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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LNS1 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 日野自動車株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」ことを使命とし、「技術の継承と革新を続け、より高い技術の開発に取組み、世界の人々から信頼される商品やサービスを提供する」ことを基本理念とし、時代の変化を的確に捉え、社会との調和を図り、安全で環境に優しい商品や質の高いサービスを提供するため、積極的な研究開発活動を行っております。
当社の研究開発は、当社を中心に、子会社をはじめとする関係各社との緊密な連携のもとで推進されております。また、基礎研究分野において、技術研究所を中心として環境、安全、材料などの分野における研究開発に取り組んでおります。
当社は、環境や安全に対する取り組みに加え、耐久性や燃費などの性能の向上、プロダクト・ライフサイクル・
コストの低減など、より良い商品とサービスを世界の人々に提供する為に商品・技術開発を行っております。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(日本)
[最近の新製品]
(1) 大型トラック「日野プロフィア」トラクターシリーズを改良し、安全装備を大幅に拡充して2020年5月1日に
発売しました。
日野は、商用車メーカーの社会的責務として安全技術の開発・普及に取り組んでおり、大型トラックにおいては事故の被害が大きくなりやすい高速道路走行時の対策から、一般道における出会い頭事故等の対策まで、安全装備を拡充してきました。
今回発売した「日野プロフィア」トラクターシリーズは、2019年4月に発売した「日野プロフィア」同様に、サイトアラウンドモニターシステム※1や、ドライバーモニターⅡ※2、ハンズフリー機能付Bluetooth®搭載オーディオ※3を標準装備しました。また、J-OBDⅡ※4に対応したモデルです。
さらに、「日野プロフィア」、「日野プロフィア」トラクターシリーズともに、「タイヤ空気圧モニタリングシステム※5」をオプション設定しています。各タイヤの空気圧を把握することで、稼働を止めない予防整備に役立ちます。

※1 車両左右前端に設置したセンサーが、衝突のおそれがある車両を検知し、警告音とメーター表示で
ドライバーに注意喚起します。
※2 従来から検知していたわき見、瞼の開閉状態に加えて、ドライバーの運転姿勢崩れも認識し、前方不注意
を検知すると警報で知らせます。
※3 ステアリングを握ったままオーディオを操作できます。
※4 Japan On-board diagnosisⅡ。排出ガスに影響を与える部品とセンサーが故障した際に検出、通知、部品
の特定、情報の把握を行う車載式故障診断装置。2020年9月1日より適用となる搭載義務化に対応。
※5 各輪の空気圧や、空気圧低下によるパンクの予兆をマルチインフォメーションに表示し、ドライバーに
知らせます。

(2) 小型トラック「日野デュトロ」を改良し、2020年5月1日に発売しました。
日野は、商用車メーカーの社会的責務として安全技術の開発・普及に取り組んでおり、小型トラックにおいては一般道における交通事故の低減に取り組み、安全装備を拡充してきました。今回の改良では、従来から標準装備しているPCS※6の機能向上により、車両や昼の歩行者だけでなく自転車運転者や夜間の歩行者も検知対象となり、万が一の事故防止に貢献します。

※6 先行車などを検知し、警報ブザーとディスプレイ表示でドライバーに危険を知らせ、衝突回避の支援を
行うシステム。PCS(プリクラッシュセーフティ)は、トヨタ自動車株式会社の登録商標です。

(3) 大型路線バス「日野ブルーリボン」・中型路線バス「日野レインボー」の一部改良と、「日野レインボー」に
AT車を新規追加設定し、2020年7月1日に発売しました。
今回の改良では、「日野ブルーリボン」「日野レインボー」のアイドリングストップに関する仕様変更を行い、燃費性能を向上させました。これにより全車で2015年度重量車燃費基準を達成し、車両総重量14トン超のAT車は新たに+10%、14トン超AMT車は引き続き同基準+15%(自動車重量税 免税、自動車税環境性能割 非課税)となりました。
「日野レインボー」はAT車を新規に追加設定し、イージードライブによって乗務員の疲労軽減に寄与します。


(4) お客様のビジネスを支えるICTサービス「HINO CONNECT」のバージョンアップを2020年7月27日に実施し、安全
意識向上に寄与する「セーフティレポート」の追加、エコツリーレポートの過去データ閲覧機能の強化などを行
いました。
2018年に提供を開始したHINO CONNECTは、車両稼働情報をベースにお客様のビジネスを支援するサービスを提
供することで、お客様の車両1台1台を最適な状態に保つための重要な役割を担っています。


・セーフティレポートの追加
日野独自の項目となる速度域ごとの車間距離や、一般走行・高速走行それぞれでの車速データ・ドライバ
モニター警報の作動状況などをまとめたレポートです。過去1年分のデータをダウンロードして、推移を確認
できるなど、きめ細かな安全運転指導に活用いただけます。

