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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LSB3 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 明治ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当連結会計年度の研究開発費の総額は31,404百万円であります。
当連結会計年度における研究開発活動に関し、新たに取り組んだ事項及び変更事項は次のとおりであります。

(1) 食品
当連結会計年度における研究開発活動の金額は、13,148百万円であります。

① 発酵デイリー
「TANPACT」ブランドとして、「カフェオレ(200ml)」、「ミルク(200ml)」、「カフェラテ(430ml)」を2020年春に発売しました。各商品ともにミルクプロテインを1本あたり10g配合しており、様々なシーンで手軽においしくたんぱく質を摂取できる乳飲料です。
宅配部門では、2020年春から「ミルクで元気(180ml)」のビタミンD含量を10μgから25μgに増量し、骨の健康維持のためにカルシウムを効率的に利用できる栄養設計へリニューアルしました。また、2020年10月に「軽快グルコサミン」と「うるおうコラーゲン」の栄養価値を統合した「グルコサミン1500&コラーゲン3000(100ml)」を発売しました。
「明治プロビオヨーグルトR-1」ブランドでは、白物ドリンクのラインナップ強化を図るため、継続阻害要因である“砂糖”、“甘さ”を低減した「砂糖不使用甘さひかえめ(112ml)」を2020年9月に発売しました。また、同時期にユーザー満足度の向上を図るため、食べるタイプ「R-1低脂肪(112g)」をコクが感じられる中身に風味改良しました。さらに大容量「プレーン(336g)」のまろやかさをアップして2021年4月に発売する予定です。
ヨーグルトカテゴリーでは、乳素材のそのままのおいしさを味わえるのむヨーグルト「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン 乳素材だけ/無添加」を700gの新容量で2020年10月に発売しました。本商品は、液状タイプのプレーンヨーグルトで、砂糖、甘味料、香料、安定剤を使用せず、生乳由来の乳素材だけで仕上げました。また、同時期にチーズの旨味とヨーグルトのヘルシーさを併せ持つ「明治QUARK(クワルク) フレッシュチーズ(100g)」、「同 フレッシュチーズ&ハーブソルト(90g)」、「同 フレッシュチーズ&トマトバジル(90g)」を発売しました。クワルクは、ドイツでは食事の1品としても食されており、新たな食文化・食シーンの創造を図ります。
2021年3月には、プレーンヨーグルトをもっと手軽に、もっと楽しむための新たな提案として、「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーンplus(70g×2)」4品(いちご/はちみつ/アロエ/白桃)を発売しました。2021年4月には、「明治北海道十勝ヨーグルト78g×4」をリステージし、酸味が少なく、乳の味わいを引き立てる“十勝ミルク乳酸菌TM96”を使用した「明治北海道十勝ミルクきわだつヨーグルト(78g×4)」を発売する予定です。

② 加工食品
拡大を続けるフレッシュモッツァレラチーズ市場に向けて「明治北海道十勝生モッツァレラ(100g)」を2020年9月に発売しました。“ミルクの豊かなコクを感じる生モッツァレラ”をコンセプトに、チーズの湯もみ工程にこだわりました(特許出願中)。カプレーゼはもちろんのこと、シンプルに“そのまま”でも美味しくお召し上がりいただけます。
フローズンデザートでは、「明治エッセル スーパーカップ」、「明治エッセル スイーツ」シリーズに2020年6月より賞味期限設定を開始しました。アイスのおいしさと、お客様からの安全性に対する期待に応える商品開発を行っていきます。健康訴求アイスの拡大に向け、「明治オリゴスマート やさしい抹茶」を発売し、ロカボ糖質表示で更なる商品力強化とラインナップ拡大を実施しました。また、「明治TANPACT」ブランドとして上期に「レモンヨーグルト味」、下期に「ホワイトチョコレート」をそれぞれ発売しました。健康基軸ブランドとして育成を図っていきます。
クリームでは、昨年調理用クリームとして発売した「ラクタージュ」に耐酸性を付与し、調理に幅広く使いやすいクリームとしてリニューアルしました。また、酸性ゼリーに使用可能なクリームにて、使用する植物油脂をトランス脂肪酸フリー油脂に変更するリニューアルを実施しました。
ソフトクリームミックスでは、主にファミリーレストランのデザートに使用されるソフトクリームミックスについて、生乳本来の風味を強化するリニューアルを実施しました。
デイリーファットでは、バターのコクのあるおいしさとガーリック風味が楽しめる簡単便利なチューブタイプのスプレッド「明治チューブでバター1/3 ガーリック」を2021年3月に発売しました。
冷凍食品の新商品として、「明治北海道十勝カマンベールチーズ」が1トレーで1ピース(15g)入って“とろ~り”とした食感とピラフの粒感が楽しめる、電子レンジ調理可能な「カマンベールリゾット」を2020年11月に発売しました。また、濃厚ソース、味付けご飯およびトッピング具材が満足感のあるボリュームで、電子レンジ調理可能な「満足丼 濃厚親子丼」および「同 濃厚チーズカレー」をそれぞれ2021年春に発売し、好評を得ております。
また、チルド食品カテゴリーでは2020年秋に濃厚な旨みが特徴のDailyRich「オマールエビのビスク」をスープシリーズの新メニューとして発売しました。2021年春には普段より少し贅沢な気持ちを味わえる新ブランド「銀座カリースペシャリテ」を新設し、とろ~りモッツァレラが美味しい「濃厚チーズカリー」と和牛オイルで上質な甘い香りが楽しめる「濃厚ビーフカリー」の2品を発売しました。また、同時に銀座定番シリーズからはインド料理で人気のメニュー、バターチキンカレーと洋食の技を融合した「銀座バターチキン」を発売し、好評を頂いております。

