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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100L15L (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 日華化学株式会社 研究開発活動 (2020年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。
当連結会計年度は、徹底した新型コロナウイルス感染対策の実施と、デジタルツールの積極的な活用を通して当社グループの研究開発中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)での研究開発活動を維持・高度化することにより、ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出に取り組んでまいりました。また、EHS(E/環境、H/健康、S/安全)への貢献をテーマに掲げ、各分野でのオープン・イノベーションを推進し、早期事業化を目指してまいりました。
さらに、化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となり、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股份有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD. の研究開発部門など、海外子会社の研究開発部門と連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めております。
翌連結会計年度からは、これまでの環境、健康に新たに先端材料を加えた「EHD(E/環境、H/健康、D/先端材料)」を重点領域に位置付け、前中期経営計画でも重視していた「安全」は引き続き各領域で包括しながら、全世界の共通課題であるSDGsの達成に向けて当社の技術力を生かし、より具体的に貢献してまいります。
当連結会計年度における特許登録件数は、国内で17件、海外で10件となりました。特許の譲受、期間満了の他不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の保有する特許登録件数は、国内は8件減少して228件となり、海外は1件増加して95件となりました。
当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。
研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は2,019百万円であります。

(1)化学品事業
当連結会計年度における研究開発費は、1,683百万円となっております。
①Eの領域
当社主力の繊維加工用薬剤では、これまでも有機溶剤を含まず環境と健康により優しい水系ウレタン樹脂やフッ素フリー系撥水剤、常温洗浄が可能で一般的な高温洗浄と比較しCO₂排出量の削減が期待される金属洗浄剤など、業界に先駆けて環境対応に取り組んでまいりました。中でも、ダウ社との粘り強い共同研究の結果、米国R&D World Magazine主催の「2020 R&D100 Award」を受賞したシリコーン系のフッ素フリー繊維用撥水剤ネオシードNR-8800はオープン・イノベーションの実例であり、今後の展開が期待されます。
今後は、非石油ベース・天然由来原料等を活用し、製品そのものの環境対応も進め、CO₂排出量削減に貢献する製品開発に注力し、持続可能な社会と循環型経済の実現に寄与してまいります。
②Hの領域
2020年度に「生活・環境衛生事業開発室」の新設と併せ、プロジェクト体制で手肌にやさしい保湿成分を配合した手指用消毒剤や抗ウイルス効果を見出したニッカノンRBシリーズ、オーリスシリーズを積極展開、更には処方検討を加速するために抗ウイルス試験室を設置いたしました。これにより、多くのお客様との協業が創出されてきており、衛生関連製品の様々な分野への展開を目指し開発、事業化を迅速に推進しているところであります。また、医療分野の洗浄領域の拡張、産学連携により個別化医療に有用な体外診断薬キット開発などの次世代医療への注力により、世界中の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献してまいります。
③Dの領域
近年、フッ素化学品をはじめ先端材料分野にも傾注してまいりましたが、2020年度に「スペシャリティケミカル事業部」が新設された事に伴い、DX・5G通信等での高周波・低誘電率材料など先端材料関連製品の開発を強力に推進しているところであります。子会社の大智化学産業で既に開発、実用化している環境にやさしい水系でリサイクル可能なクーラント剤や、新規開発品として需要増加が見込まれるマスキング剤などの開発スピードを加速し、IoTやAIなど最新技術の活用がますます進行するスマート社会の進展に寄与してまいります。

EHD領域での成功の鍵は、社会課題にマッチした新製品・新ソリューションの提案にあると考えております。さらにスピード感をもって上市していくために今後もパートナー企業、大学等との連携によるオープン・イノベーションを加速させてまいります。その仕掛けの場としてNICを有効に活用していくと共に、さらなる研究開発効率向上に向け、研究開発のデジタル化や、AIを用いたデータ解析ツールなどの導入を行うことで、1人1人の対応力を高めるアプローチで新しい試みに挑戦し、当社グループの技術力のベースを更に押し広げ、社会課題の解決に寄与してまいります。

(2)化粧品事業
当連結会計年度における研究開発費は336百万円となっております。
美容業界は、新型コロナウィルス感染拡大により、来店客数の減少、来店サイクルの長期化、コロナ感染対策による席数減少、美容室での滞在時間短縮による客単価の低下など厳しい市場環境が続いております。緊急事態宣言の解除後は、来客数は回復しつつあるものの、いまだ十分に回復していない状況であります。このような市場環境のもと業界が一体となって、コロナ感染対策を十分に行った上での美容室における来店頻度の向上、スタッフの生産性アップのために高付加価値メニュー創出と店頭販売商品の推進に取り組んでおります。また、美容師の人材不足問題に関しては、生涯美容師育成のためのスタッフ育成教育に業界を挙げて注力しており、代理店も含めて、リクルート&リテインの観点から働き方改革が促進されてきております。
日本においては大人社会の本格的到来、高齢化により、ヘアカラー、パーマの繰り返しによる髪のダメージ、頭皮のトラブル、髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みが年々増加しており、安全、安心に対する意識の高まりと相まって、本物志向の自然派商品、高付加価値商品の店頭販売商品の市場は伸び続けております。
このような状況に対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、美容室におけるヘアカラーの高付加価値商品の開発ならびにヘアケア、スキャルプケアの店頭販売商品の開発にさらに注力しております。
ヘアカラーの分野においては、酸化染料と酸性染料をミックスした当社独自処方を開発し、多彩な色を表現できるヘアカラー「FUSIONIST(フュージョニスト)」(1剤全37アイテム、2剤全2アイテム)ブランドに、更に色と艶を重視するお客様のニーズに対応すべく、1剤全14アイテムを追加いたしました。女性のファッションカラーに対する意識の高まりに対し、さらに付加価値を高めるべく、カラーバリエーションの充実に取り組んでおります。
ヘアケア、スタイリング剤の分野においては、近年の本物志向・安心安全志向の高まりに対応すべく、オイル美容の概念を取り入れた新ブランド「UTAU (ウタウ)」(全14アイテム)を発売いたしました。仕事や子育て、目まぐるしく忙しい日々を送る女性に「ヘルスコンシャス」&「ナチュラルビューティー」を届けるべく、植物由来成分に徹底的にこだわり、作りこまないナチュラルなヘアスタイルとすこやかな艶髪を実現いたしました。「ウタウ」ブランドの強化に向けて、さらに大人女性の髪と頭皮の悩みを解決するために機能性植物成分の探索とそれを生かした商品開発に取り組んでおります。
また、ヘアケア最高峰ブランドである「フローディア」に髪のねじれやゆがみで生じる浮き毛をケアすべく、コントロールライン(全3アイテム)を追加いたしました。フローディア独自技術「バルネイドシステム」に水分コントロール技術を付与することで、浮き毛を抑えてみずみずしい艶髪を実現しました。さらに大人女性の髪と頭皮の悩みを解決するために機能性植物成分の探索とそれを生かした商品開発に取り組んでおります。
新規分野においては、大人の女性が抱える肌の悩みに応えるためにスキンケアに特化した研究開発をおこなっております。基礎研究においては、「すべての人に10代の髪を生やす」という長期ビジョンをかかげ、研究機関や大学との共同研究による毛髪と皮膚の微細構造の解析、毛髪と皮膚のダメージの解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に取り組んでおります。また、サステナブルな社会を実現するために、さらに環境にやさしい製品開発に取り組んでおります。


事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00887] S100L15L)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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