有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004YP9
日本航空株式会社 業績等の概要 (2015年3月期)
(1)連結業績全般
当連結会計年度(2014年4月1日~2015年3月31日)におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いており、個人消費は総じてみれば底堅い動きとなりました。海外景気については一部に弱さが見られましたが、米国をはじめとして、全般的には回復傾向にありました。また、当社の収支に影響を与える為替レートは8月までは安定的に推移しましたが、9月以降急速に円安が進む一方、燃油市況は10月以降に急速に下落しました。当社はこのような経済状況のもと、2014年3月26日に発表しましたJALグループ中期経営計画ローリングプラン2014で掲げた目標を達成するべく、安全運航の堅持を基盤としたうえで、JALフィロソフィと部門別採算制度によって採算意識を高め、経営の効率化を図り、お客さまに最高のサービスを提供できるよう努めました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は1兆3,447億円(前期比2.7%増加)、営業費用は1兆1,650億円(前期比2.0%増加)となり、営業利益は1,796億円(前期比7.7%増加)、経常利益は1,752億円(前期比11.2%増加)、当期純利益は1,490億円(前期比10.3%減少)となりました。
(2)セグメントの業績
(セグメント間売上高・損益を含んでおります。)
当連結会計年度における航空運送事業の実績については、営業収益は1兆1,962億円(前期比2.5%増加)、営業利益は
1,615億円(前期比8.4%増加)となりました。(営業収益および営業利益はセグメント間連結消去前数値です。)
(国際線)
国際線旅客においては、路線ネットワークの拡大、新仕様機材を始めとした商品サービスの充実により、収益最大化を図るとともに、旺盛な海外からの訪日・通過需要の獲得に努めました。
路線運営面では、羽田空港の国際線発着枠拡大に伴い、昼間時間帯に新たに羽田=ロンドン、パリ、シンガポール、バンコク線の運航を開始いたしました。加えて、深夜早朝時間帯を活用し、羽田=ホーチミン線を開設しました。また、成田空港においては、今後成長が期待される米州=アジア間の需要獲得を強化するため、成田=ニューヨーク線(2014年3月30日~)、ジャカルタ線(2014年6月13日~)をそれぞれ7便増便して週14便としました。さらに首都圏以外のネットワーク拡大として、中部=バンコク線(2014年12月20日~)、関西=ロサンゼルス線(2015年3月20日~)の運航を開始しました。両路線においては、日系航空会社唯一の直行便であり、中部地区・関西地区の海外との交流を通した経済発展、お客さまの利便性向上に積極的に貢献してまいります。一方で至近の需要に柔軟に対応するため、成田=仁川線(2014年10月26日~)を週14便から7便へと減便し、関西=金浦線(2015年3月29日~)を運休しました。
アライアンス面では、2014年4月より既にブリティッシュ・エアウェイズと開始している欧州線共同事業にフィンエアーが加わり、共同運賃の充実や、ヘルシンキ以遠のフィンエアーとのコードシェア路線の拡大によるネットワークの充実を図りました。アメリカン航空との太平洋線共同事業では、一体的な営業活動で米州=アジア間の需要獲得の強化を図りました。また、2014年3月からワンワールドに加盟したTAM航空とは米国・欧州=ブラジル間でのコードシェアを新たに開始しました。日本=ブラジル間をこれまでの米国経由(アメリカン航空とのコードシェア便)に加え、欧州経由が可能となり、伸びゆく日本=南米間の需要に対応します。世界的なネットワークがより拡充し、グローバルアライアンスの競争力がより一層強化されることとなります。
営業面では、海外地区の当社ウェブサイトを充実させ、魅力・利便性の向上を図りました。さらに、海外発日本行き航空券を購入されたお客さまに対し、東日本電信電話株式会社およびKDDIグループである株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレスが提供する公衆無線LANアクセスポイントサービスに接続可能なIDとパスワードを提供し、日本滞在時の快適なネット環境をサポートしています。また、株式会社ビックカメラとの提携により、同社で利用いただける割引クーポンサービスの提供を始めました。このように様々な業種の企業と連携し、一人でも多くの海外のお客さまを日本にお迎えすることで、日本の「観光立国」実現に貢献してまいります。
