が発生した場合、受注が確保できない恐れがあり当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループでは、これらのリスクへの対策として、あるひとつの事業分野が好調であっても、その事業のみに資本を集中させることを避け、複数の事業を並行して推進することによって、特定の事業分野における製品のライフサイクルの循環等による経営への影響を低減させております。
また、常に技術革新を図る意識を活性化するため、各事業部門による技術交流会の実施や技術賞の授与等によって技術者の意識の活性化を図ると共に、改善提案等によるコスト低減に取組み、顧客ニーズに見合う製品の開発、他社との競争に勝ち抜く体質の強化を進めております。

(2)法規制等に係るリスク
当社グループは、事業活動を展開するにあたり、種々の法規制に適切に対応するよう努めております。
しかし、特に海外での事業活動においては、行政当局等との法令解釈の相違等、意図せぬ形での違反行為を犯すリスクを完全には排除しきれません。違反行為との判断が下された場合、多額の費用負担の発生および企業イメージに悪影響を与える可能性があります。
また、新たな法規制等に対応するにあたり、多額の費用が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループでは、コンプライアンス憲章において、「あらゆる企業活動において、関係法令および社内規程を常に遵守し、すべての企業活動が社会倫理に適合したものとなるよう努める」旨を明記するとともに、リスク管理委員会の設置を始め、コンプライアンスに関する各種研修の実施等により、会社や従業員の法令違反の可能性を低減する取組みをおこなっております。

(3)重要な訴訟の発生に係るリスク
①知的財産権に係るリスク
当社グループが知的財産権を保有する製品等について、他社がその権利を侵害するリスクは常時存在し、それを完全に排除することは困難であります。同時に他社が保有する知的財産権を完全に把握することもまた困難であり、意図せずして当社グループが他社の権利を侵害する可能性も否定しきれません。当社では、知的財産権の保護および他社所有の権利侵害の防止に努めておりますが、損害賠償請求や当該知的財産権に基づく使用差止め等の訴訟が発生する可能性を無くすことはできず、訴訟の結果、敗訴となった場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社は法務部門内に知的財産権管理の専任担当部署を置き、特許や登録商標等の出願や維持業務をおこなうと共に、係争への対応に備えることで損失の最小化に努めております。
具体策としては、設備受注前の引合段階や、受注後の企画、設計および製造等の各段階において、事業部や開発部門と知的財産権管理の専任担当部署とで連携して先願調査をおこない、当社の製品や製造方法が他社の知的財産権を侵害していないことを確認するなどによって、他社が保有する知的財産権の侵害を未然に防いでおります。

②製造物責任に係るリスク
当社は、国際標準化機構(ISO)が定める品質管理基準に基づいて生産設備の生産をおこなっており、当該設備を使用する作業者の安全面についても、ハード・ソフトの両面における配慮に努めております。
しかし、機械の誤操作や誤作動等により、作業者の安全を完全には確保しきれないおそれがあり、瑕疵担保責任を追及される可能性を排除しきれません。
なお、当社は製造物責任賠償保険に加入しておりますが、事故の内容等によっては賠償額を十分に補填できない可能性があります。
その結果、製造物責任訴訟等を提起される可能性があり、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では、前記の取組みの他、製品の納入先の国や地域が定めるCEマーキング、UL508A等の安全関連の基準を満たす設備を納入すると共に、社員や顧客に対しても安全面にも十分配慮した操作やメンテナンス方法の説明をおこなうことで、事故の発生を未然に防止する取組みをおこなっております。

(4)情報管理に係るリスク
当社グループおよび取引先等の機密情報および個人情報の情報漏洩を防止するため、社内LANへの不正アクセスを防止するシステムの導入や社内規程の整備、従業員への教育等の施策を適宜実施しております。しかし、強力なコンピュータ・ウィルスの侵入等、予期せぬ事態によって情報漏洩が起こる可能性を完全に除去することはできません。万が一、情報漏洩が起きた場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では、電子情報の取り扱いや情報機器の管理等に関して規程上に定めると共に、情報総括管理責任者を委員長として情報セキュリティ事故についての対応や関連規程の改廃等に関する事項等の審議、検討をおこなうことを目的とした情報セキュリティ委員会を設置して、リスクの回避および問題発生時の対応に備えております。

