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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100505B

有価証券報告書抜粋 日本電気株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

NECグループでは、「2015中期経営計画」で掲げた社会ソリューション事業の推進により、人が豊かに生きるための安全・安心・効率的・公平な社会の実現を目指しています。その実現に向けて中央研究所は、社会ソリューション事業の軸となる既存事業向けの技術成果を創出するとともに、社会に対して新たな価値を提供しうる将来事業向けの革新的技術成果を創出することで、NECグループの持続的な発展を支えていきます。
今後も、社会ソリューション事業を展開するうえで特に重要となるビッグデータ分析、SDN(Software-Defined Networking)、セキュリティ、実世界情報処理、スマートエネルギーといった事業領域への貢献に重点を置いて研究開発を行っていきます。
また、お客様や研究パートナーと連携することで、新たな価値を創造します。2013年9月に開設した「NECラボラトリーズシンガポール」を中核拠点として、オープンイノベーションを活用してグローバルに研究成果を創出し、様々なお客様向けのソリューションに展開することによって、創造する価値の最大化をはかります。

NECグループのセグメント別の主な研究開発の内容は、次のとおりです。

(パブリック事業)
官公、公共、医療、金融およびメディア向けの事業領域における、システムやソリューションの研究開発を行っています。

(エンタープライズ事業)
製造業および流通・サービス業向けの事業領域における、システムやソリューションの研究開発を 行っています。

(テレコムキャリア事業)
通信キャリア向けの事業領域における、ネットワークシステムやソリューションの研究開発を行っています。

(システムプラットフォーム事業)
ハードウェア、ソフトウェア、企業ネットワークおよびサービス事業領域における、システム基盤の研究開発を行っています。

(その他)
環境・エネルギー事業領域における、蓄電池をはじめとするエネルギー・コンポーネントおよびエネルギー・マネジメント・システムの研究開発を行っています。

NECグループの当連結会計年度における主な研究開発活動の成果は、次のとおりです。

(パブリック事業)
構造物内部の劣化状態を映像から計測・推定する技術を世界で初めて開発
道路橋等の構造物は、異常発生前に劣化原因を特定して修補すれば、安全性を確保できるだけでなく、寿命が延長され更新維持費が大幅に削減できるとされていますが、このためには、より高い頻度での保守点検作業や構造物の打音等による調査が必要となるため、保守点検コストが課題とされています。
当社は、道路橋等の構造物の表面映像から、物体の微細な振動を高速かつ高精度に検出する「被写体振動計測アルゴリズム」および目視等では発見できない構造物内部の劣化状態を高精度で計測・推定する「振動相関解析アルゴリズム」を世界で初めて開発しました。
これらの技術により、劣化した構造物の早期発見と修補作業の優先付けによる効率化を実現し、構造物の保守点検コストの削減に貢献することができます。当社は、これらの技術を2015年度に実用化することを目指しております。

(エンタープライズ事業)
製品等の固有の紋様から個体を識別する物体指紋認証技術を世界で初めて開発
ものづくりや流通の発展・グローバル化に伴い、世界中で大量に製造・流通される製品を管理し、品質保証やメンテナンス等を安価かつ効率的に実施する顧客サービスの提供が重要となっています。
当社は、製品等の表面に自然発生する固有の紋様を画像認識し、クラウド上のデータベースと照合することで製品個体や製造元を瞬時かつ高精度に識別する物体指紋認証技術を世界で初めて開発しました。本技術により、製品への識別タグの取り付けや特別な加工を施したり、特殊な装置や専門家を起用して分析したりすることなく、低コストで流通経路の特定や真贋判定等を行うことができます。
本技術は、当社の注力事業であるビックデータの活用領域を大きく広げるものであり、今後、製造業や流通業など様々な業種に本技術を展開していきます。