商品面では、ボーイング777-300ER型機13機、ボーイング767-300ER型機9機の「SKY SUITE(スカイスイート)」機材への改修を終え、新たにボーイング787-8型機においても新仕様機材として「SKY SUITE 787」を2014年12月から成田=フランクフルト線に、2015年1月から成田=ニューヨーク線(JL004便/JL003便)、2015年3月から成田=パリ線に導入いたしました。この「SKY SUITE 787」は、「SKY SUITE 777」、「SKY SUITE 767」と同様に、ビジネスクラスは全席通路アクセス可能なフルフラットシート、エコノミークラスは足元スペース拡大を実現した「新・間隔エコノミー」を装着しています。さらに通常ボーイング787-8型機のエコノミークラスでは横9席配列が世界の主流を占めるなか、当社では横8席配列にすることで、居住性・快適性の向上を追求しています。機内でインターネットがご利用いただける「JAL SKY Wi-Fi」については、これまでに4万人を超えるお客さまにご利用いただいております。羽田空港国際線ターミナルにおいては、2014年3月30日に新しいサクララウンジがオープンし、2014年8月29日にはJALファーストクラスラウンジがリニューアルオープンしました。JALファーストクラスラウンジにおいては、ご出発前に「できたてのお食事をご提供したい」という想いのもと、「鉄板ダイニング」というお客さまの目の前でお作りする、開放的でライブ感あふれるサービスを実施しており、大変ご好評をいただいております。今後も、お客さまの利便性向上に加えて、新鮮な感動をお届けできるよう、新しいチャレンジを続けてまいります。
以上の結果、当期の国際線供給は有効座席キロベースで前期比3.2%の増加、需要は有償旅客キロベースで前期比2.0%の増加となり、有償座席利用率(L/F)は75.7%(前期比0.8ポイント減少)、国際旅客収入は4,548億円(前期比3.9%増加)となりました。
国際線貨物においては、特に北米向け需要が伸びる中、日本発自動車関連需要などを積極的に取り込んだほか、三国間の経由貨物も効率的に取り込むことで収入の極大化に努めました。営業面では、発着便数が増加した羽田空港の体制を強化し、国際線と国内線をスムーズかつシームレスに結ぶ内際接続輸送サービス(J-LINK)の拡充に努めるとともに、リスクを最小化したうえでエアラインチャーター制度を活用して他社機材による輸送を実施してまいりました。上記の結果、当期の輸送実績については有償貨物トン・キロベースで前期比16.0%の増加となり、収入については前期比11.2%増加の603億円となりました。
国際線郵便においては、堅調な伸びを見せている個人通販の需要を取り込んだことにより前期を着実に上回る需要を確保いたしました。当期の輸送実績については郵便トン・キロベースで前期比6.1%の増加となり、収入については前期比14.9%増加の103億円となりました。
(国内線)
国内線旅客においては、2014年10月1日に当社は株式会社ジャルエクスプレスを合併したことにより、JALグループにおける需給適合の機動性を向上させ、収益の増加を図りました。また、2014年10月24日に株式会社北海道エアシステムがJALグループに加わりました。JALが持つ販売チャンネルやノウハウを活用した販売促進や、JALグループのコスト競争力を活かすことにより、同社の経営力の強化と地方路線の維持発展に努めました。
路線運営面では、羽田=伊丹、岡山、北九州線などにおける増便に加えて、過去に運休した地方路線のうち6路線の季節運航での再開や、地方自治体と航空会社が共同で地方路線の充実を図る「コンテスト枠」により、羽田=山形線を増便いたしました。また、伊丹=那覇線など需要の見込まれる路線において増便を実施し、お客さまのさらなる利便性向上を図りました。
営業面では、羽田空港の国際線発着枠の拡大に伴い、今後ますます増加することが予想される訪日外国人旅行者の国内旅行の推進を目的として、株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベルと提携し、訪日個人観光客向けに「JALスペシャルパッケージ」の販売を開始しました。JALの国内線ネットワークを利用し、訪日外国人旅行者を全国の各都市に呼び込むことで、地域活性化へ貢献いたしました。また、急速に普及が進むモバイル端末向けのサービスにおいては、ご予約・ご購入から旅の情報収集まで操作できるタブレット端末専用アプリ「JAL Flight Navi」の展開や、スマートフォンアプリ「JAL国内線」の全面リニューアルの実施など、新たなサービスの提供・機能向上を行いました。