・エコツリーレポートの過去データ閲覧機能を強化
お客様からのご要望が多かった、過去1年分の燃費データの閲覧・ダウンロードが可能になりました。データはExcel形式のため、前年同月比などの集計・分析が容易にできます。また、グリーン経営等の申請書類への
データ記載にも活用いただけます。

今後もトラック・バスのコネクティッド化を進めるとともに、ICTを通じて取得したデータの利活用を加速しま
す。お客様の車両のアップタイム最大化に加えて、自動運転などCASE技術にも対応する総合車両管理ツールを目
指し、継続的にHINO CONNECTを進化させていきます。
また、外部のパートナーやプラットフォームとも協働・連携しながら、さまざまなデータの活用によりさらな
る価値をお客様・社会へ提供していきます。そして、物流・人流にまつわる社会課題の解決に貢献する、商業物
流・人流プラットフォームの構築を進めていきます。

(5) 小型バス「日野リエッセⅡ」を改良し、2021年1月6日に発売しました。
今回の改良では、新たに幼児専用車へPCS、車線逸脱警報、オートマチックハイビームといった安全装備を標準設定しました。これにより全グレードにおいて標準設定となり、幅広いシーンで万が一の事故防止に貢献します。また、今回の改良で全グレードをJ-OBDⅡ※7に適合させています。

※7 2021年9月1日より適用となる車載式故障診断装置搭載の義務化に対応。

(6) 小型トラック「日野デュトロ」を改良し、2021年3月25日に発売しました。
今回の改良では、車内外のミラーとリヤバンパーの形状を一部変更し安全性が向上したほか、車両総重量7.5t未満車をJ-OBDⅡ※8に適合させています※9。また、エンジンの統合によって車両総重量7.5超の一部車型で燃費が向上し、CO2排出量の低減に貢献します。

※8 2021年9月1日より適用となる車載式故障診断装置搭載の義務化に対応。
※9 車両総重量7.5超車は2019年の改良で対応済み。

[最近の主な成果]
(1) 日野が会員である一般社団法人日本自動車工業会は、大型車メーカー4社※10(以下、大型4社)で構成する
大型車特別委員会の活動を通じ、物流の効率化や社会課題となっている事業用自動車のドライバー不足への対応・
ドライバーの働き方改革等に向けて、トラックの隊列走行等の取り組みを官民一体となって進めています。
政府が現在掲げている、トラック隊列走行の実現に向けた「隊列走行システムの早期の商業化を進めるため、これに先立ち、2021年までにより実用的な後続車有人隊列走行システムの商業化を目指す※11」という目標に対しては、大型4社は定速走行・車間距離制御装置(ACC)※12に車線維持支援装置(LKA)※13を組み合わせた技術により対応してまいります。


隊列走行とは、技術総称ではなく走行形態の1つです。実用段階において、異なる物流事業者間で、異なる
メーカーの、異なる仕様の車両が隊列を組んで走行することができるよう、大型4社は協調技術の開発を進めてきました。異なるメーカーの車両と隊列を組んで安心安全な運行を行うには、前走車にあわせて後続車が違和感なく加速・制動できることが必要となります。
大型4社は、2017年度より政府による高速道路におけるトラック隊列走行の実証事業等に積極的に参画し、各社の技術開発および必要な協調技術の確立に取り組んでいます。また、実際に隊列走行を行う物流事業者との意見交換を通じて、隊列走行への理解を深めていただく活動も進めています。政府に対しても、ドライバー不足等の社会課題への対応のあり方や自動運転技術も含め、安全確保のためのインフラ支援策等を積極的に働きかけています。


関係各所によるさまざまな取り組みが進行中である現状においては、隊列走行に対し安全の確保を最優先事項としつつ、また物流事業者や高速道路を利用する一般のドライバーの方々の理解など、社会的な受容性を高めていくことが不可欠です。同時に、実用化に向けては技術レベルに応じた段階的かつ着実な取り組みが何よりも重要であると考えています。
そのために、大型4社は「2021年までにより実用的な後続車有人隊列走行システムの商業化を目指す」との政府目標に対して、共同で行った実証実験にて得られた知見に基づく技術を反映したACCとLKAを装着した商品展開を行っていくこととしました。


ACCとLKAによる後続車有人システムの商品化を通じて、今後も社会および物流事業者からご意見をいただくとともに、政府との継続した論議を通じたインフラ支援や制度整備の進捗とあわせて、ACCを進化させた協調型車間距離維持支援システム(CACC)※14の開発も含め、さらに利便性を高めた自動化の実現に向けて必要な協調技術の積み上げに取り組んでまいります。
大型4社は、今後ますます複雑・深刻化するであろう社会課題についても連携して取り組み、"人と物の自由で安全な移動の確保"に向け積極的に貢献してまいります。

