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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100577O

有価証券報告書抜粋 本田技研工業株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2015年3月期)


研究開発活動メニュー株式の総数等


この財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えた事象や要因を経営者の立場から分析し、説明したものです。
なお、この財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2015年6月26日)現在において判断したものであり、リスクと不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。

(1) 経営成績の分析

当社グループを取り巻く環境
当連結会計年度の当社グループをとりまく経済環境は、米国では、雇用情勢の改善、住宅投資や個人消費の堅調な推移などにより、景気は緩やかに回復しました。欧州においては、雇用情勢の緩やかな改善などにより、景気は持ち直しの動きとなりました。アジアの景気においては、インドでは、持ち直しの動きがみられましたが、中国では、拡大テンポが緩やかに、インドネシアでは、拡大テンポが鈍化、タイでは、弱い動きとなりました。日本では、雇用情勢に改善がみられるものの、個人消費に弱さがみられることなどにより、景気は弱い動きとなりました。

当社グループの業績
このようななか、当連結会計年度の連結売上収益は、二輪事業の売上収益の増加や為替換算による売上収益の増加影響などにより、前連結会計年度にくらべ増収となりました。営業利益は、コストダウン効果や為替影響などはあったものの、品質関連費用を含む販売費及び一般管理費の増加などにより、減益となりました。

二輪事業の概要
当連結会計年度の連結売上台数は、インドやベトナムなどで販売が増加し、1,072万5千台と前連結会計年度にくらべ3.8%の増加となりました。

四輪事業の概要
当連結会計年度の連結売上台数は、新車投入効果などによりインドネシアやインドなどで増加したものの、市場環境が厳しい日本やタイなどで減少したことにより、351万3千台と前連結会計年度にくらべ0.5%の減少となりました。

汎用パワープロダクツ事業及びその他の事業の概要
当連結会計年度の汎用パワープロダクツ事業の連結売上台数は、アジア地域などで販売が減少したことにより、598万3千台と前連結会計年度にくらべ0.6%の減少となりました。


(当連結会計年度の連結業績の概況)

売上収益
当連結会計年度の連結売上収益は、二輪事業の売上収益の増加や為替換算による売上収益の増加影響などにより、13兆3,280億円と前連結会計年度にくらべ8,220億円、6.6%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約673億円、約0.5%の増収と試算されます。

営業費用
営業費用は、12兆6,574億円と前連結会計年度にくらべ9,752億円、8.3%の増加となりました。売上原価は、二輪事業の連結売上台数の増加に伴う費用の増加や為替影響などにより、10兆3,307億円と前連結会計年度にくらべ7,402億円、7.7%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、品質関連費用の増加などにより、1兆7,205億円と前連結会計年度にくらべ2,272億円、15.2%の増加となりました。品質関連費用には、エアバッグインフレーターに関連する費用などが含まれています。研究開発費は、6,061億円と前連結会計年度にくらべ77億円、1.3%の増加となりました。

営業利益
営業利益は、コストダウン効果や為替影響などはあったものの、品質関連費用を含む販売費及び一般管理費の増加などにより、6,706億円と前連結会計年度にくらべ1,532億円、18.6%の減益となりました。なお、為替影響約805億円の増益要因を除くと、約2,337億円の減益と試算されます。

ここで記載されている変動要因の各項目については、当社が現在合理的であると判断する分類および分析方法に基づいています。なお、一部の分析項目において、当社および主要な連結子会社を対象に分析しています。「為替影響」については、海外連結子会社の財務諸表の円換算時に生じる「為替換算差」と外貨建取引から生じる「実質為替影響」について分析しています。なお、「実質為替影響」については、米ドル、ユーロなどの取引通貨の、対円および各通貨間における為替影響について分析しています。


税引前利益
税引前利益は、8,062億円と前連結会計年度にくらべ1,276億円、13.7%の減益となりました。営業利益の減少を除く要因は、以下のとおりです。
持分法による投資利益は、一部の市場性のある関連会社に対する投資について減損損失を計上したことや、アジア地域の持分法適用会社における減収に伴う利益の減少などにより、348億円の減益要因となりました。
金融収益及び金融費用は、為替差損益の影響などにより、604億円の増益要因となりました。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「22 金融収益及び金融費用」を参照ください。

法人所得税費用
法人所得税費用は、2,451億円と前連結会計年度にくらべ228億円、8.5%の減少となりました。また、当連結会計年度の平均実際負担税率は、前連結会計年度より1.7ポイント高い30.4%となりました。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「23 法人所得税 (1) 法人所得税費用」を参照ください。

当期利益
当期利益は、5,610億円と前連結会計年度にくらべ1,048億円、15.7%の減益となりました。

親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、5,094億円と前連結会計年度にくらべ1,152億円、18.5%の減益となりました。

非支配持分に帰属する当期利益
非支配持分に帰属する当期利益は、主にアジア地域の非支配持分を持つ子会社の当期利益が増加したことなどにより、516億円と前連結会計年度にくらべ104億円、25.4%の増益となりました。


