有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AI6T
日本電気株式会社 業績等の概要 (2017年3月期)
NECグループの連結財務諸表は、当連結会計年度から国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)を適用しています。また、前連結会計年度の連結財務諸表につきましても、IFRSに準拠して表示しています。
(1)業績
当連結会計年度の世界経済は、英国の欧州連合離脱の決定等の政治的不確実性の拡大により、先進国では米国や欧州の成長率がやや鈍化し、新興国も資源安の影響等から成長率が横ばいとなったことから、全体の成長率はやや減速しました。
日本経済は、公共投資が減少したものの、企業業績が堅調に推移したことによる設備投資の増加や住宅投資の増加などにより、プラス成長となりました。
このような事業環境のもと、NECグループでは、2016年4月に発表した「2018中期経営計画」の二つの経営方針である「収益構造の立て直し」および「成長軌道への回帰」に基づき、前期までの課題を踏まえた変革に取り組み、社会ソリューション事業への注力を継続しました。
まず、「収益構造の立て直し」では、①課題事業・不採算案件への対応、②業務改革推進プロジェクト、③開発・生産機能の最適化に取り組みました。
課題事業・不採算案件への対応では、課題事業であるスマートエネルギー事業において、リソースを最適化すべく人員の配置転換を進めました。また、同事業における国内電力会社向け事業をパブリック事業における電力会社向け事業と統合し、営業体制を強化しました。さらに、小型蓄電については、ハードウェアの自主開発体制の見直しを推進しました。しかしながら、電力会社の投資抑制や競争激化などの影響により、スマートエネルギー事業の損益は、当期初に策定した改善計画を達成することができませんでした。また、不採算案件の抑制のためプロジェクトのリスク管理体制を強化しましたが、その結果、パブリック事業のIT領域案件やテレコムキャリア事業の海外案件に係る損失は減少したものの、パブリック事業の社会インフラ領域やその他事業の海外案件で新たな損失が発生しました。
業務改革推進プロジェクトでは、NECマネジメントパートナー㈱を軸として、スタフ業務効率化および経費・IT費用効率化を推進し、前期比でほぼ計画どおりの約140億円の費用を削減しました。
開発・生産機能の最適化では、2017年4月1日付で、国内におけるハードウェア開発・生産子会社およびソフトウェア開発子会社をそれぞれ再編・統合しました。
続いて、「成長軌道への回帰」では、社会ソリューション事業のグローバル化を推進するため、①セーフティ事業(サーベイランス、サイバーセキュリティ)、②グローバルキャリア向けネットワーク事業(TOMS(通信運用管理ソリューション)、SDN/NFV(Software-Defined Networking / Network Functions Virtualization))、③リテール向けITサービス事業の拡大に取り組みました。
セーフティ事業では、当社の強みである認証技術や、セキュリティオペレーションセンターの運用ノウハウを活用したリアルタイムでの事象把握により、さらなる安全・安心の確保に貢献する取り組みを進めました。具体的には、米国ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に入国審査用の顔認証システムを納入し、オーストラリアでは連邦政府機関や州警察などで当社の生体認証システムの採用が拡大しました。また、当社は、世界的権威のある米国国立標準技術研究所が実施した2017年の動画顔認証技術のベンチマークテストにおいて、照合精度99.2%と他社を大きく引き離して第1位の性能評価を獲得し、これまでの静止画顔認証技術のベンチマークテストを含め、4回連続で第1位となりました。さらに、当社の子会社であるNECラテン・アメリカ社は、政府機関等の大手顧客を有するITセキュリティ事業者であるブラジルのアルコン・インフォルマチカ社を買収し、ブラジルにおいて、セーフティ事業を含めたITサービス事業の拡大をはかっています。
グローバルキャリア向けネットワーク事業では、TOMSの提供力および顧客基盤ならびにSDN/NFVの商用実績を強みとして、通信事業者による高度な通信サービスの迅速な実現に向けて取り組みました。具体的には、SDN/NFVシステムの新規導入や既存システムとの統合などを支援するソリューション「AVP(Agile Virtualization Platform and Practice)」の提供を開始し、欧州、中近東、北米などにおいて、大手通信事業者からSDN/NFVの商用案件を10件獲得しました。
リテール向けITサービス事業では、大手コンビニエンスストア向けのサービス提供実績を強みとして、24時間365日の安全・安心・効率的な店舗経営の実現やさらなる消費者利便性の向上に向けた取り組みを進めました。具体的には、システムの企画から開発・導入・保守までの全般にわたるITサービスのライフサイクル・マネジメントの強化に加えて、販売・流通チャネルを問わず商品を購入できる環境を実現するオムニチャネル、流通・サービス業におけるオペレーションの効率化や施設・設備管理などの新たな価値を提供するソリューションの強化に取り組みました。また、米国セブン-イレブンから、米国、カナダにある約8,600店舗向けのPOSシステムとその保守サービスを受注しました。
当社は、これらに加えて、当社の社会ソリューション事業の差異化の鍵となるAI(人工知能)やIoT(Internet of Things)の領域において、技術ブランド「NEC the WISE」を立ち上げ、関連技術の開発・活用を推進しました。また、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立大学法人大阪大学、国立大学法人東京大学、国立研究開発法人理化学研究所などとAIを活用した将来の社会価値創出に向けた共創に取り組むとともに、米国ゼネラル・エレクトリック社とのIoT分野における包括的な提携、㈱デンソーとのAIやIoTを活用した高度運転支援・自動運転およびモノづくりの分野での協業などを開始しました。さらに、当社は、IoTや自動運転などの成長領域における連携強化などを目的として、日本航空電子工業㈱の普通株式に対する公開買付けを実施し、同社を連結子会社化しました。