商品面では、国内線新仕様機材「JAL SKY NEXT(JALスカイネクスト)」の運航を開始しました。2014年5月よりボーイング777/767型機にて運航している羽田=福岡、伊丹、札幌線など幹線を中心に展開し、2014年10月以降はボーイング737型機にて運航している羽田と各地方を結ぶ路線にも順次拡大中です。座席には本革を使用することにより上質感を演出するとともに、普通席においてはシートのスリム化によって足元スペース(ひざ回り)を現行座席から拡大し、居住性と快適性の向上を実現しました。また機内照明のLED化により、フライト中の時間や季節に応じた機内照明環境を演出し、時間とともに移ろう自然のリズムを通じて、くつろぎと日本らしさを感じていただけるようになりました。さらには、日本の国内線では初となる機内インターネットサービス「JAL SKY Wi-Fi」を展開し、お客さまのスマートフォン、パソコンなどから、機内エンターテインメントのご利用やインターネット接続が可能となりました。また、機内インテリアのトータルコーディネートにより上質な空間づくりを追求し、機内サービスのさらなる品質向上に努め、多くのお客さまから大変ご好評いただいております。なお「JAL SKY NEXT」は2014年度グッドデザイン・ベスト100(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。
空港サービス面では、より速く・快適に手荷物をお預けいただける「JALエクスプレス・タグサービス」を、2015年3月31日より羽田空港国内線カウンターにて開始しました。簡単・便利・シンプルを実現すべく、「JALスマートスタイル」というコンセプトのもと、JALの新しいサービスへのチャレンジはこれからも続きます。
以上の結果、当期の国内線供給は有効座席キロベースで前期比2.1%の減少、需要は有償旅客キロベースで前期比1.0%の増加となり、有償座席利用率(L/F)は66.1%(前期比2.1ポイント上昇)、国内旅客収入は4,875億円(前期比0.0%増加)となりました。
国内線貨物においてはトラック不足による陸送から航空への移転などにより需要が増加しましたが、供給量の減少により、当期の輸送実績については有償貨物トン・キロベースで前期比2.8%の減少となり、収入については前期比4.5%減少の242億円となりました。
部門別売上高は、次のとおりであります。
(注)金額については切捨処理、各比率については四捨五入処理しております。
連結輸送実績は、次のとおりであります。
(注)1.旅客キロは、各区間有償旅客数(人)に当該区間距離(キロ)を乗じたものであり、座席キロは、
各区間有効座席数(席)に当該各区間距離(キロ)を乗じたものであります。
輸送量(トン・キロ)は、各区間輸送量(トン)に当該区間距離(キロ)を乗じたものであります。
2.区間距離は、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機構)の統計資料に準じた
算出基準の大圏距離方式で算出しております。
3. 国際線:日本航空(株)
国内線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)、(株)ジャルエクスプレス(2014年10月
に当社に吸収合併)、日本エアコミューター(株)、(株)ジェイエア、
琉球エアーコミューター(株)、(株)北海道エアシステム(2014年10月に連結子会社化)
ただし、前連結会計年度は、
国際線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)
国内線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)、(株)ジャルエクスプレス、
日本エアコミューター(株)、(株)ジェイエア、琉球エアーコミューター(株)
4.数字については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
(その他)
その他の事業においても、お客さまの利便性向上を図り、JALグループの企業価値の最大化に努めました。その他の事業における主要2社の概況は以下のとおりであります。