③ 菓子
「チョコレート効果 素焼きアーモンド」、「同 コク深素材マカダミア」をナッツの食感とカカオ分72%の上質な苦味の組み合わせを楽しめる品質で2021年2月に発売し、高カカオ、ポリフェノール訴求展開の強化に繋げました。
「オリゴスマート マイルドビターチョコレート」をカカオ分52%で甘さを控えた品質で2020年4月に、たっぷりミルクの「オリゴスマート リッチミルクチョコレート」を2020年10月に、さらに、使用する砂糖を全てオリゴ糖におきかえた「オリゴスマート SUPER」を2021年2月に発売しました。砂糖のネガティブイメージが強いチョコレートに糖として吸収されないフラクトオリゴ糖を積極的に活用し、チョコレートのギルトフリー化を推進しました。
「明治TANPACT(タンパクト) ミルクチョコレート」を発売し、さまざまなシーンでたんぱく質の摂取を可能としました。
「ザ・チョコレート」は特徴的なカカオの香りが楽しめる商品としてカカオの産地を訴求、当社独自のリッチアロマ製法を本格導入し香り高い本格チョコレートとして、ダーク4品を2020年9月、ミルク2品を2021年1月に規格変更発売しました。「メキシコホワイトカカオ」及び発酵・ロースト違いの香味が楽しめる商品を2021年サロン・デュ・ショコラ東京および一部百貨店、通販サイトにて限定品として発売しました。「ザ・チョコレート」ブランドはメイジ・カカオ・サポートを通じてカカオ産地への生産、生活サポートを行い、持続可能なカカオ豆だけを活用して差別化の推進を継続しています。
キノコブランドより、「きのこの山のこ」を発売しました。通常サイズのきのこの山からワンサイズダウンし、プレッツェル製法で作成したビスケットと組み合わせることで、食べやすく、特徴的な食感が楽しめる設計としました。
ブランド25周年を迎える「ガルボ」シリーズ全体をリニューアルしました。独特食感が人気の全シリーズをさらにおいしく仕上げ、2021年3月に発売しました。
新感覚のリフレッシュメントミントとして「瞬間清涼 アクアミント」、「同 ライムミント」の2商品を発売しました。噛んだ瞬間にお口いっぱいに清涼感が広がり、スッキリ感も長続きします。さらに眠気もスッキリさせたい方のために強力な刺激で目が覚める「同 ストロングミント」もラインナップに追加し、3品体制で発売しています。