(5)環境問題に係るリスク
当社は、品質と共に、環境についても国際標準化機構が定める管理基準に基づいた生産活動をおこなっており、環境基本法等の関連法令を遵守して汚染物質の漏洩防止や廃棄物の減量等、環境負荷の低減に努めております。この取組みの結果、現在までに、当社が周辺環境に対して重大な問題を生じさせたことは一切ありません。
しかし、恒久的に環境問題が発生しないとの保証はなく、それが生じた場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社は独自に定めた環境方針のもと、経営者、環境管理責任者をトップとした環境マネジメントシステム(EMS)推進体制を構築しております。この体制の下、環境負荷の把握・低減を進めるべく、地球温暖化対策、資源の有効活用、化学物質管理等について目標を定め、それぞれの目標に沿ってエネルギー投入量、水資源投入量、PRTR法対象物質使用量、CO2排出量、産業廃棄物排出量等の環境負荷を測定し、当社ウェブサイトにも結果を掲載しております。
なお、EUの有害物質規制であるRoHS指令、REACH規則などの国内外の化学物質関連法規制に対応するため、半導体関連・医療関連製品や量産品を中心に製品に含まれる化学物質の管理強化を進めております。
また、2019年度より、製品含有化学物質管理システムの導入および運用を開始し、これに伴い従来に比べ、対象を拡大しての調査が可能になり、取引先のご協力により化学物質含有状況の把握を進めることができました。
なお、当社および子会社タイヘイテクノス株式会社においては、敷地内にそれぞれ1,000kw以上の電力容量を持ついわゆるメガソーラーと呼ばれる規模の太陽光発電システムを設置しており、環境負荷低減などの面から社会に貢献しております。

(6)為替相場変動によるリスク
当社は、海外企業との取引に際し、契約条件によっては米ドルもしくは現地通貨にて会計処理をおこなう場合があり、その結果、円換算時の為替レートにより、為替差損益が発生する場合があり、為替相場の変動が当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では、海外の顧客との取引開始時点において円貨での取引を提案し、為替相場変動によるリスク回避に努めており、円貨での取引ができない場合には受注時点で為替予約等によるリスクヘッジの取組みをおこなっております。

(7)海外での事業活動に係るリスク
当社グループは、北米、欧州、アジアに子会社を置き、世界的な事業展開を推進しております。これらの子会社では、現地国の政治動向の急激な変化、予想しない法律または規制の変更、テロ・戦争、感染症等による社会的混乱等の影響を受ける可能性があり、その結果、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループでは、定期的に、また必要に応じて当社と国内外の子会社との間で情報交換をおこない、各社の経営状況の他、周辺環境の変化等についても積極的に情報の共有を図り、問題の早期把握と対応に注力しております。

(8)労使関係に係るリスク
当社グループにおける労使関係は正常かつ円満に推移しております。しかし、将来において、特に海外の国または地域では、日本国内と異なる労使慣行の相違等により、予期せぬ労使関係の悪化、労働争議等が発生する可能性を否定できません。それが発生した場合、一部の子会社については事業展開に悪影響をおよぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では労使協議制に基づき、定期的に労使協議会等を実施しております。この協議会では会社側より時間外労働の状況や業績の動向の説明をおこなうと共に、労働組合側からの意見や要望等に基づく協議をおこない、課題については改善、改革を進めることで今後も健全な労使関係を維持してまいります。