株式会社ジャルパックは、「JALパック」ブランド誕生50周年を迎えました。これを記念し、安心で高品質そして個性豊かな50周年限定の特別企画ツアーを販売し、数多くのお客さまにご参加いただきました。また、需要動向に合わせてインターネットを利用した「JALダイナミックパッケージ」や「JALマイレージバンク会員専用商品」を展開し、増収を図りました。海外旅行の取扱人数は、円安による販売価格の上昇やヨーロッパ、アジアの一部諸国の情勢不安により、前期を9.0%下回る27万5千人となりました。国内旅行の取扱人数は、予約受付期限を出発日10日前から7日前までに変更したことによる予約の増加やダイナミックパッケージが好調に推移したことにより、前期を7.4%上回る230万1千人となりました。以上の結果、営業収益(連結消去前)は1,698億円(前期比1.1%増加)となりました。
株式会社ジャルカードは、カード入会キャンペーンの積極的な実施や、スポーツファン団体へのアプローチ活動などを通じ、顧客層の拡大・会員数の増加に努めました。商品面では、2014年4月に最上位カード「プラチナカード」の新商品である「JAL・JCBカードプラチナ」を発行し、品揃えの充実を図りました。その結果、会員数は2014年3月末より12万人増え303万8千人となりました。取扱高については、消費税率引き上げ後の不安定な消費動向が続くなか、2015年1月にはJALカード公式スマートフォンアプリの提供開始、生活密着型の特約店網の拡充など、利便性の向上とカード利用促進強化に努めたことにより、概ね堅調に推移しました。以上の結果、営業収益(連結消去前)は196億円(前期比6.2%増加)となりました。
(3)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益1,699億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算等を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フロー(インフロー)は2,611億円(前期比131億円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出を主因として、投資活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は2,305億円(前期比993億円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
有利子負債の返済や配当金の支払いを行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は673億円(前期比54億円の増加)となりました。
以上の結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比359億円減少して1,192億円となりました。
当連結会計年度(2014年4月1日~2015年3月31日)におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いており、個人消費は総じてみれば底堅い動きとなりました。海外景気については一部に弱さが見られましたが、米国をはじめとして、全般的には回復傾向にありました。また、当社の収支に影響を与える為替レートは8月までは安定的に推移しましたが、9月以降急速に円安が進む一方、燃油市況は10月以降に急速に下落しました。当社はこのような経済状況のもと、2014年3月26日に発表しましたJALグループ中期経営計画ローリングプラン2014で掲げた目標を達成するべく、安全運航の堅持を基盤としたうえで、JALフィロソフィと部門別採算制度によって採算意識を高め、経営の効率化を図り、お客さまに最高のサービスを提供できるよう努めました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は1兆3,447億円(前期比2.7%増加)、営業費用は1兆1,650億円(前期比2.0%増加)となり、営業利益は1,796億円(前期比7.7%増加)、経常利益は1,752億円(前期比11.2%増加)、当期純利益は1,490億円(前期比10.3%減少)となりました。
(2)セグメントの業績
(セグメント間売上高・損益を含んでおります。)
当連結会計年度における航空運送事業の実績については、営業収益は1兆1,962億円(前期比2.5%増加)、営業利益は
1,615億円(前期比8.4%増加)となりました。(営業収益および営業利益はセグメント間連結消去前数値です。)
(国際線)
国際線旅客においては、路線ネットワークの拡大、新仕様機材を始めとした商品サービスの充実により、収益最大化を図るとともに、旺盛な海外からの訪日・通過需要の獲得に努めました。
