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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007RRC

有価証券報告書抜粋 日本海洋掘削株式会社 対処すべき課題 (2016年3月期)


生産、受注及び販売の状況メニュー事業等のリスク

当期における原油価格の動向につきましては、中国等新興国経済の成長率鈍化を始めとした世界経済の減速に加え、OPEC諸国による生産シェア維持政策や米国シェールガス・オイルの増産継続等により、需要の伸びを上回る水準で供給量の増加が続き、需給ギャップが拡大したため、前期後半より急激に下落した原油価格は、当期も軟化傾向のまま推移いたしました。石油・天然ガス開発会社は投資計画を大幅に縮小し、多くの開発工事が延期または中止されたため、工事案件数の減少を主たる要因として、世界的にリグ稼働率が著しく低下いたしました。
しかしながら、依然として化石燃料が世界エネルギー需要の中心である状況に変わりはなく、中長期的な見通しといたしましては、今後、需給ギャップが縮小に向かうにつれ、原油価格は徐々に上昇し、リグ稼働率も回復してくるものと見込まれております。
こうした事業環境の大きな変化の中で、当社グループといたしましては、経営基盤の更なる強化により、企業価値の維持・向上と持続的な発展を図るため、2016年度を初年度とする3ヶ年の「中期経営戦略」において以下を重点課題として設定し、総力を結集して取り組んでいく所存であります。

(1) 受注確保への全社的取組み
当社グループは安全操業及び効率操業の両面において、従来より、特に産油・ガス国の国営石油会社から卓越した評価を得、長期間に亘る安定した掘削契約を多数確保してまいりました。これまで築いてきた当社グループに対する高い評価を訴求し、過去に操業実績のある産油・ガス国での受注活動のみならず、新たな産油・ガス国への参入活動も一層強化して、国営石油会社からの長期掘削契約獲得に全力を尽くしてまいります。
また、日本人を基幹要員とし、顧客へのきめ細かな対応、精緻な計画、感情的にならず、和を尊しとする気質、丁寧な作業等、日本文化と伝統に根ざす「掘削コントラクタースピリット」を持つ当社グループの強みも最大限に活かして、欧米大手同業他社とは異なる当社独自の差別化路線を追求してまいります。

(2) コスト節減と予実管理の徹底による一層の財務体力の強化
原油価格の低迷は石油・天然ガス開発会社の投資意欲を減退させ、リグ需要の減少やデイレート低下により、受注競争がより激しさを増してきております。当社といたしましても当面は厳しい事業運営を強いられますが、事業の根幹である安全操業を損なうことなく、コスト節減、特に固定費を中心とした諸費用の抜本的な見直しや資機材仕入価格の引下げ、年度予算の管理徹底並びに業務の一層の効率化等を推し進めることにより利益水準を底上げし、財務体力の強化に繋げ、急激な環境変化にも耐えられる事業基盤の構築を進めてまいります。

(3) 安全操業体制の強化
安全操業を継続することは当社事業の根幹であり、当社グループではHSQEマネージメントシステムを運用して安全確保のための対策に万全を期しております。
その成果もあり、当社グループのリグは安全操業を続けておりますが、2010年のメキシコ湾での原油流出事故等の発生を契機に、設備、機器等のハード面のみならずリグ要員に対する教育・研修や組織風土といったソフトの両面で業界での要求水準がより高くなってきております。ヒューマンファクターズの啓蒙による安全文化の醸成に努めるとともに、引き続き、HSQEマネージメントシステムの適切な運用により安全管理を徹底してまいります。また、より効果的な安全操業体制を構築するために、費用対効果を踏まえたリグフリートの設備投資計画や維持更新計画を慎重に検討・策定し、メリハリの効いた強化策を実行してまいります。

(4) 事業基盤を支える人材の確保と早期育成
海洋掘削業界では、熟練した掘削技術・技能を有するリグ要員の高齢化や退役に伴い、長年の貴重な経験や専門技術・知識を如何に次世代へ継承していくかが切迫した課題となっております。
当社グループにとりましても、継続的に安定・安全操業を維持しつつ、リグフリートの増強に対応していくためにも、事業基盤を支える有能な人材を十分に確保し、現場力を持った作業/技術系社員や事務系社員を早期かつ計画的に育成していくことが不可欠であると認識し、そのための具体的な施策を「次世代リーダー早期育成プロジェクト」として立ち上げ、取り進めております。
併せて、多様性を尊重しつつ優秀な人材を配置・活用し、組織の活性化を図ってまいります。

(5) 成長機会の追求
中長期的には石油・天然ガスの需給は引き締まり、海洋掘削リグに対する需要も回復してくるものと見込まれております。当社グループの経年リグにつきましては、これまでも適切な時期に相当規模の延命対策工事あるいはアップグレード工事を実施し、市場競争力の維持、強化に努めてまいりましたが、将来の成長機会を確実に捉えていくためには、こうした経年リグ対策のみならず、最新鋭リグによるフリート増強が不可欠であると考えており、現在、東銀リース株式会社が2014年10月に新規発注した2基のプレミアムタイプジャッキアップ型リグを完成後にリース方式により当社グループにて運用するプロジェクトを進めております。
また、「ちきゅう」の運用により蓄積した大水深掘削のノウハウを活かしながら、大水深ドリルシップ/セミサブリグの保有・運用プロジェクトを継続して推進してまいります。
さらには、北極海・高緯度海域での操業に向けての検討・準備を進めると共に、マントル層到達を目指す高難度掘削実現にもチャレンジしてまいります。

(6) 海洋掘削技術の応用
経済産業省が2013年度に策定した「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」では、我が国周辺海域に相当量の賦存が期待される砂層型メタンハイドレートを将来のエネルギー資源として利用可能とするため、2013年1月から3月にかけて実施した第1回海洋産出試験の結果を踏まえ、2018年度を目途に、商業化の実現に向けた技術の整備を行い、2018年代後半に、民間企業が主導する商業化のためのプロジェクトが開始されるよう、技術開発を進めることとされております。現時点の計画におきましては、第1回海洋産出試験の技術課題に対する解決策の検証を目的として第2回海洋産出試験が計画されており、2016年に事前掘削、2017年にガス生産実験が実施されることとなっております。当社は、本海洋産出試験のオペレータである日本メタンハイドレート調査株式会社から事前掘削作業を受注し、本年5月に「ちきゅう」を使用した作業を開始いたしました。
メタンハイドレートの商業生産は、日本のエネルギー政策上も重要な課題であり、当社グループは本邦唯一の海洋掘削コントラクターとして、これからも我が国のエネルギー政策に積極的に寄与してまいりたいと考えております。
また、我が国の領海・排他的経済水域・大陸棚で存在が確認されている海底熱水鉱床、マンガン団塊、コバルトリッチクラスト、海底レアアース泥などの鉱物資源の開発に関する検討にも積極的に関与し、我が国の海洋鉱物資源開発政策に寄与してまいります。
このほか、地球環境を保護・保全しつつ、河川横断、海峡横断、山岳貫通、汀線アプローチ、トンネルの先進ボーリング調査、さらには地熱発電に関連した蒸気・熱水管路の地下敷設等を可能にする、リードドリル工法(弧状推進工法)による水平孔掘削事業の技術力を更に高めるべく、基盤の強化を進めてまいります。


生産、受注及び販売の状況事業等のリスク


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E23800] S1007RRC)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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