(二輪事業)
連結売上台数は、アジア地域で増加したことなどにより、1,072万5千台と前連結会計年度にくらべ3.8%の増加となりました。二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加や為替換算による売上収益の増加影響などにより、1兆8,466億円と前連結会計年度にくらべ1,574億円、9.3%の増収となりました。なお、販売価格の変動が売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約708億円、約4.2%の増収と試算されます。
営業費用は、1兆6,545億円と前連結会計年度にくらべ1,421億円、9.4%の増加となりました。売上原価は、連結売上台数の増加に伴う費用の増加や為替影響などにより、1兆3,428億円と前連結会計年度にくらべ1,144億円、9.3%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、連結売上台数の増加に伴う販売費の増加や為替影響などにより、2,338億円と前連結会計年度にくらべ203億円、9.5%の増加となりました。研究開発費は、777億円と前連結会計年度にくらべ73億円、10.5%の増加となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の増加などはあったものの、増収に伴う利益の増加や為替影響などにより、1,921億円と前連結会計年度にくらべ152億円、8.6%の増益となりました。

日本
日本の2014年度二輪車総需要(注)は、約42万台と前年度にくらべ約12%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、50cc原付スクーター「TACT(タクト)」の投入効果などはあったものの、その他のスクーターモデルの減少などにより、19万9千台と前連結会計年度にくらべ、11.9%の減少となりました。

(注) 出典:JAMA(日本自動車工業会)

北米
主要市場である米国の2014年(暦年)二輪車・ATV総需要(注)は、約71万台と前年にくらべ約3%の増加となりました。
当連結会計年度の北米地域の連結売上台数は、主に米国において、「GROM(グロム)」の好調な販売の推移、「CBR650F」、「CB300」、「CBR300」の投入効果などにより、28万6千台と前連結会計年度にくらべ2.9%の増加となりました。

(注) 出典:MIC(米国二輪車工業会)


欧州
欧州の2014年(暦年)二輪車総需要(注)は、約74万台と前年にくらべ約7%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「CB650F」、「CBR650F」の投入効果や「NC」シリーズのフルモデルチェンジ効果などにより、19万1千台と前連結会計年度にくらべ15.1%の増加となりました。

(注) 英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、ポルトガル、オランダ、ベルギー、オーストリアの10ヵ国の合計、会社調べ

アジア
アジア地域主要国の2014年(暦年)二輪車総需要(注)は、約4,160万台と前年にくらべ約1%の増加となりました。
国別の市場状況は、インドではスクーターセグメントの拡大などにより、約1,602万台と前年にくらべ約12%の増加、中国では約1,065万台と前年にくらべ約8%の減少、インドネシアでは約786万台と前年にくらべ約2%の増加、ベトナムでは約271万台と前年にくらべ約3%の減少、タイでは約170万台と前年にくらべ約15%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、インドにおける「ACTIVA(アクティバ)」などのスクーターモデルの大幅な増加や、小型モーターサイクル「CB Shine(シービーシャイン)」、「DREAM Yuga(ドリーム ユーガ)」の好調な販売、ベトナムにおける「Wave(ウェイブ)」シリーズの好調な販売などにより、847万8千台と前連結会計年度にくらべ7.9%の増加となりました。なお、持分法適用会社であるインドネシアのピー・ティ・アストラホンダモーターの販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、市場の低迷はあるもののスクーターモデルの好調な販売などにより、約489万台と前連結会計年度にくらべ約3%の増加となりました。

(注) タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インド、パキスタン、中国の8ヵ国の合計、会社調べ

その他の地域
主要市場であるブラジルの2014年(暦年)二輪車総需要(注)は、販売金融における融資の厳格化が継続されたことや経済の悪化による購買意欲の低下の影響などにより、約143万台と前年にくらべ約10%の減少となりました。
その他の地域(南米・中東・アフリカ・大洋州など)における当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルやアルゼンチンにおいて経済の悪化による購買意欲の低下などにより、157万1千台と前連結会計年度にくらべ12.9%の減少となりました。

(注) 出典:ABRACICLO(ブラジル二輪車製造者協会)


(四輪事業)
連結売上台数は、アジア地域で増加したものの、日本で減少したことなどにより、351万3千台と前連結会計年度にくらべ0.5%の減少となりました。四輪事業の外部顧客への売上収益は、為替換算による売上収益の増加影響などにより、9兆6,033億円と前連結会計年度にくらべ4,245億円、4.6%の増収となりました。なお、販売価格の変動が売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約1,079億円、約1.2%の減収と試算されます。セグメント間取引を含む四輪事業の売上収益は、9兆7,578億円と前連結会計年度にくらべ5,085億円、5.5%の増収となりました。
営業費用は、9兆4,781億円と前連結会計年度にくらべ6,899億円、7.9%の増加となりました。売上原価は、為替影響などにより、7兆6,418億円と前連結会計年度にくらべ4,919億円、6.9%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、品質関連費用の増加や為替影響などにより、1兆3,377億円と前連結会計年度にくらべ1,974億円、17.3%の増加となりました。品質関連費用には、エアバッグインフレーターに関連する費用などが含まれています。研究開発費は、4,984億円とほぼ前連結会計年度並みとなりました。
営業利益は、コストダウン効果や為替影響などはあったものの、品質関連費用を含む販売費及び一般管理費の増加などにより、2,797億円と前連結会計年度にくらべ1,814億円、39.3%の減益となりました。