これらの取り組みにもかかわらず、当社は、当期において、2017年1月30日に業績予想を下方修正いたしました。このような状況を踏まえ、市場環境や顧客動向の変化に迅速に対応すべく、経営スピードのさらなる向上をはかり、変革を実行していきます。
このような経営環境のもと、当連結会計年度の売上収益は2兆6,650億円(前連結会計年度比5.7%減)、営業損益は418億円の利益(同496億円悪化)、税引前損益は681億円の利益(同185億円悪化)、親会社の所有者に帰属する当期損益は273億円の利益(同486億円悪化)となりました。また、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計額)は、990億円の収入となりました。当連結会計年度末の有利子負債(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、1年内返済予定の長期借入金、1年内償還予定の社債、社債、長期借入金およびその他(リース債務)を合計したもの)残高は、前連結会計年度末に比べ126億円減少し、4,669億円となり、デット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ、自己資本(「資本合計」から「非支配持分」を控除したもの)に対する有利子負債の割合)は、0.55倍(前連結会計年度末比0.07ポイント改善)となりました。
各セグメント別の業績は、以下のとおりです。なお、各セグメント別の売上収益については、外部顧客に対する売上収益を記載しています。
a. パブリック事業
パブリック事業の売上収益は、当第4四半期連結会計期間から日本航空電子工業㈱を連結子会社化したものの、公共向けが消防・救急無線のデジタル化需要の一巡で減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ356億円(4.6%)減少し、7,360億円となりました。
営業損益は、売上の減少に加え、宇宙事業の採算性悪化などにより、前連結会計年度に比べ113億円悪化し、460億円の利益となりました。
b. エンタープライズ事業
エンタープライズ事業の売上収益は、製造業向けが堅調に推移したことなどにより、前連結会計年度に比べ59億円(2.0%)増加し、3,063億円となりました。
営業損益は、前連結会計年度並みの239億円の利益となりました。
c. テレコムキャリア事業
テレコムキャリア事業の売上収益は、国内外の通信事業者の設備投資が低調に推移したことや、円高の影響を受けたことなどにより、前連結会計年度に比べ859億円(12.3%)減少し、6,116億円となりました。
営業損益は、売上の減少に加え、円高の影響を受けたことなどにより、前連結会計年度に比べ271億円悪化し、195億円の利益となりました。
d. システムプラットフォーム事業
システムプラットフォーム事業の売上収益は、ハードウェアや企業ネットワークが減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ88億円(1.2%)減少し、7,198億円となりました。
営業損益は、売上の減少などにより、前連結会計年度に比べ23億円悪化し、294億円の利益となりました。
e. その他
その他の売上収益は、スマートエネルギー事業が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ355億円(10.9%)減少し、2,913億円となりました。
営業損益は、海外事業の採算性が悪化したものの、スマートエネルギー事業の損益改善などにより、前連結会計年度に比べ40億円改善し、142億円の損失となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、925億円の収入で、前連結会計年度に比べ53億円悪化しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、64億円の収入で、前連結会計年度に比べ386億円収入額が増加しました。これは、関連会社株式の売却による収入や子会社の取得による収入が増加したことなどによるものです。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは990億円の収入となり、前連結会計年度に比べ333億円改善しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済などを行ったことなどにより、489億円の支出となりました。
上記の結果、現金及び現金同等物は、2,400億円となり、前連結会計年度末に比べ476億円増加しました。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
(企業結合に関する会計基準等の適用)
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2013年9月13日。以下「企業結合会計基準」という。)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 2013年9月13日。以下「連結会計基準」という。)および「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号 2013年9月13日。以下「事業分離等会計基準」という。)等を当連結会計年度から適用し、支配が継続している場合の子会社に対する当社の持分変動による差額を資本剰余金として計上するとともに、取得関連費用を発生した連結会計年度の費用として計上する方法に変更しています。また、当連結会計年度の期首以後実施される企業結合については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを企業結合日の属する連結会計年度の連結財務諸表に反映させる方法に変更しています。加えて、当期純利益等の表示の変更および少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っています。当該表示の変更を反映させるため、前連結会計年度については連結財務諸表の組替を行っています。
