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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IZOJ (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 日産化学株式会社 事業等のリスク (2020年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

(1) リスクマネジメント体制
リスクマネジメント活動全般について継続的改善を推進する専門組織として、経営企画部リスク・コンプライアンス室を設置しています。また、リスクマネジメントの実効性を高めるとともに、コンプライアンスを維持向上、推進するための機関として、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、年2回定期的に開催しています。
本委員会は取締役会が指名するCRO(チーフ・リスクマネジメント・オフィサー)を委員長とし、CROが指名する各部門、箇所および国内連結子会社のリスク・コンプライアンス責任者から構成されています。リスク・コンプライアンス責任者は、定期的に、リスクの洗い出し・評価・対策計画立案、リスク対策実施状況、課題の自己評価、改善案の策定を行う他、計画的に各部門、箇所および国内連結子会社にて教育、訓練等を行います。
リスクマネジメントに関する重要事項、対策計画等は本委員会の審議を経て、取締役会で決議します。

(2) リスクアセスメント
各部門の事業特性やグローバルな政治・経済・社会情勢等、ビジネスを取り巻く環境を考慮してリスクを洗い出し、各部門、各箇所および国内連結子会社のリスク・コンプライアンス責任者からの意見集約などを通じて、発生可能性と事業への影響度を評価、その後当社取締役へのヒアリングを実施した上で、リスクマップを作成し、「グループ重要リスク」を選定しました。その内容はリスク・コンプライアンス委員会での審議を経て、取締役会で決議しています。


(3) グループ重要リスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、以下に記載したリスクは主要なものであり、これに限られるものではありません。

1)事業ポートフォリオ戦略の失敗
①化学品事業部
工業薬品類などの基礎化学品をさまざまな産業に提供する一方で、先端分野に対応する製品の生産・供給にも努め
ており、限界まで不純物を除去した高純度薬品、さらには電子材料用途で需要が伸びていますシアヌル酸由来の高機
能化学品などを市場に投入しています。
これら製品は、天然ガスを出発原料とするアンモニアの誘導品であることから、原燃料価格の影響を受けるほか、
中国市況等の変化により、世界の需給バランスが崩れ、当社販売にも影響が波及する可能性があります。
また、IoT、AIなどのデジタル技術導入による工場保全技術の高度化に努めてまいりますが、近年、設備老朽化に伴
うプラントトラブルが発生し、一定期間の操業停止および損失が生じています。
②機能性材料事業部
「ディスプレイ材料」「半導体材料」「無機コロイド」事業を通じて、目まぐるしく変化するICT産業に高付加価値
の製品を提供しています。
ディスプレイ材料は、液晶分子を一定方向に揃えるための配光材を主幹材料とし、現在は主にスマートフォン、タ
ブレット向けに供給していますが、今後はラビングが不要な光配向技術を用い、TVなどの大型ディスプレイ向けにも
展開してまいります。一方で、液晶より薄型軽量で高速応答などの特長を有し、フレキシブル化などの意匠性にも優
れた有機ELが、スマートフォン、高画質・大型のテレビなどに採用されるケースが増えてきました。当社は、有機EL
関連材料、有機ELに続く次世代自発光ディスプレイ向け材料の開発も進めておりますが、開発状況、企業間競争の激
化などによっては、採用未達となるおそれがあります。
半導体材料は、光照射によりフォトレジストを微細加工する際に、光の乱反射や干渉、塗布不良などのトラブルを
防止するコーティング材料からスタートし、半導体回路幅のさらなる微細化に対応する材料を開発、現在はEUV(極端
紫外線)露光技術の実需化、微細化の限界に備え、それぞれEUV用材料、三次元実装用材料にも注力しています。しか
し、開発状況、企業間競争の激化などによっては、採用未達、シェア喪失のおそれがあります。
無機コロイドは、ナノシリカの水分散液を販売して以来、現在では有機溶媒分散液、無溶剤で使用できる製品を提
供し、光学フィルムのコーティング材、電子記録媒体の研磨剤などに使用されています。最近では、シェールオイ
ル・ガスの採掘効率向上剤などへの用途展開を図っておりますが、原油価格の変動によりシェールオイル需要に変化
が生じ、当社剤の販売にも影響が及ぶ可能性があります。
③農業化学品事業部
世界の人口は増加し続けており、それに伴い食糧生産を向上させる必要があります。農作物の収穫率向上を目指
し、農薬の研究開発から製造、国内外販売までを一貫して行う当社では、自社開発による原体が収益力を高める大き
な要因となります。2018年には殺虫剤を上市し、現在は殺菌剤・水稲用除草剤の開発、次製品の研究を続けていま
す。一方で、増加する原体ラインナップ・需要増に対応すべく、生産・供給にまつわる各種対策を実施しております
が、完了までに時間を要した場合、一時的に販売機会を逸する可能性があります。
④医薬品事業部
当社化合物を原薬とする高コレステロール血症治療剤は、現在世界25ヵ国で承認を受け販売されていますが、国内
の物質特許が2013年8月に満了となり、ジェネリック医薬品によるシェア低下、薬価改定の影響を受け、国内では厳し
い状況が続いています。新薬創出が急務となっていますが、自社創薬の成果獲得には研究開発費と時間を要すること
から、その結果次第では、中長期的に経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。