各カテゴリ別の販売台数構成比は概ね以下のとおりです。(小売販売台数ベース)
パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):前連結会計年度58%、当連結会計年度58%
( 「アコード」 、 「アコード ハイブリッド」 、 「アメイズ」 、 「ブリオ」 、 「ブリオ アメイズ」 、 「ブリオ サティヤ」 、 「シティ」 、 「シビック」 、 「シビック ツアラー」 、 「クライダー」 、 「CR-Z」 、 「フィット(ジャズ)」 、 「フィット(ジャズ) ハイブリッド」 、 「フィット シャトル」 、 「フィット シャトル ハイブリッド」 、 「フリード」 、 「フリード ハイブリッド」 、 「フリード スパイク」 、 「フリード スパイク ハイブリッド」 、 「グレイス ハイブリッド」 、 「ホンダ モビリオ」 、 「インサイト」 、 「ジェイド」 、 「ジェイド ハイブリッド」 、 「レジェンド ハイブリッド」 、 「スピリア」 、 「ストリーム」 、 「アキュラ ILX」 、 「アキュラ RLX」 、 「アキュラ TLX」 )

ライトトラック(SUV・ミニバン等):前連結会計年度32%、当連結会計年度33%
( 「クロスツアー」 、 「CR-V」 、 「エリシオン」 、 「オデッセイ」 、 「パイロット」 、 「リッジライン」 、 「ステップワゴン」 、 「ヴェゼル(HR-V)」 、 「ヴェゼル ハイブリッド」 、 「XR-V」 、 「アキュラ MDX」 、 「アキュラ RDX」 )

軽自動車:前連結会計年度10%、当連結会計年度9%
( 「アクティ」 、 「ライフ」 、 「N ボックス」 、 「Nボックス+(プラス)」 、 「Nボックス スラッシュ」 、 「N-ONE」 、 「N ワゴン」 、 「バモス」 )

カテゴリ別の収益性を決定する要因はさまざまですが、販売価格は重要な要素の一つと考えています。上記カテゴリごとの販売価格については、各モデルによって異なるものの、全体的には、ライトトラックは比較的高く、軽自動車は比較的低い傾向があります。
車両の貢献利益も各モデルによって異なりますが、一般的にライトトラックは販売価格が高いことから貢献利益も高く、軽自動車は販売価格が低いことから貢献利益も低い傾向があります。例えば、当社グループの主要な販売地域である日本市場と米国市場における、当連結会計年度のカテゴリ別の貢献利益は、ライトトラックは全カテゴリ平均より約40%高く、パッセンジャーカーは約10%低く、軽自動車は約50%低いと試算されます。上記の貢献利益は売上収益から販売量に比例して発生すると考えられる材料費を控除した金額の台当たり金額と定義して算定したものです。


日本
日本の2014年度四輪車総需要(注1)は、消費税率引上げやそれに伴う駆け込み需要の反動の影響などにより、約529万台と前年度にくらべ、約7%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数(注2)は、「GRACE(グレイス)」などの新車投入効果や、「VEZEL(ヴェゼル)」、「N-WGN(エヌワゴン)」の好調な販売はあったものの、消費税率引上げやそれに伴う駆け込み需要の反動の影響、届出車市場の競争激化などにより、69万6千台と前連結会計年度にくらべ11.7%の減少となりました。
当連結会計年度の日本での生産台数は、国内の販売台数減少の影響などにより、86万8千台と前連結会計年度にくらべ、7.4%の減少となりました。

(注) 1 出典:JAMA(日本自動車工業会:登録車+軽自動車)
2 当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジットが、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して販売された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていません。

北米
主要市場である米国の2014年(暦年)四輪車総需要(注)は、雇用状況の改善や個人消費の安定的な成長の持続など、経済が堅調に推移したこと、ガソリン価格低下の影響によりライトトラックが大幅に増加したことなどにより、約1,652万台と前年にくらべ約6%の増加となりました。
当連結会計年度の北米地域での連結売上台数は、「アキュラ TLX」の投入効果や「FIT(フィット)」のフルモデルチェンジ効果などはあったものの、乗用車セグメントの競争激化や米国西海岸港湾ストライキの影響などにより、175万台と前連結会計年度にくらべ0.2%の減少となりました。
当連結会計年度の生産台数は米国西海岸港湾ストライキの影響はあったものの、メキシコ新工場の生産台数の増加などにより、181万台と前連結会計年度にくらべ1.8%の増加となりました。

(注) 出典:Autodata

欧州
欧州の2014年(暦年)四輪車総需要(注)は、景気持ち直しの動きをうけて約1,300万台と前年にくらべ約5%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「JAZZ(ジャズ)」の販売台数の減少などにより、16万1千台と前連結会計年度にくらべ5.8%の減少となりました。
当連結会計年度の英国工場での生産台数は、11万5千台と前連結会計年度にくらべ14.2%の減少となりました。

(注) 出典:ACEA(欧州自動車工業会)乗用車部門(EU28ヵ国+EFTA3ヵ国)、ロシア除く


アジア
アジア地域主要国の2014年(暦年)四輪車総需要は、インドでは景気持ち直しの影響を受けて回復したものの、タイでは景気が弱い動きとなったことなどにより、約686万台(注1)と前年にくらべ約4%の減少となりました。中国の2014年(暦年)四輪車総需要は、約2,349万台(注2)と前年にくらべ約7%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数の合計は、インドネシアにおける「Honda MOBILIO(ホンダ モビリオ)」や「HR-V」の投入効果、インドにおけるディーゼルエンジン搭載モデルを追加した「CITY(シティ)」のフルモデルチェンジ効果や「Honda MOBILIO(ホンダ モビリオ)」の投入効果などにより、63万7千台と前連結会計年度にくらべ20%の増加となりました。
なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、「FIT(フィット)」のフルモデルチェンジ効果や、「VEZEL(ヴェゼル)」、「XR-V」の投入効果などにより、78万9千台と前連結会計年度にくらべ1.1%の増加となりました。
アジアの連結子会社の当連結会計年度の生産台数は、69万7千台(注3)と前連結会計年度にくらべ18.5%の増加となりました。
なお、中国の持分法適用会社である東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の当連結会計年度の生産台数は81万台と前連結会計年度にくらべ0.2%の増加となりました。