企業結合会計基準等の適用については、企業結合会計基準第58-2項(4)、連結会計基準第44-5項(4)および事業分離等会計基準第57-4項(4)に定める経過的な取扱いに従い、当連結会計年度の期首時点から将来にわたって適用しています。
この結果、当連結会計年度の営業損益、経常損益および税金等調整前当期純損益に与える影響は、軽微です。また、当連結会計年度末の資本剰余金に与える影響は、軽微です。
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書においては、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得または売却に係るキャッシュ・フローについては、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、連結範囲の変動を伴う子会社株式の取得関連費用もしくは連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得または売却に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載しています。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
該当事項はありません。
⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 39.初度適用」に記載のとおりです。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
[従業員給付費用]
日本基準では数理計算上の差異を、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により翌年度から純損益として処理していましたが、IFRSではすべての数理計算上の差異を発生時点でその他の包括利益として処理し、定額法による純損益への振替は行っていません。
また、日本基準では過去勤務費用を、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により純損益として処理していましたが、IFRSでは当該費用を即時に純損益として処理しています。
さらに日本基準では利息費用及び制度資産に係る期待運用収益を使用していましたが、IFRSでは確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額を使用しています。
この結果、販売費及び一般管理費が2,619百万円増加しています。
[のれんの償却]
日本基準ではのれんを20年以内のその効果の及ぶ期間で規則的に償却を行っていましたが、IFRSでは償却を行いません。この結果、販売費及び一般管理費が9,633百万円減少しています。
(1)業績
当連結会計年度の世界経済は、英国の欧州連合離脱の決定等の政治的不確実性の拡大により、先進国では米国や欧州の成長率がやや鈍化し、新興国も資源安の影響等から成長率が横ばいとなったことから、全体の成長率はやや減速しました。
日本経済は、公共投資が減少したものの、企業業績が堅調に推移したことによる設備投資の増加や住宅投資の増加などにより、プラス成長となりました。
このような事業環境のもと、NECグループでは、2016年4月に発表した「2018中期経営計画」の二つの経営方針である「収益構造の立て直し」および「成長軌道への回帰」に基づき、前期までの課題を踏まえた変革に取り組み、社会ソリューション事業への注力を継続しました。
まず、「収益構造の立て直し」では、①課題事業・不採算案件への対応、②業務改革推進プロジェクト、③開発・生産機能の最適化に取り組みました。
課題事業・不採算案件への対応では、課題事業であるスマートエネルギー事業において、リソースを最適化すべく人員の配置転換を進めました。また、同事業における国内電力会社向け事業をパブリック事業における電力会社向け事業と統合し、営業体制を強化しました。さらに、小型蓄電については、ハードウェアの自主開発体制の見直しを推進しました。しかしながら、電力会社の投資抑制や競争激化などの影響により、スマートエネルギー事業の損益は、当期初に策定した改善計画を達成することができませんでした。また、不採算案件の抑制のためプロジェクトのリスク管理体制を強化しましたが、その結果、パブリック事業のIT領域案件やテレコムキャリア事業の海外案件に係る損失は減少したものの、パブリック事業の社会インフラ領域やその他事業の海外案件で新たな損失が発生しました。
業務改革推進プロジェクトでは、NECマネジメントパートナー㈱を軸として、スタフ業務効率化および経費・IT費用効率化を推進し、前期比でほぼ計画どおりの約140億円の費用を削減しました。
開発・生産機能の最適化では、2017年4月1日付で、国内におけるハードウェア開発・生産子会社およびソフトウェア開発子会社をそれぞれ再編・統合しました。
続いて、「成長軌道への回帰」では、社会ソリューション事業のグローバル化を推進するため、①セーフティ事業(サーベイランス、サイバーセキュリティ)、②グローバルキャリア向けネットワーク事業(TOMS(通信運用管理ソリューション)、SDN/NFV(Software-Defined Networking / Network Functions Virtualization))、③リテール向けITサービス事業の拡大に取り組みました。
