シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10083S6

有価証券報告書抜粋 東京地下鉄株式会社 対処すべき課題 (2016年3月期)


業績等の概要メニュー事業等のリスク

当社グループは、グループ理念「東京を走らせる力」の実現を目指して、経営戦略及び中期経営計画に基づき、安全・安心、快適、便利で効率的な輸送サービスを提供することで、高い顧客満足度の獲得を目指すとともに、関連事業の積極的展開、さらには社会との調和の実現に向けて取り組むことで、持続的な企業価値の向上を目指しています。
基幹事業である鉄道事業については、「安心=安全+サービス」の考えのもと、その使命である安全確保に向けた施策の遂行はもとより、首都直下地震等に備えた自然災害対策の推進や、広域鉄道ネットワークの充実等、さらなる安全の確保やお客様視点に立った質の高いサービスの提供に努めてきました。
しかしながら、2016年4月に半蔵門線九段下駅でお客様がお持ちのベビーカーの一部を挟んだ状態で列車を発車させた上、非常停止措置をとらなかったという事故を起こしました。このような事態を今後発生させないために、事故後直ちに全乗務員に対して再発防止に向けた教育訓練を実施しました。今後も教育訓練の強化を図るとともに、設備補完等による安全対策を講じていきます。また、外部有識者を交えた対策検討体制を確立し、ヒューマンファクターの分析に基づき事故原因の究明を進め、抜本的対策を検討していきます。以上のような全社的な取組を行うことにより、今後とも信頼の回復に向け全力を尽くしていきます。
関連事業については、鉄道事業とのシナジー効果の発揮を基本とし、着実に事業規模を拡大しました。
また、東京2020大会に向け、2013年10月に設置した「2020年東京オリンピック・パラリンピック対策推進本部」を中心に、国や東京都、沿線地域の皆様、他の交通事業者などの関係者と連携し、各種施策に取り組んできました。
その一方で、鉄道事業における自然災害対策や危機管理機能の強化、サービスの向上、人口減少・少子高齢化の進展への対応、関連事業における収益力向上、全事業領域における技術・技能の維持向上・伝承、労務単価や物価の上昇による諸経費の増加への対応等、様々な課題が存在しています。
このような状況を踏まえ、2016年度から2018年度までの3年間については、新たに策定した中期経営計画「東京メトロプラン2018~「安心の提供」と「成長への挑戦」~」に基づき、「世界トップレベルの安心」を世界中から集う全てのお客様にお届けするとともに、「安心の提供」を大前提とした上で、新たな価値を生み出す取組の全てを「成長」と位置付け、各種施策に積極果敢に挑んでいくことで、持続的な企業価値の向上を図っていきます。
「安心」とは、「安全」と質の高い「サービス」の双方がそろって初めてお客様に提供できるものであると考えます。当社グループはこれまでも、安全の確保やサービスの向上に取り組んできましたが、安全性の向上及び鉄道サービス向上への社会的要請の高まりを踏まえ、お客様に地下鉄を安心してご利用いただけるよう、より一層努力していきます。
安全の確保・安全性の向上については、自然災害対策、鉄道の安全・安定運行に向けた取組等を推進していきます。
自然災害対策としては、震度7クラスの地震動にも耐えうる、構造物の補強工事は既に完了していますが、東日本大震災を踏まえ、首都直下地震等に備えた対策として、震災発生時にも早期運行再開ができるよう、高架橋柱をはじめとする構造物の耐震補強工事を推進していきます。また、駅出入口の止水板の改良、腰壁の嵩上げ、出入口の完全防水化を実施するほか、坑口(トンネルの入口部分)等への浸水対策をさらに進めていきます。さらに、停電によって列車が駅間に停止し自力走行不能となった場合に、お客様を駅構内へ迅速に避難誘導するための設備を整備するとともに、最寄駅まで走行するための非常用バッテリーの整備を進めていきます。このほか、事故や災害が発生した際に、お客様への適切な情報提供や避難誘導など迅速に対応できるよう、総合研修訓練センターの模擬駅や訓練線などを活用した実践的な訓練の実施や、多言語による情報提供やご案内の充実に努めていきます。
