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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100DGHQ

有価証券報告書抜粋 日本発條株式会社 研究開発活動 (2018年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、更には生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。
現在、研究開発は、本社研究開発本部及び技術本部、各生産本部及び事業本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各子会社の開発部門等により鋭意推進されております。研究開発スタッフは全体で1,057名であり、これは全従業員数の6.1%に当たります。当連結会計年度における当社グループ全体にて支出した研究開発費総額は、16,119百万円であり、これはグループ全体の売上高の2.4%に当たります。
当連結会計年度における事業の種類別セグメントの研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部及び技術本部で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用412百万円が含まれております。

(1)懸架ばね事業
ますます重要となるエネルギー消費と環境に対する規制に対応するため、小型軽量かつ高品質、高耐久化に注力した製品開発と共に、品質と安全性を確保した無人化、省エネルギー化を目指した生産技術開発を進めております。これらの具現化に向けて、製品では応力分布の均等化設計、新鉄鋼材料及び繊維強化プラスチック材料の開発等を行うと同時に、生産では熱処理、ショットピーニング、組立てなど各工程における新工法及び新技術開発を進めております。当連結会計年度の主な成果は、耐久性・品質に優れた製品の開発を実現したことであります。今後の課題は、最適な材料の調達、軽量化を実現する加工法及び無人化と省エネルギー化が可能な生産方法の開発と、これらの海外拠点を含めた導入であります。
当事業に関する研究開発費の金額は、4,346百万円であります。

(2)シート事業
軽量化、生体信号利用のシート応用製品、快適な動性能・静性能を持つシートにも重点を置き、開発活動に取り組んでおります。軽量化に加え、板金部品をFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)に材料置換したフレーム最適構造・構成の開発に取り組んでおり、射出成形CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)フロントシートフレームで、現行比約20%の軽量化を達成しております。更にCAE(Computer Aided Engineering)での衝突試験予測技術の確立を進めているところであります。
そのほか、将来予想される自動運転車市場の拡大に備え、自動運転時に必要なシート機能を検討し、その中から当社独自のアイテム開発を進めております。例えば、自動運転Level3、4となると、自動運転とマニュアル運転切り替えの場面が発生します。その際、安全に切り替えを行うためには、素早く、運転可能な姿勢に戻す必要がでてきます。それに対応するため、素早く元の姿勢を復帰できるシートの開発を行っております。また、自動運転になると従来よりも車で過ごす時間が長くなると予測されており、長時間着座による疲労も増加すると考えられます。長時間着座によってユーザーはどのような違和感、痛み、圧迫感を感じるのかを分析して、それらを改善できるアイテム開発にも取り組んでおります。
快適な動性能・静性能を持つシートの開発については、人体及びシート動・静性能を持つシートの開発に取り組んでおります。従来、定量評価が難しかった高い周波数のシート振動に対する快適性評価のため、人間着座時のシートフレーム振動を予測するための数値解析用人体モデル(シミュレーションモデル)を開発し、高周波の振動快適性の定量予測を可能としました。また、着座時のシート上の圧力分布データから快適性を推定するシステムを開発中で、深層学習技術を用いることで高精度の快適性推定を実現しています。さらに、シート温熱快適性の定量評価指標も開発しております。
量産に近い開発については、DD(ダイナミックダンパー)ボルトの開発と次なる小型トラック向けの「自動車用薄型サスペンションシート」の開発を行っております。DDボルトは従来のダイナミックダンパーを軽量化・低コスト化した開発品で、自動車のアイドル時や走行時にシートが共振して発生する振動や音を防ぐデバイスです。現在多くのカーメーカーより共同開発、量産化の依頼が来ており、量産化に向けての取り組みを進めております。「自動車用薄型サスペンションシート」は、小型トラック用には2015年より量産開始しましたが、次なる展開として乗用車の助手席や後部座席への適用や、新たな車種への展開を設計部門と共同で進めております。
当事業に関する研究開発費の金額は、5,706百万円であります。

(3)精密部品事業
精密ばね分野においては、エンジン・トランスミッション部品に代表される自動車関連製品をはじめとして、HDD(ハードディスクドライブ)用部品、半導体の検査用プローブ等、幅広い分野での製品開発を行っており、特に現在はHEV(ハイブリッド車)・EV(電気自動車)向けの製品開発、ばねの高品質化・低コスト化に向けた生産技術開発、高強度材料の開発に注力しております。
HEV・EV分野については、高精度プレス加工技術を基盤とした、モーター部品、リチウムイオン・燃料電池用部品、インバータ用部品、及び燃費向上に寄与する軽量化技術の開発を行っております。
ばねの高品質化・低コスト化については、線ばね・皿ばねの全自動品質保証設備、及び省人化・無人化を実現する一貫生産ラインの開発を行っており、その生産技術のグローバル展開も進めております。
また、これらの基となる素材についても、更なる高強度材の開発を進め、製品の高性能化、高信頼性化を進めています。その一方で廉価材の開発を進め、製品のコスト低減化にも努めております。
HDD関連分野においては、引き続きHDDの高容量化に対応するため、CLAサスペンション(Co-Located Actuator)の高性能化に向けた開発を進めております。近年データセンター向けHDDは高速ファンによる10kHz前後まで及ぶ外部振動でヘッドの位置決めがより難しくなっている一方で、多盤化による薄いDiskの採用により2kHz以下の低域振動も問題になりつつあります。この2つの問題解決のため、高域位置決めに適したCLAと低域位置決めに適したMilli-DSAを合体させたTSA(Triple Stage Actuator)が必要になります。これらの製品開発と共に生産技術、品質向上・コスト低減に向けた開発に取り組んでおります。
当事業に関する研究開発費の金額は、3,220百万円であります。

(4)産業機器ほか事業
半導体製造プロセスは、積層化と微細化が進み顧客要求が厳しさを増しております。半導体製造装置開発では、顧客別の要望に応えるために開発段階から深く入り込み、設計/試作/評価をトータルに実施できる体制を整えました。半導体製造装置の心臓部品の開発に必要となる接合技術の深耕を図るために、ろう付技術のほかに、拡散接合技術やコールドスプレー技術を駆使し、信用性の高いコンタミレスの金属製ヒータや冷却板を開発しております。更にはセラミック溶射技術を応用し、絶縁特性、均熱特性、大型化対応などを図り、北米向けでヒータ製品の業界トップシェアを維持しております。
メタルベース基板については、近年、自動車向けの基板の需要が多く、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。メタルベース基板は高密度・大容量化に伴い、放熱性ニーズが高まっており、それに応えるべく高放熱絶縁材料の開発を継続的に推進しています。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに高い耐熱性も持ち、セラミック代替を目指しております。
その一方で安価な絶縁材料を使ったメタルベース基板や、より耐久性に優れたメタルベース基板の開発も行っております。
ゴルフシャフト事業では、重量シャフトがメインの北米のシェアを拡充すべく、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、北米市場のニーズである高弾道・低スピンのスチールシャフトを開発し商品化しておりますが、更なる超軽量化シャフト開発にも取り組んでおります。
当事業に関する研究開発費の金額は、2,433百万円であります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01367] S100DGHQ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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