路線運営面では、羽田空港の国際線発着枠拡大に伴い、昼間時間帯に新たに羽田=ロンドン、パリ、シンガポール、バンコク線の運航を開始いたしました。加えて、深夜早朝時間帯を活用し、羽田=ホーチミン線を開設しました。また、成田空港においては、今後成長が期待される米州=アジア間の需要獲得を強化するため、成田=ニューヨーク線(2014年3月30日~)、ジャカルタ線(2014年6月13日~)をそれぞれ7便増便して週14便としました。さらに首都圏以外のネットワーク拡大として、中部=バンコク線(2014年12月20日~)、関西=ロサンゼルス線(2015年3月20日~)の運航を開始しました。両路線においては、日系航空会社唯一の直行便であり、中部地区・関西地区の海外との交流を通した経済発展、お客さまの利便性向上に積極的に貢献してまいります。一方で至近の需要に柔軟に対応するため、成田=仁川線(2014年10月26日~)を週14便から7便へと減便し、関西=金浦線(2015年3月29日~)を運休しました。
アライアンス面では、2014年4月より既にブリティッシュ・エアウェイズと開始している欧州線共同事業にフィンエアーが加わり、共同運賃の充実や、ヘルシンキ以遠のフィンエアーとのコードシェア路線の拡大によるネットワークの充実を図りました。アメリカン航空との太平洋線共同事業では、一体的な営業活動で米州=アジア間の需要獲得の強化を図りました。また、2014年3月からワンワールドに加盟したTAM航空とは米国・欧州=ブラジル間でのコードシェアを新たに開始しました。日本=ブラジル間をこれまでの米国経由(アメリカン航空とのコードシェア便)に加え、欧州経由が可能となり、伸びゆく日本=南米間の需要に対応します。世界的なネットワークがより拡充し、グローバルアライアンスの競争力がより一層強化されることとなります。
営業面では、海外地区の当社ウェブサイトを充実させ、魅力・利便性の向上を図りました。さらに、海外発日本行き航空券を購入されたお客さまに対し、東日本電信電話株式会社およびKDDIグループである株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレスが提供する公衆無線LANアクセスポイントサービスに接続可能なIDとパスワードを提供し、日本滞在時の快適なネット環境をサポートしています。また、株式会社ビックカメラとの提携により、同社で利用いただける割引クーポンサービスの提供を始めました。このように様々な業種の企業と連携し、一人でも多くの海外のお客さまを日本にお迎えすることで、日本の「観光立国」実現に貢献してまいります。
商品面では、ボーイング777-300ER型機13機、ボーイング767-300ER型機9機の「SKY SUITE(スカイスイート)」機材への改修を終え、新たにボーイング787-8型機においても新仕様機材として「SKY SUITE 787」を2014年12月から成田=フランクフルト線に、2015年1月から成田=ニューヨーク線(JL004便/JL003便)、2015年3月から成田=パリ線に導入いたしました。この「SKY SUITE 787」は、「SKY SUITE 777」、「SKY SUITE 767」と同様に、ビジネスクラスは全席通路アクセス可能なフルフラットシート、エコノミークラスは足元スペース拡大を実現した「新・間隔エコノミー」を装着しています。さらに通常ボーイング787-8型機のエコノミークラスでは横9席配列が世界の主流を占めるなか、当社では横8席配列にすることで、居住性・快適性の向上を追求しています。機内でインターネットがご利用いただける「JAL SKY Wi-Fi」については、これまでに4万人を超えるお客さまにご利用いただいております。羽田空港国際線ターミナルにおいては、2014年3月30日に新しいサクララウンジがオープンし、2014年8月29日にはJALファーストクラスラウンジがリニューアルオープンしました。JALファーストクラスラウンジにおいては、ご出発前に「できたてのお食事をご提供したい」という想いのもと、「鉄板ダイニング」というお客さまの目の前でお作りする、開放的でライブ感あふれるサービスを実施しており、大変ご好評をいただいております。今後も、お客さまの利便性向上に加えて、新鮮な感動をお届けできるよう、新しいチャレンジを続けてまいります。
以上の結果、当期の国際線供給は有効座席キロベースで前期比3.2%の増加、需要は有償旅客キロベースで前期比2.0%の増加となり、有償座席利用率(L/F)は75.7%(前期比0.8ポイント減少)、国際旅客収入は4,548億円(前期比3.9%増加)となりました。
国際線貨物においては、特に北米向け需要が伸びる中、日本発自動車関連需要などを積極的に取り込んだほか、三国間の経由貨物も効率的に取り込むことで収入の極大化に努めました。営業面では、発着便数が増加した羽田空港の体制を強化し、国際線と国内線をスムーズかつシームレスに結ぶ内際接続輸送サービス(J-LINK)の拡充に努めるとともに、リスクを最小化したうえでエアラインチャーター制度を活用して他社機材による輸送を実施してまいりました。上記の結果、当期の輸送実績については有償貨物トン・キロベースで前期比16.0%の増加となり、収入については前期比11.2%増加の603億円となりました。