(テレコムキャリア事業)
SDNの利用拡大に向け、種類の異なるネットワークを統合するソフトウェア技術を開発
スマートフォン等の高機能端末の普及拡大に伴い、通信を活用した新たなサービスが増加していることや、社会インフラサービスのネットワーク化が進行していることから、光や無線等の種類の異なるネットワークを柔軟に運用し効率的に管理することが課題となっています。
当社は、種類の異なるネットワークの構成情報を統一的な表現で定義し、ネットワーク構築に必要となる操作を集約・結合・分割の3つに限定・分類したうえでこれらの操作を組み合わせることにより、種類の異なるネットワークを統合する仮想ネットワークを容易に構築するソフトウェア技術を開発しました。本技術を用いることで、種類の異なるネットワークの統合管理が可能となり、サービスプロバイダや通信事業者は、多様なネットワークを柔軟に組み合わせながら効率的かつ低コストでネットワークを構築・運用できるようになります。
当社は、社会ソリューション事業の中核領域の1つであるSDN事業を強化するために、様々な企業・大学・研究機関と連携し、SDN技術の研究開発を進めております。
(注) 本成果の一部は、総務省から直接またはO3プロジェクト(当社を含む5社による研究開発プロジェクト「Open Innovation over Network Platform」)を通じて受託した「ネットワーク仮想化技術の研究開発」の成果によるものです。

(システムプラットフォーム事業)
ビッグデータに混在する多数の規則性を発見する異種混合学習技術を強化
当社は、2012年度に、ビッグデータに混在する多数の規則性を発見する異種混合学習技術を独自に開発しました。本技術は、精度の高い分析を行うことによりビッグデータに混在する規則性を自動的に発見する技術ですが、従来、分析対象データの場合分けおよび因子の抽出・組み合わせは、高度なノウハウを持つ分析技術者が行う必要がありました。
当社は、本技術における全てのプロセスを自動化する新たな分析方式を開発し、異種混合学習技術を強化しました。本分析方式の開発により、ビックデータの中の膨大な情報から最適な場合分けの条件を高速に抽出し、広範囲な候補から最適な因子の組み合わせを探索することが可能となり、超大規模データの高速・高精度な分析が実現できます。これにより、店舗や商品別の売上予測やエネルギー需要予測など、数百万種の分析対象データに基づく大規模な需要予測を高速かつ高精度に実施できるようになります。

(その他)
100万台以上の蓄電池をクラウド側から充放電制御し、既存の電力系統と同等レベルのリアルタイムな電力需給調整を実現する技術を開発
太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入拡大に伴い蓄電池の普及が進んでいますが、再生可能エネルギーの効率的な活用のためには、発電所の電力需給バランス調整機能の補強が必要とされています。また、蓄電池は充放電の頻度が増えると劣化が速まることから、劣化を抑制しながら多数の蓄電池を最適なタイミングで制御することが課題とされています。
当社は、蓄電池をクラウド側から集中管理し最適な電力需給を調整するリアルタイム・デマンドレスポンス技術を開発し、CEATEC AWARD 2014において最高位の1つである経済産業大臣賞を受賞しました。さらに、本技術を用いることにより、住宅やビルなどに分散して設置された100万台以上の蓄電池における充放電をクラウド側から制御する仮想統合制御ソフトウェアを開発しました。これらの技術は蓄電池の劣化特性に応じた充放電制御を実現するものであり、蓄電池の寿命を約2倍にしながら、既存の電力系統と同等レベルでリアルタイムに電力需給を調整できるようになります。
当社は、本技術を用いて、小口需要家の蓄電池を含む多数の蓄電池を連携させ、大容量の電力をリアルタイムに受給調整する次世代電力システムの実現に貢献していきます。


当連結会計年度におけるNECグループ全体の研究開発費は、134,205百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。
パブリック事業18,047百万円
エンタープライズ事業1,230百万円
テレコムキャリア事業52,636百万円
システムプラットフォーム事業39,821百万円
その他22,471百万円

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01765] S100505B)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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