セーフティ事業では、当社の強みである認証技術や、セキュリティオペレーションセンターの運用ノウハウを活用したリアルタイムでの事象把握により、さらなる安全・安心の確保に貢献する取り組みを進めました。具体的には、米国ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に入国審査用の顔認証システムを納入し、オーストラリアでは連邦政府機関や州警察などで当社の生体認証システムの採用が拡大しました。また、当社は、世界的権威のある米国国立標準技術研究所が実施した2017年の動画顔認証技術のベンチマークテストにおいて、照合精度99.2%と他社を大きく引き離して第1位の性能評価を獲得し、これまでの静止画顔認証技術のベンチマークテストを含め、4回連続で第1位となりました。さらに、当社の子会社であるNECラテン・アメリカ社は、政府機関等の大手顧客を有するITセキュリティ事業者であるブラジルのアルコン・インフォルマチカ社を買収し、ブラジルにおいて、セーフティ事業を含めたITサービス事業の拡大をはかっています。
グローバルキャリア向けネットワーク事業では、TOMSの提供力および顧客基盤ならびにSDN/NFVの商用実績を強みとして、通信事業者による高度な通信サービスの迅速な実現に向けて取り組みました。具体的には、SDN/NFVシステムの新規導入や既存システムとの統合などを支援するソリューション「AVP(Agile Virtualization Platform and Practice)」の提供を開始し、欧州、中近東、北米などにおいて、大手通信事業者からSDN/NFVの商用案件を10件獲得しました。
リテール向けITサービス事業では、大手コンビニエンスストア向けのサービス提供実績を強みとして、24時間365日の安全・安心・効率的な店舗経営の実現やさらなる消費者利便性の向上に向けた取り組みを進めました。具体的には、システムの企画から開発・導入・保守までの全般にわたるITサービスのライフサイクル・マネジメントの強化に加えて、販売・流通チャネルを問わず商品を購入できる環境を実現するオムニチャネル、流通・サービス業におけるオペレーションの効率化や施設・設備管理などの新たな価値を提供するソリューションの強化に取り組みました。また、米国セブン-イレブンから、米国、カナダにある約8,600店舗向けのPOSシステムとその保守サービスを受注しました。
当社は、これらに加えて、当社の社会ソリューション事業の差異化の鍵となるAI(人工知能)やIoT(Internet of Things)の領域において、技術ブランド「NEC the WISE」を立ち上げ、関連技術の開発・活用を推進しました。また、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立大学法人大阪大学、国立大学法人東京大学、国立研究開発法人理化学研究所などとAIを活用した将来の社会価値創出に向けた共創に取り組むとともに、米国ゼネラル・エレクトリック社とのIoT分野における包括的な提携、㈱デンソーとのAIやIoTを活用した高度運転支援・自動運転およびモノづくりの分野での協業などを開始しました。さらに、当社は、IoTや自動運転などの成長領域における連携強化などを目的として、日本航空電子工業㈱の普通株式に対する公開買付けを実施し、同社を連結子会社化しました。
これらの取り組みにもかかわらず、当社は、当期において、2017年1月30日に業績予想を下方修正いたしました。このような状況を踏まえ、市場環境や顧客動向の変化に迅速に対応すべく、経営スピードのさらなる向上をはかり、変革を実行していきます。
このような経営環境のもと、当連結会計年度の売上収益は2兆6,650億円(前連結会計年度比5.7%減)、営業損益は418億円の利益(同496億円悪化)、税引前損益は681億円の利益(同185億円悪化)、親会社の所有者に帰属する当期損益は273億円の利益(同486億円悪化)となりました。また、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計額)は、990億円の収入となりました。当連結会計年度末の有利子負債(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、1年内返済予定の長期借入金、1年内償還予定の社債、社債、長期借入金およびその他(リース債務)を合計したもの)残高は、前連結会計年度末に比べ126億円減少し、4,669億円となり、デット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ、自己資本(「資本合計」から「非支配持分」を控除したもの)に対する有利子負債の割合)は、0.55倍(前連結会計年度末比0.07ポイント改善)となりました。
各セグメント別の業績は、以下のとおりです。なお、各セグメント別の売上収益については、外部顧客に対する売上収益を記載しています。
a. パブリック事業
パブリック事業の売上収益は、当第4四半期連結会計期間から日本航空電子工業㈱を連結子会社化したものの、公共向けが消防・救急無線のデジタル化需要の一巡で減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ356億円(4.6%)減少し、7,360億円となりました。
営業損益は、売上の減少に加え、宇宙事業の採算性悪化などにより、前連結会計年度に比べ113億円悪化し、460億円の利益となりました。
b. エンタープライズ事業
エンタープライズ事業の売上収益は、製造業向けが堅調に推移したことなどにより、前連結会計年度に比べ59億円(2.0%)増加し、3,063億円となりました。
営業損益は、前連結会計年度並みの239億円の利益となりました。
c. テレコムキャリア事業
テレコムキャリア事業の売上収益は、国内外の通信事業者の設備投資が低調に推移したことや、円高の影響を受けたことなどにより、前連結会計年度に比べ859億円(12.3%)減少し、6,116億円となりました。
営業損益は、売上の減少に加え、円高の影響を受けたことなどにより、前連結会計年度に比べ271億円悪化し、195億円の利益となりました。
d. システムプラットフォーム事業
システムプラットフォーム事業の売上収益は、ハードウェアや企業ネットワークが減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ88億円(1.2%)減少し、7,198億円となりました。