④ 栄養
「ザバス」シリーズでは、2020年8月に引き締まったカラダづくりをサポートする「ザバス ソイプロテイン100 ココア味 トライアルタイプ/11食分/45食分/100食分」、「同 ミルクティー風味 11食分/45食分」、「ザバス フォーウーマン シェイプ&ビューティ ミルクティー風味 12食分/45食分」と、アスリートのウェイトコントロールをサポートする「ザバス アスリート ウェイトアップ バナナ風味 20食分/60食分」、「ザバス アスリート ウェイトダウン ヨーグルト風味 16食分/45食分」、「同 チョコレート風味 16食分/45食分」をリニューアル発売しました。2019年秋より稼働を開始した倉敷工場で、独自の造粒技術“均質顆粒化製法”を活用した、溶けやすくダマになりにくい品質を追求しています。また、アスリートや部活生の食事調査結果に基づき、カラダづくりに必要なビタミンを独自の設計で配合しています。
2021年2月にはスッキリしたクリアな飲みやすさを追求した「ザバス アクア ホエイプロテイン100 グレープフルーツ風味 トライアルタイプ/14食分/40食分/90食分」、スポーツジュニアのカラダづくりをサポートする「ザバス ジュニアプロテイン ココア味15食分/60食分」、「同 マスカット風味12食分/50食分」、競技に挑むアスリートの目的別に設計された「ザバス アスリート ホエイジョイント ココア味18食分/45食分」、「ザバス アスリート ホエイメンテ バニラ味18食分/45食分」、純度の高いホエイ原料であるホエイプロテインアイソレート(WPI)を使用したトップアスリート向けの「ザバス プロ WPIハイパワー バニラ味40食分」、「ザバス プロ WPIクリア 40食分」、「ザバス プロ WPIリカバリー グレープフルーツ風味 34食分」をリニューアル発売しました。
「VAAM」シリーズでは、21年3月よりカラダを動かすときの脂肪の代謝を高める“独自アミノ酸ミックス”を新たに配合し、カラダを動かす人の“体脂肪低減”をサポートするブランドへ大幅リニューアルを実施しました。“独自アミノ酸ミックス”とは、3つのアミノ酸(ARFアミノ酸:アラニン、アルギニン、フェニルアラニン)で構成され、運動などカラダを動かすことによる脂肪の代謝をさらに促進するアミノ酸です。ARFアミノ酸を用いた臨床試験では、腹部の体脂肪低減の効果を確認し、脂質代謝促進剤として特許を取得しています。健康的なカラダの維持、予防、改善などを意識し、無理なく自分の理想のカラダを目指す方に向けた「ヴァームスマートフィットウォーター レモン風味(500ml)」、「同 アップル風味」、「ヴァームスマートフィットゼリー(180g)」、「ヴァームスマートフィット顆粒10袋入(3.3g×10)」、「ヴァームスマートフィットウォーターパウダー レモン風味20袋入(5.7g×20)」を発売しました。このシリーズは、消費者庁に届け出を行った機能性表示食品です。
また、アクティブな日常生活で体脂肪を減らしたい女性向けのシリーズとして、「ヴァームスマートフィットフォーウーマンパウダー16袋入(4.0g×16)」、「ヴァームスマートフィットフォーウーマンゼリー(180g)」を発売しました。
日頃からハードなトレーニングをしている方向けのシリーズとして、「ヴァームアスリート(200ml)」、「同 6本パック(200ml×6)」、「ヴァームアスリートゼリー(180g)」、「ヴァームアスリートパウダー12袋入(10.5g×12)」、「ヴァームアスリート 顆粒パイナップル風味 10袋入(4.7g×10)」、「同 30袋入(4.7g×30)」、「同 栄養ドリンク風味 10袋入(4.7g×10)」を発売しました。
RTDタイプでは、「ザバスプロテインミルク脂肪ゼロ」シリーズ(200ml、430ml、860ml)の全商品について、2020年春からコンセプトをさらに追求した運動後に飲みやすい風味へリニューアルしました。加えて、運動する女性に向けた「(ザバス)for Woman」シリーズ(200ml)として「ストロベリー風味」、「+SOY ミルクティー風味」の2品を発売しました。運動する女性のカラダづくりに有効なミルクプロテインを12.5g配合し、カラダづくりに必要な3種のビタミンB群(B6、B12、葉酸)と鉄分を半日分配合した、運動後でもすっきり飲みやすい乳飲料です。
「アミノコラーゲン」シリーズでは、吸収されやすい「低分子化フィッシュコラーゲン」を、1食(7g)当たり5,000mg配合した初の抹茶フレーバー「アミノコラーゲン抹茶風味(98g)」を2020年6月に発売しました。
2020年9月には、美容に関心が高い男性に向けて、当シリーズ“初”の男性向け商品「アミノコラーゲンMEN(98g)」を発売しました。「低分子化フィッシュコラーゲン」を、1食(7g)当たり5,000mg配合し、若々しく、健康的な見た目を望む男性向けにアミノ酸、亜鉛、ビタミンCなどを配合しています。
「即攻元気」シリーズでは、「即攻元気ゼリー 11種のビタミン&4種のミネラル」がスッキリとしたおいしさになって生まれ変わりました。ぶどう味に続き、柑橘味を発売し、不足しがちで身体の調子を整えるために必要な11種のビタミンと4種のミネラル(亜鉛、鉄、銅、セレン)をおいしく手軽に摂取できます。
また同シリーズでは初のブリック飲料(200ml)として、「アミノ酸&ローヤルゼリー 栄養エナジー風味」、「クエン酸&ローヤルゼリー レモンエナジー風味」、「11種のビタミン&3種のミネラル オレンジエナジー風味」を2020年9月に発売しました。
流動食部門では、医療現場で使用される「メイフロー」シリーズとして「メイフローRHP 500K」(熱量500kcal/袋)を新たに発売しました。メイフローRHPは、加水タイプであることから患者様へ水分を投与する手間が省け、適度な粘性を有するため流速の調節が不要であり、使用時の簡便性が高いこと、また投与時に胃内で半固形化しゲルを形成して食道への逆流を防止することから、看護師や介護士の人材が不足している医療現場から高い評価を得ており、現在の300K、400Kに加えて新たに500Kをラインナップに追加しました。
また、流動食市場でNo.1シェアを獲得している「メイバランス」ブランドにて培ってきた精緻な栄養設計をおいしい発酵乳と組み合わせた、宅配専用「明治メイバランスのむヨーグルト」(壜100ml)を新発売しました。加齢による食事量の減少やコロナ禍における外出自粛によるフレイルリスクの高まりを受け、“栄養素をバランス良く、おいしく摂りたい”というシニア層の未充足ニーズに応え得る、宅配商品ならではの価値を有する商品です。