鉄道の安全・安定運行に向けた取組としては、ホーム上の事故0(ゼロ)達成を目指し、銀座線へのホームドア設置を推進するとともに、日比谷線及び千代田線への設置に向けた工事を実施するなど、全ての路線へのホームドア設置を目指していきます。さらに、新型ホームドア実証試験の結果等を踏まえ、東京2020大会の競技会場最寄駅等の主要駅へのホームドアの先行設置を推進していきます。また、新型車両の導入や既存車両のリニューアル工事等の実施により、より一層の安全性の向上に加え、車両内の快適性及び省エネルギー性の向上を図っていきます。このほか、テロ行為や犯罪に備えた警戒警備やサイバーセキュリティ対策を強化していきます。加えて、総合指令所の機能強化等の施設の更新・機能強化をはじめ、危機管理・安全管理体制の強化等、今後もハード・ソフトの両面からさらなる安全性の向上を目指していきます。
サービスの向上については、輸送サービスの改善、バリアフリー設備整備、銀座線のリニューアル等を推進していきます。
輸送サービスの改善としては、混雑率の緩和が喫緊の課題である東西線において、飯田橋駅~九段下駅間における折返し線の整備、茅場町駅のホーム延伸、木場駅のホーム及びコンコース拡幅や南砂町駅の線路・ホーム増設等の各種改良工事を行うほか、銀座線浅草駅構内の折返し線整備、丸ノ内線方南町駅のホーム延伸による池袋駅~方南町駅間の6両編成列車の直通運行開始に向けた整備、千代田線北綾瀬駅のホーム延伸による10両編成列車の直通運行開始に向けた整備など、各路線において混雑緩和・遅延防止に取り組んでいきます。また、朝の通勤・通学ラッシュ時間帯に加え、夕方の帰宅ラッシュ時間帯や夜間の列車増発等のダイヤ改正により、お客様の利便性向上や輸送の安定化を図っていきます。
バリアフリー設備整備としては、積極的な用地取得等により、エレベーター設置を進めていきます。引き続き全駅でのエレベーターによる1ルート整備に向けて取り組むことに加え、病院に近い駅や東京2020大会の競技会場最寄駅等で複数ルートの整備を推進するほか、当社線内や他社線との乗換ルートへの整備も推進します。また、多機能トイレについても整備を進め、整備率100%を目指していきます。
銀座線のリニューアルとしては、銀座線をより快適にご利用いただけるよう、全駅の改装、1000系車両の導入、ホームドアの設置や駅の大規模改良などを推進していきます。
また、駅や車両内における適時適切な情報提供・ご案内の強化に向けた取組として、旅客案内所の増設、サービスマネージャー配置駅の拡大、車両内ディスプレイの3画面化を進めるほか、快適な駅空間の創出に向け、トイレやベンチのリニューアル・増設などに取り組んでいきます。
さらに、東京の地下鉄サービスの一体化に向けた取組については、東京都交通局と連携し、積極的に推進します。その一環として日比谷線・都営浅草線人形町駅において改札通過サービスを新たに導入するほか、都営地下鉄との乗換駅における乗継ルートへのエレベーター整備を引き続き推進します。このほか、より一層の乗継改善等についても引き続き検討します。
当社グループは、東京圏を事業基盤としており、東京圏の発展や活性化がグループの成長にもつながっていきます。当社グループは、首都東京の都市機能を支えるとともに、沿線地域や関係者との連携を密にすることで、駅周辺や東京の魅力を発掘・発信し、人の動きや集まりを生み出していきます。
多様化・高度化していくお客様のニーズへの対応としては、訪日外国人のお客様向け企画乗車券の販路拡大や外部のシニア会員組織と連携したイベント、プロモーションなどのサービス・商品を提供していきます。加えて、需要創出・マーケティング部を設立することでマーケティング機能を強化し、新たなサービスの提供に向けて、より一層のお客様ニーズの収集・分析に努めていきます。
駅周辺の活性化への取組としては、社員が駅周辺のイベントに参画する「街の御用聞き」プロジェクトなどの施策を展開することで、駅周辺の魅力向上に努めるほか、駅周辺で計画されているまちづくりと一体となった開発を行い、魅力的な都市空間の構築に貢献していきます。