(注) 1 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、台湾、インド、パキスタンの8ヵ国の合計、会社調べ
2 出典:中国汽車工業協会
3 中国、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、台湾、インド、パキスタンの9ヵ国の合計

その他の地域
主要市場であるブラジルの2014年(暦年)の四輪車総需要は、約333万台(注)と前年にくらべ約7%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルでは「HR-V」の投入効果などにより増加したものの、アルゼンチンなどにおける減少により、26万9千台と前連結会計年度にくらべ5.9%の減少となりました。
当連結会計年度のブラジル工場での生産台数は、13万4千台と前連結会計年度にくらべ1%の増加となりました。

(注) 出典:ANFAVEA(ブラジル自動車製造業者協会:乗用車+軽商用車)


(金融サービス事業)
当社グループは、製品販売のサポートを主な目的として、日本・米国・カナダ・英国・ドイツ・ブラジル・タイにある金融子会社を通じて、顧客に対する金融サービス(小売金融、オペレーティング・リースおよびファイナンス・リース)および販売店に対する金融サービス(卸売金融)を提供しています。

金融サービスに係る債権およびオペレーティング・リース資産残高の合計は、9兆189億円と前連結会計年度末にくらべ1兆2,403億円、15.9%の増加となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度末にくらべ約2,578億円、約3.3%の増加と試算されます。
金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、オペレーティング・リース売上の増加や為替換算による売上収益の増加影響などにより、1兆5,555億円と前連結会計年度にくらべ2,295億円、17.3%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約1,065億円、約8.0%の増収と試算されます。セグメント間取引を含む金融サービス事業の売上収益は、1兆5,679億円と前連結会計年度にくらべ2,301億円、17.2%の増収となりました。
営業費用は、1兆3,653億円と前連結会計年度にくらべ2,103億円、18.2%の増加となりました。売上原価は、オペレーティング・リース売上の増加に伴う費用の増加や為替影響などにより、1兆2,718億円と前連結会計年度にくらべ2,030億円、19.0%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、934億円と前連結会計年度にくらべ72億円、8.4%の増加となりました。
営業利益は、増収に伴う利益の増加や為替影響などにより、2,025億円と前連結会計年度にくらべ198億円、10.9%の増益となりました。

(汎用パワープロダクツ事業及びその他の事業)
汎用パワープロダクツ事業の連結売上台数は、欧州地域で増加したものの、アジア地域で減少したことなどにより、598万3千台と前連結会計年度にくらべ0.6%の減少となりました。汎用パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、汎用パワープロダクツ事業の連結売上台数の減少などはあったものの、為替換算による売上収益の増加影響などにより、3,225億円と前連結会計年度にくらべ104億円、3.4%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約20億円、約0.7%の減収と試算されます。セグメント間取引を含む汎用パワープロダクツ事業及びその他の事業の売上収益は、3,469億円と前連結会計年度にくらべ90億円、2.7%の増収となりました。
営業費用は、3,507億円と前連結会計年度にくらべ160億円、4.8%の増加となりました。売上原価は、為替影響などにより、2,654億円と前連結会計年度にくらべ139億円、5.5%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、554億円と前連結会計年度にくらべ21億円、4.1%の増加となりました。研究開発費は、299億円とほぼ前連結会計年度並みとなりました。
汎用パワープロダクツ事業及びその他の事業の営業損失は、その他の事業に関する費用の増加や為替影響などにより、38億円と前連結会計年度にくらべ69億円の減益となりました。

日本
当連結会計年度の連結売上台数は、発電機などが減少したものの、OEM(注)向けエンジンが増加したことなどにより、33万8千台と前連結会計年度にくらべ7.6%の増加となりました。

(注) OEM:Original Equipment Manufacturer
相手先ブランドで販売される商品や、その部品などの受託生産のこと

北米
当連結会計年度の連結売上台数は、除雪機などの増加はあったものの、OEM向けエンジンや発電機が減少したことなどにより、270万5千台と前連結会計年度にくらべ0.5%の減少となりました.

欧州
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンや芝刈機の増加などにより、109万1千台と前連結会計年度にくらべ5.8%の増加となりました。

アジア
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンや水ポンプの減少などにより、138万2千台と前連結会計年度にくらべ6.9%の減少となりました。

その他の地域
当連結会計年度の連結売上台数は、南米における水ポンプやOEM向けエンジンの減少などにより、46万7千台と前連結会計年度にくらべ0.4%の減少となりました。

