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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004ZFI

有価証券報告書抜粋 日本海洋掘削株式会社 対処すべき課題 (2015年3月期)


生産、受注及び販売の状況メニュー事業等のリスク

当連結会計年度における原油価格の動向につきましては、世界経済の減速に伴う需要の減少に加え、OPEC諸国の生産量維持政策や米国のシェールガス・オイル増産による供給増加等により、年度後半より急激に原油価格が下落いたしました。当面の原油市場の見通しといたしましては、依然として化石燃料が世界エネルギー需要の中心である状況に変わりはなく、中長期的に石油・ガスの需要は底堅く、原油価格は徐々に上昇してくるものと予測されております。
海洋掘削リグの市況につきましては、原油価格の急激な下落に伴い石油・ガス開発会社が開発工事の延期や中止など投資計画の見直しを進めていることに加え、新規建造リグが順次完成しマーケットに投入されてきていることからリグ市場は軟化傾向にありますが、今後は原油価格の上昇に伴い、また、退役リグも増加すると予測されていることからも、中長期的にはリグ稼働率も回復してくるものと見込まれております。
このような事業環境の中で、当社グループといたしましては、更なる経営基盤の強化と企業価値の持続的な向上を図るため、2015年度を初年度とする3ヶ年の「中期経営戦略」において以下を重点課題として設定し、全社を挙げて取り組んでいく所存であります。

(1) 安定・安全操業体制の強化
① 長期安定的操業基盤の維持・強化
当社は経営の安定化を目指し、かねてより「産油国において長期安定的操業基盤を確立する」という営業戦略のもと、産油国の国営石油会社等との長期掘削契約の確保に注力してまいりました。
2015年度は当社グループの複数の運用リグにおいて、これまで工事を行ってきた掘削契約の終了年度となります。そのため新たな掘削工事契約の獲得に鋭意努めてまいります。
急激な原油価格の下落により、マーケットでの開発案件数の減少や開発工事期間の短縮および契約獲得競争が激しくなっておりますが、引き続き経営基盤を確固たるものにすべく、リグフリートの競争力を維持し、産油・ガス国ほかにおける新規掘削契約の確保に努め、長期安定的操業基盤の確立を図ってまいります。

② 安全操業の徹底
安全操業を継続することは当社事業の根幹であり、当社ではHSQEマネージメントシステムを運用して安全確保のための対策に万全を期しております。
その成果もあり、当社のリグは安全操業を続けておりますが、メキシコ湾での原油流出事故等の発生を契機に、設備、機器等のハード面とリグ要員に対する教育・研修や組織風土といったソフトの両面で業界での要求水準がより高くなってきております。引き続き、当社のHSQEマネージメントシステムの適切な運用による安全管理の強化・徹底を図り、ヒューマンファクターの啓蒙による安全文化の醸成に努めて、安全操業に万全を期してまいります。

(2) 成長戦略の実行
① リグフリートの増強
当社の永続的事業活動を可能ならしめ、将来の業績の安定と成長を実現するために、リグフリート増強を図ることを最重要経営課題の一つと位置付けております。
具体的には、経年リグにつきましては、適切な時期に相当規模の延命対策工事あるいはアップグレード工事を実施し、市場競争力の維持、強化に努めており、新リグの取得につきましても、着実に成果を挙げてきております。
東銀リース株式会社が2013年5月に建造発注したプレミアムタイプジャッキアップ型リグ「HAKURYU-12」が2015年2月9日に完成し、リース方式を活用することにより当社グループでの運用を開始しました。また、同社が2014年10月に、更に2基のプレミアムタイプジャッキアップ型リグを新規発注したことを受け、それら2基が完成する2016年度より、同じくリース方式により当社グループにて運用する計画としております。
今後も引き続き新規プロジェクトの発掘に努め、新リグ取得や戦略的事業提携案件への参画などを進め、積極的にリグフリートの増強を図ってまいります。