(2) 医薬品
当連結会計年度における研究開発活動の金額は、17,690百万円であります。

Meiji Seika ファルマ株式会社グループにおきましては、医療用医薬品における感染症、中枢神経系領域でのスペシャリティファルマを目指すとともに、血液がん等新領域、ジェネリック医薬品、農薬、動物薬等にも注力し、積極的な研究開発活動を行っております。
具体的な開発品目の進捗状況は、以下のとおりです。
がん治療薬「HBI-8000(ツシジノスタット)」は、提携先であるHUYA Bioscience社の子会社Huya Japan合同会社が、日本において再発・難治の成人T細胞白血病/リンパ腫を適応症として、2020年9月に製造販売承認を申請しました。
慢性移植片対宿主病(慢性GVHD)治療薬の「ME3208」は、国内にて臨床第一相試験を開始しました。
β-ラクタマーゼ阻害薬「OP0595(Nacubactam)」は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(略称AMED)による「医療研究開発革新基盤創成事業(略称CiCLE)」に採択されており、国内の臨床第一相試験を完了し、次相試験を準備中です。
抗体医薬品であるウステキヌマブ製剤(遺伝子組換え)のバイオ後続品である「DMB-3115」は、先発品との生物学的同等性を検証する臨床第一相試験を欧州で実施中です。
2016年5月に発売した統合失調症治療薬「シクレスト®舌下錠」については、医療への科学的側面からの貢献を目指して、メディカル統括部を中心に、抗精神病薬の適正使用に関するエビデンス創出に取り組んでいます。
抗悪性腫瘍剤 「ダウノマイシン®静注用20mg」 については、2020年2月に急性白血病の標準療法に合わせた用法・用量一部変更承認を取得しました。
生物産業事業分野におきまして、農薬事業では、新規農業用殺虫剤「ME5343(Afidopyropen)」は、導出先のBASF社(ドイツ)のインド、米国、中国等での販売が堅調に推移し、さらにアジア、南米等での農薬登録の取得を進めております。新規農業用殺菌剤「ME5223(Fenpicoxamid)」は導出先のコルテバ社(アメリカ)が中南米でバナナ向け、欧州で麦類向けに販売を開始し、さらに欧州各国での農薬登録の取得を進めております。新規農業用殺虫剤「ME5382(Flupyrimin)」につきましては、国内販売を開始し、インドでUPL社が水稲分野で開発を進めるとともに、UPL社とは種子処理分野での開発商業化契約を締結いたしました。非選択性除草剤「グルホシネート-P」につきましては、米国で農薬登録申請を行いました。また、主力のいもち病防除剤「オリゼメート」および「ME5382(Flupyrimin)」につきましては、国内における新たな水稲栽培技術である密播・密苗栽培および側条処理への対応を進めています。
動物薬事業では、牛用抗菌剤「マルボシル」については2019年11月に効能追加の承認取得済みです。牛用抗菌剤「フロルガン」は、農林水産省と食品安全委員会の審査が終了し、2020年4月に承認を取得しました。豚用ワクチン「エコポークシガ」は、農林水産省での審査が終了し、2020年7月に承認取得済みです。
魚用駆虫剤「マリンバンテル」は、農林水産省での審査が終了し、2021年4月に効能追加の承認を取得しました。
牛豚用抗菌剤「ME4137」は、牛で2019年9月に、豚で2019年12月に臨床試験を終了し、現在農林水産省で審議中です。畜産用飼料添加物「ME4406」は、医薬品開発の臨床試験に該当する鶏の野外応用試験を2019年3月に終了しました。豚については、コロナ禍の影響を受け、再試験に向け準備中です。