2)新製品の開発、外部の技術革新
当社グループは、これまで培ってきた「精密有機合成」「機能性高分子設計」「微粒子制御」「生物評価」「光制
御」の5つのコア技術をもとに、「情報通信」「ライフサイエンス」「環境エネルギー」「基盤」の事業領域で、グ
ローバルな課題の解決に寄与し、社会の発展とともに企業価値の向上を図るべく、新製品の開発を積極的に進めてい
ます。新製品の開発には、高度な技術と多くの資金、人的資源が必要であり、長い時間を要します。当社では、近
年、年間売上高の8~9%を研究開発費に投じるとともに、総合職人員の約40%を研究に従事させるなど、研究開発
に経営資源を傾斜配分、さらには最新技術情報を踏まえた研究テーマの設定、定期的評価に基づく継続または改廃な
どを行っておりますが、当社がターゲットとする市場環境や技術動向の急激な変化が生じ、開発の成否、ひいては経
営成績および財務状況に影響を受ける可能性があります。

3)原料調達、製品供給
当社は、原料および資材の調達に関する方針(購買方針)を定め、重要な原料、中間体、製品の製造などを委託す
る際には、事前にCSR調査票への回答を求め、当社の基準を満たす企業との取引を優先的に進めています。
さらに、国内外のサプライヤーおよび業務委託先を訪問監査し、CSR活動、とくに、環境・健康・安全(EHS)への
取り組みを詳細に確認し、サプライチェーン・マネジメントの推進を図るなど、コスト・品質等を考慮の上、安定的
な調達先の確保に努めております。しかし、高度な技術により合成された化合物など、供給元が限定されている原料
があることに加え、中国をはじめ、海外からの輸入に頼る原料もあり、何らかのトラブル、調達先所在国における突
如とした法規制の強化等により、調達先からの供給が滞った場合、製品の安定的な製造・販売体制に支障をきたし、
経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

4)法的規制、法令違反
当社グループは、事業の特性上、化学物質の取り扱いに関する国内外の法令等により規制を受けています。近年の
環境問題、生体への影響に対する世界的な意識の高まりなどから、各種規制はますます強まる傾向にあり、現行規制
の改正や強化等がなされた場合、事業活動が制限される、その対応のための費用を要する、あるいは当該製品が対象
国にて販売できなくなるなど、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、コンプライアンスを法令および広く社会規範に従うことと認識し、コンプライアンス規
則を策定し、コンプライアンス基本方針を定めています。さらに、内部通報制度を設置し、コンプライアンス違反の
未然防止、早期解決のための体制を整えるとともに、役員・社員等に対し、各種研修、コンプライアンスマニュアル
の周知などを通じて、知識向上、啓蒙に努めておりますが、法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等を
取った場合、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受ける可能性があります。

5)労働災害、事故災害、自然災害
当社グループは、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄・リサイクルに至る全ての過程にお
いて、自主的に「環境・健康・安全(EHS)」を確保し、活動の成果を公表し社会との対話・コミュニケーションを行
うレスポンシブル・ケア(RC)活動に、取り組んでいます。
RCマネジメントシステムを通じて、労働災害の防止、労働者の健康増進、快適な職場環境の形成に努め、各事業所
の安全衛生レベルの向上を図っています。また、安全確保と安定操業、保安力向上を目指し、必要な設備投資を行う
とともに、各種訓練を毎年実施し、緊急時あるいは事故発生時に確実な対応が取れるように備えております。
地震をはじめとする自然災害に対しては、工場および主要な事業拠点を対象に災害対策、事業継続計画(BCP)
を策定しており、今後も強化と充実を図ってまいります。
しかしながら、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備への被害、工場における事故、輸送・外部保
管中の事故等により、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで、当社グループの信用、経営成績および財務
状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