② 大水深・新規マーケットへの積極的参入
原油価格の急激な下落を受け、足元での大水深海域における石油・天然ガス開発計画も見直しが進められておりますが、今後の原油価格の上昇予測を受け、中長期的には再び大水深マーケットも活発化し、全石油生産量に占める依存度も高まってくることが予想されております。
当社は当連結会計年度におきまして、JAMSTECが保有する「ちきゅう」を使用し、下北半島太平洋沖にて日本原燃株式会社による海上ボーリング調査の掘削工事を実施し、また2015年2月より、インド国営石油会社による東インド沖でのメタンハイドレート・ボーリング調査の掘削等サービスの提供を開始いたしました。
当社といたしましては、蓄積された大水深掘削のノウハウを活かし、「ちきゅう」による大水深海域での掘削工事案件の継続確保に努めるとともに、将来的には大水深セミサブリグ/ドリルシップを自社又は共同で保有し、運用することを検討してまいります。
さらには、北極海・高緯度海域における操業に向けて検討を進めると共に、マントル層到達を目指す高難度掘削にもチャレンジしてまいります。

③ 海洋掘削技術の応用による事業領域の拡大
経済産業省が2013年度に策定した「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」では、我が国周辺海域に相当量の賦存が期待される砂層型メタンハイドレートを将来のエネルギー資源として利用可能とするため、2013年1月から3月にかけて実施した海洋産出試験の結果を踏まえ、2018年度を目途に、商業化の実現に向けた技術の整備を行い、2018年代後半に、民間企業が主導する商業化のためのプロジェクトが開始されるよう、技術開発を進めることとされております。
こうした国の施策に対し、民間企業間での知見の共有を図り、生産技術の確立を含めた商業化の実現を更に押し進めるべく、当社は本邦石油・天然ガス開発企業等と共に「日本メタンハイドレート調査株式会社」を設立し、砂層型メタンハイドレート開発に関する中長期海洋産出試験等への参画を目指してまいります。
メタンハイドレートの商業生産は、日本のエネルギー政策上も重要な課題であり、当社グループは本邦唯一の海洋掘削コントラクターとして、これからも我が国のエネルギー政策に積極的に寄与してまいりたいと考えております。
また、我が国の領海・排他的経済水域・大陸棚で存在が確認されている海底熱水鉱床、マンガン団塊、コバルトリッチクラスト、海底レアアースなどの鉱物資源の開発に関する検討にも積極的に関与し、我が国の海洋鉱物資源開発政策に寄与してまいる所存です。
このほか、地球環境を保護・保全しつつ、河川横断、海峡横断、山岳貫通、汀線アプローチ、さらには地熱発電に関連した蒸気・熱水管路の地下敷設等を可能にする地球環境にやさしい水平孔掘削事業も積極的に展開してまいります。

(3) 経営管理体制の整備・充実
① 人材確保・育成
海洋掘削業界では、熟練した掘削技術・技能を有するリグ要員が慢性的に不足しており、当社の今後にとって重要な問題と捉えております。当社グループが継続的に安定・安全操業を維持し、またリグフリート増強戦略を実現していくためには有能な人材を十分確保し、早期に育成していくことが不可欠であると認識しております。引き続き国内外において優秀な人材を計画的に確保し、適切な配置を図ると共に、人材の能力を最大限に引き出す評価制度、人材育成制度、報酬制度を導入してまいります。

② 財務安定性の確保
リグフリート増強のためには多額の投資が必要となることから、リグの建造・取得にあたっては、自社単独保有の他に、他社との連携による共同保有や部分保有等も考慮するとともに、資金調達につきましても、金融機関からの借り入れ以外にリースや社債等を活用し、調達手法の多様化を引き続き進めてまいります。また、将来の戦略的なリグ投資にも耐えうる安定した財務基盤を構築すべく、資本増強等も含めて、株主資本の充実を図ってまいりたいと考えております。

③ 事業規模拡大を支える社内体制の整備・充実
事業規模の拡大に伴う業務量の増加、操業形態の多様化等に対応するため、当社の長期経営ビジョンを踏まえ、挑戦と創造に取り組む組織風土の醸成に継続して取り組むと共に、プロジェクトマネジメント力の向上や、営業・技術情報の体系的な取得および効果的な社内共有を進めてまいります。

生産、受注及び販売の状況事業等のリスク


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E23800] S1004ZFI)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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