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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IB4M (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 日本ペイントホールディングス株式会社 研究開発活動 (2019年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループは、経営理念として以下を掲げております。
・Mission
わたしたちは、塗料とコーティング技術の持つ力を高めることで、生活に彩と快適さ、安心を提供します。
・Vision
わたしたちは、熱意と覚悟を持った者が集う活気あふれる風土の下、塗料をコアとした、優れたスペシャリティケミカル製品とサービスを通じた新たな価値を創造し続け、リーディングポジションを勝ち取ります。
・Value
共存共栄当社事業に携わるすべての方々と相互に切磋琢磨を積み重ね、それぞれの役割を果たすことにより、長期的成長・永続的な繁栄をめざします。
先駆開拓日本の塗料工業を興したパイオニア精神を引き継ぎ、未来への革新に挑戦し続けます。
やり抜くわたしたちのMission(使命)の達成を信念とし、あきらめることなくかつ柔軟にやり抜きます。


このような理念のもと、国内と海外グループの研究開発組織が一体となって、「顧客の付加価値を高める技術の創造」、「環境にやさしい商品への置換」、「新たな需要の創出」、「次世代型生産システムの構築」などを使命と考え、技術開発を推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は17,416百万円であり、連結売上収益に占める割合は2.5%です。主な研究開発活動の概要及び成果は次のとおりであります。

(1) 日本

当地域では、自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料・船舶用塗料・ファインケミカルなどの事業分野を中心に研究開発活動を行っております。