営業損益は、売上の減少などにより、前連結会計年度に比べ23億円悪化し、294億円の利益となりました。
e. その他
その他の売上収益は、スマートエネルギー事業が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ355億円(10.9%)減少し、2,913億円となりました。
営業損益は、海外事業の採算性が悪化したものの、スマートエネルギー事業の損益改善などにより、前連結会計年度に比べ40億円改善し、142億円の損失となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、925億円の収入で、前連結会計年度に比べ53億円悪化しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、64億円の収入で、前連結会計年度に比べ386億円収入額が増加しました。これは、関連会社株式の売却による収入や子会社の取得による収入が増加したことなどによるものです。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは990億円の収入となり、前連結会計年度に比べ333億円改善しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済などを行ったことなどにより、489億円の支出となりました。
上記の結果、現金及び現金同等物は、2,400億円となり、前連結会計年度末に比べ476億円増加しました。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2016年3月31日) | 当連結会計年度 (2017年3月31日) | |
資産の部 | ||
流動資産 | 1,527,259 | 1,581,578 |
固定資産 | ||
有形固定資産 | 331,794 | 406,816 |
無形固定資産 | 157,671 | 177,469 |
投資その他の資産 | 476,717 | 511,372 |
固定資産合計 | 966,182 | 1,095,657 |
資産合計 | 2,493,441 | 2,677,235 |
負債の部 | ||
流動負債 | 1,012,042 | 990,706 |
固定負債 | 628,906 | 670,950 |
負債合計 | 1,640,948 | 1,661,656 |
純資産の部 | ||
株主資本 | 808,560 | 825,496 |
その他の包括利益累計額 | △16,468 | 57,061 |
新株予約権 | - | 126 |
非支配株主持分 | 60,401 | 132,896 |
純資産合計 | 852,493 | 1,015,579 |
負債純資産合計 | 2,493,441 | 2,677,235 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2015年4月 1日 至 2016年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2016年4月 1日 至 2017年3月31日) | |
売上高 | 2,821,181 | 2,669,616 |
売上原価 | 1,978,757 | 1,912,800 |
売上総利益 | 842,424 | 756,816 |
販売費及び一般管理費 | 735,118 | 703,980 |
営業利益 | 107,306 | 52,836 |
営業外収益 | 17,976 | 29,434 |
営業外費用 | 42,547 | 43,855 |
経常利益 | 82,735 | 38,415 |
特別利益 | 6,095 | 34,684 |
特別損失 | 10,908 | 10,670 |
税金等調整前当期純利益 | 77,922 | 62,429 |
法人税等合計 | 3,883 | 21,781 |
当期純利益 | 74,039 | 40,648 |
非支配株主に帰属する当期純利益 | 5,290 | 8,094 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 68,749 | 32,554 |
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2015年4月 1日 至 2016年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2016年4月 1日 至 2017年3月31日) | |
当期純利益 | 74,039 | 40,648 |
その他の包括利益合計 | △92,040 | 72,468 |
包括利益 | △18,001 | 113,116 |
(内訳) | ||
親会社株主に係る包括利益 | △21,480 | 106,083 |
非支配株主に係る包括利益 | 3,479 | 7,033 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
(単位:百万円) |
株主資本 | その他の 包括利益累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 749,889 | 73,761 | 60,542 | 884,192 |
当期変動額合計 | 58,671 | △90,229 | △141 | △31,699 |
当期末残高 | 808,560 | △16,468 | 60,401 | 852,493 |
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
(単位:百万円) |
株主資本 | その他の 包括利益累計額 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 808,560 | △16,468 | - | 60,401 | 852,493 |
当期変動額合計 | 16,936 | 73,529 | 126 | 72,495 | 163,086 |