国際線郵便においては、堅調な伸びを見せている個人通販の需要を取り込んだことにより前期を着実に上回る需要を確保いたしました。当期の輸送実績については郵便トン・キロベースで前期比6.1%の増加となり、収入については前期比14.9%増加の103億円となりました。
(国内線)
国内線旅客においては、2014年10月1日に当社は株式会社ジャルエクスプレスを合併したことにより、JALグループにおける需給適合の機動性を向上させ、収益の増加を図りました。また、2014年10月24日に株式会社北海道エアシステムがJALグループに加わりました。JALが持つ販売チャンネルやノウハウを活用した販売促進や、JALグループのコスト競争力を活かすことにより、同社の経営力の強化と地方路線の維持発展に努めました。
路線運営面では、羽田=伊丹、岡山、北九州線などにおける増便に加えて、過去に運休した地方路線のうち6路線の季節運航での再開や、地方自治体と航空会社が共同で地方路線の充実を図る「コンテスト枠」により、羽田=山形線を増便いたしました。また、伊丹=那覇線など需要の見込まれる路線において増便を実施し、お客さまのさらなる利便性向上を図りました。
営業面では、羽田空港の国際線発着枠の拡大に伴い、今後ますます増加することが予想される訪日外国人旅行者の国内旅行の推進を目的として、株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベルと提携し、訪日個人観光客向けに「JALスペシャルパッケージ」の販売を開始しました。JALの国内線ネットワークを利用し、訪日外国人旅行者を全国の各都市に呼び込むことで、地域活性化へ貢献いたしました。また、急速に普及が進むモバイル端末向けのサービスにおいては、ご予約・ご購入から旅の情報収集まで操作できるタブレット端末専用アプリ「JAL Flight Navi」の展開や、スマートフォンアプリ「JAL国内線」の全面リニューアルの実施など、新たなサービスの提供・機能向上を行いました。
商品面では、国内線新仕様機材「JAL SKY NEXT(JALスカイネクスト)」の運航を開始しました。2014年5月よりボーイング777/767型機にて運航している羽田=福岡、伊丹、札幌線など幹線を中心に展開し、2014年10月以降はボーイング737型機にて運航している羽田と各地方を結ぶ路線にも順次拡大中です。座席には本革を使用することにより上質感を演出するとともに、普通席においてはシートのスリム化によって足元スペース(ひざ回り)を現行座席から拡大し、居住性と快適性の向上を実現しました。また機内照明のLED化により、フライト中の時間や季節に応じた機内照明環境を演出し、時間とともに移ろう自然のリズムを通じて、くつろぎと日本らしさを感じていただけるようになりました。さらには、日本の国内線では初となる機内インターネットサービス「JAL SKY Wi-Fi」を展開し、お客さまのスマートフォン、パソコンなどから、機内エンターテインメントのご利用やインターネット接続が可能となりました。また、機内インテリアのトータルコーディネートにより上質な空間づくりを追求し、機内サービスのさらなる品質向上に努め、多くのお客さまから大変ご好評いただいております。なお「JAL SKY NEXT」は2014年度グッドデザイン・ベスト100(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。
空港サービス面では、より速く・快適に手荷物をお預けいただける「JALエクスプレス・タグサービス」を、2015年3月31日より羽田空港国内線カウンターにて開始しました。簡単・便利・シンプルを実現すべく、「JALスマートスタイル」というコンセプトのもと、JALの新しいサービスへのチャレンジはこれからも続きます。
以上の結果、当期の国内線供給は有効座席キロベースで前期比2.1%の減少、需要は有償旅客キロベースで前期比1.0%の増加となり、有償座席利用率(L/F)は66.1%(前期比2.1ポイント上昇)、国内旅客収入は4,875億円(前期比0.0%増加)となりました。
国内線貨物においてはトラック不足による陸送から航空への移転などにより需要が増加しましたが、供給量の減少により、当期の輸送実績については有償貨物トン・キロベースで前期比2.8%の減少となり、収入については前期比4.5%減少の242億円となりました。