自動車用塗料分野においては、従来の活動である外板への機能性や意匠価値を付与した高付加価値商品の市場導入に加え、自動運転、カーシェアリング等の世の中の変化を見据えた新たなコーティング技術の開発と、FPD(フラットパネルディスプレイ)分野への市場参入を進めております。また、環境対応面では、溶剤低減塗料・水性塗料・スズフリー電着塗料などの環境に優しい塗料開発・市場導入や、工程短縮塗料、低温硬化塗料などの消費エネルギー低減に貢献できる塗料開発の推進強化を実施中です。
自動車変革の時代において、当社が塗料・塗膜で社会に貢献できる分野を調査し、その基盤技術開発を積極的に実施しております。
工業用塗料分野においては、VOC(揮発性有機化合物)排出量削減など国内外で環境規制の強化が進む社会情勢のもと、国内外の法規制(特化則、RoHS指令、SVHCなど)への対応や省エネに寄与する商品の上市により、粉体塗料・水性塗料・ハイソリッド塗料、遮熱塗料などの環境配慮型商品への移行が順調に進んでおります。
粉体塗料では、特殊ボンディング技術を基本としたメタリック粉体塗料「多彩ビリューシアメタフィール」、ヤニ低減低温硬化型粉体塗料「ビリューシアエコレア」などが拡大に寄与しました。水性塗料では顔料の沈降を抑え、沈降防止に必要な攪拌の為の電力エネルギー量を大幅に削減できる省エネ電着塗料「パワーフロート」が安定的に市場で定着しております。
また、広範囲の素材適性を有する1液速乾万能型下塗り塗料「パワーバインドシリーズ」では、ローラー作業適性、調色対応等の機能拡充を行い、現場でのニーズにマッチしたより使いやすい商品として高い評価を受けております。低汚染化剤「オーデナノガード」やフッ素樹脂や無機有機ハイブリッド樹脂による超高耐候性塗料「オーデパワー」も住宅外装建材市場で確実に実績を挙げており、プレコート用塗料については市場ニーズにいち早く対応すべく、環境配慮型クロメートフリー塗料の研究開発を推進し、国内外での実証ステージに移行しております。また都市部のヒートアイランド現象の対策としてアスファルト道路の路面温度を10~15℃下げることが可能な遮熱塗料「ATTSU-9 ROAD(U)」は、東京都、国交省を中心にした都道、国道等での採用にとどまらず、国際的運動イベントの各体育施設周辺の舗装にも幅広く採用されており、大幅に伸長しております。
汎用塗料分野においては、高付加価値商品の開発に注力してまいりました。
建築用塗料においては、最高位の耐候性を有しメンテナンスの難しい高層ビル等に適した超耐候超低汚染水性2液形無機塗料「アプラウドシェラスターⅡ」を上市しました。また、意匠の多様化に合わせ、外壁に煌めき感のある意匠を演出する水性高意匠光輝性フレーク塗材「クリスタルアートUV」を発売し、商品力強化を図っております。鉄構・コンクリート塗料では、コンクリート構造物の保護と視認性による維持管理を両立させる厚膜柔軟形特殊クリヤー被覆工法「タフガードクリヤー工法」が市場から高い評価を得ておりますが、さらにコンクリート片剥落防止機能を有する「タフガードスマートVCメッシュ工法」を上市し、商品ラインナップを充実させました。また、鉄骨領域向けとして、錆止めと上塗りの機能をもち、1日で2コート塗装が可能な、工期工程短縮に対応する「スーパーヘルゴン」も、順調に拡大しております。
自動車補修用塗料分野においては、e3(EASY×EXCITING×ECOLOGY = e3(イーキューブ))コンセプトを開発方針とし、粘性制御技術を駆使した次世代型水性「nax e3 WB」を市場導入し高い評価を得ております。また、大型車両や架装車両などの大面積塗装向けの2液ウレタン樹脂塗料「nax ネオウレタン エコ」のラインナップに「nax ネオウレタン エコ(4:1)クリヤー」を追加しました。環境配慮型の2液ウレタン樹脂塗料として実績を着実に伸ばしており、今後とも高付加価値、環境配慮型商品の開発を進めてまいります。
船舶用塗料分野においては、持続可能な環境保護を目的に、革新的な技術で排出炭酸ガス低減、低燃費・省エネルギーを提供する「A-LF-Seaシリーズ」(2019年環境大臣賞受賞)を生み出しました。更に「親水疎水ミクロドメイン構造」をもつ世界初の防汚剤フリー船底防汚塗料「アクアテラス」の開発に成功しました。また、国際規格が要求される船舶・海洋構造物の長期防食塗料を提供し、資産価値の維持向上にも貢献しております。一方で、商品開発のための評価機能は臨海評価技術センター(岡山県玉野市)の機能強化により拡充され、開発の中核を担っております。今後も環境を保全し、社会課題の解決に貢献できる商品を生み出してまいります。
ファインケミカル分野においては、1マイクロメートル程度の非常に薄膜でありながら、素材の付加価値を飛躍的に高めるユニークな表面処理剤を開発・提供しております。当社の表面処理剤には、主に塗料と一緒に使用されて高い耐食性や塗膜密着性を付与する塗装前処理剤と、素材に親水性や耐汚染性など様々な機能を付与する機能性コーティング剤があります。自動車・工業用市場における塗装前処理剤として、皮膜形成工程におけるエネルギーや廃棄物を大幅に削減した環境配慮型化成システムを中心に、開発と導入拡大を進めました。飲料缶市場においては、国内随一の技術をもって、成型加工から塗装前処理工程まで、市場の要求にあった新システムを開発しております。アルミニウム箔市場においては、熱交換機向けの高機能親水化処理剤や、電池包材向け高接着性処理など、様々な機能性コーティングの開発と導入に成功してまいりました。今後も社会の要求に適合した、高度な機能を有する薄膜コーティングの開発に注力してまいります。
当地域における研究開発費用は6,034百万円であります。

