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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LR7B (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 日産化学株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループは、ビジネスモデルを「独自の革新的な技術で社会の要請に応える未来創造企業」と定め、2019年4月からスタートした中期経営計画「Vista 2021」StageⅡ(2019~2021年度)では、基本戦略のひとつに「新製品創出力の強化」を掲げ、人と環境にやさしい未来づくりにつながる研究開発活動を推進しております。
2020年度の進捗につきまして、化学品分野では、自社製品・技術をベースとした独自エポキシの用途拡大を進めております。またSDGsへ貢献可能な製品開発として微生物製剤「ビーナスⓇオイルクリーン」の採用件数が伸びており、食品工場の産業廃棄物削減に寄与しております。機能性材料分野(ディスプレイ・半導体・無機)では、船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、既存製品の高品質・高性能グレード、顧客ニーズの高性能化・多様化に対応した新材料の開発が進展しております。当社のコア技術を深化・発展させると同時に、社内外の共同研究を活用して、本格的な市場拡大が進んでいる有機ELやフレキシブルデバイス向けの材料など、次世代につながる材料の研究開発を行っております。また顧客対応力を強化するため、中国R&Dセンターの解析および評価設備拡充も進めております。農業化学品分野では、抵抗性、難防除雑草防除に優れる水稲用除草剤、NC-653(原体名:ジメスルファゼット)」の国内開発に加えて、韓国での開発も開始しております。またグローバル向け新規水稲用除草剤化合物NC-656は、2019年度からアジアを中心に評価・開発を進めております。またスマート農業チームを立ち上げ、ドローン用散布への農薬登録拡大を進めるとともに、AI病害虫雑草診断に参加するなど、各種IT企業とスマート農業への参画検討を開始しております。当社発明化合物フルララネルを含む、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社)の製品は適用拡大により、販売国を拡げております。
医薬品分野では、モジュラス㈱と低分子医薬品に関する戦略的業務提携契約を新たに締結いたしました。最先端の計算科学により、短期間で精度の高い創薬に挑戦しております。また、ペプチドリーム㈱との共同研究により、安価で高品質なペプチド医薬品の製造技術を確立いたしました。本技術を活用し、医薬品受託製造事業の拡大を図っております。

なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は16,459百万円であります。

セグメント別の主な内訳は以下の通りであります。

(1) 化学品事業
化学品事業では、成長分野の市場ニーズを見据え、自社製品・技術をベースとした新しいファインケミカルの創出、高機能化、用途拡大に取り組んでおります。機械物性と耐熱信頼性を両立する液状エポキシ「TEPICⓇ-VL」「TEPICⓇ-FL」を半導体実装用途に、低誘電正接エポキシ「FOLDIⓇ」を高周波基板用途に展開しております。樹脂添加剤「スターファインⓇ」は金属基材との密着力を高めることができ、塗料、接着剤、樹脂成型品など採用シーンが拡がっております。
また、SDGsへ貢献可能な製品の市場開発も進めております。油脂分解力に優れる微生物製剤「ビーナスⓇオイルクリーン」の採用件数を増加させており、食品工場から出る産業廃棄物の削減を達成しております。
当事業に係る研究開発費は291百万円であります。

(2) 機能性材料事業
機能性材料事業では、船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドの研究開発、および将来の事業の柱となる新規材料の研究開発を実施しております。
ディスプレイ材料では、市場・顧客動向を的確に把握し、これまで培ってきた独自技術をもとに、高性能化、多様化に対応した材料開発に取り組んでおります。特に、IPS/FFS用光配向材では、用途拡大が進行する中、さらなる高性能化を進めております。また、中国R&Dセンターの解析および評価設備拡充により、拡大する中国市場での顧客対応力のさらなる強化を図っております。
半導体材料では、半導体デバイスの高集積化の進展に伴い、既存製品の高品質化を進めるとともに、次世代あるいは次々世代の微細加工技術、及び実装技術に対応する材料の研究開発にも注力しております。また、このような新製品・新材料の創出に向け、各種コンソーシアムへの参加、産官学およびベンチャー企業との連携に取り組んでおります。
無機コロイドでは、シリカゾルの持つ機能を活かし、研磨、金属表面処理、ハードコート等への製品開発、市場開拓を展開しております。シリカゾル以外にもジルコニアやチタニアのゾルを開発し、スマートフォンやタブレット等用の光学フィルムの屈折率調整、眼鏡のハードコートに使用されております。また近年はオイル&ガス分野での製品開発に取り組んでおり、米国のみならずロシア、中東、アジア地域等への展開を図っております。

新規材料については、当社のコア技術を深化・発展させると同時に、社内外の共同研究を活用して、本格的な市場拡大が進んでいる有機ELやフレキシブルデバイス向けの材料など、次世代につながる材料の研究開発を行っております。
当事業に係る研究開発費は6,983百万円であります。