部門別売上高は、次のとおりであります。
科目 | 前連結会計年度 (自2013年4月1日 至2014年3月31日) | 構成比 (%) | 当連結会計年度 (自2014年4月1日 至2015年3月31日) | 構成比 (%) | 対前年 同期比 (%) |
国際線 | |||||
旅客収入 (百万円) | 437,578 | 37.5 | 454,857 | 38.0 | 103.9 |
貨物収入 (百万円) | 54,238 | 4.6 | 60,301 | 5.0 | 111.2 |
郵便収入 (百万円) | 9,035 | 0.8 | 10,379 | 0.9 | 114.9 |
手荷物収入 (百万円) | 623 | 0.1 | 715 | 0.1 | 114.6 |
小計 (百万円) | 501,476 | 43.0 | 526,253 | 44.0 | 104.9 |
国内線 | |||||
旅客収入 (百万円) | 487,414 | 41.8 | 487,555 | 40.8 | 100.0 |
貨物収入 (百万円) | 25,447 | 2.2 | 24,294 | 2.0 | 95.5 |
郵便収入 (百万円) | 3,201 | 0.3 | 3,388 | 0.3 | 105.8 |
手荷物収入 (百万円) | 262 | 0.0 | 287 | 0.0 | 109.5 |
小計 (百万円) | 516,326 | 44.3 | 515,526 | 43.1 | 99.8 |
国際線・国内線合計 (百万円) | 1,017,802 | 87.2 | 1,041,780 | 87.1 | 102.4 |
その他の収入 (百万円) | 148,878 | 12.8 | 154,463 | 12.9 | 103.8 |
合計 (百万円) | 1,166,681 | 100.0 | 1,196,243 | 100.0 | 102.5 |
連結輸送実績は、次のとおりであります。
項目 | 前連結会計年度 (自2013年4月1日 至2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自2014年4月1日 至2015年3月31日) | 対前年同期比 (利用率は ポイント差) | |
国際線 | ||||
有償旅客数 | (人) | 7,723,293 | 7,793,704 | 100.9% |
有償旅客キロ | (千人・キロ) | 35,390,384 | 36,109,588 | 102.0% |
有効座席キロ | (千席・キロ) | 46,235,058 | 47,696,816 | 103.2% |
有償座席利用率 | (%) | 76.5 | 75.7 | △0.8 |
有償貨物トン・キロ | (千トン・キロ) | 1,512,142 | 1,754,657 | 116.0% |
郵便トン・キロ | (千トン・キロ) | 217,017 | 230,276 | 106.1% |
国内線 | ||||
有償旅客数 | (人) | 31,218,734 | 31,644,018 | 101.4% |
有償旅客キロ | (千人・キロ) | 23,745,163 | 23,993,738 | 101.0% |
有効座席キロ | (千席・キロ) | 37,084,260 | 36,306,359 | 97.9% |
有償座席利用率 | (%) | 64.0 | 66.1 | 2.1 |
有償貨物トン・キロ | (千トン・キロ) | 366,989 | 356,691 | 97.2% |
郵便トン・キロ | (千トン・キロ) | 22,824 | 24,286 | 106.4% |
合計 | ||||
有償旅客数 | (人) | 38,942,027 | 39,437,722 | 101.3% |
有償旅客キロ | (千人・キロ) | 59,135,548 | 60,103,327 | 101.6% |
有効座席キロ | (千席・キロ) | 83,319,319 | 84,003,176 | 100.8% |
有償座席利用率 | (%) | 71.0 | 71.5 | 0.6 |
有償貨物トン・キロ | (千トン・キロ) | 1,879,132 | 2,111,349 | 112.4% |
郵便トン・キロ | (千トン・キロ) | 239,842 | 254,563 | 106.1% |
各区間有効座席数(席)に当該各区間距離(キロ)を乗じたものであります。
輸送量(トン・キロ)は、各区間輸送量(トン)に当該区間距離(キロ)を乗じたものであります。