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
(エアバッグインフレーターに関連する損失)
当社および連結子会社は、エアバッグインフレーターに関連し、主に北米および日本において、リコールおよびSIC(注)を実施しています。当該案件について、当連結会計年度における製品保証引当金繰入額は1,200億円であり、その主な市場措置についての説明は、以下のとおりです。
2014年6月、当社および連結子会社は、運転者席側および助手席側のエアバッグ展開時にインフレーター内圧が異常上昇し、インフレーター容器が破損して飛び散るおそれがある問題に関連して、一部の車種を対象としたリコールおよびSICを実施し、2014年12月に当該市場措置の対象範囲を拡大しました。
なお、当社および連結子会社は、2015年5月以降のお取引先様とNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)との合意内容に基づいた運転者席側および助手席側のエアバッグインフレーターに関連した市場措置範囲の拡大を決定し、当連結会計年度において反映しています。
対象となった車種は、「アコード」、「シティ」、「シビック」、「CR-V」、「エレメント」、「フィット(ジャズ)」、「ホンダ モビリオ」、「オデッセイ」、「パイロット」、「リッジライン」、「ストリーム」、「アキュラ MDX」、「アキュラ TL/CL」等です。運転者席側について当該市場措置の対象となったものは約905万台であり、助手席側について当該市場措置の対象となったものは約919万台です。

(注) SIC: 北米地域におけるセーフティ インプルーブメント キャンペーン、日本における全数回収調査 等

(3) 特に重要な見積りを伴う会計方針について

特に重要な見積りを伴う会計方針とは、本質的に不確実性があり、次連結会計年度以降に変更する可能性がある事項、または当連結会計年度において合理的に用いうる他の見積りがあり、それを用いることによっては財政状態および経営成績に重要な相違を及ぼすであろう事項の影響に関して見積りを行う必要がある場合に、最も困難で主観的かつ複雑な判断が要求されるものです。また、当社および連結子会社をとりまく市場の動向や為替変動などの経済情勢により、これらの見積りの不確実性は増大します。
次に挙げるものは、当社および連結子会社のすべての会計方針を包括的に記載するものではありません。当社および連結子会社の重要な会計方針は、連結財務諸表注記の「3 重要な会計方針」に記載されています。
連結財務諸表に関して、認識している特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりです。

(製品保証)
当社および連結子会社は、特定の期間、製品に保証を付与しているとともに、必要に応じて主務官庁への届出等に基づいて個別に無償の補修を行っています。製品保証は、製品の種類、販売地域の特性およびその他の要因に応じて異なります。
製品保証引当金には、保証書に基づく無償の補修費用、主務官庁への届出等に基づく個別の無償補修費用が含まれます。保証書に基づく無償の補修費用は、製品を販売した時点で認識しており、主務官庁への届出等に基づく新規の保証項目に関連する費用については、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を認識しています。製品保証引当金は、過去の補修実績、過去の売上実績、予測発生台数および予測台当たり補修費用等を含む将来の見込みに基づいて見積り、計上しています。当社および連結子会社の製品の構成部品の一部は、部品供給会社によって製造され、部品取引基本契約書に基づき、当社および連結子会社に対し、保証されています。
当社は、見積りの変化が親会社の所有者に帰属する当期利益に重要な影響を及ぼす可能性があり、本質的に不確実な将来のクレームの頻度と金額を見積ることが必要となるため、製品保証引当金に関する見積りを、「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。
当社および連結子会社は、製品保証引当金が適切かどうかを常に確認しています。したがって、発生が見込まれる製品保証に関連する費用について、必要十分な金額を引当計上していると考えています。
実際の発生は、それらの見積りと異なることがあり、引当金の計上金額が大きく修正される可能性があります。

製品保証引当金の増減および売上収益は、以下のとおりです。
前連結会計年度
(自 2013年4月1日
至 2014年3月31日)
(百万円)
当連結会計年度
(自 2014年4月1日
至 2015年3月31日)
(百万円)
製品保証引当金
期首残高212,824274,231
繰入額(注)168,994295,035
取崩額△104,396△156,787
戻入額△13,210△12,171
在外営業活動体の為替換算差額10,01921,215
期末残高274,231421,523
売上収益12,506,09113,328,099