当期末残高 | 825,496 | 57,061 | 126 | 132,896 | 1,015,579 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2015年4月 1日 至 2016年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2016年4月 1日 至 2017年3月31日) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 97,829 | 92,525 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △32,202 | 6,425 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △50,082 | △48,881 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | △4,354 | △2,422 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 11,191 | 47,647 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 181,132 | 192,323 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 192,323 | 239,970 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
(企業結合に関する会計基準等の適用)
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2013年9月13日。以下「企業結合会計基準」という。)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 2013年9月13日。以下「連結会計基準」という。)および「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号 2013年9月13日。以下「事業分離等会計基準」という。)等を当連結会計年度から適用し、支配が継続している場合の子会社に対する当社の持分変動による差額を資本剰余金として計上するとともに、取得関連費用を発生した連結会計年度の費用として計上する方法に変更しています。また、当連結会計年度の期首以後実施される企業結合については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを企業結合日の属する連結会計年度の連結財務諸表に反映させる方法に変更しています。加えて、当期純利益等の表示の変更および少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っています。当該表示の変更を反映させるため、前連結会計年度については連結財務諸表の組替を行っています。
企業結合会計基準等の適用については、企業結合会計基準第58-2項(4)、連結会計基準第44-5項(4)および事業分離等会計基準第57-4項(4)に定める経過的な取扱いに従い、当連結会計年度の期首時点から将来にわたって適用しています。
この結果、当連結会計年度の営業損益、経常損益および税金等調整前当期純損益に与える影響は、軽微です。また、当連結会計年度末の資本剰余金に与える影響は、軽微です。
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書においては、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得または売却に係るキャッシュ・フローについては、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、連結範囲の変動を伴う子会社株式の取得関連費用もしくは連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得または売却に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載しています。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
該当事項はありません。
⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 39.初度適用」に記載のとおりです。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
[従業員給付費用]
日本基準では数理計算上の差異を、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により翌年度から純損益として処理していましたが、IFRSではすべての数理計算上の差異を発生時点でその他の包括利益として処理し、定額法による純損益への振替は行っていません。
また、日本基準では過去勤務費用を、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により純損益として処理していましたが、IFRSでは当該費用を即時に純損益として処理しています。
さらに日本基準では利息費用及び制度資産に係る期待運用収益を使用していましたが、IFRSでは確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額を使用しています。
この結果、販売費及び一般管理費が2,619百万円増加しています。
[のれんの償却]
日本基準ではのれんを20年以内のその効果の及ぶ期間で規則的に償却を行っていましたが、IFRSでは償却を行いません。この結果、販売費及び一般管理費が9,633百万円減少しています。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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