(2)アジア

当地域では、NIPSEAグループ(※)と共同で、自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料・船舶用塗料・ファインケミカルなどの事業分野を中心に、研究開発活動を行っております。
自動車用塗料分野においては、中国、東南アジア各国で現地法人との協業を推進するとともに環境配慮型水性塗料を展開しており、市場での認知も進んでおります。また、東南アジアで需要が高い二輪向け塗料については、現地ニーズに対応した商品開発が現地主体で完了し、すでに供給が始まっております。
工業用塗料分野においては、NIPSEAグループとの連携により、環境配慮型商品を軸に技術融合を積極化しております。VOC(揮発性有機化合物)の含有量を従来型塗料に比べ低減させる水性塗料やハイソリッド塗料など、各国の市場ニーズに適合した商品開発による事業領域の拡大を進めております。
汎用塗料分野においては、分野別に共有技術を明確にして、各国現地法人との共同研究を進めているとともに、SDGsを視野に入れた水性塗料の開発、普及に注力しております。
自動車補修用塗料分野においては、国内で高い評価を得ている次世代型水性塗料「nax e3 WB」を、積極的に市場展開しております。
船舶用塗料分野においては、中国(張家港)、韓国(釜山)、シンガポールを生産拠点とし、近年、厳しくなる各国の法規制に対応し、グローバルに調達可能な原料や、適切なローカル原料の選択などを行い、主要商品を現地生産することにより、船舶用塗料の主要消費地となったアジアへの供給体制を構築してまいりました。今後も、既存製品だけでなく、新製品の導入をいち早く行うことのできる研究開発活動を行ってまいります。
ファインケミカル分野においては、日本で高めた塗装前処理剤や機能性コーティング剤などの表面処理剤を、アジア顧客の様々な要求に適合させた製品開発活動を進めております。日本の高度な製品技術を礎として、アジア各国の拠点において再設計から製造まで一貫して実施することにより、顧客の技術的な要求に適合するとともに、安価かつ短納期で提供する体制の確立を進めております。
当地域における研究開発費用は8,759百万円であります。
(※)シンガポールに拠点を置く協業パートナー(WUTHELAM HOLDINGS LTD.)と展開するアジア地域の合弁事業

(3) オセアニア

当地域では、オーストラリアとニュージーランドを拠点とするDULUXGROUP LIMITEDと共同で、汎用塗料・建設用材料などの事業分野を中心に、研究開発活動を行っております。
汎用分野においては、耐候性と意匠性に優れた塗替え塗料「Weathershieldシリーズ」を展開しております。またキッチンやバスルームのキャビネット、タイル、カウンターなどの美観と耐久性を高める優れた新製品の開発に注力しております。今年は、「Porter’s Paintsブランド」として、32種の厳選された色彩を発売しました。木工用塗料では、従来の溶剤系塗料から水系塗料への置換を進めております。保護用塗料では、金属や床材の保護に優れた機能を発揮する塗料を開発しております。今年は、建築鋼材向け発泡型耐火塗料である「Fireshield」の発売を開始しました。
建設用材料分野においては、シーラントや接着剤などの事業を行っております。様々な素材に対する密着性を高める、当社独自技術Sil-Xを用いた接着剤「Hold Up」の販売を開始しました。このSil-Xとは、高い性能を示すとともに、イソシアネート、有機溶剤、PVCなどの有害物質を含有しない、当社固有の基盤技術であります。
当地域における研究開発費用は628百万円であります。

(4) 米州
当地域では、自動車用塗料・汎用塗料・ファインケミカルなどの事業分野を中心に研究開発活動を行っております。
自動車用塗料分野においては、高機能付加価値塗料の展開が進んでおります。
汎用塗料分野においては、当社グループであるDUNN-EDWARDS CORPORATIONの研究開発部門と協力して、安全・快適を志向した塗装技術及び商品開発活動を進めております。
ファインケミカル分野においては、自動車市場向け塗装前処理剤とアルミニウム箔向け親水化処理剤の導入を進めております。いずれも日本で開発した商品技術を基盤に、現地で製品の最適化と製造を実施し、北米各国とブラジル・アルゼンチンなど南米諸国への拡大が進んでおります。
当地域における研究開発費用は962百万円であります。

(5) その他

その他地域では、自動車用塗料・船舶用塗料などの事業分野を中心に研究開発活動を行っております。

自動車用塗料分野においては、欧州系自動車メーカーを新たな顧客として、更なる商品拡大に繋げる活動を進めております。

船舶用塗料分野においては、環境への意識の高い欧州船会社へ参入できたことにより、顧客アクセスが向上し、それにより得られた市場ニーズや社会的ニーズに対応するため、さらなる環境対応の船底防汚塗料などの開発を行っております。防汚剤フリー船底防汚塗料「アクアテラス」はクルーズ会社の大型客船に採用され、その高い性能が評価されており、今後も低溶出型の防汚塗料などの新商品を導入し、さらなる市場の拡大を目指してまいります。
当地域における研究開発費用は1,032百万円であります。

今後も引き続き、日本及び各国におけるグループ各社の技術開発部門が、最新の技術情報とノウハウを共有して、グローバル市場に向けての商品開発に取り組むとともに、さらなる製造コストの低減、安定した品質の確保に取り組んでまいります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00892] S100IB4M)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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