関連事業の拡大としては、事業開発本部を設立し、鉄道事業とのシナジー効果の発揮を基本とし、駅の利便性向上や街の活性化に寄与する不動産開発を推進するほか、駅改良工事等により創出した駅構内のスペースの開発や、従来型売店から「駅ナカ売店型コンビニ」への転換を進め、収益力の向上を図ります。また、デジタルディスプレイ等を活用した新たな広告媒体の開発を推進し、交通広告分野の一層の成長を図るとともに、グループ一体となってクライアントの様々なニーズに応える総合プロモーション機能を強化するなど、交通広告以外の分野での多角的成長を目指していきます。
海外鉄道事業の新たな展開としては、国際業務部を設立し、これまで培った都市鉄道の運営ノウハウを活かした国際貢献を進めるほか、新たな海外都市鉄道ビジネスへの参画に向けた取組を積極的に行っていきます。
新たな事業領域への挑戦や新技術の開発・導入としては、企業価値創造部を設立し、産学連携やオープンイノベーションプログラムなどを通じたベンチャー企業等との外部連携を探りながら、当社の成長に向けた可能性を引き出していくほか、鉄道事業を中心に、安全面、環境面、効率面など、様々な技術の研究及び開発を精力的に進めていきます。さらに、ICT戦略部を設立し、近年発展の目覚ましいICTを、位置測位インフラ整備や東京メトロアプリの拡充など様々な場面で活用し、全てのお客様に、地下鉄をわかりやすく、快適にご利用いただける取組を進めるとともに、効率的な事業運営に役立てていきます。
「安心の提供」及び「成長への挑戦」の実現を確かなものとするために、経営の仕組みの構築、オープンで活き活きとした企業風土づくり、環境保全活動等を推進していきます。
経営の仕組み構築としては、公正で透明性の高い経営の実現を目指し、コーポレートガバナンスの充実、コンプライアンス及びリスクマネジメントの推進、並びに国際調達の拡大に対応する体制の整備にグループ全体で取り組むとともに、種々の災害に対応したBCP(事業継続計画)のより一層の整備とその周知・浸透に引き続き取り組んでいきます。
オープンで活き活きとした企業風土づくりとしては、総合研修訓練センターを活用した組織能力としての「現場力」の向上やグループの発展の実現を担う人材の育成を推進するとともに、経営層と社員のコミュニケーションを目的としたミーティングや、社内提案制度を充実させていきます。また、働き方の見直しとワークライフバランスを推進するとともに、女性及び障がい者の雇用を促進し、ダイバーシティに基づく職場づくりを進めていきます。また、効率的な事業運営を目指し、今後も引き続きICTの活用等によるコスト削減及び生産性向上を着実に進めていきます。
環境保全活動としては、2020年を目標年度とした長期環境戦略に基づき、太陽光発電システムや環境配慮型車両の導入、駅構内照明のLED化などグループ全体での環境施策を展開していきます。
このほか、沿線をはじめとする社会との共生への取組として、社会貢献活動の充実を図っていきます。この活動の一環として、東京マラソンへの協賛や、キッザニア東京へのパビリオン出展を実施したほか、公益財団法人メトロ文化財団と連携し、地下鉄博物館をはじめとした交通文化啓発活動や芸術・文化活動を推進しています。また、これらの活動に対する支援のため、当社は同財団に対し、地下鉄博物館の運営に供する土地として東西線葛西駅周辺の高架下用地を無償で貸し付けているほか、当連結会計年度において5億2千5百万円の寄付を行いました。今後も、同財団が継続的かつ安定的に社会貢献活動を行えるように支援していきます。
当社グループは、グループ理念「東京を走らせる力」を念頭に、中長期的視点で期待される様々な施策を実現していくとともに、新たな価値の創造により、持続的な企業価値の向上を図り、全てのステークホルダーから信頼され、選択され、支持される企業グループを目指していきます。

業績等の概要事業等のリスク


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04153] S10083S6)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。