(注) 前連結会計年度および当連結会計年度における繰入額は、主に四輪事業における主務官庁への届出等に基
づく無償の補修費用によるものです。

(クレジット損失)
当社の金融子会社は、製品の販売をサポートするために、顧客に対する金融サービス(小売金融、オペレーティング・リースならびにファイナンス・リース)および販売店に対する金融サービス(卸売金融)を提供しています。当社は、顧客に対する金融サービスのうち、小売金融およびファイナンス・リースに係る債権(以下「顧客に対する金融債権」という。)を金融サービスに係る債権に含めており、オペレーティング・リースをオペレーティング・リース資産として区分掲記しています。また、販売店に対する金融債権を金融サービスに係る債権に含めています。
クレジット損失は、金融サービスに係る債権に対して見積られる費用です。信用リスクの大部分は、顧客に対する金融債権に関して発生しており、一般的な経済動向によって影響を受けることがあります。失業率の上昇などの経済情勢悪化は貸倒れのリスクを高め、中古車価格の下落は、担保の回収による補填金額を減少させる可能性があります。当社の金融子会社は、信用リスクに影響を与えると考えられる審査基準のモニタリングおよび見直し、見積損失を考慮した契約金利の設定、損失を最小化する回収努力を通じ顧客に対する金融債権に係る信用リスクに対処しています。
また、当社の金融子会社はオペレーティング・リースの貸手として、オペレーティング・リースの借手の信用リスクにさらされています。オペレーティング・リースの一部は、リースの借手が債務不履行に陥った場合、リース期間満了前に終了することが見込まれます。通常、顧客の不払いによるリース資産の損失は、回収車両の処分によって実現します。オペレーティング・リースの信用リスクに影響を与える要因および信用リスクに対する管理方法は、顧客に対する金融債権と同様です。
販売店に対する金融債権に係る信用リスクは、販売店の財務体質、担保の価値、販売店の信用力に影響を与える可能性のある経済要因などにより影響を受けます。当社の金融子会社は、融資前に実施する販売店の財務体質の包括的な審査、支払実績と既存の融資に対する弁済能力の継続的なモニタリングなどを通じ、直面する信用リスクに対処しています。
当社の金融子会社は、金融サービスに係る債権の見積損失額をクレジット損失引当金として計上しています。支払期日を過ぎたオペレーティング・リース料に係る見積損失額については、クレジット損失引当金として計上しています。当社の金融子会社は、少なくとも四半期に一度、これらの見積りを評価しています。
顧客に対する金融債権は、集合的に損失を見積っています。当社の金融子会社は、支払延滞と貸倒実績を継続的にモニタリングしており、それらの実績はクレジット損失引当金の見積りの重要な構成要素となっています。当社の金融子会社は、クレジット損失引当金を見積る際に、過去の損失実績や延滞状況の推移分析などを含む様々な手法を使用します。これらの手法は、製品価格に占める融資金額の比率、社内および社外のクレジットスコア、担保の形態などのポートフォリオの特性を考慮しています。また、中古車価格、失業率、消費者の債務返済負担などの経済要因についても、将来の延滞や損失を見積る際に考慮しています。オペレーティング・リース資産の早期処分に伴う損失についても顧客に対する金融債権と同様に集合的に損失を見積っています。
販売店に対する金融債権の損失を個別に認識する場合は、販売店ごとに見積っています。当社の金融子会社は契約期間内で全額を回収することが不可能であると判断した場合、損失が発生すると考え、クレジット損失引当金を計上しています。また、損失の兆候があるか否かは、販売店の支払実績、支払能力、財政状態および経営成績などに基づいて評価しています。個別に損失の認識をしていない債権については、集合的に損失を見積っています。
当社は、基本的に不確実な要因に基づいて重要な判定を行わなければならないため、クレジット損失引当金およびオペレーティング・リース資産の減損損失に関する会計上の見積りが「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。当社の金融子会社は、クレジット損失引当金およびオペレーティング・リース資産の減損損失が適切かどうかを定期的に確認しています。これらの見積りは、報告期間の期末日時点で利用可能な情報に基づいていますが、実際に発生する損失は、前提条件の変化により、当初の見積りと異なることがあります。
引当金計算の影響度に関して、引当金計算における主な前提条件の1つの変化が、クレジット損失引当金の繰入額および引当金残高にどのくらい影響を及ぼすかについては、もし、当社の金融子会社の金融サービスに係る債権において、当連結会計年度のクレジット損失(回収分控除後)が10%増加した場合、クレジット損失引当金繰入額およびクレジット損失引当金残高は、それぞれ約43億円、約25億円の増加となります。これらの影響度は、あくまでも試算ベースであり、当連結会計年度に関してのものです。


クレジット損失の増減に関する追加説明
当社の金融子会社における、金融サービスに係る債権に関するクレジット損失の引当金は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
小売金融
(百万円)
ファイナンス・リース
(百万円)
卸売金融
(百万円)
合計
(百万円)
クレジット損失引当金
期首残高18,5287881,27820,594
繰入額18,6883111,16520,164
クレジット損失△25,610△574△112△26,296
回収9,68194119,786
在外営業活動体の為替換算差額68317252952
期末残高21,9706362,59425,200
金融サービスに係る債権期末残高4,563,700330,087496,8995,390,686
金融サービスに係る債権平均残高4,180,635347,768465,4564,993,859
クレジット損失(回収分控除後)/
金融サービスに係る債権平均残高
0.38%0.14%0.02%0.33%
クレジット損失引当金/
金融サービスに係る債権期末残高
0.48%0.19%0.52%0.47%


当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
小売金融
(百万円)
ファイナンス・リース
(百万円)
卸売金融
(百万円)
合計
(百万円)
クレジット損失引当金
期首残高21,9706362,59425,200
繰入額18,213349△20218,360
クレジット損失△26,673△620△385△27,678
回収9,101131279,259
在外営業活動体の為替換算差額383△144△103
期末残高22,6494991,89025,038
金融サービスに係る債権期末残高4,901,918260,543556,7355,719,196
金融サービスに係る債権平均残高4,732,809295,315526,8175,554,941
クレジット損失(回収分控除後)/
金融サービスに係る債権平均残高
0.37%0.17%0.07%0.33%
クレジット損失引当金/
金融サービスに係る債権期末残高
0.46%0.19%0.34%0.44%


当社の金融子会社における、顧客の不払いに伴う、オペレーティング・リースに係る損失の実績は、以下のとおりです。
前連結会計年度
(自 2013年4月1日
至 2014年3月31日)
(百万円)
当連結会計年度
(自 2014年4月1日
至 2015年3月31日)
(百万円)
支払期日を過ぎたオペレーティング・リース料に係る
クレジット損失引当金繰入額
1,7041,869
オペレーティング・リース資産の早期処分に伴う損失3,3044,077


当連結会計年度における前連結会計年度との比較
当社の金融子会社における、当連結会計年度のクレジット損失引当金繰入額は、北米地域において金融サービスに係る債権の新規取得額が減少したことなどにより、前連結会計年度にくらべ18億円、8.9%減少しました。クレジット損失(回収分控除後)は、為替影響などにより、前連結会計年度にくらべ19億円、11.6%増加しました。また、オペレーティング・リース資産の早期処分に伴う損失は、北米地域においてオペレーティング・リース資産が増加したことや為替影響などにより、前連結会計年度にくらべ7億円、23.4%増加しました。