※10 いすゞ自動車株式会社、三菱ふそうトラック・バス株式会社、UDトラックス株式会社、
日野自動車株式会社。
※11 「未来投資戦略2018」ならびに「官民ITS構想・ロードマップ2020」。
※12 Adaptive Cruise Control。前走車と自車の距離を自車の機器で計測・算出し、一定に保つ機能。
※13 Lane Keep Assist。カメラで白線を認識してステアリング制御を行い、車線内の走行を支援する機能。
※14 Cooperative Adaptive Cruise Control。前走車との距離を一定に保つことに加え、通信で前走車の
加減速情報を受信し、それに基づき自車の加減速を制御し、車間距離をさらに安定的に維持する機能。

(2) トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)の北米事業体であるToyota Motor North America, Inc.と、日野の米国
における販売子会社の日野モータース セールス U.S.A.、生産子会社の日野モータース マニュファクチュアリングU.S.Aは、大型電動トラックへの関心の高まりを受け、北米向けに、燃料電池で走行する大型トラックの開発に共同で取り組んでいます。
日野が北米で投入している新型HINO XLシリーズのシャシーをベースに、トヨタの燃料電池技術を組み合わせ、
CO2を排出せずに走行する高性能な大型トラックを開発します。今後、2021年の前半に試作車両を開発し、評価を進めていきます。本取り組みは、2021年3月に発表した日本国内向け燃料電池大型トラックの共同開発をさらに発展させるものです。


(3) 株式会社大林組(以下、大林組)と日野は、建設業における現場作業員の高齢化や就労人口の減少による労働力
不足、夜間や単調作業の生産性向上などの課題解決に向け、大型ダンプトラックによる自動運転(レベル4相当)
※15の実証実験を実際のダム建設現場である川上ダム(三重県伊賀市)で、2020年11月1日から1ヵ月半実施しま
した。

日野は、建設業を含むお客様のビジネス課題の解決に向け、車両の自動化などのCASE※16を活用し、お客様起点のソリューションの実現を目指しています。
大林組は、省人化や生産性向上といった課題を解決すべく、建機の自動化や自動建機群を一元管理するプラットフォームの構築をめざし、建設現場のロボティクスコンストラクション※17を推進しています。
両社は、こうした社会課題の解決を加速するために、互いの知見を合わせ、大型ダンプトラックの自動運転の実用化に向けて取り組んでいます。
今回の実証実験では、夜間の建設現場で稼働する現場内の搬送ダンプに、自動運転車を1台導入しました。有人ダンプと自動運転車が混在した交通下における運行への影響や全車自動運転車だけでの運用を検討するとともに、建設現場の自動化に向けて建機連携を念頭に置き、データを取得することを主な目的として取り組みました。


本実証で使用した自動運転車は、ベース車両である大型トラック「日野プロフィア」に自動運転技術を搭載し、約1.3kmを最高30km/hで走行します。車両の走行位置や経路は、GNSSデータ※18、カメラ、LiDAR※19で把握し、前走車がいる場合は全車速ACCで安全な車間距離を保ち、人および障害物を検知すると停止します。本実証では安全を最優先に、想定外の事象に備えてシステム監視者が乗車しました。


日々採取先が変わるコンクリート骨材ヤードの位置に応じて設定します。狭いカーブや悪路、急勾配も含み、
有人ダンプと混在した現実的な環境下での実証実験を実施しました。
本実証の結果を踏まえ、今後は荷積み・運搬・荷降ろしまで一貫したオペレーションや、複数台の自動運転車
を活用した現場における運用の新たな構築をめざし、開発や導入に向けた実証を検討していきます。

※15 限定領域内の無人走行を想定した自動運転。
※16 C=Connected(コネクティッド・接続性)、A=Autonomous(自動運転)、S=Shared(シェアード・
共有)、E=Electric(電動化)の頭文字からとった造語。新しい領域で技術革新、自動車業界を取り巻
く変革の動き(トレンド)のこと。
※17 BIM・CIMなどの技術を用いて現実空間とバーチャル空間を結び、建設プロセスを高度化させる概念で、
施工においては遠隔化・自動化を活用し現場の完全無人化をめざす。
※18 Global Navigation Satellite System。GPSなどの全地球衛星測位システム。
※19 ライダー、Single Photon Avalanche Diode Light Detection And Ranging。周辺環境の立体的な様子を
捉える技術や機器。

以上、当連結会計年度の「日本」セグメントの研究開発費の総額は、51,358百万円であります。

(アジア)
該当事項はありません。

(その他)
該当事項はありません。

事業等のリスク株式の総数等


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