(9)災害等に係るリスク
それぞれの事業拠点において大規模な災害等が発生した場合には、工場設備や情報機器の損壊、電力・水道等インフラの停止、物流網の寸断等により事業活動の停止を余儀なくされる可能性があり、その場合、当社グループの業績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社では、予期せぬ災害や大規模な事故発生等の問題が事業の継続を危うくするような事態を避けるために、事前に想定されるリスクを抽出し、そのリスクの防止、防衛、低減を図ることで事業継続、さらに顧客へのリスクを緩和すると共に短期間での事業回復を図るため、いわゆるBCP(事業継続計画)を設定し、災害等への対応に備えております。
平常時には、法規制に基づく設備の点検、危険物の適切な保管管理、消火設備の充実、避難・防災訓練、各種の安全教育活動による啓発活動、各地区の安全衛生委員会による安全パトロール、緊急用備蓄品の保管等をおこなうと共に、災害発生時にはモバイル機器等で即時に社員の安否確認がおこなえるシステムを導入しており、また対策本部の設置、緊急連絡等がおこなえる体制を整備しております。
2020年年初からの世界的な新型コロナウイルスによる感染症拡大につきましては、1月中に感染症拡大地域への渡航禁止措置をとる等した上、2月には正式にBCP対策本部を立ち上げました。BCP対策本部は、責任者を代表取締役社長、指揮者を常務執行役員管理本部長として、各部署で指名した担当者との連携により、感染防止の対策にあたっております。具体的な対策例としましては、在宅勤務の実施、国内外の出張の制限、20名以上での会議の禁止、食堂の食事提供の停止、不要不急の来訪のお断り、来訪者の検温、各職場の換気および定期的な消毒、各事業所へのマスクの配備、海外出張者の帰国時の宿泊先確保等のサポート、社員等に感染者が出た場合の情報ルートおよび開示方法の確認、これら対策に関する社員への通知、社内イントラネット上での情報開示等、各種感染予防および社員へのサポートに注力いたしております。
また、取締役会においても2月から毎月、これらの対策状況の報告により役員間で情報を共有した上、更なる対策の必要性や当期業績への影響について議論をおこなっております。当期業績予想につきましては、当社顧客が世界各国の様々な業種に渡っており、各市場の動向や顧客の設備投資計画等について見通しが困難であることから、当報告書発行時点においては発表しておりません。今後、情報のさらなる収集と分析により、見通しが可能となった時点で速やかに業績予想を発表する予定です。

(10)財務制限条項に係るリスク
当社は2020年3月末日現在、多通貨での借入および海外関係会社の安定した資金調達を目的として、銀行1行との間に総貸付極度額45億円のグローバル・コミットメントラインの契約を締結しております。2020年3月末日の実行残高はありません。
同契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①国内借入人に関し、当事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、
(i)2017年3月期末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の70%に相当する金額、または(ii)直前の事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の70%に相当する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。
②国内借入人に関し、連結損益計算書に記載される営業損益を2期連続して損失としないこと。
また、当社は2020年3月末日現在、多通貨での安定した資金調達を目的として、銀行1行との間に総貸付極度額15億円のコミットメントライン契約を締結しております。2020年3月末日の実行残高はありません。
同契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①借入人は、当事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額を、直前の事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額の80%以上に維持すること。
②借入人は、連結損益計算書において、営業損益を2期連続して損失としないこと。
さらに、当社は2020年3月末日現在、資金調達の安定性を高めることを目的として、銀行2行を貸付人として、それぞれ総貸付極度額10億円と20億円のコミットメントライン契約(特定融資枠)を締結しております。2020年3月末日の実行残高はそれぞれ2億円であります。
上記の2つの契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①借入人は、当事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額を、直前の事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額の70%以上に維持すること。
②借入人は、連結損益計算書において、営業損益を2期連続して損失としないこと。
当社が仮に上記のコミットメントライン契約およびグローバル・コミットメントライン契約の制限条項に抵触し、上記の契約による融資を受けられなくなった場合でも、同契約以外での融資を受けられる環境にあり、ただちに資金繰りが逼迫する事態となる可能性は低いと考えております。
しかし、資金運用の効率性や、資金的な緊急事態の発生可能性を考慮すれば、上記の契約による融資は重要であり、それが受けられなくなった場合、当社グループの財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループの事業展開において、海外関係会社の安定した資金調達のためにはグローバル・コミットメントラインの契約は重要であり、財務制限条項に抵触する事態が発生しないよう、更なる営業利益の確保、財務体質の強化を図ってまいります。

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