2.区間距離は、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機構)の統計資料に準じた
算出基準の大圏距離方式で算出しております。
3. 国際線:日本航空(株)
国内線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)、(株)ジャルエクスプレス(2014年10月
に当社に吸収合併)、日本エアコミューター(株)、(株)ジェイエア、
琉球エアーコミューター(株)、(株)北海道エアシステム(2014年10月に連結子会社化)
ただし、前連結会計年度は、
国際線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)
国内線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)、(株)ジャルエクスプレス、
日本エアコミューター(株)、(株)ジェイエア、琉球エアーコミューター(株)
4.数字については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
(その他)
その他の事業においても、お客さまの利便性向上を図り、JALグループの企業価値の最大化に努めました。その他の事業における主要2社の概況は以下のとおりであります。
株式会社ジャルパックは、「JALパック」ブランド誕生50周年を迎えました。これを記念し、安心で高品質そして個性豊かな50周年限定の特別企画ツアーを販売し、数多くのお客さまにご参加いただきました。また、需要動向に合わせてインターネットを利用した「JALダイナミックパッケージ」や「JALマイレージバンク会員専用商品」を展開し、増収を図りました。海外旅行の取扱人数は、円安による販売価格の上昇やヨーロッパ、アジアの一部諸国の情勢不安により、前期を9.0%下回る27万5千人となりました。国内旅行の取扱人数は、予約受付期限を出発日10日前から7日前までに変更したことによる予約の増加やダイナミックパッケージが好調に推移したことにより、前期を7.4%上回る230万1千人となりました。以上の結果、営業収益(連結消去前)は1,698億円(前期比1.1%増加)となりました。
株式会社ジャルカードは、カード入会キャンペーンの積極的な実施や、スポーツファン団体へのアプローチ活動などを通じ、顧客層の拡大・会員数の増加に努めました。商品面では、2014年4月に最上位カード「プラチナカード」の新商品である「JAL・JCBカードプラチナ」を発行し、品揃えの充実を図りました。その結果、会員数は2014年3月末より12万人増え303万8千人となりました。取扱高については、消費税率引き上げ後の不安定な消費動向が続くなか、2015年1月にはJALカード公式スマートフォンアプリの提供開始、生活密着型の特約店網の拡充など、利便性の向上とカード利用促進強化に努めたことにより、概ね堅調に推移しました。以上の結果、営業収益(連結消去前)は196億円(前期比6.2%増加)となりました。
(3)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益1,699億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算等を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フロー(インフロー)は2,611億円(前期比131億円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出を主因として、投資活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は2,305億円(前期比993億円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
有利子負債の返済や配当金の支払いを行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は673億円(前期比54億円の増加)となりました。
以上の結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比359億円減少して1,192億円となりました。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04272] S1004YP9)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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