(3) 農業化学品事業
当社が独自に創薬開発し、新規作用機序を有する殺虫剤原体「フルキサメタミド」を含有する製品は、日本において野菜および茶向けに「グレーシアⓇ乳剤」として2019年5月に販売を開始しました。更に芝用の殺虫剤として「イザナミⓇフロアブル」の登録を取得し2020年4月販売開始、果樹用のフロアブルも現在開発中です。海外では、日本に先行し2018年に韓国で発売され、2020年末にはサウジアラビアで登録されました。またインド、インドネシアに続きアルゼンチン、及び台湾等で登録申請が進み、その他東南アジア諸国並びに中東アフリカ地域での評価を進めております。
抵抗性、難防除雑草防除に優れる水稲用除草剤、NC-653(原体名:ジメスルファゼット)」は国内開発に加えて、韓国での開発も開始しました。更に、グローバルな展開が期待される新規水稲用除草剤化合物NC-656についても、2019年度からアジアを中心に評価・開発を進めております。
水稲除草剤「アルテアⓇ(原体名:メタゾスルフロン)」は、一発処理剤第3世代製品として更に高性能な混合剤「ディオーレⓇ」および「流星Ⓡ」の各種製剤の販売を本年より段階的に開始いたしました。海外においては、中国での拡販が進み、ベトナム、ドミニカ共和国での登録に続き2021年1月に台湾で登録を取得しました。更に、インド、東南アジア諸国ならびに中東地域での評価試験を実施中で、2019年に申請したバングラデシュでは2021年中の登録が見込まれております。非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドアップⓇマックスロード」は、ULV(Ultra Low Volume)散布技術の開発を進め、「ラウンドノズルULV5セット動力用」に加えて「バッテリー・人力用」を販売しており、本年から大型農家向けの「ラウンドノズルULV5ブームスプレーヤー用」の販売を予定しています。
その他海外開発では、殺菌剤「ライメイⓇ」のフロアブルがインドにおいてブドウで、また顆粒水和剤がオーストラリア及びニュージーランドでアブラナ科植物等向けに登録されました。加えて除草剤「タルガⓇ」がマケドニアで登録されました。
また、昨年7月にスマート農業チームを立ち上げ、ドローン用散布への農薬登録拡大を進めるとともに、AI病害虫雑草診断「レイミ―*」に参加するなど、各種IT企業とスマート農業への参画検討を開始致しました。
当社発明化合物フルララネルを含む、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社)の製品は外部寄生虫ノミ・マダニ防除用のイヌ・ネコ用経口投与錠剤(ブランド名:BravectoⓇ**)を中心に日本を含め世界100か国で販売しております。また家畜であるニワトリのワクモ(吸血ダニの一種)防除用飲水添加剤「ExzoltⓇ**」は欧州、南米、アジア、アフリカ、中東、更に日本でも「エグゾルトⓇ**」として承認され、その数は70か国を超えました(登録国数は2021年3月現在)。
当事業に係る研究開発費は4,331百万円であります。
*レイミ―:日本農薬株式会社発表のスマートフォン用アプリケーション。当社は他2社と共に参加。
**ブラベクトⓇ、BravectoⓇ、ExzoltⓇならびにエクゾルトⓇは、Intervet International B.V.ならびにIntervet
Inc.の登録商標です。

(4) 医薬品事業
「NIP-022」(血小板増加薬)については、日本およびアジアにおける想定適応症の事業性評価を行った結果、投資回収が不能と判断し、プロジェクトを中止いたしました。
「NTC-801」(不整脈治療薬)については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による革新的医療シーズ実用化研究事業に採択され、共同研究先である大阪大学において遺伝性徐脈性不整脈を対象とした医師主導治験を開始しました。本治験計画および結果をもとに、引き続き提携先を検討してまいります。
継続的な原薬開発機会を獲得する為に、モジュラス㈱(以下、モジュラス)と低分子医薬品に関する戦略的業務提携契約を新たに締結しました。モジュラスは最先端の計算科学を駆使することで、これまで低分子でアプローチが難しかった創薬標的に対する開発候補化合物を短期間に高い精度で創製することに挑戦しています。本提携により、モジュラスの複数の開発化合物について当社の原薬開発・製造技術およびノウハウを提供し、協働してその開発を加速させ、製薬企業に共同導出を目指します。
当社独自の核酸構造を用いた創薬基盤技術につきましては、製薬企業数社との共同研究が順調に進捗しており、2019年の研究開始から2年で一つ目の開発候補化合物の選定ステージに到達しております。今後も提携先の拡大を進めてまいります。一方、ルクサナバイオテク㈱と共に、希少疾患に対する創薬と並行し、高い安全性と有効性を示す核酸医薬品を効率的に創製するためのプラットフォームの構築に取り組んでおります。
ペプチド医薬品原薬の安定的な供給体制の確立を目指し、ペプチドリーム㈱との共同研究により、安価で高品質なペプチド医薬品の製造技術SYNCSOL™を確立いたしました。本技術をペプチスター㈱との協業に活かしていくとともに、医薬品受託製造事業の拡大を図ってまいります。
当事業に係る研究開発費は2,438百万円であります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00759] S100LR7B)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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