(リース残価損失)
当社の北米地域の金融子会社は、リース開始時において、過去の実績および第三者機関のデータを考慮に入れた将来の中古車価格の見積りに基づいて、リース車両の契約上の残存価額を設定しています。車両をリースしている顧客は、リース期間満了時において、そのリース車両を契約上の残存価額で買い取るか、もしくは販売店に返却する選択権を持っています(リース期間満了前にリース車両を買い取る場合は、契約上の未払残高で買い取ります)。リース車両を返却された販売店は、リース期間満了時に顧客から返却されたリース車両を契約上の残存価額で買い取るか、市場価格で買い取る選択権を持っています(リース期間満了前にリース車両を買い取る場合は、契約上の未払残高で買い取ります)。リース車両を返却された販売店がリース車両を買い取らなかった場合は、市場のオークションによってリース車両を売却します。リース期間が満了し、当社の北米地域の金融子会社にリース車両が返却された際に、リース車両の売却額が契約上の残存価額を下回っている場合、その差額が損失となるリスクがあります。
当社の北米地域の金融子会社は、少なくとも四半期に一度、見積残存価額を見直しています。リース残価損失の見積りは以下の2つの重要な構成要素に基づき行っています。
① 予測リース車両返却率、すなわちリース期間満了時に、顧客から金融子会社に返却されると予測されるリース車両の割合
② 予測リース残価損失の金額、すなわち見積残存価額と、車両売却金額との差額
また、新車および中古車の市場価格の傾向および一般的な経済指標等を含む上記以外のさまざまな要素も勘案してリース残価損失を見積っています。
オペレーティング・リースについては、見積残存価額の修正をオペレーティング・リース資産の減価償却費として、残存リース期間にわたり均等償却しています。また、ファイナンス・リースについては、リース残価損失の計上が必要なことを示す客観的な証拠が存在すると考えられる場合に、見積損失のうち残存価額の未補償部分の減額修正をリース残価損失として、その期間に計上しています。
当社の北米地域の金融子会社は、オペレーティング・リース資産の帳簿価額の回収可能性については、疑義を生じさせる事象の発生および状況変化がある場合、減損の判定を行っています。減損が発生していると考えられる場合、帳簿価額のうち回収可能価額を上回る金額を減損損失として認識します。なお、前連結会計年度および当連結会計年度においてオペレーティング・リース資産の帳簿価額の回収可能性について疑義を生じさせる事象の発生および状況変化はありません。
市場の変動に影響を受けやすいこと、本質的に不確定な将来の経済状況およびリース残存価額についての仮定を要求されることから、当社は、当該リース残価損失および減損損失に関する会計上の見積りを、「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。当社および当社の金融子会社は、現在使用している仮定は妥当であると考えています。しかしながら、実際に発生するリース残価損失および減損損失は、前提条件の変化により、当初の見積りと異なることがあります。
当連結会計年度の当社の北米地域のオペレーティング・リースに関して、他の条件は一定とみなして、販売店で扱っているすべての車両の将来の中古車価格が現在の見積りよりも、それぞれ約1万円下落した場合、減価償却費は、残存リース期間において、約50億円の増加となります。また、当連結会計年度末の販売店で扱っているすべてのリース車両についての将来の返却率が現在の見積りより1%増加した場合、減価償却費は、残存リース期間において、約7億円の増加となります。同様の条件で、ファイナンス・リースに関して、中古車価格が約1万円下落した場合、リース残価損失は、約1億円の増加となります。また、返却率が1%増加した場合、リース残価損失に与える影響は軽微です。これらの影響度は、あくまでも試算ベースであり、当連結会計年度に関してのものです。また、中古車価格が下落した場合、返却率が増加する可能性が高いため、影響度が変化する可能性があります。


(退職後給付)
当社および連結子会社は、各種退職給付および年金制度を有しており、ほぼすべての日本における従業員および一部の海外の従業員を対象としています。当社および連結子会社は、確定給付制度債務および確定給付費用を、割引率や昇給率などのさまざまな仮定に基づいて算出しています。割引率は、確定給付制度債務と概ね同じ支払期日を有し、支払見込給付と同じ通貨建ての優良社債の報告期間の期末日時点における市場利回りに基づいて決定しています。昇給率については、直近の見通しと実績を反映しています。当連結会計年度末の国内制度における割引率および昇給率は、それぞれ1.0%、2.1%であり、海外制度における割引率および昇給率は、それぞれ3.4%~3.9%、2.5%~3.6%です。
当社は、見積りの変化が当社および連結子会社の財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があることから、確定給付制度債務および確定給付費用に関する会計上の見積りが「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。
当社および連結子会社は、現在使用している仮定は妥当であると考えています。しかしながら、仮定の変更は将来の確定給付費用、確定給付制度債務および制度への必要拠出額に影響を与える可能性があります。また、実際の結果は、当社および連結子会社の仮定と異なることがあり、当該差異は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振替えています。
割引率が変動した場合の確定給付制度債務に与える影響額については、連結財務諸表注記の「18 従業員給付 (1) 退職後給付 ④ 感応度分析」を参照ください。