6)製品品質
当社グループは、各工場で品質マネジメントシステムの認証取得を積極的に進めるとともに、顧客の商品に関する
声(苦情情報)を迅速に収集、評価し、必要な是正を実施するための社内ネットワークを構築するなど、品質保証体
制の確立に努めています。しかし、製造・輸送・保管等の過程において予期せぬトラブルが発生、品質への影響が生
じ、顧客または当社材料が使用された製品ユーザーにて人的・物的損害が起こった場合、損害賠償請求を提起され、
経営成績および財務状態のみならず、当社グループへの社会的信用が失墜し、事業に悪影響を及ぼす可能性がありま
す。

7)知的財産
当社は、研究成果と知的財産が事業の根幹であるとの考えのもと、知的財産権保護は極めて重要な経営課題と認識
し、知的財産の取得にとどまらず、訴訟による権利行使も実施しています。当社は国内外で事業を展開し、世界各国
で特許を出願・申請、取得していることから、グローバルに知的財産の権利確保を図り、侵害を監視する体制を強化
しております。
しかし、他社との間で知的財産を巡って係争が生じたり、他社が当社の知的財産権を侵害した場合、当事者間での
和解交渉、法定での係争結果次第では、一時金の支払い、ライセンス契約の締結に至り、当初想定していた売上・利
益を達成することができず、経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

8)情報セキュリティ
当社グループは、研究開発、生産などに関する機密情報、販売促進等に用いるお客様の個人情報を保有していま
す。また、将来的に予想される労働力不足に備え、IoT、AIなどのデジタル技術を工場に導入することで、生産性の引
き上げ、保全体制の確立を進めています。
当社グループでは、情報管理規則、各種ガイドラインを定め、社員に遵守徹底するなど、ハード、ソフト双方のセ
キュリティ対策を実施しておりますが、外部攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの感染等により、制御
系・基幹システムの障害、保有する機密情報・個人情報の漏洩が発生した場合、当社グループへの信用、経営成績お
よび財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

9)人材確保
当社グループでは、多様化・高度化する市場の要求への対応力を高めるために、研究開発力の強化や製品品質の向
上に取り組むとともに、多様で優秀な人材の確保・育成や働きやすい職場づくりなどの取り組みを通じて、事業基盤
の強化を目指しています。
人材開発の本質は「社員一人ひとりが自発的に自己研鑽を積み、自己の成長を図ること」にあるとの考えのもと、
望む社員のために、さまざまな人材育成制度を整備しています。
また、多様な人材が生産性の高い働き方を実現し仕事と生活の調整(ワーク・ライフ・バランス)を図ることがで
きるよう、取り組みを推進しています。
しかしながら、雇用情勢の悪化等により、必要な人材を確保できない場合、経営成績および財務状態に影響を及ぼ
す可能性があります。

10)海外展開
当社グループは、各事業分野において、アジア、欧州、北米などを中心に世界各地に生産・販売拠点を設け、より
市場に密着した形での事業展開を進めていることから、進出先の政治、経済、社会情勢の変化などにより、経営成績
および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、各拠点において有効な内部統制システムの構築に努めているものの、従業員等の悪意あるいは重大な過失
による行為、もしくはシステムが十分に機能しなかったことに伴い、将来的に法令違反等の問題が発生し、行政処分
による課徴金、刑事・民事訴訟による罰金、損害賠償金等の支払いに加え、当社グループへの社会的信用が失墜し、
事業に悪影響が生ずる可能性があります。


11)日韓貿易摩擦
日本政府が2019年7月1日に発表した、韓国向け電子材料輸出規制強化対象3品目(フッ化ポリイミド、レジスト、
フッ化水素)につき、当社はこれら材料の韓国向け出荷実績はありません。

12)新型コロナウイルス
当社グループでは、社員およびその家族の身の安全の確保を最優先に、事業継続の観点から各種対策を検討・実施
してまいりました。各事業所は、各国・行政区および各社で策定した感染防止方針に従い、操業を続けています。万
が一、当社グループの事業所内で感染者が発生した場合は、各国・行政区の専門機関とも連携の上、適切に対処し、
状況に応じて事業継続計画(BCP)を発動するなど、事業への影響最小化を図ります。
状況は刻々と変化しており、現時点で新型コロナウイルスが2021年3月期決算に与える影響を想定することは困難
でありますが、感染収束の兆しが見えず、サプライチェーンが突如として寸断、または各国政府が講じる移動制限が
長期化し、世界経済および個人消費がさらに悪化した場合、経営成績および財務状態に影響が生じる可能性がありま
す。

従業員の状況研究開発活動


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