なお、研究所については以下の4研究所体制となっております。

医薬研究所 :免疫炎症、がん及び感染症領域を中心とした創薬研究(医薬品候補創出のための薬理・薬物動態・安全性評価)、導入品を含む開発品の開発研究(有効性、薬物動態及び安全性評価)、既存品の付加価値情報の創出
製薬技術研究所 :医薬候補品創出のためのリード化合物の探索及び化学構造の最適化、新薬・LCMにおける原薬の合成プロセス確立と製剤の設計・改良検討及び製剤製法確立、原薬・製剤の物性、安定性評価と規格試験法確立、治験薬(原薬、製剤)製造と製法スケールアップ・技術移管、製剤の包装設計と原価低減
バイオサイエンス研究所 :抗体医薬を中心とした創薬研究、バイオ後続品の研究開発、生産品目・次期生産導入品目の生産菌株育種及び培養・精製技術の確立、品質向上・コスト低減による工場支援並びにバイオ資源を活用した医薬品・農動薬・酵素・ジェネリック原料の新製品創出
生物産業研究所 :新規農薬・動物薬の創出と新製剤開発、既存品評価、販売支援業務

KMバイオロジクス株式会社におきましては、ヒト用ワクチン、動物用ワクチン、血漿分画製剤の研究開発から製造販売まで行う体制を持ち、また新生児のマススクリーニングなどを行う新生児スクリーニングセンターを保有しております。
同社においては、ヒト用ワクチン、動物用ワクチンならびに血漿分画製剤の3領域の研究開発を行っており、それぞれの領域における具体的な開発品目の進捗状況は、以下のとおりです。
ヒト用ワクチンにつきましては、新型コロナウイルスに対するワクチンについて「新型コロナ不活化ワクチン(KD-414)」として、国立感染症研究所、東京大学医科学研究所及び医薬基盤・健康・栄養研究所と協業し2020年5月より開発を開始しており、厚生労働省や日本医療研究開発機構(AMED)からの助成金により研究開発および生産体制整備を推進しております。現在の開発状況は、動物での評価を完了し、本年3月に第Ⅰ相/第Ⅱ相臨床試験を開始しました。他には「デング熱ワクチン(KD-382)」は、2018年8月よりオーストラリアで実施していた臨床第一相試験は完了し、健康な成人に対して良好な安全性および免疫原性が確認できました。現在、第Ⅱ相臨床試験の準備を進めています。「小児用5種混合ワクチン(KD-370)」は、国内臨床第Ⅲ相試験は本年2月に完了し、製造販売承認申請に向けて準備中です。
血漿分画製剤につきましては、血友病バイパス製剤であるバイクロットについて、現在の適応外である定期療法の適応を取得するための適応拡大試験(KD2-305)を2019年8月より実施中です。また、提携先と共同で静注用人免疫グロブリン製剤であるベニロンについて、「顕微鏡的多発血管炎における神経障害の改善(ステロイド剤が効果不十分な場合に限る)」(KD-371)の適応拡大のための第Ⅲ相試験を完了したところです。
動物用ワクチンにつきましては、豚用ワクチン「KD-377」は2020年12月に製造販売承認を取得しました。同じく豚用ワクチンである「KD-386」および「KD-395」の計2品目は農林水産省に製造販売承認申請中です。

(3) その他
上記報告セグメントの他に、新たな健康価値、即ち、健康寿命の延伸につながる独自価値の創造を目指して、2019年4月に当社に価値共創センターが設立されました。
価値共創センターでは、発足以来オープンイノベーションを積極的に推進し、明治グループの次の10年、20年の成長を支える人材と新技術の開発に注力しております。設立後2年が経過し、明治グループ内の食品セグメントや医薬品セグメントの保有する技術・経験の融合や各事業会社の研究員の人的交流の場として、研究活動も一段と活発になってきているところです。最先端の研究に触れながら、知識や技術の導入を図り、「老化」や「食事療法」、「マイクロバイオーム(腸内細菌叢)」の研究を進めております。複数のアカデミアとの共同研究や各種コンソーシアムに参画し、臨床試験において有望な食事療法が確認されるなど成果が出つつあります。
明治グループの強みである食品と医薬品の知見を活用し、高齢化社会が直面する課題を解決するソリューションを提供することで、「健康・予防領域」においてこれまでの研究成果を社会に還元していきたいと考えております。
なお、当連結会計年度における研究開発活動の金額は 565百万円であります。

事業等のリスク株式の総数等


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