(繰延税金資産)
繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しています。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得およびタックス・プランニングを考慮しています。
当社は、繰延税金資産に関する会計処理が、基本的に不確実な、将来課税所得や事業計画の評価や見積りを伴うため、「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。
当社および連結子会社は、過去の課税所得水準および繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、移行日、前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産は、回収される可能性が高いものと考えていますが、当社および連結子会社をとりまく市場の動向や為替変動などの経済情勢により、将来課税所得の予測の不確実性は増大します。


(4) 流動性と資金の源泉

(資金需要、源泉、使途に関する概要)
当社および連結子会社は、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持および健全なバランスシートの維持を財務方針としています。当社および連結子会社は、主に二輪車、四輪車および汎用パワープロダクツの製造販売を行うとともに、製品の販売をサポートするために、顧客および販売店に対する金融サービスを提供しています。生産販売事業における主な運転資金需要は、製品を生産するために必要となる部品および原材料や完成品の在庫資金のほか、販売店向けの売掛金資金です。また設備投資資金需要のうち主なものは、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充のための必要資金です。
生産販売事業における必要資金については、主に営業活動から得られる資金および銀行借入金などによりまかなっており、現在必要とされる資金水準を十分確保していると考えています。これら生産販売事業の資金調達に伴う当連結会計年度末の債務残高は5,926億円となっています。また、顧客および販売店に対する金融サービスでの必要資金については、主にミディアムタームノート、銀行借入金、金融債権の証券化、コマーシャルペーパーの発行および社債の発行などによりまかなっています。これら金融子会社の資金調達に伴う当連結会計年度末での債務残高は6兆6,498億円となっています。
当社および連結子会社の借入必要額に、重要な季節的変動はありません。

(流動性)
当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物1兆4,717億円は、主に米ドル建てと円建てを中心としていますが、その他の外貨建てでも保有しています。
当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、売上収益の約1.3ヵ月相当の水準となっており、当社および連結子会社の事業運営上、十分な流動性を確保していると考えています。
しかしながら、景気後退による市場の縮小や金融市場・為替市場の混乱などにより、流動性に一部支障をきたす場合も考えられます。このため、特に1兆6,909億円の短期債務を負う金融子会社では、継続的に債務を借り換えしているコマーシャルペーパーについて、代替流動性として合計1兆1,665億円相当の契約信用供与枠(コミットメントライン)を保有しています。さらに、有価証券報告書提出日(2015年6月26日)現在、当社および連結子会社は世界的に有力な銀行と契約に基づかない信用供与限度額を十分に設定しています。
当社および連結子会社の当連結会計年度末の資金調達に係る債務は、主に米ドル建てを中心としていますが、円建てやその他の外貨建てでも保有しています。
資金調達に係る債務の追加情報については、連結財務諸表注記の「15 資金調達に係る債務」および「25 金融リスク管理」を参照ください。
また、当社および連結子会社が発行する短期および長期債券は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード・アンド・プアーズおよび格付投資情報センターなどから、2015年3月31日現在、以下の信用格付を受けています。

信用格付
短期格付長期格付
ムーディーズ・インベスターズ・サービスP-1A1
スタンダード・アンド・プアーズA-1A+
格付投資情報センターa-1+AA


なお、これらの信用格付は、当社および連結子会社が格付機関に提供する情報または格付機関が信頼できると考える他の情報に基づいて行われるとともに、当社および連結子会社の発行する特定の債券に係る信用リスクに対する評価に基づいています。各格付機関は当社および連結子会社の信用格付の評価において異なった基準を採用することがあり、かつ各格付機関が独自に評価を行っています。これらの信用格付はいつでも格付機関により改訂または取り消しされることがあります。また、これらの格付は債券の売買・保有を推奨するものではありません。


(5) 簿外取引

(貸出コミットメント)
当社および連結子会社は、販売店に対する貸出コミットメント契約に基づき、貸付金の未実行残高を有しています。当連結会計年度末において、販売店への保証に対する割引前の将来最大支払額は、1,389億円です。これらの貸出コミットメント契約には、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれているため、必ずしも貸出実行されるものではありません。

(従業員の債務に対する保証)
当社および連結子会社は、当連結会計年度末において、従業員のための銀行住宅ローン221億円を保証しています。従業員が債務不履行に陥った場合、当社および連結子会社は、保証を履行することを要求されます。債務不履行が生じた場合に、当社および連結子会社が負う支払義務の割引前の金額は、当連結会計年度末において、上記の金額です。2015年3月31日現在、従業員は予定された返済を行えると考えられるため、当該支払義務により見積られる損失はありません。

(6) 契約上の債務

当連結会計年度末における契約上の債務は、以下のとおりです。
期間別支払金額(百万円)
合計1年以内1~3年3~5年それ以降
資金調達に係る債務6,988,6332,910,7622,747,4981,159,255171,118
その他の金融負債181,40797,77935,38133,09215,155
解約不能なオペレーティング・リースに係る将来最低支払リース料93,53821,17826,80814,10431,448
発注残高およびその他契約残高(注1)131,84387,18528,91514,922821
確定給付制度への拠出(注2)77,18177,181
合計7,472,6023,194,0852,838,6021,221,373218,542

(注) 1 当社および連結子会社の発注残高は、設備投資に関するものです。
2 2016年度以降の拠出額は未確定であるため、確定給付制度への拠出は、次連結会計年度に拠出するもののみ記載しています。

(7) 市場リスクに関する定量および定性情報の開示

連結財務諸表注記の「25 金融リスク管理 (2)市場リスク」を参照ください。

研究開発活動株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02166] S100577O)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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